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鉄欠乏性貧血に対する看護計画について解説します!

みなさん、こんにちわ。 看護研究科の大日方さくらです(@lemonkango)です。

様々な要因で貧血を呈する疾患が多数あります。 今回は、「鉄欠乏性貧血」に焦点を上げて解説していきたいと思います!

鉄欠乏性貧血は、下記でも内容をご紹介していますが、【女性、特に妊婦さん】に非常に多い疾患となります。

そのため、一緒に褥婦さんの貧血についても看護計画をご紹介します!

吹き出し イラスト6

貧血に対する看護計画について解説します!




1.鉄欠乏性貧血とは

貧血  

鉄の欠乏によって、赤芽球のヘモグロビン合成が低下して起こる貧血であり、一般に若年~中年女性に多い。貧血の中では最も頻度が高く、日本での貧血の約2/3を占める。

2.鉄欠乏性貧血の病態生理

鉄欠乏性貧血は,通常失血(例,消化管出血,月経)により起こります。

溶血または鉄需要の増加(例,妊娠,授乳,小児の急激な成長期)が原因となる場合があります。

特に、女性の鉄欠乏性貧血は方が非常に多いことが特徴となります。

鉄欠乏性貧血と他の小球性貧血(例,慢性疾患,異常ヘモグロビン症,先天性赤血球膜異常による貧血)を鑑別されます。

2-1.鉄欠乏性貧血の原因

鉄欠乏性貧血をきたす原因は、鉄の「吸収低下」「需要増大」「喪失亢進」に大別されます。

鉄欠乏性貧血2

2-2.鉄欠乏性貧血の症状

<鉄欠乏性貧血の特徴的な症状>

・舌炎 ・口角炎

・嚥下障害

・萎縮性胃炎

・異食症

・スプーン状爪

あまり知られていませんが、コップの中の氷をガリガリ食べる方も鉄欠乏性貧血の一つの特徴的な症状の一つとなります。


<他の貧血とも共通する症状>
・頭痛、めまい

・眼瞼結膜蒼白

・動悸、息切れ

・易疲労感

2-3.鉄欠乏性貧血の治療

鉄欠乏性貧血の治療は、原因の除去と鉄の補充(鉄剤投与)が原則になります。

まずは鉄欠乏の原因を探し、原因疾患があればその治療を行われます。

鉄剤投与
 ■経口投与

・症状が改善しても、貯蔵鉄を反映する血清フェリチン値が正常化するまで服用を続けることが重要。

・副作用として、胃腸障害が最も多い。

※副作用が強いときは空腹時を避け、食後に服用する。

■経静脈的投与

・副作用が強い場合や、胃切除・消化管病変により鉄の吸収障害がある場合、鉄の喪失が多量な場合(潰瘍性大腸炎など)に例外的に行う。

・ヘモジデローシスや、まれにアナフィラキシーショックを伴うことがあるので、過剰投与に注意。

(※ヘモジデローシス:長期の貧血や頻回の輸血により、有効利用されず貯蔵されたフェリチンが変性してヘモジデリンとなり、肝臓や脾臓などの網内系に蓄積する。進行すると、心臓など臓器組織に沈着し、色素沈着、肝硬変、糖尿病、心筋障害などをきたす)

2-4.鉄欠乏性貧血の治療上の注意点

・制酸薬、テトラサイクリン系抗菌薬と併用すると、鉄の吸収を阻害するため、併用は避けたほうが良い。

・ビタミンCは鉄を吸収しやすいFe2+に保つため、併用することがある。

・適宜、栄養指導を行う。 ※鉄を多く含む食品...凍り豆腐、レバー、しじみ、ほうれん草など

3.鉄欠乏性貧血の看護計画

鉄欠乏性貧血 画像

#1組織の酸素不足によりADLが制限される可能性がある

看護診断 

活動耐性低下

関連因子:酸素の供給/需要バランスの異常

診断指標:労作時の呼吸困難、活動に対する心拍数の異常な反応、倦怠感の訴え

看護目標 長期:息切れ、動悸がなく日常生活に関する動作ができる

鉄欠乏性貧血の観察項目(OーP)

・安静時と動作後の血圧、脈拍、呼吸数、疲労感を観察する

・息切れ、疲労感、脈拍数増加をきたしていないか

・血液検査データ

・動作時及び活動後にめまい、頭痛、失神、息切れなどがないか

鉄欠乏性貧血の援助計画(TーP)

・動作後の息切れがある場合はベッド上セミファーラー位とする

・必要に応じて清拭、洗髪、入浴、整容などのセルフケア行動を援助する

・酸素療法の指示がある場合は、指示された酸素量を投与する

鉄欠乏性貧血の教育計画(EーP)

・疲労感や動機、息切れなどをきたすような活動は控えるように説明する

・貧血の程度により行動の制限があることを説明する

#2酸素運搬能力の低下により抹消組織の低下や血流抑制がみられる

看護診断 非効果的抹消組織循環

関連因子:疾患の経過に関する知識不足

診断指標:皮膚の性状の変調、感覚異常 看護目標 長期:皮膚の色が改善し皮膚の霊感が消失する

鉄欠乏性貧血の観察項目(OーP)

・皮膚の色

・皮膚の冷感の有無

・四肢の冷感の有無

・基礎疾患の有無、症状

鉄欠乏性貧血の援助計画(TーP)

・四肢の冷感がある場合は温罨法、足浴などを適宜行う

・掛物や衣類で保温する

鉄欠乏性貧血の教育計画(EーP)

