精神科標準看護計画 まとめのまとめ 実習でよく出会う疾患の看護計画について - 看護Araira 〜看護実習を楽に!学生さんお助けサイト〜

精神科標準看護計画 まとめのまとめ 実習でよく出会う疾患の看護計画について

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みなさん、こんにちわ。 看護研究科の大日方さくら(@lemonkango)です。

各看護学校で”総論実習”だったり”統合実習”と色々な名称がついていますが、最終学年の山場の実習で各領域別の実習が行われますよね。

その中で、看護学生さんは主に身体面やADLを重視しアセスメント・看護計画を立案していたと思います。
その中で、いきなり精神科の実習に行かされて、どのように日々の実習目標や個別的な看護計画・看護問題を立案していけばよいかすごく迷うかと思います。

もちろん、精神科実習になりますんで例えば#便秘の看護問題を立案して実習に挑めば指導者からツッコミがきます。

「あなたは便秘のみの観察と看護援助しに精神科実習にくたの?」と。

看護学生さんの戸惑いもすごくわかります。 だって今までは身体面を重視しアセスメントや看護を展開してきましたものね。
ですが、各領域の分野はそれぞれの特色と専門性があります。

精神科なら精神科では精神疾患が主に優先順位として実習目標や看護問題が上がってくることは”絶対”です。

今回は、精神科実習でよく出会うであろう各疾患の紹介と標準看護計画について紹介したいと思います。

かなりの長文となっていますが、事前学習や実習などでお役立ちになれることように紹介したいと思いますので、ぜひ最後までご覧になってくださいね♡







それでは下記より精神科実習で出会うであろう疾患の看護計画の例について紹介していきますが、ここで、看護学生さんに役立つであろう参考書を紹介します!



看護学生さんには少し早くより専門的な精神科ならではの法律関係や法律の抜け道などなどグレーゾーンの解説がなされている一冊になります。
将来、精神科に興味がある看護学生さんはぜひ購入することを強くおすすめしますし、プシーとか、精神科看護師なんて役に立たないと小馬鹿にする看護師も世の中には数え切れないほど多いです。

ですが、知識とは宝であり、経験とは人生を豊かにします。知識は多くあることにはデメリットはないです。
看護学生さんはぜひとも一読してみてはと思います!


こちらは、看護学生さんの大いに役立つ、プチナースです!特に精神科実習に特化した雑誌になりますので、精神科実習に不安を感じている看護学生さんはお値段も安いのでぜひ購入をご検討してみてくださいね。

アルコール依存症患者の標準看護計画


【アルコール依存症とは】 
急性アルコール中毒

一時的に大量のアルコールを飲用することによって起こる精神的身体的変化で、素質、飲酒状況、飲酒量などによって症状は異なってくる。

アルコール依存症
アルコールを長期間常用し、精神的、身体的障害を起こし社会適応が出来なくなったにもかかわらず、自分の意思で飲酒を止められず、精神的依存、身体的依存が認められるようになった状態。

アルコール精神病
アルコール依存症を基盤として、せん妄、幻覚、妄想、作話などが出現する精神病を総称してアルコール精神病という。

【症状の特徴】

普通酩酊
日常一般に体験される酩酊であり、アルコールの血中濃度の上昇とともに段階的に進む。アルコールの中枢作用は興奮ではなくて抑制であるが、上位の統制機能が抑制されるため逆に下位機能が開放されて、外見的には軽い興奮が見られる。

気分は高揚し、知的活動は多くなるが、注意は散漫となり思考力は低下する。次第に気分は変動しやすくなり、運動神経も麻痺し舌がもつれ歩行も困難になる。さらに進むと昏睡になる。

病的酩酊
飲酒中ないし飲酒直後に、著明な行動上の変化が出現する。すなわち、当人の非飲酒時には見られない反応で、攻撃的ないし暴力的行動性の亢進を認める。また、その反応の時間や、常軌を逸した行動について追想障害を残している。

病的酩酊には、もうろう型とせん妄型が存在する。もうろう型の場合、気分は不安、苦悶状で疎通性を欠き、せん妄型では、離脱性せん妄に似た運動不安、幻覚を生じる。両者とも、見当識が著しく侵され、周囲の状況の認識を欠く。

複雑酩酊
通常の酩酊から量的に異なる酩酊であり、飲酒中・飲酒直後の興奮が著しく強度で、かつ長い。しばしば粗暴な攻撃行為または性的露出、性的加害行動が行われるが、その行為は状況からある程度理解でき、当人の非飲酒時の性格と全く無関係とは言えない。

身体症状  心筋障害、肝障害、動脈硬化、腎障害、胃炎、胃潰瘍など。

神経症状  瞳孔障害、手指の振戦、多発性神経炎、運動失調、てんかん様発作など。

精神症状  記銘力、判断力、注意力、作業能力の低下。進行すると知能低下も生じてくる。好機嫌で楽天的である反面、抑制がきかなくなり、些細なことで怒りっぽくなり気分は不安定である。意思は薄弱となり、忍耐力、自制力に乏しく、道義的感情、羞恥感情は鈍麻する。

アルコール離脱症状  不安、振戦、異常発汗、発熱、嘔吐、痙攣、意識障害など

振戦せん妄  前駆症状として不眠が起こり、引き続いて夜中などに突然発症する。身体症状としては、四肢及び身体全体の震え、口のもつれ、運動失調、大量の発汗、心悸亢進などが起こる。

【検査】
 1.飲酒の確認
  血中アルコール濃度、呼気中アルコール濃度測定
 2.飲酒に伴う障害の検索
  血液検査、血清電解質検査、肝機能検査、ビリルビン、尿素窒素、クレアチニン、空腹時血糖、プロトロンビン時間他、EEG、CT、MRI
 3.生物学的マーカー
 4.スクリーニングテスト(MAST、KAST)

【治療】
 主体は精神療法(森田療法など)であるが、この他薬物療法(向精神薬、電解質補液、ビタミン剤、抗酒剤など)、個人精神療法、集団精神療法、家族療法などいくつかの治療を組み合わせた多次元的アプローチが必要である。

【急性期の看護】

急性アルコール中毒患者の看護
 1.酩酊状態の患者が搬送されてきたら、付き添い者に倒れていた時の状況、飲酒時間と量、飲酒歴、既往、常用している薬物などを聴取する。
 2.観察は、バイタルサインのチェック、アルコール臭、嘔吐、失禁の有無、外傷・骨折の有無など。
 3.昏睡状態で瞳孔散大、胸式呼吸の低下など危険が迫っている時は、気管挿管や血管確保、酸素吸入、膀胱留置カテーテルなど救急処置介助を行う。体温下降時は保温に注意する。
 4.不穏、興奮が著明な場合は、危険物を除去し、保護観察室使用や身体拘束で安全を図る。

アルコール離脱症状の看護
 1.禁酒後6〜7時間を経て離脱症状が出現し、一般に7日目頃から症状が改善する。

  看護者の重要な役割は観察である。

上記の内容はアルコール依存症の概要になります。

アルコール依存症では急性期または慢性期でも身体症状について必ず観察していかなければならない項目があります。

例えば羽ばたき振戦だったり、アルコール性肝硬変だったり、腹水だったりします。

精神科だと言っても身体面・・・。生命に関することが看護問題の優先順位が優位になります。

下記のリンクでアルコール依存症の身体面・精神面の詳しく解説していますのでぜひご覧になってくださいね!



アルコール依存症患者の標準看護計画

 
【Ⅰ.アセスメントの視点】
 アルコール依存症患者は、飲酒が自分の体を蝕み、家庭を崩壊し、社会的地位を失墜していくことを知りつつ、なお止められないで飲み続けている、進行性で致死率の高い疾患に罹っている。

そのため看護者は、肝障害など身体疾患を併発している患者への臨床看護対応と、アルコール依存者の持つ社会精神医学的諸問題にも目を向け、包括的な視点で問題を捉えなくてはならない。

【Ⅱ.問題リスト】
#1.損傷のハイリスク状態
  [要因]・アルコール中毒
       ・アルコールの離脱から引き起こされた中枢神経の興奮

  (特徴)・失見当
      ・発作
      ・幻覚
      ・精神運動興奮
      ・不安定なバイタルサイン
      ・せん妄
      ・フラッシュバック
      ・パニック状態の不安

#2.栄養状態の変調
  [要因]・栄養のある食物を摂取する代わりにアルコールを飲用している。
      ・栄養価のない食物だけ摂取している。
      ・慢性のアルコール乱用のために消化吸収機能に問題がある。


  (特徴)・体重減少
      ・青白い眼球結膜と粘膜
      ・筋、皮膚の緊張低下
      ・四肢の浮腫、電解質の不均衡
      ・腹水
      ・低ナトリウム、低カリウム血症

#3.無効な個人コーピング
  [要因]・不適切な支援組織
      ・非現実的な知覚
      ・不適切な対処法
      ・効果的な機能を果たさない家族

  (特徴)・低い自尊心
      ・慢性的な不安、抑うつ
      ・期待される役割を果たす能力がない
      ・基本的ニードを充たす能力がない
      ・不適切な防衛機制の使い方

【Ⅲ.看護目標】
 長期目標:1.身体的・精神的に安全を確保出来る
 短期目標:2.退院までに、自己、過去の成果、将来の見通しについての肯定的な面を言葉によって表現し、高められた自己価値感情を明らかに示すことが出来る

【Ⅳ.看護問題】
#1.損傷のハイリスク状態

  長期目標:アルコール離脱症状が早期に発見され、安全が保たれる
  短期目標:入院後10日以内

O-1.以下のことを観察し、アセスメントする
     ・発汗、発熱の有無
     ・振戦の有無とその程度
     ・せん妄の有無
     ・失見当識、意識混濁の有無と程度
     ・運動失調状態の有無と程度
     ・異常行動の有無
     ・散瞳の有無と程度
     ・悪心、嘔吐の有無
     ・頻脈の有無
     ・血圧
     ・頭痛の有無
     ・幻覚の有無と程度
     ・睡眠障害

T-1.VS測定
  2.水分と電解質のチェック
  3.水分と特にジュースやお茶を頻回に与える
  4.危険物の除去など環境を整える
  5.不穏行動や振戦が強くなれば医師の指示の下で拘束を行う
  6.ADL(食事、排泄、清潔、更衣)の介助
  7.ベッド柵の使用
  8.幻覚がある時は虫や蛇は実際にいないことを保証する
  9.説明を十分に行い処置を行う

#2.栄養状態の変調

  長期目標:適切な栄養状態に回復し、栄養不良による合併症がなくなる
  短期目標:1ヶ月以内

O-1.VS
  2.顔色、爪色、四肢の冷感
  3.皮膚の乾燥や浮腫
  4.体重
  5.生理の有無
  6.血液データ
  7.意識レベル
  8.便と尿量
  9.嘔気、嘔吐の有無と程度
  10.食事摂取量

T-1.ADLの介助
  2.同一条件下での体重測定
  3.3回の量の多い食事より、軽い食事が頻回に摂れるよう配慮する
  4.輸液の管理
  5.患者が好きな食物を持参するよう家族に依頼する

E-1.十分な栄養摂取の重要性を説明する

#3.無効な個人コーピング

  長期目標:1.アルコールの多飲は自分の生活の問題であることを認めることが出来る
    2.ストレスに直面した時にアルコール乱用の代わりに用いる適切な対処機構が説明出来る
  短期目標:退院までに

O-1.飲酒の引き金の有無(仕事、家庭、その他)
  2.家族や友人との面会状況
  3.医師、看護師との対応の仕方
  4.心理テスト

T-1.多種の不安を表出できるようコミュニケーションを図る
  2.医師、家族から患者に対する情報を得る
  3.外出、外泊前後の患者の言動、行動観察を十分に行い、荷物チェックを行う
  4.患者が問題を合理化したり、自分の思い通りにならない他者や状況のせいにするのを認めない
  5.ストレスや困難な状況を処理する代替方法を見つけるよう励ます
  6.過去の罪責感にこだわらず現在の状況に焦点をあてるよう導く
  7.患者が退院後に体験するかも知れない感情を話題にし、その感情をどう扱うか話し合う

E-1.アルコール多飲による身体的な障害について説明する
  2.必ず回復するが、再発の危険性も高いことを説明する
  3.規則正しい生活を送るよう指導する
  4.外出、外泊に対し家族と同席でオリエンテーションを行う
  5.退院後の生活と保健所、福祉事務所、断酒会、家族会について医師とともに説明する

器質性精神障害患者の標準看護計画

器質性精神障害とは
 器質性精神障害は従来、外因性精神障害と呼ばれるもので、脳の一次的な病変に基づく精神障害(脳器質性精神病)と脳以外の身体疾患に起因する精神障害(症状性精神病)がある。

1.急性の脳器質性精神障害、症状性精神障害  粗大な一次性の脳病変に伴って生じる精神障害で、病因として

1)中枢神経系の感染症
2)薬物・アルコールによる離脱症状
3)急性代謝障害
4)外傷・火傷
5)中枢神経障害
6)低酸素症
7)内分泌障害
8)急性血管障害
9)薬物・有機溶剤による中毒
10)重金属中毒
11)サイアミン・ビタミンB12欠乏等がある。



2.慢性の脳器質性精神障害

各種の身体疾患に伴って二次的に障害されて出現する精神障害で、病因として

1)神経変性疾患
2)脳腫瘍
3)外傷
4)進行麻痺
その他の脳炎
5)血管性認知症
多発性梗塞
6)代謝性疾患
7)内分泌疾患
8)中毒性疾患
9)低酸素状態
10)ビタミン欠乏や栄養障害等

があげられる。


脳器質性精神障害のアセスメントの視点

 
臨床症状を規定する要因として重要なものに、急性か、亜急性か、慢性か、ということがある。急性の脳器質性精神障害あるいは症状性精神障害では意識の障害が基礎にあり、特徴的な症状として傾眠、昏迷、昏睡といった意識水準の低下と、それに錯覚、幻覚、妄想等の精神現象が加わった状態である意識混濁があげられる。

意識の混濁による精神症状はアメンチア、もうろう状態、譫妄等で可逆的で浮動性であるという特徴をもつ。

また意識障害から回復する段階で一次的に感情、意欲の障害、不機嫌、健忘等の症状がみられることがあるが「通過症候群」と呼ばれるもので、意識障害はほとんど目立たず経過は可逆的である。慢性の脳器質性精神障害では軽度の時は不定愁訴を主とする神経衰弱様症状や人格変化等がみられるが、重度になると痴呆が目立ってくる。

一般的には持続性で多くは不可逆的である。しかし器質性精神障害には各疾患特有の神経身体症状があり、経過・治療・予後は多種多様となるため、それらも十分理解しておく必要がある。

脳器質性精神障害の症状

 
 器質性精神障害には病因の異なる種々の疾患が含まれ、様々な精神症状が出現する可能性がある。しかし疾患の種類とは無関係にいくつかの点で共通する精神症状(ないしは精神病像)がみられることもあり、これらの主な症状を説明する。

1.急性の脳器質性精神障害・症状性精神障害の特徴
1)意識混濁: 注意力の低下、思考の混乱、錯覚、幻視、昼夜逆転、活動性の亢進あるいは低下、見当識障害
 2.慢性の脳器質性精神障害
1)認知症症状の有無
2)健忘症候群: 短期及び長期の記憶障害、失見当識、作話
3)器質性幻覚症: 意識混濁を伴わない幻覚
4)器質性感情症候群: 躁あるいはうつ状態
5)器質性不安症候群: 繰り返される不安、全般性の不安
6)器質性人格症候群: 不安な感情、明らかな攻撃、激怒反応、反社会的行為、性的逸脱、高度感情の低下、無気力、疑い深さ

脳器質性精神障害の検査

 
 臨床症状から想定される原因疾患を種々の検査を用いて検索する
 → (例) ピック病:CTスキャン、MRI、SPECT、EEG、心理検査(神経心理)
治療
 器質性精神障害では身体医学的検査が診断する上で不可欠であり、急性型では原因を究明しそれを治療することが何よりも優先される。慢性型の認知症症状状態においては認知症症状そのものを完全に回復させる治療法はなく、一次性脳萎縮による痴呆は残存機能の保持及び合併症の予防が治療の中心となる。

また抑うつ、不安、不眠等の周辺症状に対しては対症療法が必要な場合もある。
 → (例) 一酸化中毒:高圧酸素療法、対症療法として向精神薬を使用

脳器質性精神障害の経過と管理

 
器質性精神障害は慢性・急性に分類される。急性の状態は脳の機能障害による症状の突然の発症で始まり、多くは譫妄を伴うことが多い。障害は時間の経過と治療によって回復するか、または原因によっては機能障害を残したり、または進行性で回復できずに痴呆に至ることもある。

慢性の状態としてはアルツハイマー病のように一般にやや潜行性に発症するものがあり、症状の進行は緩慢で不可逆性のものもあれば、急性から慢性に移行するものもある。

脳器質性精神障害の看護計画

Ⅰ.脳器質性精神障害のアセスメントの視点

 
 器質性精神障害を来す疾患は非常に多く、その看護を詳細に論じるのは困難であるが共通する点も多い。急性期においては原因疾患が治療・除去されることで患者は急速かつ劇的に回復することが多く、医師の適切な診断・指示に基づいた基礎疾患の身体的な症状への援助が必要である。また重要な症状として意識の混濁(臨床的には譫妄が多く、特に夜間に出現)があり、長期に及ぶと患者を疲弊させ、認知症症状を進行させることもある。

原因疾患のチェック・治療を行うと同時に譫妄を増悪させている要因、すなわち環境の変化、夜間長期の拘束、終日変化のない病室、看護者の言動等についても注意し、できるだけ保護的に接していくことが大切である。

慢性症状に対して、自傷・他害・器物破損等の危険がなく、妄想的な考えに囚われず生活できるよう援助していく必要がある。

Ⅱ.脳器質性精神障害の問題リスト
#1.夜間の異常行動による睡眠の障害
   [要因]・失見当識
       ・思考の混乱
       ・錯覚
       ・幻覚・妄想
       ・精神運動興奮
       ・拘束
       ・環境の変化
       ・原因疾患の悪化

#2.失見当識に基づく周囲への不適切な解釈
   [要因]・幻覚、妄想
       ・記憶障害
       ・感情の多様性
       ・環境の変化
       ・注意障害
       ・知的能力の低下
       ・判断力の障害
       ・原因疾患の悪化・術後

#3.精神症状による自傷・他害・器物破損行為
   [要因]・幻覚、妄想
       ・錯覚
       ・衝動の抑制障害
       ・激怒反応
       ・精神運動興奮
       ・周囲への無関心
       ・絶望感
       ・判断力の障害
       ・知的能力の低下

Ⅲ.脳器質性精神障害の看護目標


1. 休息・睡眠・活動のバランスを維持または回復できる
2. 損傷の危険がなく他者や器物に危害を加えない
3. 心身両面から患者に刺激を与え、機能低下と痴呆状態の進行をできる限り食い止め、情緒的な生活の安定と適応を図る

Ⅳ.看護問題
#1.夜間の異常行動による睡眠の障害

   [要因]・失見当識
       ・思考の混乱
       ・錯覚
       ・幻覚・妄想
       ・精神運動興奮
       ・拘束
       ・環境の変化

  長期目標:患者、他患者の安全が守られ、かつ安心して入眠することができる
  短期目標:退院まで


O-1.見当識:時、場所、自己の置かれている状況等
  2.幻覚、妄想状態
  3.昼間の睡眠・行動状況
  4.夜間の幻視、錯覚の内容と出現時間及び行動状況
  5.原因疾患の悪化の程度
  6.全身状態、VS
  7.意識状態の変化

T-1.患者の事故防止に努める
     1)危険物を周囲に置かない
     2)障害物を除去し動きやすい環境をつくる
     3)患者の持ち物の所在を把握しておく
     4)ベッド柵の使用や低床ベッドを利用する。またはマットレスを床上に降ろす
     5)夜間覚醒している場合は訪室を密にし、常に視野の中に入れる
     6)離院した場合は「緊急事故発生時の手順」に従う
  2.患者の睡眠を促す
     1)患者にとって譫妄体験は本物だということを念頭において不用意に否定しない
     2)深呼吸を促したり、背部マッサージ、湯たんぽ等身体的安眠を図る
     3)就眠時、患者の側で見守り手を握る等して入眠を促す
     4)就眠前にテレビ鑑賞や読書等の気の休まる習慣を持つよう促す
     5)夜間、暗い部屋が不安な場合は部屋の電気を明るくしておく
     6)どうしても入眠できない場合は医師の指示を受ける
  3.他患者の睡眠が確保できるよう配慮する
     1)部屋の考慮
  4.原因疾患の改善への援助
     1)譫妄の原因となる原因疾患の身体管理を行い、悪化防止に努める
     2)水分・栄養の補給を行い、合併症予防に努める
  5.失禁や放尿をすることがあるので、時間的に排尿誘導したりオムツを使用する
  6.幻視により不安・不穏が強い場合
     1)訴えをよく聴いて現実に有り得ないことを説明し保証する
     2)病院にいることを常に思い起こさせる
     3)医師や看護者に安全が保障されていることを確信させる
     4)精神症状が強い場合は医師の指示に基づき処置を行う
     5)喫煙時は観察下とする
  7.日中は昼夜逆転しないよう活動を促す
  8.不必要な夜間長期の拘束は避ける
  9.絶えず安心感が持てるよう援助する
     1)安心できる言葉掛けや手を握る等良い関係づくりに努める
     2)行動を急がすような声掛けはしない。一つ一つのことをゆっくり対応し納得できるように関わっていく
     3)周囲の刺激に敏感になったり静けさが不安を助長することもあるので、環境の変化に注意する
  10.見当識をつけるための情報を提供し,治療を進めるに必要な処置について繰り返し説明する

#2.失見当識に基づいた周囲への不適切な解釈

   [要因]・幻覚・妄想
       ・記憶障害
       ・判断力の低下
       ・環境の変化
       ・注意障害
       ・不安、混乱の増大
       ・理解不足

  &周囲への適切な知覚を示すことができる
  $退院まで

O-1.意識障害の有無
  2.健忘の有無:作話
  3.妄想・幻覚の有無
  4.失認の有無:視覚・聴覚・身体・触覚

T-1.患者周囲の刺激を少なくする
  2.患者が恐れを抱いた時は安全について保証を示し患者を安心させる
  3.患者が懐疑的な考えを伝えてきたら理性を弁えた疑念を表出する。
    他人に対して執拗な疑いを持つことは患者へのマイナス影響を与えるということを説明する
  4.患者が不正確に知覚した発言がみられた時は否定し、実際に存在する状況を正しく話す
  5.患者の周囲に親しみのある物を置く(患者が元気な時から使用していた物等)
  6.時計、カレンダー、毎日のスケジュール等、現実の見当識を維持する物を側に置く
  7.患者と会話する時は面と向かい簡単な説明で関わる。耳元で話さない
  8.患者が間違った考えにふけらないようにする。この状況が始まった時は実際の人と現実の出来事について患者と話し現実感を与える
  9.暴力の意図が感じられる妄想の時は患者の言動を密に観察していく
  10.術後であればカテーテルやDIV等ドレーン類を抜去する場合があるので抑制帯等考慮する

E-1.患者のおかれた現実と周囲の事柄について正しい見当識が持てるよう頻回に説明する
  2.家族や援助する人へ患者に時間・人・場所及び環境等の見当識が持てるよう指導する
  3.思考と行動が適切である時、また患者が現実に基づいた考えを表現した時は肯定的な支持をしていく

#3.精神症状による自傷、他害、器物破損行為

   [要因]・衝動の抑制障害
       ・精神運動興奮
       ・判断力の障害
       ・知的能力の低下
       ・理解力の低下
       ・反社会的行為
       ・攻撃性
       ・不安
       ・セルフケア能力の低下

  長期目標:自己または他者を傷つけない
  短期目標:退院まで

O-1.日常生活行動
  2.他患者との接し方
  3.訴えの内容と行動
  4.興奮の原因を把握する
  5.外傷、身体的異常の有無

T-1.精神症状を観察し、失見当識・困惑の程度を把握する
  2.環境を整備し安全手段を講じる
     1)備品の配置に気を配り、危険物を周囲に置かない
     2)行動の観察を頻回にし必要時付き添う
     3)痙攣のある患者には特に安全面に配慮し、ベッド柵にクッションをつける等予防措置をとる
     4)極端な多動行動が見られる時は、患者の保護のため医師の指示で抑制と精神安定剤を使用し、心身ともに安定を図る
  3.患者を常時観察下におくか所在を把握する。夜間は訪室を密にし常に視野に入れる
  4.患者周囲の刺激(照度を落とした照明、単純な室内装飾、低い騒音、人のいない状態等)を最小限にする
  5.患者の側では静かな態度を示す。不必要に患者をびっくりさせるようなことは避け、絶えず安心感と指示を与えていく
  6.現実認知の誤りは割り切った態度で訂正する。患者の誤りを笑ったりせず、他患者がそれを冷やかしている時は注意し、患者を刺激しない
  7.不安の程度・増強を示す患者の行動を観察し評価する
  8.看護者は複数で対応する
  9.周囲及び患者自身に危険が及ばないように配慮する
  10.疲労が激しいので、状態に応じて水分と食物の摂取を促す

E-1.将来援助に当たる人に、
     1)患者の不安増強を示す行動、
     2)暴力を起こす前にうまく介入する方法を認識できるよう指導する

神経症患者の標準看護計画

神経症とは

器質的な病変がなく、患者をとりまく環境や患者自身の性格からおこる心因性または反応性の精神障害である。身体的機能障害のみられることもあるが、それは患者の持つ不安や心的葛藤などから二次的に派生したものであり心的症状の消退とともに消失するものである。心因としては、過労、対人葛藤、離別、死別、試験、遭難、転勤、昇進、転居、身体疾患の罹患などがある。

防衛機制による葛藤の処理に失敗したり、異常な防衛が働いた時に神経症が発症すると考えられる。

また、身体疾患の罹患がなく、このような心因が作用して(本人が気づいていない場合もある)発症することもある。
 主なものに、不安神経症、強迫神経症、恐怖神経症、心気症、ヒステリー現在ヒステリーって単語はあまり使用しないですが、各実習先によってはヒステリーと使用していることもあります!国試ではヒステリーという単語は出ませんので注意してくださいね!)などがある。

