自殺念慮・企図・自傷行為のある患者の看護計画について解説します!

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    By看護研究科 小日方 さくら

    #1 希死念慮があり自殺を企てる可能性がある
    #2 縊首する事により生命維持に対する危険がある
    #3 睡眠薬多量内服する事により生命維持に対する危険がある
    #4 向精神病薬を多量に服用する事により生命維持に対する危険がある
    #5 消毒薬服用により生命維持に対する危険がある
    #6 洗剤服用により生命の維持に対する危険がある
    #7 リストカットする事により生命維持に対する危険性がある
    #8 投身する事により生命維持に対する危険性がある
    #9 外泊時に自殺企図を起こす可能性がある
    #10被害妄想幻聴などの異常体験またヒステリ-により衝動的に自傷行為を起こす可能性がある

    #1 希死念慮があり自殺を企てる可能性がある
    ●患者の平常時の状態が把握でき、精神的な変化が早期に発見でき、自殺を未然に防止できる
    T-1.平静の患者の訴え・行動・服装をよく把握しておく
    2.患者との良い関係を築き、患者自ら悩みを訴えられる関係をつくる
    3.些細な言動に注意する
    4.常に看護者の視野に入れておくようにする
    5.危険物の取り扱いについての注意
    a.身辺の整理整頓をしながら所持品の危険性の有無を確かめる
    b.ベット周囲の物品にも注意する
    c.腰ヒモ・ベルト・コードは家人に持ち帰ってもらう
    d.針・はさみ・缶切り・刃物・爪切りきりなどの使用時は代行又は看護師付き添いで行い、目を離さない
    6.下記のような場合には特に観察を密にし、注意を払う
    a.鬱状態から状態が好転した回復期
    b.ヒステリー患者の狂言自殺が事実になる事がある
    c.統合失調症や過緊張状態の時、衝動的に行う事がある
    d.昏迷状態(鬱病・統合失調症等)から症状が動きだした場合は要注意する
    e.入院・転科直後の患者には注意する
    7.自殺のサインを見逃さない
    a.入院直後の患者全員
    *初回の入院患者で、病像把握が不充分時
    *退院要求が頻回にみられる時
    *診断のはっきりしない患者、医師間で診断が分かれる場合
    b.自殺企図の既往がある場合
    c.鬱病患者
    *早期に覚醒し、熟睡感がないと訴える時
    *軽鬱状態で、特に罪責感・自殺念慮の強い時
    d.自責感・罪責感が強い場合
    e.向精神薬の副作用としてのアカシジア・仰鬱状態が出現した時
    f.不眠を訴え、サービスステーションにしばしば来る時
    g.元気であった患者が家族などの面会をきっかけとして急に沈みこんでしまった時
    h.頻繁に家(家族)のことを気にして電話連絡を強く要求し、同じことを何度も確かめに来る時
    i.自殺をほのめかす言動がみられた時
    j.入院後3~4か月経過しても病状の改善が少なく、他患者との接触もなくひとりで沈みこみ、治療者側がその患者の病後や個人的特徴をつかみにくい時
    8.鬱病患者の場合は、入院時に自殺をしないように約束する
    9.申し送りを徹底する
    a.自殺の恐れのあると思われた時は患者に対しての注意点を検討して申し送る
    b.他部門への協力要請
    b.医師に報告し、指示を受ける
    c.看護記録は詳細にする
    10.ベットよりの転落防止;ベット柵の利用・ベットの高さを低くする
    11.薬物の管理を充分に行う
    a.数回分の薬をためて一度に服用したり、市販の薬を購入したりすることのないように内服確認をしたり、所持品に注意する
    b.病棟内の消毒薬等は患者の目につかないよう鍵のかかる戸棚などに保管する
    12.外出・外泊より帰院時は持ち物の点検を行う

    #2 縊首する事により生命維持に対する危険がある
    ●看護者・他患者が動揺しないよう、それぞれの場合で素早く対応できる
    O-1.患者名・時間・場所・道具
    2.VS
    3.意識レベル
    T-1.すぐに紐の結び目以外の部分を切って下ろす
    2.脈拍の有無を確かめ、人工呼吸を行う
    3.他の者は救急処置の準備、医師に連絡
    4.他患者への影響を最小限にとどめるよう患者を処置室に移す
    5.医師の指示にて処置を行う

    #3 睡眠薬多量内服する事により生命維持に対する危険がある
    ●看護者・他患者が動揺しないようそれぞれの場合で素早く対応できる
    O-1.服薬時間・服薬内容・服薬量
    2.VS
    3.意識レベル
    T-1.胃洗浄の準備;アルカリ・強酸などの腐食生物を飲んだ時は胃洗浄を行うと胃穿孔をきたすことがあるので注意する
    2.意識があれば多量の微温湯又は牛乳を飲ませて吐かす。下剤・催吐剤を用いる事もある
    3.安静・保温に注意し指示の処置又は注射の介助を行う
    4.全身状態の管理
    a.呼吸抑制があれば気管内挿管又は、気管切開を行う;気管内チュ-ブを膨らませる事で誤嚥、嚥下性肺炎を予防
    5.催吐;下剤投与・胃洗浄
    a.薬剤の吸収を阻止する目的で消化管経路からの排出を図る;意識のない場合は催吐禁止
    b.多量の水か塩水を飲ませた上で患者自身の指を口の中に深く入れて吐かせる
    c.用具があれば胃洗浄の方が更に完全な排出が期待される
    d.催吐・胃洗浄があまり効果的に行われない時は塩類下剤
    で活性炭をコップ1杯の水にまぜて胃の中に入れておく

