みなさん、こんにちわ。 看護研究科の大日方さくら(
@lemonkango)です。
今回は「精神的苦痛や不安障害、不安のある患者の看護計画って具体的に何を観察するのか」について解説したいと思います!
周手術期の実習でも、成人看護学や精神看護学実習でも
不安や不安障害、精神的苦痛が生じている患者さんを受け持つ可能性があります。
そんなときに、どのような看護目標が必要で何を観察しなければいけないのか?
身体的に観察される場面が少なく、主にコミュニケーションで観察していく場面が多くあるかと思います。
学生さんは身体的な観察も精神的な部分の観察も
「はっきりと具体的に観察」すると言うことは経験も浅いことから中々難しいことだと思います。 そのため、具体的な観察項目や援助計画を予め立案しておき実習に挑むと入りやすいかと思います。
今回は
精神的苦痛や不安障害、不安のある患者の看護計画について解説したいと思います。
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上記で示したように
精神的苦痛や不安障害、不安のある患者さんへのアセスメントはどの領域でも重要となります。
さらに、実習では身体的部分のみの観察や援助だけではなく
精神面や社会面、終末期では霊的(スピリチュアル)な部分までもアセスメントしていくことになります。
そのためにも精神的な部分の視野を広げ、援助に繋げられるようにしておく必要があります。
こちらを参照⇒
全人的視点にもとづく精神看護過程どうも、
精神的なアセスメントが苦手だなぁって感じる学生さんが多いと思います。
そのためにこの一冊はアセスメントが載っておりますので、そのまま
丸コピできるものとなっています。
前に述べたようにどの領域でも活用できるので是非、購入してみてはいかがでしょうか。
精神的苦痛や不安障害、不安のある患者の看護計画って具体的に何を観察するのかを解説します!
1.そもそも不安ってなに?
不安とは、対象のない茫然とした不快な感情です。
具体的な対象が無いという点で恐怖とは区別されます。 恐怖は近い将来やってくる具体的な外的事象に向けられています。
例えば「手術は成功するだろうか」「急な入院になって、仕事や家庭は大丈夫だろうか?」などです。
一方で不安は、その対象が具体的な何かと特定できないものであり、特定の事象や状況を恐れるかわりに、近い将来起こるとは考えられない可能性の低い危険を想像している場合が多いです。
例えば「将来への不安」「先行きが不明なままで進むことへの不安」「自分ではどうにもならない不可抗力への不安」「取り組まなければならない具体的問題を前にして、うまくいかないのではないかという不安」などです。
よく学生さんが「実習うまくいくかな?
実習を落として留年にならいよね?」という実習前や実習後に感じる事が不安ということになります。
2.精神的苦痛や不安障害、不安のある患者のケアのポイント
☆穏やかな態度、リラックスした態度で接する
☆短く簡潔明瞭に応答する ☆対象者に選択を求めたり、強制することは避ける
☆安全を保証し、伝える などがあります。
しかし上記の内容と別に、さらに
個別具体的な内容が追加されることだけは念頭においておかなければなりません。
例えば、小児の患児を受け持つ場合は、その不安の除去や発達課題の達成のために
「遊びの工夫」を行なっていく必要があります。
成人では
「ゆっくりと想いを表出できるような環境整備」「多少なりとも一人で過ごす時間を確保し想いを見つめ直す場の提供」などが必要になってきます。
母性・産婦人科領域では、死産した産婦や先天性疾患を患ったベビーを抱える母親、マタニティブルーズ、産後うつなどで対応が違ってきます。
対象がどの領域なのかは基本中の基本ですが、しっかりと
「個別具体的」な内容に仕上げる事を忘れないようしましょう。 不安やストレス要因には、根本的な疾患がある場合があります! それが精神科実習でよく出会う、気分障害に関連した疾患や統合失調症の幻聴・妄想などがあります!
これらの疾患を抱えている患者さんを受け持った場合は基本的な看護師の役割は上記と変わりません 基本は「受容と傾聴」になります。 精神科ではさらにプラスして、患者さんに対して絶対にやってはいけない事柄があります。
それは、「何かしら思うことはあっても、指導や教育」はしてはいけない。 という点です。
長い入院生活を送っているであろう患者さんは、学生さんが目につく(気がつく)逸脱行為や認知の歪みは、病棟看護師、医師も気づいて指導や教育を試みています。
それでも改善していなく、学生さんがそれに気付くと言うことは、学生さんが何をやろうともそれは改善しません。
さらに、患者さんはそのことに対して、何度も言われているため、学生から再度言われることに対し自尊心を傷つけ、信頼関係が崩れてしまうこともあります。
当たらず触らず、医療者ー患者の距離感や関係づくりを行えるようにしていく必要がありますのど、そのような場面に出くわした場合は、いろいろな事を学んでみてくださいね!