神経症患者のアセスメントの視点

 
神経症の治療は、殆どが外来通院で行われているが、外来治療で困難な事例、家族との分離が適切と考えられる場合などに入院治療が選択される。

看護の基本的なことは、受容的、共感的態度で接し、患者をあるがままに受け入れ、理解しようとする姿勢であり、支持的、感情表現を助ける、洞察を促す、訓練を助ける看護が必要となる。

神経症患者の治療

 
神経症の治療の中軸は、精神療法および心理療法である。精神療法の補助手段として、患者の心的葛藤の軽減のために緩和安定剤を中心とした薬物療法も行われる。個人精神療法と同時に集団精神療法、森田療法、催眠療法、行動療法、自律訓練法も有効である。

1.不安神経症

過度の不安を主徴とする神経症である。内的葛藤や欲求不満によって、自我が危機的な状態に陥ると強い不安が出現する。不安はすべての神経症の根底にあるが、不安神経症は内的葛藤に基づく不安が十分に防衛されないで症状として現れてきたものである。

人格特性
 ・強迫および依存パーソナリティースタイルが全面に出ている。
 ・真面目で仕事はできるが完全に自立はしていない。常に誰かに依存している。
 ・自尊心が強く野心家であるが、失敗を恐れる。
 ・緊張感が強く、周囲の刺激に対して敏感である。
 ・見捨てられ不安が強く、依存欲求はあっても依存できない。
 ・自我の経営能力が低く、超自我は懲罰的である。

不安神経症患者の症状の特徴

 
1)不安発作
突然強い不安に襲われパニックに陥り、苦悶感や死の恐怖に襲われると共に、自律神経系の異常興奮による身体症状(心悸亢進、頻脈、呼吸困難、発汗、震え、胸部絞扼感、心臓痛、不整脈、過呼吸、意識混濁、下痢、嘔吐など)が出現する。

発作は夜間に多く、激しい不安と苦痛を訴えて騒いだ後、数十分で睡眠に移行する。

不安発作を起こす患者は、一人の時や乗り物の中で発作を起こすことが心配で、外出や乗り物に乗ることができず、家に閉じこもることが多い。また、呼吸促迫の結果として、過呼吸症候群を呈することが多い。

2)持続性の不安

現実不安:
その個人に脅威をもたらす、現実的で具体的な(期日の明確な)外界のストレスに対して生じる不安。

予期不安:
自分の起きて欲しくないことが起きるのではないかという危険の予感。

浮動性不安:
個人にとって原因不明の不安が、常に身のまわりに漂っている状態。したがって、明確な恐れの対象を欠き、何であれ身近な対象に結び付いて気持ちが浮き沈みする。自律神経系の過敏状態や心気症状、集中力の低下、易疲労性、睡眠障害などが出現する。

不安神経症患者の検査

 
身体症状の注意深い精査:身体症状に関する明確な所見を提示して、身体症状に対する不安を解消する。
 (ルーチン検査で身体症状の鑑別を行う。)
 
心理検査:STAI、MMPI、MAS、CMI、ロールシャッハ等

不安神経症患者の治療

 
1)薬物療法
心の緊張を緩和する目的で抗不安薬を使用する。薬物依存を予防するために効果の強い薬は使用しない。

2)個人精神療法
・信頼関係を築き、健康に依存できる対象を明確にする。
・現実吟味を援助する: 浮動性不安によって現実状況の認識がゆがむ。現実を吟味する手助けをしながら、現実と現実状況認識の歪みを区別する助けをする。同時に懲罰的超自我を軟らかくする。
・患者のペースで不安が出現したプロセスを逆にたどり、不安が出現した直接的な原因と不安が出現するに至った心の緊張状態の原因を明確にする作業を助ける。

3)集団精神療法
・浮動性不安は、自分だけでない仲間の体験を聞くことによって大きく支えられる。
・不安を集団の中で、間接的に扱われることで、不安を暴くことより上手に抑制すること、さらには抑圧すべきものは抑圧することを学習する。

不安神経症患者の看護

 
1)強迫と依存以外のパーソナリティースタイルを刺激して、患者の性格特性の偏りを調整する。
2)症状を観察して身体的なアセスメントを行い、必要なケアは実施するが、不必要なケアはしない。
3)患者の能力を活用する。できることはできるだけさせて、自我自律性を高める。不必要な世話はしない。
4)患者の不安や苦痛を理解する。心理学的には共感が重要だが、同情とは区別しておく必要がある。不安神経症の患者は不安に耐えることには慣れているので、同情すると薬や看護者への依存が起きる。
5)現実を吟味して、現実と現実状況の認識のゆがみを区別する助けをする。看護者は患者の安らぎの助けをすると同時に、現実検討のできるモデルでもある。

2.強迫神経症

強迫症状を主症状とする神経症である。強迫症状とは、自分では不合理で馬鹿げていると自覚している観念や行動が、自己の内部から自己の意志に反して反復的に現れ、その際に不快感、不安感を伴うものである。

症状の特徴

症状には強迫観念と強迫行為がある。強迫症状は、自分の意志の力では抑えることができないが、自分の内部から出た現象であると自覚されていること、症状の無意味さ、不合理さが自覚されているにもかかわらず、それに束縛され、そこから逃れられないことが特徴である。

1)強迫観念
・疑惑癖 : 何でも疑ってみないと気が済まないもの
・詮索癖 : 些細なことを際限なく詮索しないでいられないもの
・質問癖 : 次々に質問を繰り返すもの
・計算強迫: 何でも数の計算しないと気が済まず途中で間違えると最初からやり直さずにはいられないもの

 2)強迫行為
・洗浄強迫: 不潔感が強く、手や衣類を何回となく洗いなおさずにはいられないもの
・確認強迫: ガス栓や鍵などを繰り返し確かめないと気が済まないもの
・就眠前儀式: 就眠前に一定の行為を行ってからでないと眠れないもの
・汚言症 : 会話中に突然卑猥な言葉を言わずにいられなくなるもの
 いずれの場合も日常生活が極度に儀式化され、その行動の遂行に多大なエネルギーと時間を要する

不安神経症患者の検査: 不安神経症を参照

 
不安神経症患者の治療

 
1)薬物療法
精神療法と併用し、緊張感を緩和する目的で抗不安薬、抗うつ薬、少量の抗精神病薬を使用することが多い。

2)行動療法
強迫行為を改善するために、達成可能な行動上の目標を設定し、緊張を緩和すると同時に、達成感をもたせて安全感を強化する。

3)精神療法
信頼関係を築き、完全癖に固執しなくても安全感をもらう体験をする。
(個人精神療法、精神分析的精神療法、支持的精神療法、集団精神療法など)

4)森田療法、精神分析など

不安神経症患者の看護

 
1)症状の変化を観察する。
2)達成可能な目標を定め、達成感を味わえるように援助する。同時に頑張り過ぎないようにコントロールすることを助ける。
3)完全にしなくても認めてもらえる体験ができ、安全感がもてるように援助する。

3.恐怖神経症

特定の人物、事物、状況、環境に対して激しい恐怖を抱き、それが不合理だと自覚しながらその恐怖に打ち勝つことができないものをいう。

不安神経症患者の症状の特徴

恐怖の対象は明確で多岐にわたる。恐怖の対象を遠ざければ症状は解消し、恐怖の対象が避け難い状況におかれるとパニックになる。また、対象を避けながら自分から近づいていこうとする傾向がある。
1)対人関係に関するもの 日本人の青年期に好発。対人恐怖、赤面恐怖、醜形恐怖、正視恐怖、男性恐怖、女性恐怖
2)特定の場所に関するもの 広場恐怖、閉所恐怖、高所恐怖
3)不潔や病気に関するもの 不潔恐怖、細菌恐怖、梅毒恐怖、癌恐怖
4)動物に関するもの 害のない種々の動物
5)その他 先鋭恐怖、雷恐怖、暗闇恐怖、死恐怖、乗り物恐怖、水恐怖、睡眠恐怖

不安神経症患者の検査:不安神経症を参照

 
不安神経症患者の治療

 
1)症状形成のメカニズムを解明する。
2)行動療法
発症の初期には効果がある。症状形成のメカニズを理解し、原因を絞って行動療法を実施する。
3)薬物療法
心的緊張を緩和する目的で抗不安薬を補助的に使用する。
4)個人精神療法
・安定した対人関係を築く。
・感情や欲求を明確にする助けをする。
・自我自律性を刺激する。
・恐怖は恐怖としてくくること(バウンダリング)で、健康な側面から切り離す助けをする。
・外在化している攻撃衝動や欲求を、自分のものとして認識する手助けをする。
5)集団精神療法
・集団の中で受け入れられる体験が、強すぎる懲罰的超自我を和らげる。
・症状は象徴的な意味を持っているので、お互いの症状を語り合うだけでも、本来の葛藤への恐れは和らぐ。
・集団に支えられる体験を通して、弱さと極端さの修正が可能になる。


不安神経症患者の看護

 
 1)安全感のもてる環境を提供する。
 2)自己愛パーソナリィースタイルを活性化する。
 3)感情や欲求を明確にする助けをする。
 4)恐怖は恐怖としてくくることで、健康な側面から切り離す助けをする。恐怖に関わり過ぎないことが重要。
 5)健康な側面を活性化することで、患者の能力をできる限り活用し、自我自律性を高める。不必要な世話はしない。




不安神経症の患者さんでは主に不安感や不定愁訴が主に看護を行っていくことになります。
下記リンクで不安などに関連する看護について詳しく解説していますのでぜひご覧になってください!









4.心気症
 身体的な病変が認められず、医師の保証にも関わらず病苦による身体症状を執拗に訴えて、自分の健康状態や身体の機能について過剰な関心を示しおびえるものをいう。
症状の特徴
 どのような症状でも、どの身体の部位へのこだわりでも、不快なこと全てが症状になりその為に、自分の欲求を満たしてくれる医師を探して納得いく迄転々と医師巡りをして、その結果として症状の悪化になることがある。
人格的特性
 1)自己愛パーソナリティースタイルが全面に出ている。
 2)猜疑心、不信感が強い。
 3)自分に過剰な関心を向ける。
 4)自己愛に傷つきへの恐れがあり、自己愛が傷つきそうになると、他人のせいにするか、不信感を募らせて自分への関心を更に強め、自己愛の傷つきを防ぐ。
心気症の検査:不安神経症を参照

 
心気症の治療

 
 1)身体症状の精査
身体症状を除外するために、徹底的に検査を行う。異常がないことが判明すれば、患者の訴える症状には出来るだけ触れないようにする。
 2)薬物療法
 先ず症状を緩和することに留意する。症状を緩和する為に薬に対し執着するので薬物依存に陥りやすい。症状の緩和に伴い各段階で医療スタッフ関で同様の対応を行う。
 3)集団精神療法
自分の事しか考えられない状態で人との相互作用が起きない。しかし、集団の中では自分と同じ自己愛的な人を自分を写す鏡にして自己を認知する。
 4)個人精神療法
患者の苦痛の根底にある葛藤を理解し、真の心の調和が得られるように図る。治療者は、身体症状を訴え続けるという形での攻撃性の発露を、患者の苦悩として理解し受け止めることが重要である。
心気症の看護

 
 1)症状を観察して身体的なアセスメントをする。
 2)症状の訴えの変化を継続的に観察する。
 3)患者の症状の訴えと要求に振り回されない。
5.ヒステリー
 ヒステリーは性格的要因の濃いものと、反応性の一過性のものに分けることができる。ヒステリー性格とよばれる性格は自己中心的で自己顕示的であり、感情が未熟で変わりやすいなどの特徴をもつ。
ヒステリーについての患者について下記リンクで詳しく解説しています!



また、ヒステリーを起こす患者さんの中では根本にパーソナリティ障害を抱えている患者さんも多いとされています。

パーソナリティ障害の患者さんの看護についても下記リンクにて紹介します!



心気症の症状の特徴

 
 1)身体症状 : 転換の機制が主に用いられた症状であり、過呼吸症候群、失明、失声、痙攣などがある。

 2)精神症状 : 解離の機制が主に用いられた症状で、もうろう状態、遁走などがある。
検査:不安神経症を参照
心気症の治療

 
 1)精神療法 : 支持的、表現的精神療法が中心となる。

 2)薬物療法 : 不安興奮を伴う発作時以外はあまり効果がない。

心気症の看護

 
 1)症状出現時の安全性を保持する。
 2)症状以外の患者の諸側面に積極的な関心を示す。
 3)依存欲求を認めながら、操作の有無に関わらず一貫した態度をとる。
 4)健康な側面を活性化し、興味のあること、やってみたいことは積極的に支持し、出来たことは評価して達成感をもたせる。
 5)自分のことは、可能な限り患者の能力でさせ自我自律性を高める。不必要な世話はしない。
 6)現実への直面化を助ける。
 7)対象がもてず症状が悪化するようならば、信頼関係がとれている対象を特定して援助する。
6.解離性障害
 自己の精神・身体・外界が自己から離れ、疎外されて独特の変化感、疎隔感、非現実感を訴え、生命感や実存感の喪失に悩むものを離人症といい、この症状を呈する神経症を解離性障害という。


解離性障害の症状の特徴

 
 1)外界疎隔感:

外界と自分にベールがかかっているように感じて、外界のものが生き生きと感じられない。目の前に白黒のフィルムがかかったようで、色彩があせ、灰色で立体感がなく、現実的でない、物がある感じがしないと訴える。
 2)自己疎外感:

喜怒哀楽の感情が失せて何を見ても感動しない、自分が自分でないようだと訴える。また、何をしても自分がしているという気がせず、まるでロボットのようだ、影のような存在だ、など訴える。
 3)身体・身体感覚疎外感:
手や足が自分のものと感じられない。自分の顔を見ても、自分の顔という実感がないなどと訴える。また空腹感や満腹感がなく、運動した後も疲労感がないなどと訴える。
解離性障害の検査:不安神経症を参照


解離性障害の治療

 
 1)身体症状の精査
気質的疾患、統合失調症、鬱病の初期症状を除外するために徹底して検査を行い、身体的な異常のないことが判明すれば、解離性障害であることを説明して認識を持たせる。
 2)薬物療法
症状緩和の目的で抗不安薬を使用する。
 3)精神療法
・対象性の明確な信頼関係を築き、安心感をもらう体験をする。
・自我自律性を高める。
・患者が自己理解を深め、自分の回避しているものに直面化する助けをする。
 4)集団精神療法
・自己感覚を増していくために、安全な他者との距離を保ちながら、他者経験の調整をする。
・脅威にならない空間を保ちながら、対人関係の安全感のなかで傷つきに対処する能力をゆっくり身につける。

解離性障害の看護

 
 1)患者の性格特性の偏りを調整する。
 2)患者に積極的な関心を示す。
 3)信頼感、安全感のもてる関係を築き、症状の変わらない辛さを共有する。
 4)患者が自分の傾向や行動パターンに気づくことができるように援助する。
 5)症状の消失には時間がかかることを伝え、症状を受け入れながら日常生活に適応する助けをする。
 6)健康な面を活性化し、興味のあること、やってみたいことは積極的に支持し、できたことは評価して達成感をもたせる。  
 7)患者が自分の回避しているものに気づく助けをする。

看護計画(不安神経症)
Ⅰ.アセスメントの視点(不安神経症)
 1.強迫と依存以外のパーソナリティースタイルを刺激して、患者の偏りを調節する。
 2.症状を観察して身体的なアセスメントを行い、必要なケアは実施するが、気休めに不必要なケアはしない。
 3.患者の能力を活用する。できることはできるだけさせて、自我自律性を高める。不必要な世話はしない。
 4.患者の不安や苦痛を理解する。同情しないことが大切である。心理学的には共感が重要で、同情とは区別しておく必要がある。
 神経症の患者は不安に耐えることには慣れている。同情すると薬や看護者への依存が起きる。

Ⅱ.問題リスト(不安神経症)
#1.無効な個人のコーピング
   (要因)・自我の能力を超えた強大なストレスあるいはストレスの持続
       ・問題解決技術の数の乏しさと未熟性
       ・見捨てられ不安
       ・未発達な自我と懲罰的な超自我
       ・依存
       ・失敗への恐れ
       ・自己信頼感の弱さ
       ・対象または状況の不合理な回避
   (特徴)・通常のコミュニケ-ションパタ-ンの変化
       ・対処できないと言い責任をとらない
       ・防衛機制の不適切な使用
       ・役割期待を遂行できない
       ・不安
       ・生活上のストレスの訴え
       ・問題解決ができない状態
       ・社会参加への変調状態
       ・言葉への逃避
       ・基本的ニ-ドを満たすことができない状態

#2.不安
   (要因)・見捨てられ不安
       ・依存
       ・自己信頼感の弱さ
       ・未発達な自我と懲罰的な超自我
       ・自我の能力を超えたストレスあるいはストレスの持続
       ・問題解決技術の数の乏しさと未熟性
       ・未熟な防衛機制
       ・喪失体験
   (特徴)以下のような身体症状が出現する。
       ・呼吸困難
       ・心悸亢進
       ・心拍数の増加
       ・疼痛(特に胸部、背部、頚部)
       ・窒息感
       ・眩暈感
       ・手足の麻痺感
       ・発汗
       ・身体の震振感
       ・血圧の上昇
       ・瞳孔散大
       ・口喝
       ・頻尿
       ・下痢
       ・悪心及び嘔吐
       ・倦怠感および衰弱感
       ・落ち着かない
       ・知覚異常
       ・顔面の紅潮あるいは顔面蒼白
       ・不眠
       以下のような感情を表現する。
       ・心配
       ・自信の欠如
       ・無力感
       ・恐れ
       ・リラックスできない 
       ・コントロールの喪失
       ・離人感
       ・不運の予感
       ・緊張または興奮
       以下のような行動をする。
       ・いらいらする
       ・我慢できない
       ・自己や他者に対する批判
       ・怒りの爆発
       ・引きこもり
       ・泣く
       ・積極性の欠如
       ・他人のせいにする傾向
       ・自己非難
       ・おびえたような反応
       ・集中できない
       ・過去に固執する
       ・周囲への注意が欠ける
       ・思考の途絶(思い出せない)
       ・物忘れ
       ・考え込む
       ・取り越し苦労

#3.自己概念の障害
   (要因)・未発達な自我と懲罰的な超自我
       ・見捨てられ不安
       ・依存
       ・失敗への恐れ
       ・自己信頼感の弱さ
   (特徴)・他者への依存性が増す
       ・悲嘆の徴候(泣く、絶望する、怒る)
       ・社会的な接触を絶ち、引きこもる
       ・責任を果たす形態の変化
       ・環境と身体との関係の評価能力に変化が現れる

#4.睡眠パターンの障害
   (要因)・強い不安
       ・自律神経系の異常興奮による身体症状
       ・死の恐怖
       ・活動量の減少
       ・環境の変化
   (特徴)・入眠困難または睡眠維持困難
       ・起床時または日中の倦怠感
       ・日中の居眠り
       ・注意力の減少
       ・気分の変調

#5.社会的相互作用の障害
   (要因)・低い対人関係能力
       ・依存
       ・見捨てられ不安
       ・自己信頼感の弱さ
   (特徴)・依存欲求は強いが依存できない
       ・怒り、敵意など否定的な感情を表現できない。時にその感情が内向する
       ・性的衝動の扱い不全
       ・自己概念の否定的な変化及びによる、現実認識の歪み
       ・不安の現実感を超えた持続
       ・刺激に対するコントロールの弱さ
       ・注意力散漫、集中困難
       ・柔軟性の欠如
       ・自己中心的な態度
       ・他罰的傾向
       ・症状を使って行う自己主張
       ・操作性
       ・人を困らせて怨みを晴らす
       ・他人にも自分にも不信感が強い
       ・他者が自分をどう知覚しているかについて(無視または)過剰に敏感
       ・表面的な人間関係
       ・動機の欠如

#6.家族機能の変調
   (要因)・病気になった家族メンバーの心理的不安定さによる家族全体の情動の変化
       ・病気になった家族メンバーの役割喪失による役割変化および経済的負担
       ・家族メンバー間の信頼の破綻
       ・未熟な対人関係能力、問題解決能力
       ・低い現実検討能力、欲求不満の耐性、感情保持能力、表現力
   (特徴)・家族システムが危機に対して建設的に対応しない
       ・家族メンバーの間で相互理解や感情の交流、健康的な相互依存をしない
       ・患者の状況や疾病を理解しがたい
       ・患者に期待はずれの怒りを抱くか、患者の依存を受け入れて患者の操作に乗る

Ⅲ.看護目標(不安神経症)
 現実的な出来事の中で体験する不安を抑圧しないで語ることができる。

Ⅳ.看護問題(不安神経症)
#1.無効な個人のコーピング

  長期目標:コーピングパターンとその結果を認識する。
  短期目標:3ケ月

O-1.以下のことを観察しアセスメントする。
    ・ストレスの具体的事実
    ・患者の問題解決技術と現在も有効な解決技術
    ・使われた防衛機制
    ・不安の種類と情緒的な揺れ
    ・刺激に対する過敏性
    ・身体症状
    ・依存性
    ・易疲労性
    ・対人関係パタ-ン
    ・現実検討能力
    ・意思決定能力
    ・欲求不満の耐性
    ・感情保持能力
    ・表現力
    ・パ-ソナリティ-スタイル
    ・サポ-トシステム

T-1.患者に積極的な関心を示し、否定的な批判は避けて、安全感のもてる環境を提供する。
  2.個別性を重視し、基本的な信頼関係を築く患者-看護者関係の形成に努める。
  3.症状を観察して身体的なアセスメントを行い、必要なケアは実施するが、気休めに不必要な世話はしない。
  4.強迫と依存以外のパーソナリティースタイルを刺激して、患者の性格特性の偏りを調整する。
  5.患者の能力を活用する。できることは可能な限りさせて、自我自律性を高める。
    不必要な世話はしない。
  6.患者の不安や苦痛を理解する。同情しない。同情すれば薬や看護者への過度の依存が起きる。
  7.現実を吟味して、現実と現実状況の認識のゆがみを区別する助けをする。看護者は患者の安らぎの助けをすると同時に、現実検討のできるモデルでもある。
  8.患者が自分の直面している現実と対処方法について気づく助けをする。
  9.新しい対処方法と可能な援助資源を、患者と一緒に考える。

#2.不安

  長期目標:①自分自身の不安とコーピングパターンに気づくことができる。        
       ②心理的および生理的安楽が増大する。        
       ③有効な防衛機制を習得する。

  短期目標:①3ケ月
       ②3ケ月
       ③6ケ月

O-1.以下について観察し、アセスメントする。
    ・不安のきっかけになった具体的事実
    ・患者の問題解決技術と現在も有効な解決技術
    ・使われた防衛機制
    ・不安の種類
    ・身体症状
    ・依存性
    ・自己評価
    ・現実検討能力
    ・意思決定能力
    ・欲求不満の耐性
    ・感情保持能力
    ・表現力
    ・パ-ソナリティ-スタイル
    ・サポ-トシステム

T-1.不安状態をできるだけ早く察知する。不安は自我の機能の衰弱を示す危険信号である。
  2.安全感のもてる環境を提供する。積極的な関心を示し、否定的な批判は避ける。また、過剰な刺激を取り除く。
  3.症状を観察して身体的なアセスメントを行い、必要なケアだけを実施する。気休めに不必要な世話はしない。
  4.患者の不安や苦痛を理解し、安楽を提供する。共感することが大切。看護者は自分の不安を自覚し、同情することによって相互不安に陥らないように注意する。
    同情は薬や看護者への過度の依存を引き起こす。
  5.患者の能力を活用する。患者の健康な側面を活性化し、できることは可能な限りさせて自我自律性を高める。
  6.現実吟味を援助する。現実と現実状況の認識のゆがみを区別する助けをする。看護者は現実吟味ができるモデルとしての役割を果たす。
  7.感情や欲求を明確にする助けをする。
  8.強迫と依存以外のパーソナリティースタイルを刺激して、患者の性格特性の偏りを調整する。
  9.不安が減少して、心的エネルギーの消費が少なくなれば、不安の原因の理解を助け、問題解決技術と適応機制を補強する。

E-1.不安が持続すると自我機能が衰弱するので、我慢しないで援助を求めることを教示する。

#3自己概念の障害

  長期目標:①自分の状況を歪みのない現実的な姿勢で評価できる。
       ②自己概念に対する感情が増したことを言葉表現する。
       ③健康的な適応やコーピング技能を示すことができる。
  短期目標:①3ケ月
       ②3ケ月
       ③6ケ月

O-1.以下について観察し、アセスメントする。
    ・自己信頼感
    ・喪失体験とそれに対する反応
    ・ライフストレス
    ・問題解決技術
    ・防衛機制
    ・依存性
    ・不安
    ・対人関係パターン
    ・現実検討能力
    ・意志決定能力
    ・欲求不満の耐性
    ・感情保持能力
    ・表現力
    ・パーソナリティースタイル
    ・サポートシステム

T-1.患者に積極的な関心を示し、否定的な批判は避けて、安全感のもてる環境を提供する。
  2.対象性のある信頼関係を築く。個別性を重視し、患者のどのような側面も尊重される。その人の個別性の枠の中で安全に受け止めるサポーティブな姿勢をとる。
    そのうえで、基本的な患者-看護者関係の信頼感を育てていく。
  3.患者の生かされていない能力を活用して、自我自律性を高める。
    ・患者の休止しているが保有している健康な能力を探す。
    ・依存したい気持ちを受け止めながら、患者ができることは可能な限りさせる。不必要な世話はしない。
  4.健康な側面のあることを保障する。患者は、不安なために否定的な考えをするが健康な時の自分ならどう考えるかを語らせ、病気でないところがあることを認識させる。
  5.患者が自分の態度、感情、価値観を自分で受容できるように自己表現を助け、それにそって、自己概念の偏りに自ら気づくよう援助する。
  6.できていることを評価し、健康な自己愛パーソナリティースタイルを活性化する

#4睡眠パターンの障害

  長期目標:①入眠を促す方法を見い出すことができる。
       ②休息と活動のリズムをつくって生活することができる。
  短期目標:1ケ月
       1ケ月

O-1.以下について観察し、アセスメントする。
    ・睡眠パターン(入眠困難、中途覚醒、睡眠時間、睡眠の状態など)
    ・健康時の睡眠パターンと睡眠を助ける習慣
    ・嗜好品の種類と使用頻度(コーヒー、タバコ)
    ・不安
    ・死の恐怖
    ・身体症状
    ・不眠の環境因子
    ・倦怠感
    ・日中の居眠り
    ・活動状況
    ・注意力の減少
    ・気分の変調
    ・眠剤とその効果