    #4 向精神病薬を多量に服用する事により生命維持に対する危険がある
    ●看護者・他患者が動揺しないよう素早く対応できる
    O-1.服薬時間・服薬内容・服薬量を調べる
    2.VS
    3.意識レベル・痙攣
    T-1.服薬後2~3時間以内の場合は嘔吐させる。あるいは胃洗浄を行う
    2.血圧低下時、昇圧剤使用
    3.意識レベル低下時、気道確保
    4.痙攣時、セルシン使用

    #5 消毒薬服用により生命維持に対する危険がある
    ●看護者・他患者が動揺しないよう素早く対応ができる
    O-1.服薬時間・服薬内容・服薬量を調べる
    2.VS
    3.意識レベル
    4.痙攣
    T-1.塩化第2水銀を服用した場合牛乳、卵白で胃洗浄
    2.ホルマリンを服用した場合は2%炭酸アンモニア+尿素で胃洗浄
    3.呼吸困難時、気管切開又は挿管を行う
    4.強制利尿の為利尿剤の投与や血管確保をし、点滴を開始する

    #6 洗剤服用により生命の維持に対する危険がある
    ●看護者、他患者が動揺しないよう素早く対応できる
    O-1.服用時間・服用内容・服用量を調べる
    2.VS
    3.意識レベル
    4.痙攣
    T-1.酸性洗浄剤は酸化マグネシウム乳液、水酸化アルミニウムゲル液、卵白、牛乳を服用する
    2.アルカリ性洗浄剤は含酢2%クエン酸・牛乳・乳酸飲料を服用する
    3.次亜鉛素酸ナトリウム漂白剤は牛乳・卵白を服用し、炭酸化水素ナトリウムMgO2で胃洗浄する











    #7 リストカットする事により生命維持に対する危険性がある
    ●看護者・他患者が動揺しないよう素早く対応できる
    O-1.時間・場所・道具
    2.出血部位・出血量・創傷の深さ
    3.VS
    4.意識状態、レベルの低下の有無
    5.精神的興奮の有無、程度
    T-1.出血状態によってただちに止血処置を行う;動脈の場合は止血部より心臓側で動脈を指で腎に向かって圧迫
    2.縫合の必要があれば介助する
    3.精神運動興奮の見られる時は、マイナ-トランキライザ-、抗不安剤等の静脈注射・筋肉注射等で鎮静をはかる
    4.鎮静後ベットへ運びその後汚れた床や衣服等片付ける
    5.必要により(マイナ-トランキライザ-・抗不安剤の注射や出血量の多い時)時間をきめてVS測定する
    6.他患者の状態により不穏状態がみられる時は、安心感を与えるよう十分に話を聴き必要により抗不安剤等飲んでもらう

    #8 投身する事により生命維持に対する危険性がある
    ●看護者・他患者が動揺しないよう素早く対応できる
    O-1.患者名・事故発生時間・場所
    2.VS
    3.意識レベル
    T-1.医師に報告
    2.他の者は救急処置の準備をする
    3.他患者への影響を最少限にとどめるよう患者を処置室へ移す
    4.「救急事故発生時」の連絡網で各部所へ報告する
    5.不在に気付いてから全てが終わり患者が自宅へ帰る迄の記録をする

    #9 外泊時に自殺企図を起こす可能性がある
    ●早期に発見でき処置ができる
    E-1.家人に持ち帰る内服薬の説明をする
    2.不信な行動があれば早く帰院するよう説明する
    3.自殺企図をおこした場合電話で至急病棟に連絡するよう説明する
    a.遠方であれば近医で処置をする
    b.病院の近辺であれば帰院する
    4.患者を1人にさせないよう説明する








    #10 被害妄想幻聴などの異常体験またヒステリ-により衝動的に自傷行為を起こす可能性がある
    ●異常体験などの把握ができ患者を落ち着かせることができる
    O-1.不眠・不安・不機嫌などの前駆症状
    2.希死念慮の有無・程度
    3.日常生活行動・態度・話し方・表情などの変化
    4.自傷行為の既往の有無
    5.異常体験(幻聴・妄想)の有無
    6.夜間の睡眠状態
    T-1.日々できるだけ患者と多くの接触をもつ
    2.患者との良い関係を築き患者自ら悩み訴えられる関係を作る
    3.些細な言動に注意する
    4.危険物の取り扱いについての注意
    a.身辺の整理整頓をしながら所持品の危険性の有無を確める
    b.ベット周囲の物品にも注意する
    c.腰ひも・ベルト・コ-ドは家人に持って帰ってもらう
    d.針・ハサミ・缶切り・刃物・爪切り等の使用時は代行又は、看護師付き添いで行い目を離さない
    5.外出許可の患者についても持ち物の点検を行い入室する
    6.衝動的に離院をすることもあるので注意する
    7.自傷行為がみられ負傷した場合には適切な処置など医師の指示により行う


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