3.精神的苦痛や不安障害、不安のある患者の看護計画
看護問題 様々な条件や要因による葛藤があり、精神的苦痛や不安、不安障害が起こる可能性がある。
看護目標 患者はストレスに対する自分の行動反応を知り、ストレスに対処する代替方法を身につける
観察項目 (OP)
1 スタッフとの接し方
2 他患者との接し方
3 家族との接し方
4 考えられるストレスの原因やきっかけ
5 今までのコーピング方法
6 表情、言動、行動
7 生理的変化(脈拍、血圧、呼吸、発汗の有無)
8 睡眠状況、日中の活動状況
9 食欲の有無、食事量
10 不安のレベル、不安の因子
11 性格傾向
12家族背景、社会背景、経済背景
13昔の生活歴、職歴
援助計画(TP) 1 感情の表現を助け、患者自身が不安状態について考えられるように援助する
・患者が不安に感じていることを自由に話してもらい、感情を表出できるようにする
・話しは受容的に聞き、道徳的賛否は避ける
・患者にある程度冷静に自分自身を見つめるように促し、不安行動を客観視できるように見守る
2 不安の原因について考えれるように援助する
・不安のために起こっている様々な行動、精神上の変化を一つ一つ取り上げてみるように促す。
・持っている不安を自分がどのような行動で表しているのか考えれるよう促す。
・自分を不安にさせている原因は何か、ストレスの内容を具体的に考えてもらう。
3 患者が穏やかな時に不安を処理する方法について一緒に考える
4 自分自身と自分の能力を現実的に見られるように方向づけし、自己の自身回復を手助けする
教育計画(EP) 1 深呼吸、リラックスが自分でできるように説明・指導する
2 軽い不安は注意力を高め、感覚を鋭くして望ましい変化をもたらすものであると考え、肯定的に受け止めるように説明・指導する。
3 家族にコミュニケーションやそばに居る事、タッチングなどで不安が緩和することを説明する。
4 可能であれば患者や家族に娯楽や気晴らしの方法を見出しやってみることを勧める
5 リラックス法の指導をする
3-1.ストレス 看護問題
医療職も一言で「ストレス」と言葉にしてしまいますが、精神科領域での専門的用語では 非効果的コーピング として言語化されます! その中で、どのような物がストレスとなるのかについて、看護問題を交えながら解説したいと思います!
#自己尊重の低下。
・ 他人に対して不信感があること
・ 援助の必要性を認めることが出来ない事
・ 病気の現状、予後についてのストレス
・ 将来が不確定であることによるストレス
・ 気分を変容させる薬物の使用による感情の変化。
・ ボディイメージの障害。
・ 環境(ICUなど)による感覚器への過負荷によるストレス。
・ 不十分な支援システム。
・ 状況をコントロールできない事
・ 薬物・アルコールの力を借りることなしに ストレス因子の建設的な管理ができない。
になります。
上記の内容が患者さんに当てはまる場合は、しっかりと精神のアセスメントを行い、看護問題として上げるようにしましょう!
精神科的苦痛や不安障害、不安のある患者の看護計画について等、他の看護計画が記載されており、役立つ参考書を下記にてご紹介します!
この参考書は看護学生向きではありませんが、実習などでは看護学生さんが「この疾患はどのような看護計画が主体となるのか」という視点では大いに役立つ一冊になります。
注意点ですが、実習などでこの看護計画を丸写しするのは絶対に止めましょう!看護学生さんがまだ資格も取得されておりませんので、例えば「不安感が増強している際は不安時の頓服を使用していく」などの看護計画に記載した場合、教員や指導者さんから、「これあなたができるの?」とツッコミが入ります。
3-2不安 看護計画 長期目標
実習中、長期目標を解決するのは、困難だと思います。
ですが、学校ごとに、長期・短期目標の設定を行うように指導されている事が多いため、一応、長期目標について解説します
長期目標;不安による機能障害をおこさない
簡単に一言で終わっていますが、この一文を実習記録にそのまま転記しないでくださいね この一文には、「なぜ?」という部分が抜け落ちているので、何のことか分からないのです。
ですので、各患者が「なぜ」不安になっているのかについて記述するようにしましょう!
3-3.入院 ストレス 看護計画
ストレスの患者目標
・ 現状態で可能な気分転換方法を見つけ出す。
・ 可能な気分転換方法を実施し、満足感を得る。
・ 選択した気分転換活動を普段に取り入れ継続する。
・ 症状コントロールを図ることにより、気分転換方法を見出す。
ストレスのの要因
・ 身体運動性の障害により趣味、娯楽活動に参加できない事。
・ 治療の為の制限に伴う生活の単調さ。
・ 固定器具の使用により、通常のレクレーションに参加できない事。
・ 神経障害により趣味、娯楽活動に参加できない事。
・ 疼痛や安静によって制限される生活の単調さ。
・ 視力障害により趣味、娯楽活動に参加できない事。
ストレスの観察計画(OーP)
① 一日の標準的な過ごし方。
② 表情、言動。
③ 精神状態。
④ 活動に対する願望とADLレベルの自立度。
⑤ 趣味。
⑥ ストレッサ―の数、種類、外的要因、内的要因。
⑦ コーピングパターン。
⑧ 面会人の状況。
⑨ 家族の協力状況。
⑩ 同室者との関わり。
⑪ 性格傾向。
⑫ 疼痛の有無と程度。
⑬ 治療計画(安静度と入院期間)
⑭ 嗜好(喫煙、飲酒)
ストレスのケア計画(TーP)
① 環境を調整する。
② 出来る範囲での気分転換活動を工夫する。
③ 患者が興味を持てるものを得る為に、重要他者に連絡を取る。
④ 同室者との良い関係を調整する。
⑤ 家族へ協力を依頼する。
ストレスの教育計画(EーP)
① 気分転換活動の方法を紹介する。
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