T-1.改善可能な不眠の環境因子は、早急に解決する。
  2.患者に積極的な関心を示し、安全感のもてる環境を提供する。
  3.強い不安や死の恐怖を訴える時は、その気持ちを共有し、看護者が夜間頻回に様子を見る事、いつでも患者の側に出向けることを伝え安心感を与える。
  4.日中の睡眠が多すぎる場合は、日中の睡眠を制限する。できるだけ臥床せず、起坐で過ごす時間を徐々に延長する。
  5.患者と一緒に日中の活動を計画し、気分転換を図るとともに、活動と休息のリズムをつける。
  6.眠剤を活用して不眠を改善する方法の検索を援助する。

E-1.嗜好品(コーヒー、タバコ)の使用は、睡眠を妨げることを教示し、できるだけ自分でコントロールしてみることを支援する。
  2.不眠を改善するためには。意識的に日中活動する必要があることを教示する。
  3.就寝時間まではベットに臥床せず、入眠をスムーズにする方法(音楽を聴く、本を読む、温かいミルクを飲む、軽いストレッチ体操をするなど)を看護者と共に考え、実践してみることを支持する。


#5社会的相互作用の障害

  &社会性に問題があることを認めることができる。
   効果的な対人関係行動を見出すことができる。
  $6ケ月
   6ケ月

O-1.以下について観察し、アセスメントする。
    ・対人関係パターン
    ・不安
    ・身体症状
    ・自己概念(感情、態度、価値観)
    ・問題解決技術
    ・防衛機制
    ・依存性
    ・自己評価
    ・自己主張の仕方
    ・責任性
    ・感受性
    ・現実検討能力
    ・意志決定能力
    ・欲求不満の耐性
    ・感情保持能力
    ・表現力
    ・パーソナリティースタイル
    ・適切な気分転換活動のための内的・外的資源
    ・サポートシステム
    ・社会的孤立

T-1.患者に積極的な関心を示し、否定的な批判を避けて、安全感のもてる環境を提供する。
    看護者の侵入的でない語りかけ、おしゃべりを大切にする。
  2.個別性を重視し、基本的な信頼感を患者-看護者関係の形成に努める。
    ・患者の不安や苦痛を理解する。同情はしない。同情は患者の依存を増強する。
    ・身体症状を観察してアセスメントし、必要なケアは実施するが、気休めに不必要な世話はしない。
    ・患者の自我自律性に刺激を与え、体験(欲求、期待、感情)の言語化、明確化を助けると同時に、患者が客観的に自分を観察できるように援助する。
    ・患者の問題を引き受け過ぎず、患者の問題としてフィードバックする。
    ・欲求をどう充足できるか、どう我慢できるかを話し合い、欲求不満の耐性を高める。
    ・患者の困っていることを明確にし、目標を共有する。
    ・患者の休止しているが保有している能力を活性化して活用する。
    3.健康な側面を活性化することによって、心的エネルギーを賦活して活動性を高める。
    ・適切な気分転換活動を日課に取り入れ、積極的に支援する。
    ・健康な側面のあることを保障する。患者は、不安のために否定的な考えをするが健康な時の自分ならどう考えるかを語らせ、病気でない部分があることを認識させる。
    ・集団精神療法への参加を勧める。参加に際しては、集団への送り出しと受け入れを援助する。
    ・症状とは関係のない領域の話を積極的にする。

E-1.心的エネルギーが回復すれば、対人関係能力を高めるためのトレーニング(コーピングスキルのトレーニング、アサーショントレーニング)を行い、問題解決技術、適応訓練、感受性、表現力を補強する。

#6家族機能の変調

  長期目標:①家族が自分の感情や期待を表現できる。
       ②患者の回復のプロセスに自分達が参与できる役割を自覚し、遂行できる。
       ③患者が問題解決に対する自律機能を取り戻すことができる。
  短期目標:1ケ月
       3ケ月
       6ヶ月

O-1.以下の項目について家族を観察し、アセスメントする。
    ・家族構成
    ・家族の状況(家族が抱えている問題と資源、家族間の境界)
    ・患者理解(疾病と症状に対する理解を含む)
    ・価値観、期待、患者への感情
    ・問題解決技術
    ・防御機制
    ・依存性
    ・感受性
    ・現実検討能力
    ・欲求不満の耐性
    ・感情保持能力
    ・表現力
    ・責任遂行能力
    ・患者の対応への戸惑い
    ・サポート力とサポートシステムの活用能力
    ・家族間の力関係と相互作用
    ・患者の回復のプロセスを阻害する因子
    これらの観察項目から、患者を含めた家族間の力関係と相互作用、家族の能力と資源をアセスメントする。

T-1.アセスメントに基づいて、家族に必要な援助項目と看護者が家族に行う援助内容を明確にして、患者ならび家族と共有する。
  2.家族の表現を促進し、家族の価値観や期待、感情の表現力を助ける。
  3.家族が患者の病状や言動を理解できるように援助する。
  4.家族が問題解決に対する自律機能をとり戻せるように援助する。
    ・家族が自分達で考えて対処し、自分達なりに見通しをもって相談できるように、家族の自我自律性を活性化する助けをする。
    ・できるだけ面会に来ること、家庭では積極的に患者の話をすることを勧め、患者の入退院によって家族システムの変化や動揺が起きないように、患者を含めた家族システムを維持する流れを支援する。

E-1.患者への対応方法を指導する。

看護計画(強迫神経症)
Ⅰ.アセスメントの視点(強迫神経症)
 1.症状の変化を観察することが重要となり、細かな観察が必要。
 2.達成可能な目標を定め、達成感を味わえるように援助する。同時に頑張りすぎないようにコントロールすることを助ける。
 3.完全にしなくても認めてもらえる体験ができ、安全感がもてるように援助する。
Ⅱ.問題リスト(強迫神経症)
#1.無効な個人のコーピング
   (要因)・自我の能力を超えた強大なストレスあるいはストレスの持続
       ・問題解決技術の数の乏しさと未熟性
       ・未熟な防衛機制
       ・分離不安
       ・受身的攻撃性
       ・猜疑心
       ・未発達な自我と懲罰的な超自我
       ・自己不全感
       ・劣等感
   (特徴)・通常のコミュニケ-ションパタ-ンの変化
       ・対処できないと言い責任をとらない
       ・防衛機制の不適切な使用
       ・役割期待を遂行できない
       ・不安
       ・生活上のストレスの訴え
       ・問題解決ができない状態
       ・社会参加への変調状態
       ・自己または他者への破壊的行動
       ・援助が求められないことの不平のみを言う

#2.不安
   (要因)・分離不安
       ・未発達な自我と懲罰的な超自我
       ・問題解決技術の数の乏しさと未熟性
       ・未熟な防衛機制
       ・完全癖と自己不確実性の葛藤
       ・自我の能力を超えたストレス
       ・喪失体験
       ・猜疑心
       ・低い欲求不満の耐性
   (特徴)・落ち着きがない
       ・自己や他者への批判
       ・集中困難
       ・過去への固執
       ・無力感
       ・緊張
       ・心配

#3.社会的相互作用の障害
   (要因)・低い対人関係能力
       ・分離不安
       ・未発達な自我と懲罰的な超自我
       ・受身的攻撃性
       ・猜疑心
       ・劣等感
       ・強迫症状へのとらわれ
   (特徴)・依存欲求は強いが依存できない
       ・怒り、敵意など否定的な感情を表現できない。時にその感情が内向する
       ・性的衝動の扱い不全
       ・自己概念の否定的な変化および歪曲による現実認識の歪み
       ・不安の現実感を超えた持続
       ・刺激に対するコントロールの弱さ
       ・注意力散漫、集中困難
       ・柔軟性の欠如
       ・自己中心的な態度
       ・他罰的傾向
       ・症状を使って行う自己主張
       ・操作性
       ・人を困らせて怨みを晴らす
       ・他人にも自分にも不信感が強い
       ・他者が自分をどう知覚しているかについて(無視または)過剰に敏感
       ・表面的な人間関係
       ・動機の欠如

#4.家族機能の変調
   (要因)・病気になった家族メンバーの心理的不安定さによる家族全体の情動の変化
       ・病気になった家族メンバーの役割喪失による役割変化および経済的負担
       ・家族メンバー間の信頼の破綻
       ・未熟な対人関係能力、問題解決能力
       ・低い現実検討能力、欲求不満の耐性、感情保持能力、表現力
   (特徴)・家族システムが危機に対して建設的に対応しない
       ・家族メンバーの間で相互理解や感情の交流、健康的な相互依存をしない
       ・患者の状況や疾病を理解しがたい
       ・患者に期待はずれの怒りを抱くか、患者の依存を受け入れて患者の操作に乗る
Ⅲ.看護目標(強迫神経症)
 症状をもちながらセルフケアができる。
Ⅳ.看護問題(強迫神経症)
#1.無効な個人のコーピング

  長期目標:行動上の目標(枠)に沿って生活できる。
       症状が軽減あるいは変化して、日常生活に支障をきたさない。
  短期目標:6ケ月
       6ケ月~1年

O-1.以下のことを観察しアセスメントする。
    ・患者が直面した問題および状況の具体的事実
    ・患者の問題解決技術と現在も有効な解決技術
    ・患者が直面している葛藤や痛みと、回避するための防衛機制の使われ方の予測
    ・不安
    ・強迫症状
    ・自己評価
    ・依存欲求と充足方法
    ・退行および固着点
    ・欲求不満の耐性
    ・感情保持能力
    ・表現力
    ・現実検討能力
    ・受身的攻撃性
    ・猜疑心
    ・自己破壊傾向
    ・パ-ソナリティ-スタイル
    ・サポ-トシステム

T-1.患者に積極的な関心を示し、否定的な批判は避けて、安全感のもてる環境を提供する。
  2.個別性を重視し、基本的な信頼関係を築く患者-看護者関係の形成に努める。
    完全癖に固執しなくても安全感がもらえる体験ができるように援助する。
  3.症状の辛さを受け止める。
  4.症状のために満たせない基本的ニーズは介助する。不必要な世話はしない。
  5.達成可能な目標を定め、達成感が味わえるように援助する。同時に頑張りすぎないようにコントロールすることを助ける。
  6.徐々に健康的な面を活性化する活動ができるように援助する。
  7.集団精神療法への参加を勧め、集団の中での安全感の体験と他人とのやりとりを通して自分の欲求や怒りに気づく助けをする。
#2.不安

  &緊張を緩和し、完全癖に固執しなくても安全感がもてる。
   固さがほぐれ、頑張りすぎない。
  $6ケ月
   6ケ月

O-1.以下について観察し、アセスメントする。
    ・患者が直面した問題および状況の具体的事実
    ・患者の問題解決技術と現在も有効な解決技術
    ・使われた防衛機制
    ・強迫症状とその変化
    ・自己評価
    ・猜疑心
    ・欲求不満の耐性
    ・感情保持能力
    ・表現力
    ・現実検討能力
    ・意志決定能力
    ・パ-ソナリティ-スタイル
    ・サポ-トシステム

T-1.安全感のもてる環境を提供する。積極的な関心を示し、否定的な批判は避ける。また、過剰な刺激を取り除く。
  2.患者の不安や苦痛を理解し、安楽を提供する。共感することが大切。看護者は自分の不安を自覚し、同情することによって相互不安に陥らないように注意する。
  3.個別性を重視し、基本的な信頼感を築く患者看護者関係の形成に努める。完全癖に固執しなくても安全感がもらえる体験ができるように援助する。
  4.患者の健康な面を活性化し、できることは可能な限りさせて自我自律性を高める。不必要な世話はしない。
  5.強迫症状を改善するために、達成可能な行動上の目標を設定し、緊張を緩和すると同時に達成感をもたせて安全感を強化する。
  6.現実吟味を援助する。現実と現実状況の認識の歪みを区別する助けをする。看護者は現実吟味ができるモデルとしての役割を果たす。
  7.感情や欲求を明確にする助けをする。
  8.できたことを評価し、健康なパーソナリティースタイルを活性化する。
  9.不安が減少して、心的エネルギーの消費が少なくなれば、不安の原因の理解を助け、問題解決技術と適応機制を補強する。

#3社会的相互作用の障害

  &社会性に問題があることを認めることができる。
   効果的な対人関係行動を見出すことができる。
  $6ケ月
   6ケ月~2年

O-1.以下について観察し、アセスメントする。
    ・対人関係パターン
    ・強迫症状
    ・自己概念
    ・問題解決技術
    ・防衛機制
    ・自己評価
    ・猜疑心
    ・責任性
    ・柔軟性
    ・不安
    ・性的衝動の抑圧
    ・欲求不満の満たし方
    ・現実検討能力
    ・欲求不満の耐性
    ・感情保持能力
    ・表現力
    ・感受性
    ・パーソナリティースタイル
    ・気分転換活動のための資源
    ・サポートシステム
    ・社会的孤立
T-1.患者に積極的な関心を示し、否定的な批判を避けて、安全感のもてる環境を提供する。看護者の侵入的でない語りかけ、おしゃべりを大切にする。
  2.個別性を重視し、基本的な信頼感を患者-看護者関係の形成に努める。
    ・完全癖に固執しなくても安全感がもらえる体験ができるように援助する。
    ・強迫症状を緩和するための行動上の目標を設定して、その意味を教示し、達成感をもたせて安全感を強化すると同時に、頑張りすぎないようにコントロールすることを助ける。
    ・患者の自我自律性に刺激を与え、体験(欲求、期待、感情)の言語化、明確化を助けると同時に、患者が客観的に自分を観察できるように援助する。
    ・患者の問題を引き受け過ぎず、患者の問題としてフィードバックする。
    ・患者の困っていることを明確にし、目標を共有する。
    ・患者の休止しているが保有している能力を活性化して活用する。
    ・健康な側面を活性化することによって、心的エネルギーを賦活して活動性を高める。
    ・適切な気分転換活動を日課に取り入れ、積極的に支援する。
    ・患者の葛藤や痛み、症状とは関係のない領域の話を積極的にする。
    ・集団精神療法への参加を積極的に勧め、集団の中での安全感の体験と他人のやりとりを通して、自分の欲求や怒りに気づく助けをする。

E-1.心的エネルギーが回復すれば、対人関係能力を高めるためのトレーニング(コーピングスキルのトレーニング、アサーショントレーニング)を行い、問題解決技術、適応訓練、感受性、表現力を補強する。

#4家族機能の変調

  長期目標:家族が自分の感情や期待を表現できる。
       患者の回復のプロセスに自分達が参与できる役割を自覚し、遂行できる。
       患者が問題解決に対する自律機能を取り戻すことができる。
  短期目標:1ケ月
       3ケ月
       6ケ月

O-1.以下の項目の観察、アセスメントをする。
    ・家族構成
    ・家族の状況(家族が抱えている問題と資源、家族間の境界)
    ・患者理解(疾病と症状に対する理解を含む)
    ・価値観、期待、患者への感情
    ・問題解決技術
    ・防御機制
    ・依存性
    ・感受性
    ・現実検討能力
    ・欲求不満の耐性
    ・感情保持能力
    ・表現力
    ・責任遂行能力
    ・患者の対応への戸惑い
    ・サポート力とサポートシステムの活用能力
    ・家族間の力関係と相互作用
    ・患者の回復のプロセスを阻害する因子
    これらの観察項目から、患者を含めた家族間の力関係と相互作用、家族の能力と資源をアセスメントする。

T-1.アセスメントに基づいて、家族に必要な援助項目と看護者が家族に行う援助内容を明確にして、患者および家族と共有する。
  2.家族の表現を促進し、家族の価値観や期待、感情の表現力を助ける。
  3.家族が患者の病状や言動を理解できるように援助する。
  4.家族が問題解決に対する自律機能をとり戻せるように援助する。
    ・家族が自分達で考えて対処し、自分達なりに見通しをもって相談できるように、家族の自我自律性を活性化する助けをする。
    ・できるだけ面会に来ること、家庭では積極的に患者の話をすることをすすめ、患者の入退院によって家族システムの変化や動揺が起きないように、患者を含めた家族システムを維持する流れを支援する。
E-1.患者への対応方法を指導する。

摂食障害患者の標準看護計画



摂食障害とは
 臨床で問題となることが最も多いのは神経性食思不振症と大食症である。神経性食思不振症は痩せ願望、成人することへの拒否、成長モデルのもてなさの反映などに基づいて意図的に不食行動をとり、著明な体重減少をきたす疾患で、若年の女性に好発する。患者は、自分の痩せ方を客観的に評価できず、現実以上に太っていると思い込む傾向がある。はじめは不食として発症するが、過食、隠れ食い、盗食といったさまざまな食行動異常がみられる。過食した直後に嘔吐したり、下剤・利尿剤などを乱用することもよくある。
摂食障害患者のアセスメントの視点


 身体と精神の双方に障害が生じる疾患であるだけに、食べることにこだわらされるが、そのことにこだわらない対応の工夫が求められる。成因としては家族病理、特に母子関係の障害による自立の困難、思春期における精神・生理的変化、社会文化の影響などが考えられる。患者だけでなく、患者を取り巻く環境にも目を向ける必要がある。
摂食障害患者の症状


身体症状
著明なるい痩、無月経、便秘、皮膚の乾燥、低カリウム血症、基礎代謝の低下、低血圧、徐脈、CT上可逆性の脳萎縮 精神症状
身体症状に関わらず異常に高い活動性(勉学・仕事に極めて熱心)
性格変化(自己中心的、負けず嫌い、自尊心が強い、周囲に対して敏感、金銭・食物への執着が強い)
食行動の異常
食事量の極端な減少、カロリーの低いものばかり選んで食べる、一人食い、盗み食い、隠れ食い、過食後の自己誘発嘔吐、下剤・利尿剤の乱用

摂食障害患者の検査

• 生化学、血液一般検査
• CTスキャン
• MRI
• EEG
• SPECT
• ECG
• 心理検査:主にロールシャッハ、MMPIなど

摂食障害患者の治療

 1.精神療法:ボディイメージの障害、認知の歪み、治療継続に伴うストレスなどに対して用いる
 2.身体療法: 必要に応じて鼻腔栄養や血管からの栄養補給や中心静脈栄養を用いる
 3.薬物療法: 合併する精神症状に抗精神病薬、抗うつ薬・抗不安薬を適宜併用
 4.行動制限療法:不適応な問題行動を除去または減弱させて、適応行動を促し強化するために用いる
経過と管理
 身体と精神に障害が生じるため一般に予後は不良で、栄養低下のため”死亡”する例もある。約半数は自然治癒や治療による軽快が望める。るいそうへの希求を表面あるいは内面に保ちながらも社会生活を送れる例もある。しかし、“食”に対する強力なこだわりに基づく行動、性格変化が高度となるため日常生活や社会生活が営めなくなる例も多い。過食を伴う場合は特に予後はよくない。


摂食障害患者の看護計画

Ⅰ.摂食障害患者のアセスメントの視点

自発的な摂食制限や不食状態の時は、食事摂取状況と身体状況を把握し、栄養状態が悪ければ栄養を補給する。その時、食べることは強要しないで食事や体重へのこだわりを軽減するように関わる。また食べることや体重増加に対する強い不安に対しては、看護者も一緒に考えてくれるのだということを分かってもらい少しでも不安を軽減する。患者は依存対象が決められない不安や見捨てられるのではないかという不安から心理機制が働いていることが多い。このため、患者の言動や行動に振り回されたり巻き込まれたりする危険性があるので対応を統一していく必要がある。

Ⅱ.問題リスト
#1.非協力的な治療態度
   [要因]・病識の不足
       ・ボディイメージの障害
       ・危機感の欠如
       ・根強い痩せ願望

#2.著明なるいそうによる生命の危機
   [要因]・食行動の異常(拒食、過食、嘔吐)
       ・過活動による多大なエネルギーの消費
       ・根強い痩せ願望
       ・ボディイメージの障害

#3.入院生活によりみられる問題行動
   [要因]・病識の欠如
       ・制限に対してのストレス

#4.アイデンティティーの未確立と成熟への拒否や嫌悪感
   [要因]・親子関係の歪み
       ・未熟な自我

#5.社会生活への不安
   [要因]・周囲の理解不足
       ・親子関係の歪み
       ・自立への不安
Ⅲ.看護目標
1. 入院治療を受け入れ、落ち着いて過ごせる
2. 自尊心を持ち始め健全な食習慣が形成される
3. 自己決定ができるようになり、家族内の調整ができる

Ⅳ.看護問題
#1.非協力的な治療態度


   [要因]・病識の不足
       ・ボディイメージの障害
       ・危機感の欠如
       ・根強い痩せ願望

  長期目標:入院生活が落ち着いて送れる
  短期目標:1ヶ月

O-1.精神症状の把握
     1)行動状況(過活動)
     2)言動(痩せに対する)
     3)表情
     4)面会時の家族間の言動、行動
     5)病識や疾病の理解度
  2.日常生活行動
     1)排泄
     2)更衣
     3)清潔(入浴・洗髪など)
     4)食事
     5)身体の移動
     6)睡眠
     7)コミュニケーション
  3.入院前の食生活の状況
     1)拒食
     2)過食
     3)嘔吐
     4)摂取量、偏食傾向
T-1.患者の気持ちを尊重し安心感が持てるように接する
  2.強制的な態度をとらず、何でも相談できるような信頼関係をつくる
  3.行動が観察しやすいように病室やベッドの位置について配慮する
  4.状態に応じてADLの介助を行う
E-1.治療は患者を守るためのもので必要なことを十分に説明する

#2.著明なるい痩による生命の危機

   [要因]・食行動の異常(拒食、過食、嘔吐)
       ・過活動による多大なエネルギーの消費
       ・根強い痩せ願望
       ・ボディイメージの障害

  長期目標:栄養状態が整い生命の危機を脱する
  短期目標:2週間

O-1.バイタルサイン
  2.顔色、口唇色、爪色、四肢の冷感
  3.皮膚の乾燥や浮腫
  4.体重、肥満度、最高体重から何㎏減少しているか
  5.月経の有無、最終月経
  6.検査データ(血算、生化学、内分泌、基礎代謝、BS、尿ケトンなど)
  7.意識レベル
  8.便と尿量
  9.褥瘡の有無
  10. 嚥下困難の有無
  11. 上腹部不快感
  12. 嘔吐の有無、状況、方法、回数
  13. 食事摂取量、内容、好んで食べているもの
  14. 下剤・利尿剤の乱用
  15. 入浴時間・状況
  16. 活動状況

T-1.バイタルサインチェックにて全身状態の異常を早期に発見する
  2.医師の指示のもとに統一された条件で体重測定
  3.状態に応じてADLの介助を行う
  4.温かいベッドの準備、温かい衣類の着用による保温
  5.経管栄養、高カロリー輸液の際は、自己抜去に注意し確実に管理する
  6.経口摂取が可能なら、少しずつ食事摂取の機会をつくり補食も考慮する
  7.糖質、たんぱく質と適量の水分補給
  8.持ち物点検により浣腸、下剤・利尿剤は持たせない
  9.できるだけ安静にし、体重コントロールのための適度の運動は参加を促す
  10. 家族とその役割について抱いている感情を表出させる
  11. 外泊の目標に沿って評価し、外泊前後の感情、気分、活動を観察する
  12. 治療、退院後の計画に家族を患者と一緒に参加させる

#3.入院によりみられる問題行動

   [要因]・病識の欠如
       ・制限に対してのストレス

  &制限内で日常生活ができる
  $2ヶ月

O-1.制限が守れる
     1)安静度
     2)清潔
     3)制限事項(面会、電話、手紙)
     4)食事量
     5)間食の有無
     6)嘔吐の有無

T-1.行動制限内容を確認する
  2.スタッフ間で治療の一貫性を持つため、主治医を交えてカンファレンスを積極的に行い、統一した対応をする
  3.嘔気、食欲不振、腹部膨満感などの心気的訴えに対しては、問題がなければ中立的態度で接する
  4.その他の訴えに対しても注目や関心を示すことで訴えを強化しないようにする
  5.便秘時、本人の訴えがない時はそのまま様子観察し、下剤の希望があれば主治医に報告し指示を受け対処する
  6.体重測定時は同一条件のもと行う
  7.体重増加がみられなかったり、食事を全量摂取していなくても理由を追及しない
  8.体重増加がなかなかしない場合は、嘔吐または食事を捨てていること、下剤などの乱用も考えられるため行動観察を密にし、異常行動があった場合は主治医に連絡する
  9.強迫行動をとりやすく、また痩せようと試みるため入浴や洗髪に時間をかけるので入浴日、時間を指定する
  10. 食事時間が長い場合は時間をチェックし、問題行動がないか注意する
  11. 患者の言動から無断離院が予想される場合は観察を密に行い予防に努める
  12. 無断離院発見時には「事故発生に伴う対処」に基づき対処する
  13. 無断離院した者が帰院した時は平常心で接し、無理に声を掛けたり離院の理由を問いたださない
  14. 同室者に対して治療法を簡単に説明し協力を依頼する
  15. 食物や食事自体を話題にせず、情緒的な問題に焦点をあてる
  16. 看護者はフラストレーションや怒りなどを感じることがあるが、その感情を意識し、その感情を他のスタッフに表現し、患者との関わりの中で表現しない

E-1.制限事項を破った時はその場で必ず注意し、主治医の指示に基づいて対処する
  2.家族に対しては主治医から治療中の面会、電話などの行動制限について説明を行い、協力を依頼する
  3.食物、栄養、体重への誤った考えがある場合はスタッフで統一した患者指導をする

#4.アイデンティティーの未確立と成熟への拒否や嫌悪感

   [要因]・親子関係の歪み
       ・未熟な自我

  長期目標:退行行動が減り、自立と成熟した行動が増す
  短期目標:4~5ヶ月

O-1.他者とのコミュニケーションのしたか
  2.行動
T-1.患者の年齢に応じた接し方をし、患者に対しては年齢相応の振る舞いを期待する
  2.できたことに対し、肯定的な支持を与えほめる
  3.患者の長所や能力のある事柄に関心を向ける
  4.容易にできる仕事や活動から与え、成功の体験をさせ徐々にレベルアップさせる
  5.レクリエーション参加を促す
  6.ストレスに対する患者の捉え方や反応を知り、ストレスを感じた時は看護者に話すように伝える。また一緒に話し合いストレス
    や不安の対処方法を見つける
  7.仕事、家族の問題、自立、性、社会生活について思っていることを表現するのを援助する

#5.社会復帰への不安

   [要因]・周囲の理解不足
       ・親子関係の歪み
       ・自立への不安

  長期目標:退院に向けて準備ができる
  短期目標:退院まで

O-1.家族との面接を行い、家族に治療への参加を促す
  2.家族とその役割について抱いている感情を表出させる
  3.外泊の目標に沿って評価し、外泊前後の感情、気分、活動を観察する
  4.治療、退院後の計画に家族を患者と一緒に参加させる

双極性障害の患者(躁うつ病患者)の標準看護計画

双極性障害とは

気分(感情)の障害を主徴とする。気分が高揚し意欲の発動性が亢進する躁状態と、反対に気分が沈滞・低下し意欲の発動性が抑制されるうつ状態がある。病型には躁病相、うつ病相の一方だけを持つ単極型と両方を持つ双極型がある。

発病には生物学的要因(遺伝因子)や心理的要因(性格)、社会的要因(就職や結婚など)が関与しているといわれている。これらの要因が交互に関連しながら発症に至っている。

うつ状態は、脳器質性疾患やその他の身体疾患から生じる精神障害、薬物使用から生じる精神障害、内因性うつ病、神経性うつ病などでみられる。

精神症状が不明瞭で、身体症状が主となる仮面うつ病もある。


双極性障害患者のアセスメントの視点

統合失調症と並んで代表的な内因精神病である。

統合失調症は人格にまで影響を及ぼすのに対し、双極性障害は病相を繰り返しても人格の変化や障害が生じにくい。

双極性障害の発病には、生物学的要因や心理的要因、社会的要因が関与しているのであるから、これらの要因を多角的に把握していくことが重要である。

一つの病相期にも軽重さまざまな程度がある。一夜にしてうつから躁へと一転してしまうケースもある。

各々の状態に捉われることなく、患者の正常な時期の全体的人格像、患者像を把握しておくことが重要である。



双極性障害患者の症状


基本的な障害は感情の障害である。感情の変化に二次的に思考ならびに意欲の変化が伴う。
躁状態とうつ状態の対比
躁の身体症状
睡眠障害(不眠、早朝覚醒)
食欲亢進、体重減少
性欲亢進、嗄声、疲労感の欠如

躁の精神状態
気分爽快
行為心迫
喜悦、充実感、楽天的、自信過剰、無遠慮、干渉的、多弁、多動、精神運動興奮、易刺激性、易怒性、攻撃性、尊大、自己中心的、色情的脱線行為、うぬぼれ、誇大妄想

うつ状態の身体症状
睡眠障害(入眠障害、途中覚醒、早朝覚醒、睡眠過剰)食欲不振、体重減少性欲減退、便秘、口渇、疲労・倦怠感、頭重感

うつ状態の精神状態
抑うつ気分
精神運動抑制
思考抑制
悲哀、寂寥感、絶望感、劣等感、離人症、嫌人症、絨黙、当惑、昏迷、不安、焦燥、苦悶、自責感、希死念慮、自殺企図、罪業・貧困・心気妄想、日内変動

双極性障害患者の検査

• 生化学、血液一般検査
• 甲状腺機能
• CTスキャン
• MRI
• EEG
• SPECT
• 心理検査: ツング、ベック、ハミルトン、MMPI


双極性障害の患者の治療

1.薬物療法
1)抗うつ剤
三環系:トフラニール、アナフラニール、トリプタノール
四環系:ルジオミール、テトラミド
その他:ドグマチール、ミラドール、デジレル
2)抗躁剤:リーマス、テグレトール
抗精神病薬:セレネースレボトミン(ヒルナミン)、ロドピン

 2.電撃療法(ECT or  M-ECT )
難治性のうつ病、自殺の危険が非常に高い場合、昏迷状態、副作用のため薬物を投与できない場合
 3.精神療法

経過と管理
 躁病相の持続はうつ病相よりも短く、多くは1~2ヶ月のうちに回復する。まれには軽躁状態が持続する慢性経過をとるものもある。

うつ病相の持続は数ヶ月から1年内外に及ぶ。まれに数年に渡ってうつ状態が遷延する遷延性うつ病もある。病相期と病相期との間には正常状態を呈する寛解期が存在するが、時にはうつ状態から躁状態へ、あるいは躁状態からうつ状態へ急激に移行することがある。

特に抗うつ薬服用中にうつ状態から躁状態へ一過性に転化(躁転)する例が往々にしてみられる。

一般に躁うつ病の予後は良好で、各病相が寛解したあとには精神的欠陥を残さないのが通常である。

しかし遷延性うつ病や老年期うつ病のように、なかなか完全寛解に至らない場合もある。また双極性障害では再発を繰り返すことが問題で、そのため勤務に差し支えることがある。しかし、最近のリチウム療法などで再発予防の対策もなされている。

うつ病ではしばしば自殺の転帰をとる危険がある。自殺企図はうつ病相の極期よりも、精神運動抑制が軽くなった回復期に起こりやすい。

看護計画(躁状態)
Ⅰ.アセスメントの視点(躁状態)

躁状態の特徴は精神的活動性及び身体的活動性の亢進である。気分や行動の混乱のレベルを見極め、それが身体的機能や日常生活に及ぼす影響について観察することが大切である。その障害のレベルに応じた対応が必要となる。刺激を避け、トラブルを起こさないよう注意し、安全と休息を確保する必要がある。

Ⅱ.問題リスト(躁状態)
#1.多弁、多動による他患者とのトラブル
   [要因]・落ち着きのなさ
       ・気分高揚、興奮状態、易刺激性
       ・他患者への過干渉
       ・誇大妄想や敵対行動
       ・粗雑な行動
       ・観念や話題の脱線

#2.活動性亢進による夜間不眠
   [要因]・睡眠欲求の減少
       ・落ち着きのなさ
       ・気分高揚、興奮状態
       ・疲労感の減弱・欠如
       ・際限のない活力

#3.注意散漫による食行動の乱れ
   [要因]・食欲亢進
       ・食欲コントロール能力の低下
       ・消費エネルギーの増大

#4.身辺整理能力の低下
   [要因]・粗雑な行動
       ・落ち着きのなさ
       ・集中力の低下

#5.多買傾向
   [要因]・金銭感覚、経済観念の欠如
       ・気分高揚、観念奔逸
       ・浪費

#6.誇大性による服薬行動の乱れ
   [要因]・副作用による苦痛の有無
       ・薬の必要性の理解の欠如
       ・病識の欠如
       ・楽観主義
       ・際限のない自信
       ・妄想による内服への不信感

#7.不穏状態による自傷、他害、器物破損
   [要因]・他患者への過干渉
       ・集中力低下、注意散漫
       ・気分高揚、興奮状態、易刺激性
       ・思考の促迫化
       ・誇大妄想や敵対行動

#8.今後への不安
   [要因]・生育歴、家庭環境によるもの
       ・自己の役割の喪失
       ・現実を直視することの不安
       ・興奮状態である自己の振り返りへの不安

#9.気分の高揚による無断離院
   [要因]・病識の欠如
       ・環境への易刺激性、気分高揚
       ・入院の必要性の理解の欠如
       ・妄想による入院への不信感
       ・活動性亢進

Ⅲ.看護目標(躁状態)

1. 睡眠・休息・活動のバランスがとれ、他患者とトラブルを起こすことなく落ち着いて安全に入院生活が過ごせる
2. 必要な日常生活を自分で整えることができる
3. 適切な栄養と水分の摂取を回復し、それを維持できる
4. 病識をもち内服の必要性を理解できる

Ⅳ.看護問題(躁状態)
#1.多弁、多動による他患者とのトラブル

   [要因]・落ち着きのなさ
       ・気分高揚、興奮状態、易刺激性
       ・他患者への過干渉
       ・誇大妄想や敵対行動
       ・粗雑な行動
       ・観念や話題の脱線

  &他患者とトラブルを起こすことなく、落ち着いて入院生活を送ることができる
  $1~2週間

O-1.病棟での日常生活の様子
  2.他患者に対する言動
  3.看護者に対する言動
  4.言動の内容
  5.患者自身の抑制力の程度

T-1.他患者に対し悪影響を及ぼす恐れのない場合は無理に行動を止めず見守るのみとし、悪影響のある場合は患者と話し合い活動範囲を決めていく
  2.他患者とトラブルを起こしそうな状況になれば、看護者が関係の調整を図る
  3.些細なことにも反応し興奮しやすいので言葉使いや態度に注意し、むやみに刺激しない
  4.次々と要求を出したり訴えたりしてきても、看護者全員が統一した態度をとり患者に振り回されないようにする
  5.無理な自己主張であっても、余裕をもって受け流すような対応をする
  6.患者と約束したことは必ず守り優先して行い、待つ時間を短時間にする
  7.レクリエーションのリーダーシップをとらせるなど、患者のエネルギーをプラスの方向に発散させる場をつくる   8.患者を理論的に説得することは、あまり意味のないことを知ったうえで接する
  9.状況に応じ個室に移し静かな環境をつくる
  10. 日課、処置、検査などは簡潔に説明し、必要であれば医師から説明してもらう
  11. 不安、怒り、恐れなどの感情を言葉で表現するように手助けし、早期にストレスや緊張を緩和する方法を捜す
  12. 患者に何が期待されているのかを伝え、患者と共に到達目標を決めていく
  13. 面会・電話・手紙や他者との関わりは医師の指示のもと制限する

#2.活動性亢進による夜間不眠

   [要因]・睡眠欲求の減少
       ・落ち着きのなさ
       ・気分高揚、興奮状態
       ・疲労感の減弱・欠如
       ・際限のない活力

  長期目標:休息が得られ他患者に悪影響を及ぼさない
  短期目標:入院後1~2週間

O-1.夜間の睡眠状態
  2.夜間不眠時の様子
  3.日中の活動状況

T-1.覚醒していても無理に眠ることをすすめず様子をみる
  2.眠らずに洗濯したり徘徊したりしても、直ちにその行動をとがめたり止めさせず、他患者に悪影響を及ぼす場合には医師の指示のもとに対処する
  3.患者の自尊心を傷つけないように注意し、指示された睡眠剤を同意が得られるように与薬する
  4.睡眠不足からくる身体衰弱に注意する
  5.休息、昼寝、安静の時間を日中に設ける
  6.就寝時には明かりを暗くするなど入眠しやすいように静かな環境をつくる

#3.注意散漫による食行動の乱れ
   [要因]・食欲亢進
       ・食欲コントロール能力の低下
       ・消費エネルギーの増大
  長期目標:適量の食事が摂れる
  短期目標:1~2週間

O-1.食事摂取量、所用時間、回数
  2.食事中の様子:自室への持ち帰りの有無
  3.間食の有無、程度
  4.他患者との食物の授受の有無
  5.体重の増減
  6.間食の手持ちの量

T-1.落ち着いて食事が摂れない場合には、患者を刺激しないように側に付き添ったり、必要であれば介助する、また刺激を避けるため自室で摂取させたり、時間を遅らせたりする
  2.あれこれと食物を集めるが、見掛けの割には食事量が少ないことがあるので注意して食事量をみていく
  3.間食やタバコの量が過度に増加した場合には注意し、必要時制限する
  4.患者の抑制力が弱い場合には間食などを看護者が管理し、食事量や体重増加をみながら適量を渡す

E-1.限度を守り適量を摂取するよう説明する
#4.身辺整理能力の低下

   [要因]・粗雑な行動
       ・落ち着きのなさ
       ・集中力の低下

  長期目標:他患者と自分の所持品の区別ができ身辺を整えることができる
  短期目標:2~3週間

O-1.身辺の整理状況
  2.自分の所持品がきちんとそろっているか
  3.他人の物を持っていないか
  4.自分のベッド周囲以外の場所に所持品を乱雑に広げていたり、放置していたりしていないか
  5.患者間での物品の貸し借りの有無

T-1.乱雑になっていても直ちに整理することを強要せず、患者と共に片付ける
  2.環境整備時などを利用し定期的に整理する
  3.病棟の物品、他患者の所持品を取り込んでいる場合にはそれとなく注意し、強く叱るような態度をとらない
  4.乱雑になっていても、患者にとって何らかの意味づけがあるので、状況を把握したうえで注意し、むやみに乱雑と決めつけない

#5.多買傾向

   [要因]・金銭感覚、経済観念の欠如
       ・気分高揚、観念奔逸
       ・浪費

  長期目標:過度な浪費をしない
  短期目標:退院まで

O-1.売店車での購入状況
  2.通信販売やテレビショッピングに申し込んだりしていないか
  3.他患者から物を買ったりもらったりしていないか
  4.家族に対し、物を買ってくることを強要していないか
  5.他患者やその家族に買い物を依頼していないか

T-1.売店車での買い物時には付き添い、多量に買おうとする場合には注意し、必要なものだけにするように声掛ける   2.1回の買い物の金額を決めておくよう患者と話し合う
  3.高価な物を買おうとする場合は患者と話し合い、本当に必要な物か考えてもらい、患者が納得できない場合には、家族から
    買えないことを伝えてもらう
  4.患者の自制力が弱く抑制できない場合には金銭を看護者管理とする

#6.誇大性による服薬行動の乱れ

   [要因]・副作用による苦痛の有無
       ・薬の必要性の理解の欠如
       ・病識の欠如
       ・楽観主義
       ・際限のない自信
       ・妄想による内服への不信感

  長期目標:服薬の必要性を理解し確実に服薬できる
  短期目標:退院まで

O-1.拒薬の原因を知る
     1)服薬時の態度や服薬に関する患者の訴え
     2)妄想体験の有無、程度
     3)病識の有無
     4)患者や家族の薬に対する考え方
     5)医師との治療関係:服薬変更の説明の有無
     6)医師、看護者との信頼関係
     7)副作用の有無:アカシジア、尿閉、口渇、眼球上転発作、便秘など

T-1.服薬の説明と介助をする
     1)根気強く服薬の必要性を説明する:時間をかけて何度も説明する、あるいは時間をおいて再度勧める、他の看護婦に代わったり医師を同行して内服を勧める
     2)患者に合った介助をし患者のプライドを傷つけないようにする:口の中へ入れてあげたり、手渡しをする
     3)上記を行い、それでも拒薬した場合は医師に報告し指示を受ける
     4)患者の病気の苦しさを認めたうえで、今は苦痛を除去するために薬の力が必要であると説明する
     5)拒薬の原因を探り薬を飲むことが危険ではないことを話す
     6)薬の副作用の説明をする
  2.服薬の確認を行う
     1)必ず、看護者の前で内服させる
     2)隠し持ったりするため服薬後の行動に注意し、ごみ箱や洗面所などを点検する
     3)舌の下に隠したり、コップの中に吐き出したりするため内服後口腔内の確認、または含嗽や歯磨きなどで吐いていないか確認する
  3.主治医との言語の統一を図る:加薬時、減量時、変更時
     1)錠剤、散剤、液剤、注射など患者の状態に応じ、患者に合ったものに変更できるよう医師と話し合う
     2)患者が受け入れやすいように、同作用でも種類の異なった薬を使用したり、錠剤の数を減らしたりする
  4.副作用による苦痛を受容し早くに発見し対応する
     1)副作用出現時は早期に医師に報告し指示を受ける
  5.看護者との信頼関係を築き、原則として力づくでの与薬は避ける
     服薬に対する不満を持っていても、「この人の言うことなら」という信頼関係を築き、できる限り力づくでの与薬を避けるようにする
  6.医師の指示により薬物血中濃度測定する

E-1.主治医の協力を得、患者に合った服薬の必要性を説明する:時間と手間をかけ、そのつど繰り返し説明する
  2.副作用を説明し内服を促す。副作用が出現しても必ず良くなることを説明する
  3.薬物療法に対する理解の低い家族に対しては入院時、面会時、外泊時、退院時などの機会を利用して説明する
  4.退院後の自己管理につながる方法を意識して指導し、入院中より自己管理を開始する

#7.興奮、不穏行動による自傷、他害、器物破損

   [要因]・他患者への過干渉
       ・集中力低下、注意散漫
       ・気分高揚、興奮状態、易刺激性
       ・思考の促迫化
       ・誇大妄想や敵対行動

  長期目標:興奮、不穏状態がおさまり危険な行動をとらない
  短期目標:3~4週間

O-1.病棟での日常の様子
  2.他患者に対する言動
  3.訴えの内容と行動
  4.興奮の原因を把握する
  5.外傷、身体的異常の有無

T-1.普段から信頼関係を保ち、話し掛けやすい雰囲気をつくっておく
  2.訴えをよく聞き、みだりに患者と議論したり感情的態度で接しない
  3.看護者は興奮に巻き込まれないよう、落ち着いた態度で根気よく接する
  4.服従させる目的でみだりに力を用いないよう努める
  5.説得の効果がある時は説得を試み、それでもだめな場合は医師より説得してもらう
  6.周囲および患者自身に危険が及ばないように配慮する
  7.必要に応じ医師の指示にて隔離室入室または部屋を転室し観察を密にし、静かな環境を提供する
  8.必要に応じ医師の指示にて処置(与薬、注射)を行い鎮静を図る
  9.疲労が激しいので状態に応じて水分と食物の摂取を促す
  10. 看護者は複数で対応し、単独での対応は避ける
  11. 感情の言語的表現を助け、はけ口の場を与える

#8.今後の不安

   [要因]・生育歴、家庭環境によるもの
       ・自己の役割の喪失
       ・現実を直視することの不安
       ・興奮状態である自己の振り返りへの不安

  長期目標:今後の生活に自信を持つことができる
  短期目標:退院まで

O-1.訴えの内容の把握
  2.家族などの面会状況の把握
  3.不安の内容
  4.社会背景

T-1.退院後の生活についてゆっくりと時間をかけ話し合う
  2.不安の原因が明らかな場合は、具体的な解決策を提案する

E-1.家族指導を行う
     1)日常生活での注意点
     2)学校
     3)就職
     4)内服の必要性

#9.気分高揚による無断離院    [要因]・病識の欠如
       ・環境への易刺激性、気分高揚
       ・入院の必要性の理解の欠如
       ・妄想による入院への不信感
       ・活動性亢進

  &離院することなく入院生活が安全に過ごせる
  $外泊可能となるまで

O-1.外泊、退院要求が強くないか
  2.訴えてくる内容
  3.訴えの頻度
  4.頻回に自宅へ電話をかけて外出、外泊、退院を希望していないか

T-1.閉鎖病棟の場合
     1)閉鎖ドアの開閉には十分注意し、きちんと施錠されたことを必ず確認する
     2)院内散歩は主治医の許可が出ていることを確認したうえで行う
     3)院内散歩の許可が出ていてもその日の患者の状況を把握したうえで、離院の危険性がある場合は中止する
     4)他科受診、検査など緊急性のない場合は延期し、むやみに病棟から出さない
  2.開放病棟の場合
     1)離院の可能性がある患者の場合は、頻回に訪室し所在を確認していく
     2)病状によっては主治医と相談のうえ閉鎖病棟への転室も考慮する
  3.離院を発見したら、直ちに「事故発生時に伴う対処の手順」に従って報告、捜索する

E-1.開放病棟の患者には散歩などで病棟外へ出る場合はNs室に行き先、所要時間を必ず告げるよう説明し無断では行かないよう声掛ける
  2.帰室時にはNs室に行き、帰室したことを必ず告げるよう説明する

Ⅰ.アセスメントの視点(うつ状態)
 抑うつ状態では気分や思考、言動あるいは身体面に特徴のある変化がみられる。まずそれらの程度を把握することが必要である。抑うつ状態が強い時期は、自発的に行動することが困難となり身の回りに関する日常生活行動さえできなくなり、全面的な介助が必要になる。また身体症状も出現するので、その観察も十分に行う。さらに焦燥感や絶望感、自己否定感情のため自殺を考えたり、実行する危険性があるので十分注意する。
Ⅱ.問題リスト(うつ状態)
#1.感情障害による抑うつ気分
   [要因]・休息、睡眠、活動バランスの障害
       ・ひきこもりと精神運動制止
       ・低い自己評価
       ・抑うつの感情
       ・感情表現能力の低下

#2.食欲低下による食事摂取量の減少
   [要因]・睡眠障害
       ・活動性の低下
       ・ホメオスターシスの障害
       ・抑うつの感情
       ・栄養状態の変調(身体要求量以下)

#3.拒食による栄養失調状態
   [要因]・罪責感
       ・抑うつの感情
       ・不安
       ・妄想
       ・自殺行動
       ・ひきこもり
       ・看護者、他患者への不満、反抗
       ・昏迷
       ・希死念慮

#4.睡眠障害による不眠、特に早朝覚醒
   [要因]・環境の変化
       ・活動量の低下
       ・不安、焦燥感

#5.自発性低下による清潔行為の不足
   [要因]・抑うつの感情
       ・意欲の低下
       ・身だしなみへの無関心さ
       ・活動性の低下

#6.排泄困難
   [要因]・無関心または過敏な反応
       ・運動量の低下
       ・食事量の低下
       ・活動性の低下
       ・昏迷
       ・意欲の低下

#7.意欲低下による臥床傾向
   [要因]・自発性の欠如
       ・意欲の欠如
       ・ひきこもり
       ・昏迷

#8.興味、関心の低下による対人関係の障害
   [要因]・活動性の低下
       ・思考障害
       ・精神活動の遅延
       ・会話の減少
       ・疲労感
       ・社会からのひきこもり、内向性、自信喪失
       ・興味の欠如

#9.心気的訴えが多い
   [要因]・情動的問題の否認
       ・感情の認識と表現の障害
       ・身体機能へのこだわり
       ・病気への恐れやこだわり
       ・薬物や治療への依存

#10.思考障害による妄想(罪業、心気、貧困)
   [要因]・抑うつ状態
       ・喪失体験
       ・人間関係上の問題、性格、生活環境
       ・肯定的フィードバックの欠如
       ・思考障害

#11.抗うつ剤による副作用
   [要因]・抗うつ剤の種類、量、長期投与
       ・薬に対する感受性
       ・年齢

#12.希死念慮
   [要因]・抑うつ状態
       ・罪責感、自責感、絶望感
       ・心的外傷(喪失、災害、虐待)
       ・社会的孤立
       ・低い感情保持能力、表現力
       ・自己概念の否定的変化
       ・自己破壊性の内向傾向
       ・衝動のコントロールの弱さ
       ・未熟な現実検討能力、問題解決技術、防衛機制

#13.外泊中の衝動行為
   [要因]・環境変化による不安
       ・家族関係の不和
       ・サポートシステムの欠如
       ・家庭での役割の喪失と孤独感
       ・薬物、危険物管理の不十分
       ・今後の不安

#14.疾患に対する不安、焦燥感
   [要因]・再入院
       ・症状の遷延、入院の長期化
       ・症状、治療方針に対する説明不足、または理解不足
       ・薬物療法による副作用の出現
       ・抑うつの感情

Ⅲ.看護目標(うつ状態)
1. 自殺企図を起こさない
2. 適切な栄養の摂取、衛生維持、排泄、休息、活動が整う
3. 状態の悪化を予防し改善を図る
Ⅳ.看護問題(うつ状態)
#1.感情障害による抑うつ気分

   [要因]・休息、睡眠、活動バランスの障害
       ・ひきこもりと精神運動制止
       ・低い自己評価
       ・抑うつの感情
       ・感情表現能力の低下

  &治療が順調に経過し抑うつ気分が改善する
   感情を表出することができる
  $1~3ヶ月

O-1.抑うつ気分の程度
  2.患者の態度、表情、会話、服装、行動
  3.気分の日内変動
  4.睡眠状況

T-1.できる限り休息がとれるよう環境を整える
  2.励ましの言葉掛けをしない
  3.服薬の確認
  4.治療終了まで人生にかかわる重大問題について、その決定をすべて延期させる
  5.精神療法的かかわりをする
     1)病気は治療によって必ず治癒することを保証する
     2)今の状態は病気による苦しみである
     3)完全に良くなるまでには2~3ヶ月単位の時間が必要である
     4)必ず治る病気なので命を断つなどということは考えないことを説明する
     5)治療中、病状には一進一退のあることを繰り返し説明する
  6.患者との良い人間関係を築き、患者自らが悩みを訴えられるよう関わる
  7.受容的な態度で関わり安心感を与える

E-1.服薬の重要性と服薬によって生じる自律神経の随伴症状をあらかじめ説明し、心配のないことを説明する
   2.自力で何とか治ろうと焦ると病状はよけい悪化してくるので、できる限り休息をとることが必要だと説明する

#2.食欲低下による食事摂取量の減少

   [要因]・睡眠障害
       ・活動性の低下
       ・ホメオスターシスの障害
       ・抑うつの感情
       ・栄養状態の変調(身体要求量以下)

  &適切な食事量が維持できる
  $1~3ヶ月

O-1.食事摂取量、水分摂取量
  2.間食の有無、程度
  3.体重
  4.検査データ
  5.食事をとらない理由
  6.食事中の様子、味覚の変化

T-1.患者の負担にならない程度に付き添い介助する
  2.患者の嗜好に合わせ食事形態を変更、工夫する
  3.好む場所で食べられるよう配慮する
  4.食べることを決して無理強いしない
  5.時間をおいてから食べてみるよう勧める
  6.頑固な拒食の場合には、主治医に報告し経管栄養、補液などを考慮する

E-1.病院食が食べられなくても、他に好むものを食べるよう説明する
  2.家族に差し入れなどを依頼する

#3.拒食による栄養失調状態

   [要因]・罪責感
       ・抑うつの感情
       ・不安
       ・妄想
       ・自殺行動
       ・ひきこもり
       ・看護者、他患者への不満・反抗
       ・昏迷
       ・希死念慮

  &生命維持に必要な栄養補給ができる
  $1~2週間

O-1.食事量、間食、食事パターン、好き嫌い、食習慣の変化、水分摂取量
  2.全身状態、顔色、皮膚色、体重の増減
  3.脱水症状の有無(尿量、皮膚の状態)
  4.身体疾患や排便との関連
  5.血液データ(電解質、TP、Alb)
  6.消化器症状
  7.生活リズム
  8.歯の状態
  9.バイタルサイン

T-1.食事など身体的援助と声掛けにより信頼関係を深める
  2.状態に応じ配膳や誘導など食事介助を行う、または付き添う
  3.食事の種類を考慮し必要に応じて家族の協力を得る
  4.全身状態及び症状に合わせ、経管栄養、DIV、IVHによる栄養補給を考える
  5.体重測定を行う、また必要時医師の指示にて施行する
  6.フルーツジュースや繊維質の多い食物摂取を勧める
  7.排泄状況(便の色、硬さ、回数、尿量、回数)を記録する
  8.食事時間以外でも摂取できるよう飲食物を手の届くところに用意しておく
  9.食物、飲み物を分割して与える
  10. できるだけコーヒーは避け、栄養価とカロリーの高いものを勧める
  11. 食べないと衰弱するとか死ぬかもしれないと言ったり、注射をすると脅かさない
  12. 食べたときはポジティブフィードバックをする

E-1.食事の必要性を説明する。また家族の協力や理解が得られるよう家族にも説明する
  2.食事摂取が不可能な時は好みのもの、食べやすいもの、栄養価の高いものなど具体的に例を挙げ患者や家族に説明し協力を得る
  3.患者に水分出納のチェックの必要性を十分指導する

#4.睡眠障害による不眠、特に早朝覚醒

   [要因]・環境の変化
       ・活動量の低下
       ・不安、焦燥感

  &睡眠時間が確保される
  $1ヶ月

O-1.睡眠パターン(入眠困難、中途覚醒、睡眠時間、熟睡感など)
  2.健康時の睡眠パターンと睡眠を助ける習慣
  3.嗜好品(コーヒー、タバコ)の種類と嗜好品の頻度
  4.不眠の環境因子(物音、他患者のいびきなど)
  5.悪夢
  6.日中の睡眠状況
  7.倦怠感
  8.不安
  9.活動状況
  10. 気分の変調
  11. 眠剤とその効果
  12. 睡眠に対し神経質になりすぎていないか

T-1.改善可能な不眠の環境因子は、早急に解決をはかる
  2.患者に積極的な関心を示し、安心感のもてる環境を提供する
  3.日中の睡眠が多すぎる場合は日中の睡眠を少し控えてもらう。できるだけ臥床せず、起きて坐位で過ごす時間を徐々に延長する
  4.患者と一緒に日課表を作成し、活動と休息のリズムをつくる
  5.眠剤を活用して不眠を改善する方法の模索を援助する
  6.悪夢を見た場合、できればそのことを話すように促し、それがどんなに本当のように思えても夢であることを保証する
  7.不眠を訴えてきた時は、再入眠を損なわない程度に話を傾聴する

E-1.嗜好品(コーヒー、タバコ)の使用は睡眠の妨げになることを説明し、できるだけ自分でコントロールするよう指導する
  2.不眠を改善するためには、意識的に日中活動する必要があることを説明する
  3.就寝時間まではベッドに臥床せず、入眠をスムーズにする方法(音楽を聴く、本を読む、温かいミルクを飲む、軽いストレッチ体操をするなど)を看護者と共に考え、実践してみることを支持する
  4.自力で何とか眠ろうと努力せずに、眠れなければ睡眠剤を利用するよう説明する
  5.必要以上に睡眠に対し固執している場合は、絶対眠らなければならないとは考えず、眠れなかったら日中休めばよいくらいのゆとりの気持ちを持つよう説明する

#5.自発性低下による清潔行為の不足

   [要因]・抑うつの感情
       ・意欲の低下
       ・身だしなみへの無関心さ
       ・活動性の低下

  &身辺の清潔を保つことができる
  $1~3ヶ月

O-1.身辺の整理状況、身なり
  2.更衣の状況
  3.入浴、洗面、歯磨き、整髪の状況
  4.清潔行為能力の程度

T-1.必要に応じて入浴、洗髪の介助を行う
  2.入浴ができない時は清拭を行う
  3.洗濯を声掛ける。できない時は家族に協力を依頼する
  4.ベッド周囲の環境整備を声掛ける
  5.朝・夕の洗面を声掛ける

E-1.できる部分は自分でするよう説明する
  2.清潔の必要性を説明する

#6.排泄困難

   [要因]・無関心さまたは過敏な反応
       ・運動量の低下
       ・食事量の低下
       ・活動性の低下
       ・昏迷
       ・意欲の低下

  &便秘、尿閉などを早く察知し対処できる
   苦痛を長びかせない
  $1ヶ月

O-1.排泄回数・状況の把握、尿量(混濁の有無)、便の性状、量
  2.腹部症状:膨満、緊満、腸蠕動、食欲の有無

T-1.医師に報告し、下剤を定期的に与薬する   2.排尿状況を正確に把握する
  3.必要時、間歇的導尿、バルンカテーテル留置を行う
  4.時間毎にトイレ誘導を行う
  5.尿閉は必ず治ることを説明する
  6.患者のプライドを傷つけないよう配慮する
  7.泌尿器科への受診と薬剤の与薬を考慮する
  8. 食事摂取量や飲水量の把握、必要があれば促す

E-1.腹部症状、便秘、排尿困難時は医師、看護者に報告するよう指導する
  2.便秘時は腹部マッサージを指導する
  3.排尿時、腹圧かけてみるよう指導する


#7.意欲低下による臥床傾向

   [要因]・自発性の欠如
       ・意欲の欠如
       ・ひきこもり
       ・昏迷


  &褥瘡、関節拘縮などの身体障害を起こさない
  $1~3ヶ月

O-1.褥瘡好発部位の皮膚の状態
  2.循環障害の有無
  3.関節拘縮の有無、程度
  4.臥床時間、体動の有無

T-1.無理に離床を促さない
  2.体位変換
  3.清拭などにより清潔を保つと同時にマッサージを行う
  4.四肢運動(自動、多動)
  5.反応がなくても声を掛けてからケアや処置を行う
  6.嫌がらなければ短時間でベッドサイドで話しかけたり、軽い刺激を与える

E-1.気が向いたら少しでも身体を動かしてみるように説明する

#8.興味、関心の低下による対人関係の障害

   [要因]・活動性の低下
       ・思考障害
       ・精神活動の遅延
       ・会話の減少
       ・疲労感
       ・社会からのひきこもり、内向性、自信喪失
       ・興味の欠如

  &心理的負担が増加しない
  $1~3ヶ月

O-1.スタッフとの接し方
  2.面会中の様子
  3.他患者との接し方

T-1.患者の希望を聞き、会いたくない人がいれば面会禁止とする
  2.主治医からの面会指示を守る
  3.原則として見舞いの品物を預からないが、必要に応じて預かった場合は患者に直接渡さず、家族の面会時に家族に渡す

#9.心気的訴えが多い

   [要因]・情緒的問題の否認
       ・感情の認識と表現の障害
       ・身体機能へのこだわり
       ・病気への恐れやこだわり
       ・薬物や治療への依存

  &身体的苦痛が精神的なものに起因していることが理解できる
   身体的訴えの種類と頻度が減少する
  $1~3ヶ月

O-1.身体的訴えの内容、頻度
  2.バイタルサイン
  3.検査データ

T-1.精神症状による訴えが多いが、器質的異常がないか観察する
  2.訴えに対して言葉掛けでは納得できず、症状に強いこだわりがある場合には主治医に報告し、薬剤(プラセボなど)の与薬を考慮する
  3.患者の状態に合わせて病棟の日課やレクリエーションに誘い気分転換を図る

E-1.治療を進めていくうちに徐々に良くなっていくことが多いので、その症状についてあまり考えすぎないよう説明する
  2.症状だけにこだわらず調子が良ければ時々身体を動かしたり、散歩に行って気を紛らわせてみることを指導する

#10. 思考障害による妄想

   [要因]・抑うつ状態
       ・喪失体験
       ・人間関係上の問題、性格、生活環境
       ・肯定的フィードバックの欠如
       ・思考障害

  &心理的負担が軽減する
  $3~6ヶ月

O-1.妄想の内容
  2.どの程度支配されているか、行動、言動
  3.訴えの頻度

T-1.否定も肯定もせず受容する
  2.日常生活に支障をきたす場合には無理にすすめようとはせず、根気よく暖かい態度で接し介助する

#11. 抗うつ剤による副作用

   [要因]・抗うつ剤の種類、量、長期投与
       ・薬に対する感受性
       ・年齢

  &副作用を早期に発見することができ、身体に及ぼす影響を最小限にとどめることができる
  $1週間

O-1.副作用の有無:口渇、尿閉、頻尿、便秘、眩暈、血圧低下、肝障害、催眠傾向
  2.症状の程度
  3.バイタルサイン
  4.検査データ

T-1.心気的訴えの多い患者の場合には、特に精神的によるものとされやすいので器質的異常がないか観察する
  2.身体的異常を表現せず症状が進行してから発見されることが多いので、日頃から細かい観察を怠らないようにする   3.副作用に応じて主治医に報告し処置を行う

E-1.身体的に異常を感じたら医師、看護者に話すように説明する
  2.多少の副作用はあるかもしれないが副作用に応じた対処もできること、治療が進み軽快してくれば消失するものもあるので心配しないよう説明する
  3.事前に起こりうる可能性のある副作用について説明しておく

#12. 希死念慮

   [要因]・抑うつ状態
       ・罪責感、自責感、絶望感
       ・心的外傷(喪失、災害、虐待)
       ・社会的孤立
       ・低い感情保持能力、表現力
       ・自己概念の否定的変化
       ・自己破壊性の内的傾向
       ・衝動のコントロールの弱さ
       ・未熟な現実検討能力、問題解決技術、防衛機制

  &自傷の可能性がなくなる
  $6ヶ月

O-1.患者の表情、言動、服装
  2.希死念慮の程度
  3.抑うつ気分の程度
  4.気分変動
  5.不審な行動はないか、いつもと変わった様子はないか
  6.所持品の中に危険物となりうる物はないか

T-1.スタッフ全員で情報を提供し以下の管理及び援助の徹底を図る
     1)危険物を預かり使用を制限する。使用時は付き添う(ガラス製品、爪切り、はさみ、除光液、鏡、針、かみそり、ビニール袋、ライター、マッチ、電気器具、ベルト、ハンガー、ナイフ、毛抜き、風呂敷、ストッキング、スカーフ、イヤホン)
     2)確実な食事や水分の摂取
     3)服薬の確認を行う
     4)患者の行動範囲を病棟内に制限する。病棟外に出る時は看護者または主治医同伴とする
     5)面会者に制限しているものを話しておく。必要に応じて面会を制限する
     6)期限を決めて患者と自傷をしないことを約束し、期限がきたら約束を守れたことを評価し、次の約束をする
     7)過剰な刺激を与えないようにする
     8)絶望感が強い場合は、十分な観察と援助を行う
     9)患者に積極的で絶え間ない関心を示し、否定的な批判を避け、安心感のもてる環境を提供する
     10) 患者-看護者の信頼関係を育てていく努力をする
     11) 健康な側面の活性化を図る
     12) 適切な気分転換活動を日課に取り入れる
     13) レクリエーション、集団精神療法への参加を負担のない程度にすすめる
     14) 自傷に対しての思いばかりにとらわれないように、関係のない話題を取り入れていく
     15) 患者ができることは可能な限りさせる
     16) 休止しているが保有している能力や、現在も有効な問題解決技術を探して活用できるようにする
     17) 自傷の欲求が強くなったときの援助を求める方法を患者と共に考える

E-1.退院後に自傷の欲求が強くなった場合のサポートシステムの活用を指導する。
    家族にもそうした場合の対応法について指導する

#13. 外泊中の衝動行為

   [要因]・環境変化による不安
       ・家族関係の不和
       ・サポートシステムの欠如
       ・家庭での役割の喪失と孤独感
       ・薬物、危険物管理の不十分
       ・今後の不安

  &自殺企図することなく外泊が経験できる
  $1~3ヶ月

O-1.きっかけとなった出来事とその解決の有無
  2.自傷の欲求及び意図の表現
  3.家族背景と家庭環境
  4.サポートシステム
  5.抑うつ状態、睡眠状態
  6.外泊中の様子

T-1.外泊中、自傷しない約束をする
  2.家での過ごし方を一緒に考える
  3.不安(自傷の欲求の出現)になった時の対処法について家族と共に一緒に考える

E-1.家族に外泊中の内服薬の説明をする。また内服確認の依頼をする
  2.不審な行動があれば早めに帰院するよう説明する
  3.自殺企図を起こした場合電話で至急病棟に連絡するよう説明する
     1)遠方であれば近医で処置をすすめる
     2)病院の近辺であれば帰院する
  4.患者を一人にさせないよう説明する
  5.患者にも不調時には無理せず家族に相談するか、病棟へ連絡するか、帰院することを説明する

#14. 疾患に対する不安、焦燥感

   [要因]・再入院
       ・症状の遷延、入院の長期化
       ・症状、治療方針に対する説明不足、または理解不足
       ・薬物療法による副作用の出現
       ・抑うつの感情

  &不安が軽減し治療意欲がもてる
  $1ヶ月

O-1.どのような不安を抱いているか
     1)再発への不安
     2)治療に要する時間はどれくらいか
     3)どうすれば早く治るのか
     4)社会復帰は可能か
  2.執着心、焦燥感はどの程度か

T-1.患者が訴えてきた場合には不安を受容しつつ、良い聞き手となる
  2.同じ訴えの繰り返しであっても、そのつど真剣に聞いていく
  3.言葉で納得させようとしない
  4.焦燥感の強い場合、自殺へ向かう可能性が強いので行動や言動に特に注意する

E-1.治療中は苦しい時期があり焦ったり不安になったりするが、必ず良くなることを根気よく説明する

てんかん患者の標準看護計画

【てんかんとは】

てんかんは反復、自生する発作(てんかん発作)を主体とする慢性の中枢神経疾患である。その発作は過剰なニューロン発射(てんかん脳波)から由来するが、もたらされる臨床症状や脳波所見は様々で一律ではない。

なお、明らかな基礎疾患より生ずる発作及び熱性けいれんは、臨床上てんかんから除外される。

人口の0.3%~0.5%に出現し、わが国では50万から100万人の患者が推定されている。

てんかんの原因には

①残遺性によるものとして、脳外傷、出産時損傷、分娩の遷延、脳炎、髄膜炎、などの後遺症が残り残遺てんかんとして現れるものがある。

②進行性の病因による症状の一つとして、てんかん発作が現れる場合、たとえば脳腫瘍、脳外傷、脳動脈瘤、脳血管障害、脳炎、髄膜炎、梅毒、アルコール症など脳に影響する疾患の経過中に症状として現れるものがある。

③原因不明性のもので先天性素因などがある。

【アセスメントの視点】
 てんかんの臨床は精神科だけでなく、小児科、脳外科、神経内科と多分野にわたっている。
 精神科での入院治療は発作を抑制するために薬物の適量を決めるため、あるいは、精神症状が活発なため家庭や職場での不適応の原因になっている場合などがある。

 入院生活を通して患者がてんかんに対する正しい知識を身につけ、その治療法、長期の療養に対する展望をもって前向きに生活できるよう援助することも看護者の役割である。

 てんかんの症状は、その個人に一定した発作と合併症により異なるので一人一人の特徴、問題性を個別に理解、把握して対応しなければならない。

【症状の特徴】
  A.単純部分発作
  B.複雑部分発作
  C.全般発作
  D.特殊なてんかん
 主たる症状は発作である。
 その個人に一定した発作型がある場合もあるし、発作型が変化することもある。
 発作の時間は数秒から数分間の短時間である。
 発作は大きく分けて全般発作と部分発作に分かれる。
 全般発作は臨床的に発作が全身左右対称性にみられるもので、意識が突然に消失する。脳波上は発作波が全域に対称性、同期性に出現する。
 部分発作は意識が保たれている時を単純部分発作、意識が混濁している時を複雑部分発作と呼ぶ。

A.単純部分発作
 1)運動発作
 焦点運動発作、運動性ジャクソン型発作、回転発作、姿勢発作等がある。
 焦点発作は大脳皮質の一部の病変部からおきる発作で身体部分の筋のけいれんがおきたり(例えば顔、手などの筋)、痺れ、疼痛といった知覚異常が発作性におきる。けいれんが限局せず手、腕、下肢と対応する一側の身体部分につぎつぎ拡大していく発作をジャクソン型発作という。全身けいれんに至れば意識は消失する。
 2)身体性感覚発作
 後中心回の知覚領の病巣からその対応部の身体に痺れ感、熱感、冷感などが発作的に生じるもの。
 3)特殊感覚発作
 視覚、聴覚、嗅覚、味覚などの特殊感覚の皮質中枢の病巣によるもので要素的な幻覚発作をおこしたり眩暈発作もみられる。
 4)自律神経発作
 自律神経の中枢である間脳などの病巣により悪心、嘔吐、腹痛、頭痛、胸部圧迫感、発汗などの自律神経症状を発作的に示す。
 5)精神発作
 発作性に体験する異常体験の出現する発作である。錯乱、幻視、恐怖感、既視感など多彩な異常体験が含まれる。

B.複雑部分発作
側頭葉に病巣がある側頭葉てんかんに多くみられる発作である。意識障害を伴う部分発作の後に健忘を残す。従来の精神運動発作とほぼ同様と考えてよい。

 1)意識減損発作
 一瞬ボーとしたりもうろう状態となる。
 2)自動症
 意識混濁とともに自動性行動を行う。行動、動作としては一応まとまっているが、その場の状況にそぐわない目的性を欠いた行動が自動的に出現する。

C.全般発作
 1)強直・間代発作
 突然意識消失をきたし、全身のけいれん発作をおこす。けいれんは全身の筋肉が強直する強直性けいれんが数秒から10数秒続く。次いで全身の筋肉の律動的な収縮と弛緩を繰り返す間代性けいれんが数10秒続く。

発作が引き続き起きることがありこれを重複発作という。

2)ミオクロニー発作
突然起こる短時間の衝撃様筋収縮である。全般性あるいは顔面、体幹、四肢の一つまたはいくつかの筋群に限局されることもある。入眠時、覚醒時に生じやすい。(ミオクローヌスてんかんとは異なる)

3)欠伸発作(小発作)
突然2~3秒から10秒前後姿勢は変わらず急に意識喪失をきたす発作でけいれんはない。

女子に多く、幼児から学童期に発病し、20歳頃には消失するのが一般的である。

D.特殊なてんかん
 1)ウエスト症候群
 点頭てんかん、乳幼児けい屈発作ともよばれ、生後4~8ケ月の乳幼児に発病する。発作像は、ミオクロニー型が基本でこれに強直性、脱力型、あるいはこれらに混合がおこる。精神発達遅滞を70~95%合併する。

 2)レノックス症候群
 発作は強直性れん縮を中核とする。非定形欠伸、ミオクローヌス、脱力などの小発作が混在する。発作は重篤・頻発で周期的に群発する。幼児期に発病することが多く、精神発達遅滞を合併する。

 3)ミオクローヌスてんかん
 ミオクロニー攣縮や大発作がみられ、20歳前後で死の転帰をとる予後不良のもの。

E.発作以外の精神症状
 1)興奮やもうろう状態などの意識変容
 2)周期的不機嫌や抑うつ状態
 3)幻覚、妄想状態
 4)粘着性、爆発性などの性格障害

【検査】
  EEG
  CT
  MRI
  薬剤の血中濃度測定(ルーチン検査の一部に組み入れられることが多い)

【治療】
 原則として薬物療法により発作をおさえる対症療法である。

治療後の寛解率が高い疾患でもある。

てんかん発作の薬物療法は発作型の診断により至適薬剤の選択や服用量が決められるが、最近は単剤投与が勧められている。

難治性てんかんに対しては、脳外科的治療の有効性も近年知られている。

【看護】
1)発作に対する看護
A.大発作(強直・間代発作)
 ① まず危険物を除き、患者の安全を考える。
 ② 胸元をひろげ、ベルトをゆるめる。
 ③ けいれん中は上肢と下肢(膝関節)を軽く支持する。
 ④ 咬舌や下顎脱臼を防ぐために下顎部を手掌で押し上げるようにする。けいれん発作が終わり、呼吸が再開され、安定するまでの間、手を離さず固定のままいることが必要である。
 ⑤ けいれんが終わると同時に患者の顎を斜め上方に引き上げるようにして気道の確保と唾液の誤嚥を防止する。呼吸が再開され安定するまでその姿勢を固持し、呼吸が安定すればそっと手を離す。
 ⑥ 口内の唾液を拭き衣服の汚れや失禁があれば更衣して刺激を避け安静にする。意識がすぐ戻ることも多いが、睡眠に移行したり、もうろう状態に移行することもあるので患者の安全保持につとめる。
 ⑦ バイタルサインのチェックおよび観察を行う。

B.その他の発作
  欠伸発作に対しては特別な看護
援助は必要なく観察と見守りで十分である。
  後屈欠伸や脱力発作などに対しては発作の型や時間の観察、患者の保護・安全が必要。
  精神発作に対しては患者の不安の軽減につとめる。
  発作重積は呼吸障害、循環障害、脳浮腫、発熱、脳の酸素欠乏をきたし生命に危険であるため敏速な救急処置が必要である、バイタルサインのチェック、ジアゼパムなどの静脈内注射、気道の確保、酸素吸入、などが諸検査と同時進行でなされる。発作後のもうろう状態では患者の安全に気をつける。

2)てんかん患者とのかかわり方
 てんかん性性格障害として粘着性、易刺激性、爆発性、頑迷などがいわれている。

しかしこれらは、てんかんに特異的なものではなく、心理社会的要因や薬剤など様々な因子の複合作用とする考えが一般的である。

看護面ではささいなことで他患と衝突したり容易に興奮することがみられる。
そのような時には看護者の適切な介入調整が必要である。

また独特のまわりくどい訴えに対しても時間を十分にとり患者の気の済むまで話させることがコツである。


看護者間で態度の統一をはかり、患者の感情を受け止めることが必要である。

出来ない約束や曖昧な返事をしないことが肝要である。

不満やいらだちのもとになっている心的エネルギーを発散させるため、レクリエーションへの参加なども大切である。

3)服薬の必要性について
 抗てんかん薬の長期にわたる規則的な服用は、患者にとっても家族にとってもストレスである。
てんかん患者は発作間欠期には自覚的な苦痛を感じることは少ないし、発作時も意識消失のため自分の病気に対し病識をもつことが難しい。

 しかし、服用回数や服薬量について、医師と十分に話し合い納得して服薬にのぞめるよう患者の理解力にそって服薬援助をしなくてはならない。

4)日常生活の注意
 ①てんかん発作誘因の除去:睡眠不足、暴飲暴食、過度の興奮、緊張、過労はてんかんだけでなく心身の保健上よくないことだが、てんかんの場合も同様である。水泳を含むスポーツ、旅行などは服薬していれば問題ない。

 ②家族関係:親は子供の発作誘因を避けようと、日常生活を細かくチェックし、支配、過保護になることがある。発症年齢と発達の関係を考慮した対応ができるよう家族へのサポートが必要である。

 ③社会適応上の問題:情動障害、行動障害がみられる場合は、主治医家族と連絡を密にして適応援助をはかっていく。職業選択は患者の病状、職種、患者個人の適正によりなされる。発作や重複障害がない場合はほとんど就職できている。社会的偏見の克服と患者家族自らの偏見も克服していかなければいけない。

 ④結婚生活:配偶者が病気のことを理解してくれることが望ましい。病気自体が結婚生活に与える悪影響は他の疾患と同様であるが、発作、知能障害、性格障害が問題となることがある。妊娠に際しては主治医と相談して治療を継続することが重要である。

 ⑤その他:アルコールはよくないが、完全にやめる必要もない。できるだけ飲まないように説得する。コーヒー、コーラ、その他の飲料は刺激性や習慣性を考慮して多量にならないよう注意する。タバコはよくない。頑固な便秘は発作防止の上からもよくないのでバランスのとれた消化吸収のよい食事にする。

標準看護計画

【Ⅰ.アセスメントの視点】
 てんかん患者を看護するには、性格を把握することが重要である。てんかん性性格の特徴は   ①几帳面
  ②執拗
  ③粘着性
  ④爆発性
 であり、不機嫌な時は執拗な訴えを繰り返し、説得が困難である。また、融通がきかず訴えもくどいが、真意をくみとる誠意を見せて接し、自尊心を傷つけず説得することが大切である。発作は突然どんな場所でも起こり、意識の消失から朦朧状態を起こすこともあるため、外傷など二次的障害を起こす可能性がある。危険のないように対処すると共に、発作の因子を避けるよう注意が必要である。

【Ⅱ.問題リスト】
#1.外傷の危険性(二次的障害の恐れ)
   〔要因〕・ベッドからの転落
       ・転倒によるベッド、ベッド柵との衝突
       ・けいれん発作
       ・意識障害

#2.呼吸パターンの変調
   〔要因〕・吐物などによる誤嚥
       ・薬物による呼吸抑制

#3.合併症の危険性:神経障害
   〔要因〕・連続する発作

#4.不安
   〔要因〕・再発作
       ・今後の生活
       ・長期にわたる規則的な服薬
       ・疾患、予後
       ・見捨てられ不安

#5.社会的相互作用の障害
   〔要因〕・低い対人関係能力
       ・低い欲求不満の耐性、現実検討能力、感情保持能力、表現力
       ・依存
       ・自己信頼感の弱さ
       ・自己への過剰な関心
       ・満たされない依存欲求

#6.家族機能の変調
   〔要因〕・病気になった家族メンバーの心理的不安定さによる家族全体の情動の変化
       ・病気になった家族メンバーの役割喪失による役割変化および経済的負担
       ・家族メンバー間の信頼の破綻
       ・未熟な対人関係能力、問題解決能力
       ・低い現実検討能力、欲求不満の耐性、感情保持能力、表現力

【Ⅲ.看護目標】 

 痙攣発作の症状を観察し、危険を防止する。
 不安の軽減をはかり、服薬継続、病識の理解が得られるよう指導する。

【Ⅳ.看護問題】
#1.外傷の危険性

  &・外傷がおきない
  $・2~3日

O-1.以下のことを観察しアセスメントする。
     ・発作の形態
     ・発作の持続時間、間隔、頻度
     ・全身状態
     ・呼吸の状態
     ・意識レベル
     ・発作の随伴症状
     ・発作の起こりやすい時期
     ・発作の前駆症状
     ・発作の前兆
     ・発作の誘因
     ・発作後の睡眠の有無
     ・眼の動き
     ・四肢の動き

T-1.発作時の処置
     ・損傷を予防するため、危険な物品を除去したり、ベッドやベッド柵に布を巻くなど環境の整備に努める。
      必要に応じて確実な抑制を行う。
     ・衣類による圧迫を避けるため、ベルトなどはゆるめる。
     ・固く口を閉じている場合は無理に開口させないが、開口している場合は舌を噛むのを防ぐため、ガーゼを巻いた舌圧子、またはタオル、ハンカチ等を口腔内に、挿入するか、下顎をおさえる。
     ・必要時には四肢を軽く押さえる。無理には押さえない。
     ・全身痙攣終了時気道を確保するため肩枕を入れるか、または顔を横に向ける。
     ・尿失禁があれば処理をする。患者のプライバシーは守る。
     ・意識が回復するまではできるだけ付き添う。
     ・医師に報告し、対処する。
  2.光や音による過度の刺激は避ける。
  3.規則正しい生活習慣づくりを行う。
  4.服薬を確実に行う。

E-1.前兆、前駆症状があった場合は看護婦に報告し、適切な処置がとれるよう指導する。
  2.日常生活上問題となることがあれば改善できるよう指導する。
  3.発作後はできるだけ安静臥床を守るよう指導する。

#2.呼吸パターンの変調

  &・効果的な呼吸パターンが維持される。
  $・2~3日

O-1.以下のことを観察し、アセスメントする。
     ・呼吸状態(呼吸数、深さ、リズムの異常 呼吸困難)
     ・チアノーゼの有無
     ・舌根沈下の有無
     ・吐物などによる誤嚥の有無

T-1.気道の確保に努める。
  2.ジアゼパムを投与した場合は呼吸抑制に注意する。
  3.必要に応じ、医師の指示に基づき酸素吸入を行う。

E-1.変わったことがあれば、速やかに報告するように伝える。

#3.合併症の危険性:神経障害

  &・発作が抑制できる。
  $・退院前日

O-1.以下のことを観察しアセスメントする。
     ・発作の形態
     ・発作の持続時間、間隔、頻度
     ・全身状態
     ・意識レベル
     ・発作の随伴症状
     ・発作の起こりやすい時期
     ・発作の前駆症状
     ・発作の前兆
     ・発作の誘因
     ・発作後の睡眠の有無
     ・眼の動き
     ・四肢の動き
     ・重複障害の有無

T-1.前駆症状、前兆についての自覚があるか確認しておく。
  2.服薬を確実に行う。
  3.光や音の過度の刺激を避けるため、環境の整備に努める。
  4.規則正しい生活習慣づくりをする。

E-1.神経障害の危険性について伝え、過度の刺激を避けることの重要性を説明する。
  2.前兆、前駆症状があった場合は、適切な処置がとれるよう指導する。
  3.日常生活上問題となることがあれば改善できるよう指導する

#4.不安

  &・不安を表現でき、できるだけ安定した状態で日常生活が送れる。
  $・退院前日

O-1.以下のことを観察しアセスメントする。
     ・患者が直面している問題、状況、葛藤
     ・問題解決技術
     ・防衛規制
     ・自己信頼感
     ・依存性
     ・現実検討能力
     ・役割遂行能力
     ・欲求不満の耐性
     ・感情保持能力
     ・表現力
     ・パーソナリティスタイル
     ・サポートシステム

T-1.不安状態をできるだけ早く察知する。不安は自我の機能の衰弱を示す危険信号である。
  2.患者に積極的な関心を示し、否定的な批判は避ける。
    また、過剰な刺激を取り除き、安全感のもてる環境を提供する。
  3.患者の不安や苦痛を理解し、安楽を提供する。
    共感することが大切。
  4.患者の能力を活用する。
    患者の健康な側面を活性化し、できることは可能な限りさせて自我自律性を高める。
  5.患者のプライドを傷つけないようにしながら、パーソナリティスタイルを刺激して、患者の性格特性を調整する。
  6.不安が減少して心的エネルギーの消費が少なくなれば、不安の原因の理解を助け、問題解決技術と適応規制を補強する。

E-1.不安が持続すると自我機能が衰弱するので、我慢しないで援助を求めることを教示する。

#5.社会的相互作用の障害

  &・社会性に問題があることを認めることができる。
    ・効果的な対人関係能力を見いだすことができる。
  $・3ケ月
    ・6ケ月

O-1.以下のことを観察し、アセスメントする。
     ・対人関係パターン
     ・問題解決技術
     ・防衛規制
     ・欲求不満の耐性
     ・現実検討能力
     ・意志決定能力
     ・感情保持能力
     ・自己主張の仕方
     ・表現力
     ・自己概念(感情、態度、価値観)
     ・感受性
     ・依存性
     ・適切な気分転換行動のための患者の内的、外的資源
     ・他者および外界への興味
     ・パーソナリティスタイル
     ・サポートシステム
     ・社会的孤立

T-1.患者に積極的な関心を示し、否定的な批判を避けて、安全感のもてる環境を提供する。
  2.個別性を重視し、基本的な信頼関係を築く患者-看護者関係の形成に努める。
     ・患者の問題を指摘するより、その問題をどう解決するのか、現実検討を助けながら一緒に考える。
     ・欲求をどう充足できるか、どう我慢できるかを話し合い、欲求不満の耐性を高める。
  3.健康な側面を活性化することによって、心的エネルギーを賦活して活動性を高める。
     ・適切な気分転換活動を日課に取り入れ、積極的に支援する。

E-1.心的エネルギーが回復すれば、患者が自分の対人関係パターンに自分で気づけるように援助する。
    また、対人関係能力を高めるためのトレーニングを行い、問題解決能力、適応規制、感受性、表現力を補強する。

#6.家族機能の変調

  &・家族が自分の感情や期待を表現できる。
    ・患者の回復プロセスに自分達が参与できる役割を自覚し、遂行できる。
    ・家族が問題解決に対する自律機能を取り戻すことができる。
  $・1ケ月
    ・3ケ月
    ・6ケ月

O-1.以下の項目について家族を観察し、アセスメントする。
     ・家族の構造
     ・家族の状況(家族が抱えている問題と資源、家族間の境界)
     ・患者理解(症状に対する理解を含む)
     ・価値観、期待、患者への感情
     ・問題解決技術
     ・防衛規制
     ・依存性
     ・感受性
     ・現実検討能力
     ・欲求不満の耐性
     ・感情保持能力
     ・表現力
     ・責任遂行能力
     ・患者の対応へのとまどい
     ・サポート力とサポートシステムの活用能力
     ・家族間の力関係と相互作用
     ・患者の回復のプロセスを阻害する因子

    これらの観察項目から、患者を含めた家族間の力関係と相互作用、家族の能力と資源をアセスメントする。

T-1.アセスメントに基づいて、家族に可能な患者への援助内容と看護者が家族に行う援助内容を明確にして、患者および家族と共有する。
  2.家族の表現を促進し、家族の価値観や期待、感情の明確化を助ける。
  3.家族が患者の病状や反応を理解できるように援助する。
  4.家族が問題解決に対する自律機能を取り戻せるように援助する。
   a.家族が自分達で考えて問題に対処し、自分達なりの見通しをもって相談できるように、家族の自我自律性を活性化する助けをする。
   b.できるだけ面会に来ること。家庭では積極的に患者の話をすることを勧め、患者の入退院によって家族システムの変化や同様が起きないように、患者を含めた家族システムを維持する流れを支援する。

E-1.患者への対応方法を指導する。
  2.家族にサポートシステムの必要性を教示し、協力を求める。

転換性障害患者の標準看護計画


転換性障害とは

無意識領域下に抑圧されたストレスや葛藤が、知覚あるいは随意運動系の身体症状に変換された反応である。その症状は一般身体疾患によっては十分に説明できない。

現在では疾患単位ではなく、転換反応といった反応の仕方としてみることが主である。

複雑多彩な身体症状を示し、症状の発生や悪化には、ストレスや葛藤といった心理的要因が必ず絡んでおり、症状は意図的に作り出されていないということが特徴である。患者は症状の発生がまず葛藤の解決法(一次疾病利得)となり、また症状を武器にして周囲を動かす二次的疾病利得の特徴をみることが多い。

転換反応はヒステリー反応の一つとして分類される。

ヒステリー反応には転換反応のほかに精神症状に変換される反応(解離反応)がある。これらは別個に発現することが多いが、合併することもある。

アセスメントの視点

神経症の範疇の疾患であり
1)演技性
2)自己愛性

3)依存性などの特徴的な性格が見られることも多く、性格の未熟性が身体症状の出現の原因になりうる。

患者はストレスや葛藤が原因となってあらゆる症状を引き起こすが、患者にとって、それはまさしく現実なのであり、軽視したりないがしろにしたりしてはいけない。

患者の身体症状の原因になりうるストレスや葛藤の背景を多角的に捉え、把握していくことが重要となってくる。

症状
 ありとあらゆる症状を現し、注目されなくなると症状が移行する。患者は症状が出現しても全く困った様子をみせないのが特徴である。
 運動障害
四肢の運動麻痺、失立、失歩、失声、嚥下困難、書字困難、痙攣、後弓反張異常運動(舞踏病あるいはアテトーデ様)
 感覚障害
ヒステリー盲、ヒステリー聾、視野狭窄、難聴、卵巣痛、乳房痛、限局性頭痛・腰痛、下肢痛、痛覚・触覚・味覚・臭覚の脱失あるいは過敏、ヒステリー球
 その他
自律神経症状(眩暈、嘔気、頻脈、過呼吸発作、腹痛、下痢など)食欲不振、解離症状(健忘、遁走)

検査
• 生化学、血液一般検査
• 甲状腺機能
• CTスキャン
• MRI
• EEG
• SPECT
• 心理検査:主にロールシャッハ、MMPI、PFスタディ、知能検査、親子検査(小児の場合)

治療
1.器質的疾患の除外

2.薬物療法
基本的には無効であるが症状を緩和する目的で使用する。依存傾向を助長しないために最小限にする
抗不安薬、抗うつ薬、睡眠薬、場合により抗精神病薬(鎮静作用の目的)を使用する

3.精神療法
経過と管理

転換性障害は、一般に小児後期から成人初期に発症することが多く、10歳未満や35歳以降は稀である。

しかし、80歳代という遅い時期の発症もある。はっきりとした転換性障害が中年期・老年期に発症した場合には、神経疾患または他の一般身体疾患が隠されている可能性が高い。転換性障害の発症は一般に急性であるが、徐々に症状が広がってくる場合もある。

典型的には個々の転換性障害の持続時間は短い。転換性症状のために入院している人の場合、ほとんどの症例では2週間以内に症状が消失する。再発が多く、1/5 から1/4の者は1年以内に再発する。1回再発すると将来また再発すると予測される。

良好な予後の要因として
1)急性の発症
2)発症時にはっきりと同定できるストレス因子の存在
3)発症と治療開始の間の間隔が短いこと
4)平均以上の知能、が含まれる。麻痺、失声、盲といった症状は予後は良いが、振戦や痙攣の予後は良くない。

患者は身体疾患と確信しているので、ここで安易に「心因」とか「神経」のせいにすることは、患者にとっては「詐病」であると告げられていることと同じである。

そこで十分に時間をかけ発病の状況を明確にすることによって、うすうす患者は症状の由来を知ることが多い。そしてこの問題に「直面化」することを徐々に促し、「抑圧された無意識の意識化」を行っていく。

また、その過程に伴う様々な反応に対し、時間をかけて受容し、支持しながら人格面での成熟を促していく。

看護計画
Ⅰ.アセスメントの視点

あらゆる身体症状を示すため症状の把握が困難であること、患者の演技型のパーソナリティのために医療者側は患者に振り回されやすい。

患者の身体症状を十分に把握し、身体症状の原因となっているストレスや葛藤の背景を知ることが大切となってくる。身体問題に対する看護者の関心を最小限にし、統一した態度での対応が必要である。また患者は身体症状により、種々の疾病利得を得る。

そのため症状が再燃しやすい。患者が身体的問題から情緒的問題に関心が移行し、現実の問題に直面していけるよう援助していく必要がある。

Ⅱ.問題リスト
#1.症状が多種多様のため把握が困難で振り回されやすい
   [要因]・演技型のパーソナリティ
       ・自己中心性、未熟性、被暗示性
       ・複雑多彩な種類の身体的制限や障害
       ・刺激、興奮、注目を求める傾向が強い
       ・症状に対する無関心さ、あるいは無頓着さ

#2.身体的転換症状の出現による疾病利得
   [要因]・不全感、罪責感、不安、葛藤
       ・低い自己評価
       ・対人関係の不安定さ
       ・対処能力の減弱
       ・感情表現能力の低下
       ・生じた衝動、または葛藤を処理する能力の障害

#3.自立、退院への不安による症状再燃
   [要因]・不全感、罪責感、不安、葛藤
       ・低い自己評価
       ・医療者や病院への依存
       ・二次的疾病利得
       ・目標や将来の計画の欠如

#4.自傷行為、自殺企図
   [要因]・演技型のパーソナリティ
       ・自己中心性、未熟性、被暗示性
       ・刺激、興奮、注目を求める傾向が強い
       ・不全感、罪責感、不安、葛藤
       ・低い自己評価

Ⅲ.看護目標
1. 患者に振り回されず統一した態度で対応することができる
2. 身体症状の背景にあるストレスや葛藤を認識し、身体的問題から情緒的問題に関心が移行する
3. 日常生活上のストレスや葛藤を処理するために、対人関係の方法や内面的な対処方法を身につけ、社会復帰に向け自信がもてる
4. 自傷行為や自殺企図などの問題行動を起こさず治療に専念できる

Ⅳ.看護問題
#1.症状が多種多様のため把握が困難で振り回されやすい

   [要因]・演技型のパーソナリティ
       ・自己中心性、未熟性、被暗示性
       ・複雑多彩な種類の身体的制限や障害
       ・刺激、興奮、注目を求める傾向が強い
       ・症状に対する無関心さ、あるいは無頓着さ

  &身体症状を把握し、統一した態度で患者に対応することができる
  $3~6ヶ月

O-1.身体症状
  2.各症状の程度、持続時間、発生場所、発生前の患者の言動や行動、患者の困惑の程度
  3.ADLの障害の程度
  4.バイタルサイン
  5.各種検査データ(血液、EEG、ECG、CT、MRI、X-P、SPECTなど)

T-1.十分に観察を行い、各種症状の経過について把握する
  2.医師を交えてカンファレンスを行い、援助の方法を統一する

#2.身体的転換症状の出現による疾病利得

   [要因]・不全感、罪責感、不安、葛藤
       ・低い自己評価
       ・対人関係の不安定さ
       ・対処能力の減弱
       ・感情表現能力の低下
       ・生じた衝動、または葛藤を処理する能力の障害

  &深刻なストレスや葛藤が軽減され、身体症状が改善する
   身体症状の背景にあるストレスや葛藤を認識し、自己の思いを表出できる
   身体症状による二次的疾病利得を防ぐ
  $1~3ヶ月

O-1.身体症状の誘因となる原因について患者とその家族から情報収集する
     1)家庭内問題:夫婦、子供、両親との間など
     2)社会問題:就職、借金、近所間のトラブル
  2.身体症状と患者の言動や行動との関係
  3.心理検査

T-1.患者が自己の思いを表出しやすい環境をつくる
  2.患者が持っている問題について把握し、患者が医療者に相談しやすいような関係をつくる
  3.要求したり、意思決定を求めるようなことは避け、身体症状の改善を期待しているという態度でアプローチする
  4.ストレスがある特定の人に関係している時は、面会を制限したり禁止したりする
  5.身体症状はストレスや葛藤などが関係していることについて、理解できるよう援助する
  6.日常生活動作、病棟行事などは他患者と同じようにさせ、患者に特権を与えたり、身体制限があるからといって活動を免除しない
  7.身体症状に対する関心は最小限にする
  8.患者とは議論せず、必要があれば無視する。他患者と同じような態度で接し、個人的な依存関係を強めてはならない

#3.自立、退院への不安による症状再燃

   [要因]・不全感、罪責感、不安、葛藤
       ・低い自己評価
       ・医療者や病院への依存
       ・二次的疾病利得
       ・目標や将来の計画の欠如

  &自立への自信が持て社会復帰ができる
  $退院まで

O-1.外泊前後の患者の状態
  2.退院決定後の患者の状態

T-1.病棟のスケジュールに沿った規則正しい生活が送れるよう援助する
  2.入院時と退院時の社会環境の相違について家人より情報を十分得て、誘因となる問題の増悪がないようにし、家族間と医師で退院の時期を決定する
  3.患者と家族に外泊・退院指導をする
     1)健康な側面を活性化し、興味あること、やってみたいことは積極的に支持し、できたことは評価して達成感を持たせる
     2)患者が退院後体験するかもしれない感情(例えば孤独感)を話題にし、それらの感情をどう扱うか話し合い、不安軽減につなげる
     3)病院外で支持システムをみつけることができるよう援助する

#4.自傷行為、自殺企図

   [要因]・演技型のパーソナリティ
       ・自己中心性、未熟性、被暗示性
       ・刺激、興奮、注目を求める傾向が強い
       ・不全感、罪責感、不安、葛藤
       ・低い自己評価

  &自傷行為を起こさない
  $退院まで

O-1.不眠、不安、不機嫌などの前駆症状
  2.希死念慮の有無、程度
  3.日常生活行動、態度、話し方、表情などの変化
  4.自傷行為の既往の有無
  5.異常体験(幻聴・妄想)の有無
  6.夜間の睡眠状態

T-1.日々できるだけ患者と多く接触をもつ
  2.患者との良い関係を築き、患者自ら悩みを訴えられる関係をつくる
  3.些細な言動に注意する
  4.危険物の取り扱いに注意する
     1)身辺の整理整頓をしながら、危険物がないか点検する
     2)ベッド周囲の物品に注意する
     3)ベルト、コードはなるべく家族に持ち帰ってもらう、または看護者管理とする
     4)針、はさみ、缶切り、刃物、爪切りなどの使用時は看護者が代行、または付き添いで行い、目を離さない
  5.外出・外泊からの帰院時、持ち物の点検をする
  6.所在の確認
  7.自傷行為がみられ負傷した場合には、冷静に適切な処置などを医師の指示により行う

E-1.困っていることがあったら、いつでも話すように伝える
  2.落ち着いている時を選び、自分が弱い人間であることを認め、他者を必要とする時にそれを求めることは恥ずかしいことではないということが分かるように話し合っていく

統合失調症患者の標準看護計画 (急性期)



【統合失調症とは】
 主として青年期に発病し、特異な精神症状を呈するとともに人格の解体をきたし、放置すれば特有の精神荒廃状態に陥る慢性の精神疾患であり、内因性精神病の代表的なものである。

この病気の原因は不明であり、発病に関しては遺伝的要因、体質的要因、人間関係などの心理的要因、社会その他の環境的要因など、様々な要因の関与によるものと推定されている。
 発病年齢、症状、経過、予後の観点により、解体型(破瓜型)、緊張型、妄想型に分類されている。

【アセスメントの視点】
 統合失調症の発症には、ゆっくりとしたもの、潜行性のもの、突発性のものがあり、喪失体験や結婚など、身の回りの重大な出来事に続いて発症する場合もある。患者は、現実との接触が障害されており、幻覚や錯覚などの内的過程に反応するため、患者の行動は予測し難い。患者は病識が無い場合がほとんどであり、精神内界を表出してもらうため自分の言葉で自分の状態を表現してもらうことが大切である。そして、家族より入院前の言動、生育歴、社会的背景、性格などの情報を得ることが重要である。

【症状の特徴】
 患者の訴える自覚症状として、主観的症状の幻覚、妄想、させられ体験、周囲から観察される症状として、客観的症状の感情障害、思考障害、欲動・行動の障害などがある。

1.主観的症状
幻覚
 知覚の種類により、幻聴、幻視、幻味、幻臭、幻触、体感幻覚などがある。
 統合失調症では幻聴が最も多く、人の話し声として聞こえる場合が多い。
 被害的な内容のものや、命令的な内容のものが多く、患者は心の中で、あるいは声を出して幻聴と対話したりし、意識が清明な状態で起こるのが特徴である。

妄想
統合失調症の妄想は、内容により種々のものがあるが、関係妄想(被害妄想)、誇大妄想、心気妄想、虚無妄想などが特有である。
 最も多いのは、対人関係についてのものであり、中でも被害的な内容のものが多い。
 被害妄想は他者が患者に危害を加えると考えるものであり、地位や名誉に関するもの、健康、生命に関するもの、財産、所有に関するものなどが多い。
 被毒妄想、追跡妄想、注察妄想なども含まれる。

させられ体験
幻覚、妄想などにより、自分以外に自己決定を下す存在を確信し、それにより意思決定がスムーズにいかず、自分の考えで行動しているという意識が薄れて、自分の意思によってではなく、他から「させられる」「操作される」と感じるようになる体験をいい、分裂病に特有のものである。また、幻覚、妄想によらない場合もあり、それが真の意味での「させられ体験」である。

2.客観的症状
感情障害
 感情鈍麻となる。周囲への関心や興味を欠き、感情の幅も狭く深みがない。

思考障害
 思考の形式と内容に関する障害があり、前者には連合弛緩、思考途絶、思考滅裂、後者には妄想、妄想気分、妄想着想、妄想知覚がある。

意欲障害
 意欲の調和や統一性の障害が生じ、不自然で硬く奇妙な行動がみられる。意欲の全般的な低下をきたした場合は自発性欠如、無為になる。

行動障害
 多動(精神運動興奮)あるいは、寡動(昏迷)がみられ、カタレプシー、衝動行為、反響症状、独語、空笑も出現する。

身体症状
 体重減少または増加、食欲異常、性欲異常、睡眠障害、月経異常が多い。

その他
 自閉、社会活動の低下と共に病識の欠如がある。意識障害や知能障害はない。

【検査】
 脳波CTSPECTMRI心理検査性格検査

【治療】
1.薬物療法
 向精神薬(主に抗精神病薬)が用いられる。
 急性期の不穏、興奮の激しい時には、鎮静、催眠効果の強いフェノチアジン系の薬物が、また、幻覚、妄想の強い時には、抗幻覚妄想の強いブチロフェノン系の薬物を用いる。
 慢性期の自閉や疎通性減退、意欲減退、不活発などに対しては、賦活効果の強い薬物が用いられる。
 症状改善後も再発防止のために、比較的少量の薬物を維持療法として服用させる。
 抗精神病薬の副作用には、自律神経症状、および錐体外路症状がある。
 自律神経症状には、血圧低下、頻脈、口渇、鼻閉、流涎、味覚異常、水晶体混濁、胃腸障害(食思不振、悪心、下痢、腸管麻痺、便秘)などが多い。
 錐体外路症状にはパーキンソニズム、アカシジア、急性ジストニア、遅発性ジスキネジアがある。

2.電気ショック療法
 抑うつ状態で自殺傾向があったり、緊張病性の興奮や昏迷、向精神薬による症状の改善が芳しくない時にこの治療が用いられることがある。
 老人や子供、器質性脳疾患、高血圧、動脈硬化、心疾患をもつ人、妊娠している人などでは禁忌と言われている。
 しかし、無痙攣性の電気ショック療法は、現在では禁忌は特にない。

3.精神療法
 患者の精神面に働きかけて精神障害を治療するものである。
 患者の精神の安定を図り、問題行動を改善し、人格の発達および成熟を促すことを目指し、患者と治療者との対人関係により成立するものであり、言語を媒介とした患者への心理的な影響を手段としている。
 向精神薬と併用することが肝要である。治癒の促進および再発に関連しては個人精神療法、社会復帰に関連しては集団精神療法が用いられる。

4.社会療法
 社会性を高め、社会復帰を実現するように働きかける治療法である。
 環境療法として、患者の生活環境条件の調整と改善をすることにより日常生活の適応を図る。
 また、生活療法(生活指導、レクリェーション療法、作業療法)を通して自発性を回復させ、社会生活能力を回復し、高めることを目的として行われる。薬物療法、精神療法と併用することが多い。

5.生活技能訓練、SST(Social Skills Training)
 行動療法的技法により対人的コミュニケーション技能や自立生活のための技能を獲得させ、生活の質の改善、症状の軽減、再発の防止、認知機能の改善をめざす治療法である。
 訓練は通常集団の場で行い、生活技術の不得手、対人関係、仕事場、など練習課題を決め練習する。
 正のフィードバックを強調し、患者の関心から自発性を引き出すことがポイントである。

6.社会復帰のための治療(リハビリテーション)
 意欲を回復した患者がさらに一歩社会復帰を進めるために、社会復帰(中間)施設、ディ・ホスピタル、ナイト・ホスピタルなどがある。

【急性期の看護】 1.患者・看護者関係の成立
 患者は知覚や思考の障害により幻覚・妄想、させら体験などで自己の世界と外部との交流が徐々に失われて自閉的な世界に生きるようになる。したがって、急性期では他者との意思疎通が図りにくい場合も多い。且つ、患者は病識が欠如し、幻覚や妄想の特に被害的な内容が多く、医療者に対し不信感、敵対心をもつことがある。  自閉的な閉ざされた心を開き、自己の世界と外部との交流をもたせ、人間関係が円滑にとれるように、患者と看護者の信頼関係をつくることが必要である。

2.安全な環境を確保
 急性期では暴力行為や自殺企図、器物破損、転倒などの事故が起こりやすいので、事故防止に注意する。病棟の整理整頓に努め、物品の置き場に留意し、快適な環境の中で入院生活が送れるように心掛ける。

3.症状・苦痛の緩和
 急性期では精神運動興奮や幻覚・妄想などの内部体験が激しく、且つ病識が欠如しているため入院に対する衝撃は強く、不安や恐怖が表面にでている。このために暴力行為の可能性が大きい。不安軽減のため受容的な態度で接し、幻覚・妄想などの症状の鎮静化のため強力で多量の薬物療法が行われるので、その効果と副作用の把握を行う。また、日常生活の中のストレスの除去として刺激の少ない環境調整などが必要である。

4 .日常生活行動への援助
 患者は、幻覚・妄想、精神運動興奮などのため、健康時にはできていた生活行動(洗面や着衣、入浴、食事など)が自分自身ではできなくなり、援助を必要とする。看護者の援助に対し拒否的な患者も多いが、繰り返し説明し、可能なところから援助を始め、愛情と根気強さをもって対することが必要であり、威圧したりあきらめたり無視したりしない。

5.家族への援助
 家族は患者の病気や入院などに戸惑い、不安を抱いているので、家族の気持ちを理解し安心感を与えるような対応が必要である。治療への協力を求めるため、家族も患者の治療の一端を担うことを十分に説明し、患者を見守り関心を持ち続けられるように勇気づけていく。

看護計画(急性期)
【Ⅰ.アセスメントの視点】
 急性期は特徴的な幻覚・妄想などの症状を呈する。外界に対し敏感になって緊張、不安が強い。
 したがって、常に温かく受容的な態度で接し安心感とやすらぎを得られるようにし、また事故防止や栄養、全身面での心掛けが大切である。
 急性期は薬剤によるセデーションで鎮静や症状の軽減が図られる。
 その薬剤効果を把握し、且つ副作用に留意する必要がある。

【Ⅱ.問題リスト】
#1.自己概念の障害
   〔要因〕・体質的脆弱性
       ・自我境界の弱さ
       ・低いストレス耐性
       ・脆弱な自己信頼感
       ・未熟な問題解決技術と防衛機制
       ・ストレス
       ・喪失体験
  〔特徴〕・興奮
       ・衝動行為(自己損傷、暴力)
       ・幻覚、妄想
       ・外界への不信感、敵意、恐れ
       ・現実認識のゆがみ
       ・させられ体験
       ・自閉傾向
       ・集中力の欠如
       ・奇異な言動
       ・セルフケアの欠如


#2.不安
   〔要因〕・体質的脆弱性
       ・自我境界の弱さ
       ・低いストレス耐性
       ・脆弱な自己信頼感
       ・未熟な問題解決技術と防衛機制
       ・ストレスによる脅威
       ・喪失体験
       ・症状(幻覚、妄想、させられ体験)による脅威
  〔特徴〕・落ち着かない態度
       ・同じ質問の反復
       ・緊張または興奮
       ・外界への恐れ
       ・引きこもり
       ・集中困難
       ・周囲への注意が欠ける
       ・思考の途絶
       ・物忘れ
       ・コントロ-ルの喪失
       ・セルフケアの欠如
       ・不眠
       ・食欲不振

#3.自己損傷の危険性
   〔要因〕・体質的脆弱性
       ・自我境界の弱さ
       ・低いストレス耐性
       ・未熟な問題解決技術と防衛規制
       ・ストレス
       ・自己概念の分裂(混乱した思考、つながらない会話)
       ・幻覚、妄想
       ・させられ体験による不快感
       ・興奮
       ・脅威
       ・衝動のコントロールの欠如
       ・自己損傷および自己損傷企図の既往
  〔危険因子〕・幻覚、妄想
        ・させられ体験
        ・脅威
        ・興奮
        ・多動
        ・極端な引きこもり

#4.暴力の危険性
   〔要因〕・体質的脆弱性
       ・自我境界の弱さ
       ・低いストレス耐性
       ・未熟な防衛機制と問題解決技術
       ・ストレス
       ・自己概念の分裂(混乱した思考、まとまらない会話)
       ・幻覚、妄想
       ・させられ体験による不快感
       ・興奮
       ・敵意
       ・衝動的なコントロ-ルの欠如
       ・脅威
       ・サポ-トシステムの欠如
       ・暴力行為の既往
   〔危険因子〕
       〔要因〕を参照

#5.社会的相互作用の障害
   〔要因〕・体質的脆弱性
       ・自我境界の弱さ
       ・低いストレス耐性
       ・脆弱な自己信頼感
       ・未熟な問題解決技術、防衛規制、生活技能、対人関係能力
       ・脅威
       ・自己概念の分裂(混乱した思考、まとまらない会話)
       ・幻覚、妄想
   〔特徴〕・自己概念の分裂
       ・幻覚、妄想
       ・対人関係のストレスの否認
       ・セルフケアの欠如
       ・引きこもり
       ・仕事の維持の困難


#6.家族機能の変調
   〔要因〕
    患者に関すること
       ・脅威
       ・幻覚、妄想
       ・病気の否認
       ・自己概念の分裂
       ・セルフケアの欠如
       ・セルフマネージメント能力の欠如
       ・社会的相互作用の障害
       ・衝動行為
     家族に関すること
       ・患者の世話をすることによって満たそうとする強い依存
       ・誰かに必要とされていなければ自分の価値を認めることができない神経症的不安
       ・病気に対する知識不足
       ・患者の対応への困惑
       ・過保護、自己犠牲的な行動、情緒的な巻き込まれ
       ・患者への批判的な態度、敵意
       ・低い対人関係能力、問題解決能力、欲求不満の耐性、現実検討能力、感情保持能力、表現力、内省力
   〔特徴〕・家族システムが危機に対して建設的に対応しない
       ・家族メンバーの間で相互理解や感情の交流、健康的な相互依存をしない
       ・家族が自分の身体的、情緒的、精神的ニーズを満たそうとしない


【Ⅲ.看護目標】
 1.看護者ー患者関係の目的をはっきりさせ、各役割と責任を設定する。
 2.治療関係のために、患者が治療を受け入れるような制限を設定し、継続する。
 3.患者が入院が必要となるに至った問題や行動の解決を援助する。

【Ⅳ.看護問題】
#1.自己概念の障害

  &看護者の働きかけに反応できる。幻覚、妄想などにとらわれないで生活できる。
  $1~3ケ月


O-1.以下のことを観察しアセスメントする      ・患者が直面したストレスイベント
     ・問題解決技術
     ・防衛機制
     ・ストレス耐性
     ・不安
     ・幻覚、妄想
     ・興奮
     ・衝動性(自己損傷、暴力の可能性)
     ・外界への不信感、敵意
     ・させられ体験
     ・自閉傾向
     ・集中力
     ・奇異な言動
     ・セルフケア能力
     ・セルフマネージメント能力
     ・発病前の状態
     ・サポートシステム
     ・訴えの内容と程度
     ・一日の過ごし方、態度
     ・表情、意志の疎通性
     ・他患への影響

T-1.興奮を減少させるように環境を整える。
     ・明るく、広く、静かな空間を提供する。
     ・ストレスを増強させない。
     ・患者に触れることをしない。
     ・看護者の不安や恐れを伝えないように自信のある態度で接する。
     ・面会を制限する。
     ・興奮が強ければ医師と相談し、理由を明確に説明して患者を保護室に収容または拘束して保護する
  2.自己損傷や暴力行為の可能性があれば、スタッフ全員で情報を共有し、管理および援助を徹底する。
  3.薬物治療を確実に実施する。薬物治療の効果と副作用を観察する。
    可能であれば薬物治療の必要性を理解してもらう。
  4.患者に積極的な関心を示し否定的な批判は避けて、安全感のもてる環境を提供する。
    患者が他者との間にとろうとしている距離をつかみ、近づき過ぎない。
  5.個別性を重視し、基本的な信頼感を築く患者-看護者関係の形成に努める。
     ・患者の現実行動に対しては、具体的な指示を与え、できたことを確認してそれでいいことを伝える。
      指示を与えるだけでは安心感をもらえる体験にはならない。
     ・幻覚・妄想に関しては内容に触れない。否定は不信を抱き、肯定は確信を与えるので、聞くだけ聞いて心配のないことを伝え、必要に応じて医師につなぐ。
     ・幻覚や妄想が起こった時や、それが活動を妨げる時には、看護者に伝えるように説明する。
      感情表現を支持する。

E-1.家族の疾病の理解を助け、家族の不安を受け止める。また、保護室への収容や拘束に対する了解を得る。


#2.不安


 &入院を受容でき、安全、安心感を言葉で表現できる。
 $6ケ月


O-1.以下のことを観察しアセスメントする。      ・患者が直面したストレスイベント
     ・問題解決技術
     ・防衛機制
     ・ストレス耐性
     ・外界への不信感、敵意
     ・脅威
     ・自閉傾向
     ・集中力
     ・セルフケア能力
     ・セルフマネージメント能力
     ・不眠
     ・食欲不振
     ・サポートシステム
     ・不安の程度や日常生活での障害度

T-1.安全感のもてる環境を提供する。
     ・積極的な感心を示し、否定的な批判は避ける。
     ・過剰な刺激を取り除く。
     ・患者が他者との間にとろうとしている距離をつかみ、近づき過ぎない。
     ・他の患者との距離の調整に介入する。
  2.個別性を重視し、基本的な信頼感を築く患者-看護者関係の形成に努める。
     ・看護者の不安や恐れを伝えないように自信のある態度で接する。
     ・患者が看護者に対して、自分を受け止めてくれる、安心できる人だと思えるように、全人的な態度で接する。
     ・ゆったりとした気持ちで患者の訴えに耳を傾けて十分話を聞く。
     ・患者の体験や欲求の言語化、明確化を助け必要に応じて医師との関係をつなぐ。
     ・セルフケア能力、セルフマネージメント能力にあわせて必要なケアを実施する。
      不必要な世話はしない。
     ・患者の現実行動に対しては具体的な指示を与え、やったことを確認して、それでいいことをフィードバックする。
      患者が看護者の指示に従えなければ、指示の出し方をさらに細かく具体的にする必要がある。
     ・不安の強い患者に対しては受容的な態度で接する。
  3.不安が減少すれば、不安の耐性を高めるために生活技能訓練などのトレーニングを実施する。

#3.自己損傷の危険性(希死念慮、自殺企図の可能性)

  &看護者の働きかけに反応することができ、看護者の対応によって安心感を体験できる
  $3ケ月

O-1.以下のことを観察しアセスメントする。
     ・ストレス耐性
     ・問題解決技術
     ・防衛機制
     ・自己概念(価値観、態度、感情)の障害
     ・幻覚、妄想
     ・させられ体験
     ・脅威
     ・興奮の原因
     ・衝動性(内向・外向傾向)
     ・不信感
     ・自己損傷及び自己損傷企図の既往
     ・サポ-トシステム
     ・訴えの内容と程度
     ・表情、意志の疎通性
     ・危険行動の内容、程度
     ・危険行動の前、中、後の言動、奇異な行動

T-1.スタッフ全員で情報を共有し、下記の管理と援助を徹底する。
     ・危険物を預かり、使用時に看護者が付き添い出来ることはさせる
     (ガラス製品、爪切り、鋏、除光液、鏡、針、カミソリ、ビニ-ル袋、ライタ-、電気器具、ベルト、ハンガ-、ナイフ、毛抜き等)。
     ・確実な食事摂取と服薬の確認。
     ・絶え間ない関心を向ける。
     ・行動範囲を病棟内に制限する。
     ・過剰な刺激を減少させる。
     ・必要に応じて面会を制限する。
     ・脅威的な幻覚、妄想によって不安や興奮が高まる可能性があれば医師と相談し、保護室への収容や拘束に関しては、できる限り説得し、力づくでの対応はしない。対応は3~4人のスタッフメンバ-が必要である。
  2.現実的な生活行動に対しては、具体的で明確な指示を与え、指示通りにできたことを確認して、     それでいいことをフィ-ドバックし安心感をもたせる。

E-1.家族が患者の疾患と病状の理解ができるように援助し、保護室への収容や拘束に対する了解を得る。

#4.暴力の危険性

  &看護者の働きかけに反応することができ、看護者の対応によって安心感を体験でき、    行動を起こす前に表現することができる。
  $3ケ月

O-1.以下のことを観察し、アセスメントする。
     ・ストレス耐性
     ・問題解決技術
     ・防衛機制
     ・自己概念の障害
     ・幻覚、妄想
     ・させられ体験
     ・脅威
     ・興奮の有無、程度
     ・敵意
     ・衝動性
     ・不信感
     ・暴力行為の既往
     ・サポートシステム
     ・訴えの内容と程度
     ・一日の行動、言動
     ・表現、意志の疎通性
     ・危険行動の内容、程度
     ・危険行動の前、中、後の言動
     ・服薬の状況

T-1.興奮を減少させる。
     ・明るく、広く、静かな環境を提供し、ストレスを軽減する。
     ・患者に触れることをしない。
     ・患者の不安や恐れを伝えないように自信のある態度で接する。
     ・患者の現実的な生活行動や、自分で自分をコントロールするための枠に関しては具体的で明確な       指示を与え、指示通りにできたことを確認して、それでいいことをフィードバックし安心感をもたせる      ・脅威的な幻覚、妄想によって不安や興奮が高まる可能性があれば、医師と相談して保護室に収容し、       必要に応じて拘束する。
      保護室への収容や拘束に関しては、できる限り説得し、力ずくでの対応はしない。
      対応は一貫性をもって行い、対応時には3~4人のスタッフメンバーが必要である。
     ・暴力に対しては、制止するとともに絶対に暴力を振るってはいけないという強固な態度で接する。
E-1.家族が患者の疾患と病状の理解ができるように援助し、保護室への収容や拘束に     対する了解を得る。
  2.興奮が減少すれば、攻撃性を放散させる活動を勧める。(散歩、スポーツ)

#5.社会的相互作用の障害

  &引きこもりによって自分を守ることができる。
  $3ケ月

O-1.以下のことを観察し、アセスメントする。      ・対人関係パターン
     ・自己概念の障害
     ・ストレス耐性
     ・問題解決技術
     ・防衛機制
     ・現実認識
     ・不安
     ・外界への不信感
     ・幻覚、妄想
     ・引きこもり
     ・セルフケア能力
     ・セルフマネ-ジメント能力
     ・社会的孤立
     ・サポ-トシステム
     ・他患、医師、看護者等との接し方
     ・一日の過ごし方
     ・働きかけに対する反応

T-1.患者に積極的な関心を示し、否定的な批判を避けて、安全感のもてる環境を提供する。患者が他者との間に     とろうとしている距離をつかみ、近づき過ぎない。また、他の患者との距離の調節に介入する。
     ・患者の訴えには耳を傾け、十分に話を聞き、患者の反応を観察しながら働きかける。
  2.個別性を重視し、基本的な信頼感を築く患者-看護者関係の形成に努める。
     ・会話が続かなくても一緒にいる時間をもち、ゆったりとした態度で接する。
     ・患者の現実行動に対しては、具体的で明確な指示をだす。指示通りにできたことの評価をフィ-ドバック       して安心感をもたせ、患者-看護者の反応的関係を形成する努力をする。
     ・幻覚、妄想に関しては内容には触れない。聞いて心配のないことを伝え、必要に応じて医師に連絡する。
     ・医師の指示で面会を制限する。
  3.医師に指示で、必要に応じて保護室を利用し、患者を保護する。患者には十分に説得し実施する。

E-1.家族の病状の理解を助けて、家族の不安を受け止めて指導する。


#6.家族機能の変調


  &・患者を怖がらないで見守れる。
   ・対応に行き詰まった時は援助を求める
  $・1ケ月
   ・1ケ月

O-1.以下の項目について家族を観察し、アセスメントする。
     ・家族構成
     ・家族の状態(家族が抱えている問題と資源、世代間の境界)
     ・疾病および患者の病状についての理解
     ・患者に対する感情
     ・価値観、世間体へのこだわり
     ・役割意識
     ・問題解決技術
     ・防衛機制
     ・過保護および自己犠牲的な行動
     ・情緒的な巻き込まれ
     ・不安、おそれ
     ・無力感
     ・感受性
     ・対人関係パターン
     ・現実検討能力
     ・欲求不満の耐性
     ・感情保持能力
     ・表現力
     ・内省力
     ・サポートシステム
     ・家族間の力関係と相互作用

T-1.家族が患者の疾病と病状を理解できるように援助する。


E-1.家族が対応に行き詰まった時の援助を求める方法を指導する。
  2.患者への対応を指導する。
     ・患者の現実行動に対しては、おだやかに指示し、できたことを確認してそれでいいことをフィードバックする。
      特に服薬が確実にできるように注意する。
     ・否定的な批判や避難をしない。
     ・患者が他者との間にとろうとしている距離をつかみ、近づきすぎない。
     ・患者に触れることをしない。
     ・対応に行き詰まった時は、医師と連絡をとる

認知症患者の標準看護計画





認知症とは  脳に器質性変化が生じ、理解、記憶、計算、抽象思考、判断、言語能力、注意力(集中力)といった脳の高次機能に障害をきたし、徐々に運動機能にも障害を起こし人格を喪失してしまう状態をいう。老年期の痴呆症状を呈する疾患にはアルツハイマー型痴呆や血管性痴呆が代表してよく知られている。  1.アルツハイマー型認知症 発病は40~60歳に多く、女性にやや多い。大脳のびまん性萎縮がみられ、萎縮は前頭葉で強い。病理組織学的には大脳皮質全般に神経細胞の萎縮、脱落があり老人斑、アルツハイマー神経原線維変化が認められ、特に海馬とその周辺で著明である。顆粒空胞変性が海馬の大型神経細胞にみられる。高度の痴呆にもかかわらず人格は比較的保持されており、進行性の記憶障害を主とし、失語、失読、失書、失行等の巣症状がみられる。特徴的なものとして視空間失認がある。神経症状として筋緊張亢進、筋拘縮が生じることが多い。

 2.脳血管性認知症
発病年齢は50歳以上に多く、男性に多い。まだら痴呆で、老年痴呆でみられる全般的な痴呆と区別されることが多い。進行は、階段状で人格変化が少なく、病識は保たれ感情失禁をしばしば呈し、頭痛、眩暈、しびれ、片麻痺、卒中発作、巣症状等の神経学的症状が多い。

アセスメントの視点  痴呆を装飾する形で譫妄が併発して現れる場合もあり、痴呆なのか、譫妄なのか判断が困難な場合もある。それぞれの症状の特徴から、患者にいま起こっている症状を正確に判断することは適切な看護を提供するうえで重要である。また、病気の経過を知るうえでも重要となる。

 譫妄は、急激に精神動揺が起こり、多くの場合、睡眠-覚醒リズムが障害される。認知症のように、徐々に会話はできるが物忘れをする、単語が出てこないといった状態なしに、急激に会話も成り立たないような状況が生ずる。

 認知症は徐々に進行し、不可逆的であるが、譫妄は看護者の対応によって一時的に収まってしまうものである。この譫妄を適切に処理しなければ、暴れたり、食事、飲水や睡眠といった生理的ニーズの充足が不十分となり、危険な状態に陥る。

症状  出来事全体を忘れる高度な物忘れから始まり、判断ができなくなり、徐々に周りの状況を認知できなくなる。
 行動の多くは、たくさんの動作が組み合わさせたものであるために、衣服の着脱、洗面、排泄等の動作を部分的に忘れ始め日常動作も援助なしにはできにくくなってしまう。さらに重度の認知症に移行すると、言葉が出てこない、相手の言うことが認識できない状況が生じ、運動機能の低下と共に寝たきりに移行する。

検査 • 生化学、血液一般検査
• CTスキャン
• MRI
• EEG
• SPECT
• ECG
• 長谷川式簡易知能評価スケール(HDS-R)
• WAIS-R
治療
 中核症状である知的機能を改善させることは困難だが、脳の老化が少しでも遅くなることを期待して脳代謝改善薬を長期的に投与する。また脳血管障害がこれ以上進まないようにするため、脳循環改善薬や血小板凝集抑制薬も併用する。その他、意欲減退、うつ状態、行動異常等、痴呆に伴って起こる症状を改善するために抗うつ薬、抗不安薬、抗精神病薬を使うこともある。

 知的機能は改善できなくても、副次的な症状の一部を改善することは、人間らしく生きるために必要であり、本人、家族にとっても意義のあることである。

 作業療法は、患者の人間性と自由を尊重し、自発性と役割を高めることにより、患者に残された健康な部分の能力を強化できるため、社会性の回復や新たな獲得を目標とする手段として用いられることがある。作業活動はあまり変化を持たせずに、固定化、パターン化し繰り返すほうがよい。過去の経験を生かした簡単で予測性の容易なものが適している。もっとも、音楽等は古いなじみのあるものだけでなく、リズム等の影響が大きいため新しいものもよい刺激になることが多い。

経過と管理
 痴呆は一般的に3つのステージに分けることができる。

1.健忘期  健忘期は何度も同じことを聞くようになる。また、言葉が出てこなくなる。特に名詞が出てこないので「それとって」、「あれね」といった会話が目立つようになる。そしてその欠損を補うように自然と作話が出てくる。

2.混乱期  混乱期は判断力も著しく低下するために、衣服の着脱も困難になる。どこに足を通してよいのか、ボタンをどうするのか分からなくなるのである。トイレにもたどり着くことができず、誘導されても迷って戻れなくなる。感情抑制能力が失われ、人格の喪失を起こし認知能力や集中力が極端に障害されてくるので、同じ言動を繰り返し、暴力や徘徊といった問題行動や精神症状等が現れてくる。

3.認知症進行期期
 認知症進行期は自分の名前、親しい人の名前、家族さえも分からなくなってしまう。尿・便失禁が起こり、身体の自由がきかなくなって寝たきりになる。
看護計画
Ⅰ.アセスメントの視点
 譫妄・認知障害を起こしている高齢者と接する時は、偏見や先入観を持たず問題行動に直面しても決して大騒ぎせず、ありのままを受け入れ、状態を正しくアセスメントし適切な援助を行うことが重要である。

 認知症の患者は知的能力の低下はあっても、感情・情緒は変わりないので、自尊心を傷つけないように否定・説得・叱責はしないようにする。柔軟な対応で相手の世界に合わせる、1つの行動ごとに指示を与える、老人のペースで、ゆっくりと行動する、温かみのある言葉をかける、スキンシップを十分に行うなど痴呆老人の接し方の原則をあらゆる場面で心がける。

 看護計画のポイントは

1)好転しうる痴呆状況を見極め、痴呆状態の改善に向けての計画をたてること

2)状態と暮らしの全体像を把握し、安らかさとその人らしい暮らしに向けての計画をたてることの2点である。

Ⅱ.問題リスト
♯1.入院という生活リズムの変化から来る不安
   [要因]・生活適応能力の乏しさ
       ・家族との分離不安
       ・見当識障害
       ・判断の障害

♯2.精神、身体症状による異常行動
   [要因]・入院による環境の変化
       ・注意力障害
       ・記憶障害
       ・譫妄
       ・幻覚、妄想
       ・ADL遂行能力の低下
       ・身体的・知的変化(老化)
       ・集中困難
       ・薬剤に関与した症状
       ・感情の多様性

♯3.自ら的確に訴えられないことによる身体症状の悪化
   [要因]・記憶の障害
       ・見当識障害
       ・判断の障害
       ・会話理解の障害
       ・意思表示の障害
       ・自発性、気力の障害
       ・興味、関心の障害
       ・感情の多様性、安定性、適切性の障害
       ・不安、混乱の増大
       ・異常体験(幻覚、妄想)
       ・多動、徘徊、興奮
       ・引きこもり

♯4.精神症状に基づく問題行動や突発的なトラブル
   [要因]・精神運動興奮
       ・知的能力の低下
       ・脱抑制

♯5.病識のなさからくる治療、検査への非協力的態度
   [要因]・知的能力低下からくる理解不足
       ・慣れない環境への恐れ
       ・幻覚、妄想からくる拒否
Ⅲ.看護目標
1. 環境の変化に適応でき、戸惑うことなく落ち着いて入院生活が送れる
2. 日常生活が安全に送れ、現在の水準を維持できる
3. 身体症状の悪化を防ぎ、全身状態を良好に保つ
4. 適切な対応により患者の安全が守られトラブルや事故が防止できる
5. 治療、検査をスムーズに受けられる
Ⅳ.看護問題
♯1.入院という生活リズムの変化からくる不安

   [要因]・環境適応能力の乏しさ
       ・家族との分離不安
       ・見当識障害
       ・判断の障害

  &環境の変化に適応でき、戸惑うことなく安心して入院生活を過ごすことができる
  $1週間

O-1.入院生活に対する予備知識及び入院意思の確認
  2.入院生活での適合性を把握:人間関係での支障の有無
  3.経済状況
  4.オリエンテーションを上手にとり人間関係がスムーズに保たれるようにする

T-1.入院前の生活習慣を把握し入院生活上可能な範囲で調整する
  2.コミュニケーションを上手にとり人間関係がスムーズに保たれるようにする

E-1.リアリティオリエンテーション(日にち、曜日、場所や天気等を書いて目の前に置いたり、不安な状況を避けるため
    各勤務帯で一回は今の場所を説明する)の実施
  2.オリエンテーション実施後の不安に対する補足及び教育を行う

♯2.精神、身体症状による異常行動

   [要因]・入院による環境の変化
       ・注意障害
       ・見当識障害
       ・記憶障害
       ・譫妄
       ・幻覚、妄想
       ・ADL遂行能力の低下
       ・身体的・知的変化(老化)
       ・集中困難
       ・薬剤に関与した症状
       ・感情の多様性

  &心身の安定を保ちセルフケアレベルを落とさない
  $入院期間中
O-1.ADL:食事、排泄、清潔、身だしなみ、歩行、睡眠覚醒リズム、行動会話等
  2.精神、身体症状
     1)言語障害
     2)感情、情緒面における不安定
     3)心気傾向、うつ状態
     4)夜間譫妄、多動、徘徊
     5)幻覚、妄想状態
     6)記憶、見当識障害
     7)VS、血液データ
     8)合併症の有無と程度
  3.各種薬剤の副作用の有無と程度

T-1.セルフケア能力を評価し、残存機能を生かすように援助する
  2.患者が成し遂げたり、前進したことについては適度に褒めたり、励ます
  3.危険防止に努める
     1)病棟内、ベッド周囲の環境整備
     2)ベッド柵、低床ベッドの使用
     3)服装を整える
  4.老人の言動を受け入れ理解しコミュニケーションを上手にとる
  5.患者のペースでゆっくり行動する
  6.孤独にさせない
  7.離床を促す
  8.服薬確認
  9.日常生活のリズムを整える
  10.転室はできるだけ避け、同じ環境を保つ
  11.過去の生活歴を知り趣味や得意なことを取り入れる(絵画、書道、手芸、歌等)
  12.失禁、不潔行為のある患者の場合
     1)定期的なトイレ誘導、オムツ交換をする
     2)病室から放尿の対象となるものを除去する(ごみ箱、バケツ等)
     3)下痢傾向のある患者は下剤の使用を控える
     4)清潔の保持を定期的に確認する
  13.徘徊がある患者の場合
     1)徘徊の理由を考える
     2)病棟外へ行く際には必ず付き添う
     3)患者の着衣、スリッパに病棟名、氏名を記入する
     4)病室、トイレ、洗面所の出入口に目印をつける(リボン、人形等)
     5)レクリエーションの参加や運動の機会をもつ
  14.興奮状態のある患者の場合
     1)昼夜逆転しないように、日中刺激を与える
     2)空腹による場合もあるのでおやつの時間を設ける
     3)病室はできるだけ明るくし不安を増長させない
     4)よく話を聞いて不安の除去に努め、医師の指示に基づいて安定剤、睡眠剤を投与する

E-1.病棟に慣れるまで戸惑いがあることを説明する
  2.規則的な生活を送ることや、レクリエーション療法を指導する


#3.自ら的確に訴えられないことによる身体症状の悪化

   [要因]・記憶の障害
       ・見当識障害
       ・判断の障害
       ・会話理解の障害
       ・意思表示の障害
       ・自発性、気力の障害
       ・興味、関心の障害
       ・感情の多様性、安定性、適切性の障害
       ・不安、混乱の増大
       ・異常体験(幻覚、妄想)
       ・多動、徘徊、興奮
       ・引きこもり


  &身体症状の悪化を防ぐことができる
  $入院期間中

O-1.合併症の有無、身体機能低下の状態
     1)全体的な活発さ、元気さ:歩き方、姿勢、表情、顔色、発語の数
     2)食事量、食欲の有無
     3)排便、排尿状況及び性状
     4)VS
     5)全身状態:体重の変化、るいそう、浮腫等
     6)痴呆の程度
     7)血液データチェック

T-1.脱水のある患者の場合
     1)積極的に水分補給を促す.in-outチェック
     2)衣類、室温、掛け物の調整をする
     3)原疾患を悪化させないように注意する
  2.骨折している患者の場合
     1)転倒、転落、打撲に注意する
     2)低床ベッド、ベッド柵の使用、履き物の工夫
     3)骨折を契機に微熱が出たり、貧血が進むこともあるので注意する
  3.肺炎を併発した患者の場合
     1)安静と清潔の保持
     2)呼吸管理
     3)補液の管理
     4)誤嚥防止のための対策(吸痰、食事の工夫、体位等)
     5)適切な水分補給と保温
  4.褥創のある患者の場合
     1)離床を促す
     2)体位変換を行う
     3)皮膚や衣類、寝具の乾燥と清潔の保持
  4)失禁対策を行う
     5)全身状態、皮膚状態の観察
     6)栄養状態改善のための食事の工夫
     7)マッサージ等で循環をよくする
     8)エアマットの使用
     9)外用薬剤の検討
  5.身体状態の把握を行う
     1)不機嫌,落ち着きのなさ等の苦痛のサインを受け止める


#4.精神症状に基づく問題行動や突発的なトラブル


   [要因]・精神運動興奮        ・知的能力の低下
       ・脱抑制

  &適切な対応によりトラブルや事故が防止できる
  $入院期間中

O-1.ADL
  2.精神症状
     1)譫妄
     2)幻覚、妄想
     3)徘徊、多動、不穏
     4)失禁、放尿
     5)過食、異食
     6)性的逸脱行動
  3.身体機能の低下

T-1.転落の可能性のある患者の場合
     1)ベッド柵の使用
     2)ベッドを壁側に密着させる
     3)低床ベッドの使用またはマットレスを床上に降ろす
  2.離院の可能性のある患者の場合
     1)閉鎖病棟へ収容
     2)着衣、スリッパに病棟名及び氏名を記入
     3)黄昏(たそがれ)症候群といわれる夕方になるとそわそわと家に帰ろうと落ち着かなくなる状態に対して        「もう遅いのでバスもありませんので、お泊まりください」等と話し納得してもらう
  3.過食、異食の可能性のある患者の場合
     1)身辺整理
     2)食品は看護者預かりとし,下膳棚等の残飯は素早く処分する
     3)危険物は患者の手に届かない場所に保管する
     4)食べ物に似た色や形の物[例:ボタン(あめ玉)、石鹸(きれいなお菓子)、大便(ぼたもち)等]
       は特に注意する
  4.性的逸脱行為のある患者の場合
     1)性的行為(お尻撫で、抱擁等)に対しては騒がず,さりげなくかわす

#5.病識のなさからくる治療、検査への非協力的態度

   [要因]・知的能力低下からくる理解不足        ・慣れない環境への恐れ
       ・幻覚、妄想からくる拒否

  &治療、検査を安全にスムーズに受けることができる
  $入院期間中

O-1.治療、検査に対しての理解力
  2.ADL
  3.精神症状:夜間譫妄、徘徊、多動、幻覚、妄想状態
  4.治療、検査に対する協力の有無

T-1.頻回に訪室、声掛けし状態の把握に努める
  2.安静が保てない場合は、医師の指示の基に苦痛にならない程度に抑制する
  3.内服薬は自己管理をさせず、服薬確認を行う


E-1.検査前の説明は前もって行うと不安になるので、直前に行う
  2.治療に対してはその都度根気よく説明する

統合失調症患者の標準看護計画 (慢性期)



【統合失調症とは】
 主として青年期に発病し、特異な精神症状を呈するとともに人格の解体をきたし、放置すれば特有の精神荒廃状態に陥る慢性の精神疾患であり、内因性精神病の代表的なものである。この病気の原因は不明であり、発病に関しては遺伝的要因、体質的要因、人間関係などの心理的要因、社会その他の環境的要因など、様々な要因の関与によるものと推定されている。発病年齢、症状、経過、予後の観点により、解体型(破瓜型)、緊張型、妄想型に分類されている。

【アセスメントの視点】
 精神分裂病の発症には、ゆっくりとしたもの、潜行性のもの、突発性のものがあり、喪失体験や結婚など、身の回りの重大な出来事に続いて発症する場合もある。患者は、現実との接触が障害されており、幻覚や錯覚などの内的過程に反応するため、患者の行動は予測し難い。患者は病識が無い場合がほとんどであり、精神内界を表出してもらうため自分の言葉で自分の状態を表現してもらうことが大切である。そして、家族より入院前の言動、生育歴、社会的背景、性格などの情報を得ることが重要である。

【症状の特徴】
 患者の訴える自覚症状として、主観的症状の幻覚、妄想、させられ体験、周囲から観察される症状として、客観的症状の感情障害、思考障害、欲動・行動の障害などがある。

1.主観的症状
幻覚
 知覚の種類により、幻聴、幻視、幻味、幻臭、幻触、体感幻覚などがある。
 分裂病では幻聴が最も多く、人の話し声として聞こえる場合が多い。
 被害的な内容のものや、命令的な内容のものが多く、患者は心の中で、あるいは声を出して幻聴と対話したりし、意識が清明な状態で起こるのが特徴である。

妄想
 分裂病の妄想は、内容により種々のものがあるが、関係妄想(被害妄想)、誇大妄想、心気妄想、虚無妄想などが特有である。
 最も多いのは、対人関係についてのものであり、中でも被害的な内容のものが多い。
 被害妄想は他者が患者に危害を加えると考えるものであり、地位や名誉に関するもの、健康、生命に関するもの、財産、所有に関するものなどが多い。被毒妄想、追跡妄想、注察妄想なども含まれる。

させられ体験
 幻覚、妄想などにより、自分以外に自己決定を下す存在を確信し、それにより意思決定がスムーズにいかず、自分の考えで行動しているという意識が薄れて、自分の意思によってではなく、他から「させられる」「操作される」と感じるようになる体験をいい、分裂病に特有のものである。
 また、幻覚、妄想によらない場合もあり、それが真の意味での「させられ体験」である。

2.客観的症状 
感情障害
 感情鈍麻となる。周囲への関心や興味を欠き、感情の幅も狭く深みがない。

思考障害
 思考の形式と内容に関する障害があり、前者には連合弛緩、思考途絶、思考滅裂、後者には妄想、妄想気分、妄想着想、妄想知覚がある。

意欲障害
 意欲の調和や統一性の障害が生じ、不自然で硬く奇妙な行動がみられる。意欲の全般的な低下をきたした場合は自発性欠如、無為になる。

行動障害
 多動(精神運動興奮)あるいは、寡動(昏迷)がみられ、カタレプシー、衝動行為、反響症状、独語、空笑も出現する。
身体症状
 体重減少または増加、食欲異常、性欲異常、睡眠障害、月経異常が多い。

その他
 自閉、社会活動の低下と共に病識の欠如がある。意識障害や知能障害はない。

【検査】
 脳波CT
 SPECT
 MRI
 心理検査性格検査

【治療】
1.薬物療法
 向精神薬(主に抗精神病薬)が用いられる。
 急性期の不穏、興奮の激しい時には、鎮静、催眠効果の強いフェノチアジン系の薬物が、また、幻覚、妄想の強い時には、抗幻覚妄想の強いブチロフェノン系の薬物を用いる。
 慢性期の自閉や疎通性減退、意欲減退、不活発などに対しては、賦活効果の強い薬物が用いられる。症状改善後も再発防止のために、比較的少量の薬物を維持療法として服用させる。


 抗精神病薬の副作用には、自律神経症状、および錐体外路症状がある。
 自律神経症状には、血圧低下、頻脈、口渇、鼻閉、流涎、味覚異常、水晶体混濁、胃腸障害(食思不振、悪心、下痢、腸管麻痺、便秘)などが多い。
 錐体外路症状にはパーキンソニズム、アカシジア、急性ジストニア、遅発性ジスキネジアがある。

2.電気ショック療法
 抑うつ状態で自殺傾向があったり、緊張病性の興奮や昏迷、向精神薬による症状の改善が芳しくない時にこの治療が用いられることがある。
 老人や子供、器質性脳疾患、高血圧、動脈硬化、心疾患をもつ人、妊娠している人などでは禁忌と言われている。しかし、無痙攣性の電気ショック療法は、現在では禁忌は特にない。


3.精神療法
 患者の精神面に働きかけて精神障害を治療するものである。
 患者の精神の安定を図り、問題行動を改善し、人格の発達および成熟を促すことを目指し、患者と治療者との対人関係により成立するものであり、言語を媒介とした患者への心理的な影響を手段としている。
 向精神薬と併用することが肝要である。治癒の促進および再発に関連しては個人精神療法、社会復帰に関連しては集団精神療法が用いられる。

4.社会療法
 社会性を高め、社会復帰を実現するように働きかける治療法である。
 環境療法として、患者の生活環境条件の調整と改善をすることにより日常生活の適応を図る。
 また、生活療法(生活指導、レクリェーション療法、作業療法)を通して自発性を回復させ、社会生活能力を回復し、高めることを目的として行われる。薬物療法、精神療法と併用することが多い。

5.生活技能訓練:SST(Social Skills Training)
 行動療法的技法により対人的コミュニケーション技能や自立生活のための技能を獲得させ、生活の質の改善、症状の軽減、再発の防止、認知機能の改善をめざす治療法である。
 訓練は通常集団の場で行い、生活技術の不得手、対人関係、仕事場、など練習課題を決め練習する。
 正のフィードバックを強調し、患者の関心から自発性を引き出すことがポイントである。

6.社会復帰のための治療(リハビリテーション)
 意欲を回復した患者がさらに一歩社会復帰を進めるために、社会復帰(中間)施設、デイ、ホスピタル、ナイト・ホスピタルなどがある。

【慢性期の看護】
1.患者・看護者関係の発展
 患者は、自分の考えや感情の表現、距離の保ち方が適切にできないことが多く、他者に違和感を与えやすい。
 さらに現実認識が低いため、状況判断が適切でなかったり、思い込みのままに行動したりする。
 このような患者の対人関係能力における問題を解決するべく看護者は急性期より患者と個対個の関係を築いてきたが、慢性期においても患者が他者とのつきあい方を学べる機会をより多くしていく必要がある。

2.セルフケアの促進
 急性期を過ぎ、看護者による全面介助が不要になったら、自分のことはできるだけ自分でできるように援助する。その際、患者と十分に話し合い、患者の行動とその責任のとり方、および看護者の援助内容について明確にし、患者が自分のことを自己の責任において決めるという機会をできるだけ多く提供する。

3.患者の教育
1)服薬の自己管理
 慢性期の患者は、薬の中断や自己判断で服薬の調節を行ったりすることが大きな問題である。
 病識が欠如していて、自覚症状が緩和されたこと、又副作用に対する不安等が誘因である。
 薬と疾病の関係、断薬、内服の自己調整の危険性について、内服の副作用に対する不安等について指導の必要性がある。

2)日課表の作成
 患者自身が作業療法やレクリェーション療法や院内散歩などに参加するように働きかけて、自主性の回復を育成する。
 退行現象を防ぐために、目標は患者看護者と共に設定し、患者の行動を広げていくような計画にする。

3)退院時指導
 服薬中断、生活環境の変化により再発しやすいため、日常生活上の変化や症状の再燃を早期に把握する必要がある。
 そのため、本人、家族に服薬と通院の必要性、規則正しい生活を送ること等を指導し、支援体制を整える。

看護計画(慢性期)
【Ⅰ.アセスメントの視点】 
 慢性期においては、意欲低下や感情鈍麻等の固定した障害を残すことが多い。
 その場合の援助としては、患者自身の活動性を高めると共に、対人関係の改善を図り、社会復帰を目標に据えた日常生活の自立への働き掛けが必要である。
 寛解期に入り、社会復帰を果たした後も、特定の状況下において再発することがあるので、そういった状態をきちんと把握して再発防止への援助を行っていく必要がある。


【Ⅱ.問題リスト】 #1.自己概念の障害
   〔要因〕・体質的脆弱性
       ・自我境界の弱さ
       ・低いストレス耐性
       ・脆弱な自己信頼感
       ・未熟な問題解決技術と防衛機制
       ・ストレス
       ・喪失体験
   〔特徴〕・自分自身のケアに関与せず、セルフケアの責任を回避する
       ・社会的な接触を絶ち、引きこもる
       ・幻覚、妄想


#2.セルフケアの不足    〔要因〕・無為、自閉傾向
       ・薬の副作用および副作用へのこだわり
       ・身体活動性の低下
       ・セルフマネージメント能力の低下
       ・低いセルフケア能力
       ・サポートシステムの欠如
   〔特徴〕・セルフケアの不足(摂食、保清、更衣、排泄、道具使用、安全保持)
       ・セルフケアに必要なコミュニケーション能力の不足

#3.ノンコンプライアンス
   〔要因〕・自己概念の分裂(混乱した思考、つながらない会話)
       ・非現実的な不安
       ・幻覚、妄想
       ・病気の否認
       ・セルフマネージメント能力の欠如
       ・知識不足
       ・治療の副作用による苦痛の体験
       ・サポートシステムの欠如
   〔特徴〕・病気の否認
       ・服薬の拒否
       ・症状の持続
       ・病状の悪化

#4.社会的相互作用の障害    〔要因〕・体質的脆弱性
       ・低いストレス耐性
       ・脆弱な自己信頼感
       ・未熟な問題解決技術、防衛機制、生活技能、対人関係能力
       ・自我境界の弱さ
       ・不安
       ・自己概念の分裂(混乱した思考、つながらない会話)
       ・幻覚、妄想
   〔特徴〕・自己概念の分裂
       ・幻覚、妄想
       ・対人関係のストレスを否認する
       ・非現実的な不安
       ・セルフケアの低下
       ・引きこもり
       ・仕事の維持の困難
       ・社会的孤立

#5.家族機能の変調
   〔要因〕
    患者に関すること
       ・不安
       ・幻覚、妄想
       ・病気の否認
       ・自己概念の分裂
       ・セルフケア能力の不足
       ・セルフマネジメント能力の不足
       ・社会的相互作用の障害
       ・社会的孤立
    家族に関すること
       ・患者の世話をすることによって満たそうとする強い依存
       ・誰かに必要とされていなければ自分の価値を認めることができない神経症的不安
       ・病気に対する知識不足
       ・患者の対応への困惑
       ・過保護、自己犠牲的な行動、情緒的な巻き込まれ
       ・患者への批判的な態度、敵意
       ・低い対人関係能力、問題解決能力、欲求不満の耐性、現実検討能力、感情保持能力、表現力、内省力
   〔特徴〕・家族システムが危機に対して建設的に対応しない
       ・家族メンバーの間で相互理解や感情の交流、健康的な相互依存をしない
       ・家族が自分の身体的、情緒的、精神的ニーズを満たそうとしない

【Ⅲ.看護目標】
 1.治療チーム(患者も含められる状態なら一緒に参加)によって作成された計画に従って、退院の準備をする。
 2.患者が薬物療法や他の療法(外来通院、精神保健センター、作業所、自立訓練、グループ療法)を続けるのを援助する。
 3.将来起こりうるストレスや問題に患者を備えられるようにする。
 4.他の施設に移る準備をする。

【Ⅳ.看護問題】
#1.自己概念の障害
  &・自分の欲求、不安、満足感を表現できる。
    ・ストレスを体験した時、そのことを表現できる。
  $・3ケ月
    ・6ケ月

O-1.以下のことを観察しアセスメントする
     ・患者が直面したストレスイベント
     ・問題解決技術
     ・防衛機制
     ・ストレス耐性
     ・不安
     ・幻覚、妄想
     ・引きこもり
     ・集中力
     ・受身性
     ・セルフケア能力
     ・セルフマネージメント能力
     ・サポートシステム

T-1.患者に積極的な感心を示し否定的な批判は避けて、安全感のもてる環境を提供する。
    患者が他者との間にとろうとしている距離をつかみ、近づき過ぎない。
  2.個別性を重視し、基本的な信頼感を築く患者-看護者関係の形成に努める。
    a.会話の内容がつながらなくても自由に話を続け、患者が避ける話題を追求しない
    b.幻覚・妄想に関しては内容に触れない。否定も肯定もせず、患者固有の主張としてまとめ看護婦には感じられないことを伝える。
    c.患者の体験の言語化、明確化を助け、必要があれば他者との間の橋渡しをする。
    d.セルフケア能力、セルフマネジメント能力を査定し、必要なケアを実施する。患者ができることは可能な限りさせ、不必要な世話はしない。
    e.集団精神療法、作業療法、レクリェーションへの参加を勧める。参加に際しては集団への送り出しと受け入れを援助して集団への出入りを補助し、他者と一緒の集団の中にいられる体験を支援する。

#2.セルフケアの不足
  &・病棟の日課に沿ってセルフケアを実践できる。
    ・日常生活の不安を軽減できる。
  $・6ケ月
    ・6ケ月

O-1.以下のことを観察しアセスメントする。
     ・セルフケア能力
       摂食
       保清
       更衣
       排泄
       道具使用(電話をかける、洗濯機の使用、食料の調達と調理、交通手段の利用、        薬物管理、金銭管理)
       安全保持
     ・セルフケアに必要なコミュニケーション能力(意思伝達、危機伝達)
     ・セルフマネージメント能力
     ・薬の副作用
     ・無為、自閉傾向
     ・自分で自分を楽しませる能力(テレビを見る、本を読む、音楽を聞く)
     ・サポートシステム

T-1.患者に積極的な関心を示し、否定的な批判を避けて安全感のもてる環境を提供する。
    患者が他者との間にとろうとしている距離をつかみ、近づき過ぎない。
  2.患者のセルフケア能力のアセスメントに基づいて、1日の生活活動計画と援助方法を明確にし、患者と共有する。      ・生活活動計画は、無理がなく実践可能であること。
     ・計画通り実践ができるように患者を励まし、できたことは評価する。
     ・看護者は根気強く援助し、患者のセルフマネージメント能力を育てるために、生活リズムの枠を与える人としての信頼感を築くように努力する。
  3.現実的な行動能力、表現能力を活性化し、活動性を高める。
     ・患者のできることは可能な限りさせる。不必要な世話はしない。
     ・適切な気分転換活動を日課に取り入れ、積極的に支援する。
     ・集団精神療法、作業療法、レクリェーションへの参加を勧め、表現を促進する。
      参加に際しては集団への送り出しと受け入れを援助して、集団への出入りを補助する。

E-1.家族に患者のセルフケア能力と援助方法について指導、患者とも共有する。

#3.ノンコンプライアンス
  &・治療に対する不安や不満を表現できる。
    ・継続治療の必要性を受け入れる。
  $・1ケ月
    ・6ケ月

O-1.以下のことを観察しアセスメントする。
     ・自己概念(価値観、態度、感情)の障害
     ・疾病および治療に対する認識
     ・非現実的な不安
     ・幻覚、妄想
     ・セルフマネージメント能力
     ・病状の変化
     ・服薬拒否
     ・薬の副作用
     ・苦痛の訴え
     ・外来通院中断の既往
     ・治療者との関係
     ・サポ-トシステム
     ・コンプライアンスを阻害する内的、外的因子

T-1.コンプライアンスを阻害する因子が明確になれば、患者の能力に合わせて援助方法と教育プランを検討する。
  2.患者に積極的な関心を示し、否定的な批判を避けて、安全感のもてる環境を提供する。患者が他者との間にとろうとしている距離をつかみ、近づき過ぎない。
  3.個別性を重視し、基本的な信頼感を築く患者-看護者関係の形成に努める。
     ・会話の内容がつながらなくても自由に話を続けさせ、患者が避ける話題を追求しない。
     ・幻覚、妄想に関しては、否定も肯定もせず、患者固有の主張としてまとめ、看護者には感じられないことを伝える。

     ・患者の体験の言語化、明確化を助け、必要があれば他者との間の橋渡しをする。

E-1.心理、社会教育プログラムを活用する。
     ・継続治療と薬物治療の必要性と薬の副作用について指導する。
     ・治療に対する不安や苦痛が発生した時の対処方法を教える。
     ・退院後の対応についても、患者、家族と対応方法を共有する。

#4.社会的相互作用の障害
  &・集団の中で安全感がもてるようになる。
   ・生活技能および対人関係の向上がはかれる。
  $・3ケ月
   ・6ケ月

O-1.以下のことを観察し、アセスメントする。
     ・対人関係パターン
     ・自己概念の障害
     ・ストレス耐性
     ・問題解決技術
     ・防衛機制
     ・幻覚、妄想
     ・非現実的な不安
     ・引きこもり
     ・意欲の減退
     ・セルフケア能力
     ・セルフマネ-ジメント能力
     ・気分転換活動
     ・社会的孤立
     ・サポ-トシステム

T-1.患者に積極的な関心を示し、否定的な批判を避けて、安全感のもてる環境を提供する。
    患者が他者との間にとろうとしている距離をつかみ、近づき過ぎない。
    また、他の患者との距離の調節に介入する。
  2.個別性を重視し、基本的な信頼感を築く患者-看護者関係の形成に努める。
     ・会話の内容がつながらなくても自由に会話を続けさせ、患者が避ける話題を追求しない。
     ・幻覚、妄想に関しては否定も肯定もせず、患者固有の主張としてまとめ、看護者には感じられないことを伝える。
     ・患者の体験の言語化、明確化を助け、必要があれば他者との間の橋渡しをする。
     ・患者自身の言動で生じる不安の耐性を高める。
  3.現実的な行動能力、表現能力を活性化して活動性を高める。
     ・患者のできることは可能な限りさせる。不必要な世話はしない。
     ・適切な気分転換活動を日課に取り入れ、積極的に支援する。
     ・集団精神療法、作業療法、レクリェーションへの参加を勧める。必要があれば、集団への出入りを補助し、他者と一緒に集団の中にいられる体験を支援する。
  4.ほとんどの患者は社会的孤立の状態にある。患者の引きこもりを尊重しながら、声をかけ、持続的に社会的孤立の状態に置かないように努める。

E-P1.心的エネルギーが回復したら、対人関係能力を高めるために生活技能訓練を行い生活技能と対人関係能力を補強する。

#5.家族機能の変調
  &・患者との間に適切な距離をおいて対応できる。
   ・患者の服薬とリハビリの必要性を理解し、患者を支援できる。
   ・対応に窮した時は援助を求めることができる。
  $・3ケ月
   ・1ケ月
   ・1ケ月

O-1.以下の項目について家族を観察し、アセスメントする。
     ・家族構成
     ・家族の状態(家族が抱えている問題と資源、世代間の境界)
     ・病気および継続治療の必要性の理解
     ・患者への感情表出(怒り、敵意、悲観)
     ・自己概念および役割意識
     ・問題解決技術
     ・防衛機制
     ・過保護および自己犠牲的な行動
     ・情緒的な巻き込まれ
     ・不安
     ・感受性
     ・対人関係パターン
     ・現実検討能力
     ・欲求不満の耐性
     ・感情保持能力
     ・表現力
     ・内省力
     ・無力感
     ・怒り
     ・世間体へのこだわり
     ・サポートシステム
     ・家族間の力関係と相互作用
E-1.家族が患者の病気と薬物療法を継続する必要性を理解できるように援助する
  2.患者のセルフケア能力、セルフマネージメント能力を家族と共有し、患者のできることは可能な限りさせる     不必要な世話をしないための援助方法を指導する
    特に服薬管理の重要性を強調する
  3.患者への対応方法を教示する
     ・会話の内容がつながらなくても自由に話を続けさせ、患者が避ける話題の追求はしない
     ・幻覚、妄想に関しては、否定も肯定もせず、患者固有の主張としてまとめ、家族には感じられないことを伝える
     ・患者の引きこもりを尊重しながら積極的に声をかけ、社会的孤立状態に持続的に置かない。
     ・家族の患者への批判、非難、強制的な態度が再発を促進することを教示し、患者の言動に感情的にならず、おだやかに親切に対応する。
     ・家族の過保護や自己犠牲的な行動、情緒的な巻き込まれが再発を促進する因子になりやすいことを教示し、患者が家族との間にとろうとしている距離を見極めて対応する
  4.患者の活動性を高め、社会的能力を向上させるために、現実的な行動能力と表現能力を活性化する必要があることを指導し、退院後の活動プランを患者を交えて検討し、活動計画と援助方法を共有する
     ・適切な気分転換活動や作業を日課に取り入れ、積極的に支援する
     ・デイケア、外来集団治療等のプログラムを活用する
     ・患者が生活活動の枠を活用できるように根気強く支援する
     ・家族が対応に窮した時の援助を求める方法を共有する

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看護研究科 小日方 さくら

Author:看護研究科 小日方 さくら
某看護大学を卒業して大学病院で8年勤務。 その後フリーのライターとして活動しています! 看護学生さんに役立つ情報をいっぱい記載してます! ぜひ見に来てくださいね♡

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