・血流が改善する方法を具体的に説明する

・適切な行動範囲を指導し、範囲を超えた運動は酸素消費量を増加させ症状が悪化することを説明する

#3貧血に関する知識不足のため薬物療法、食事療法の継続が困難である

看護診断 非効果的自己健康管理

関連因子:知識不足、治療計画の複雑さ

診断指標:治療計画を毎日の生活に組み込むことができる、疾患を管理したいと言葉で表現する

看護目標 長期:

1)薬の作用、副作用を説明できる

2)摂取すべき食品を挙げることができる

鉄欠乏性貧血の観察項目(OーP)

・貧血、自覚症状に関する患者自身の認識

・貧血に随伴する自覚症状や薬物の副作用の有無

・食事摂取量 ・薬物の副作用の有無

・言語能力の程度

・説明に対する患者の表情や言動

鉄欠乏性貧血の援助計画(TーP)

・指示された薬物の確実な投与

・疾患や治療、退院後の生活に関する患者の理解状況を把握し、必要があれば医師薬剤師栄養士などの協力を得て患者の知識不足を補足する場を設ける

鉄欠乏性貧血の教育計画(EーP)

・患者家族に退院後の薬物療法、食事療法の自己管理について説明する

・自覚症状が悪化したり薬物療法の副作用が強く自覚されるような場合は外来を受診するよう指導する

#4疾患治療に関する知識不足により家族機能が破たんする可能性がある

看護診断 家族機能破綻

関連因子:家族の役割変移、家族の経済状態の変容

診断指標:問題解決、意思決定への参加の変化。家族内での衝突の表明の変化

看護目標 長期:患者家族が疾患治療を理解し、安定した生活を送ることができる

鉄欠乏性貧血の観察項目(OーP)

・疾患治療に関する家族の言動

鉄欠乏性貧血の援助計画(TーP)

・家族の協力体制を確認する。食事療法は家族の食生活に影響を当てることがあるため、家族を含めた食事指導が必要になる

・家族の身体的精神的状態について確認する

鉄欠乏性貧血の教育計画(EーP)

・疾患や治療に関して不足知識があれば補足する

4.褥婦の貧血の看護計画についても解説します!

#1分娩に伴う心身の疲労がある

目標:心身の回復を促し体力の増進が図れる

褥婦の貧血の観察項目(OーP)

1バイタルサイン

2外陰部及び縫合部、肛門部の痛みの有無、程度

3乳房の緊満の状態

4精神状態

5疲労感、一般状態

6睡眠状態

7苦痛、不安の有無

8食事の摂取状態

褥婦の貧血の援助計画(TーP)
1身体の清潔:ふらつきが無ければシャワー可、不調であれば全身清拭。塩化ベンザルコニウムを用いて外陰部洗浄

2創痛、脱肛に対する処置

3休養、睡眠 4排便コントロールの援助

褥婦の貧血の教育計画(EーP)

1安静度について説明する

2全身及び局所の清潔とその必要性について指導する

3産褥体操について説明する:目的と日齢に応じた運動を指導する

#2悪露の停滞や子宮内遺残物により子宮収縮が遅れる可能性がある

目標:悪露や子宮内容物が排泄され、子宮復古が促進される

褥婦の貧血の観察項目(OーP)

1バイタルサイン

2子宮の復古状態、後陣痛の有無

3悪露の量、および性状、臭気、凝結、混入物の有無

4排泄の状態

5分娩状況の把握 6授乳状況の把握

褥婦の貧血の援助計画(TーP)

1悪露交換:1回/日塩化ベンザルコニウムで消毒

2子宮収縮剤、抗生物質の与薬

褥婦の貧血の教育計画(EーP)

1後陣痛の整理について説明する

2排尿、排便の必要性について説明する

3悪露交換について説明する

4悪露排出の整理と交換の必要性について指導する

5歩行開始後の自己管理の方法について指導する

6適度な運動と休養の必要性について指導する

7産褥期の栄養について指導する

8輪状マッサージ、冷罨法、腹帯着用の効果について説明する

9児の乳頭吸啜の必要性について説明する 

#3分娩時の会陰切開や裂傷による縫合部痛がある

目標:縫合部痛が緩和され治癒が促進される

褥婦の貧血の観察項目(OーP)

1創部の腫脹、発赤の有無

2創部離開の有無

3血腫の有無

4疼痛の程度

褥婦の貧血の援助計画(TーP)

11回/日塩ベンザルコニウムを用いて外陰部洗浄を行う

2アクリノール湿布の貼用

3医師の指示により鎮痛消炎剤の投与

褥婦の貧血の教育計画(EーP)

1外陰部消毒の必要性について説明する

2パッド交換ごとの清浄綿での消毒について説明する

#4分娩時の努責と圧迫による痔痛がある

目標:痔核に対する手当がされ痔痛が緩和する

褥婦の貧血の観察項目(OーP)

1痔核の程度、環納の程度、発赤、腫脹の有無

2疼痛の有無

3出血の有無

褥婦の貧血の援助計画(TーP)

1痔核の環納

2アクリノール湿布の貼用 3医師の指示による座薬の挿入、軟膏の塗布

褥婦の貧血の教育計画(EーP)

1ウオシュレットの使用について説明する

2排尿、排便ごとの痔核の環納の必要性について説明する

#5分娩時の出血に伴う貧血がある

目標:速やかに貧血状態が改善される

褥婦の貧血の観察項目(OーP)

1バイタルサイン

2子宮の復古状態

3全身状態:眩暈、ふらつきの有無

4血糖データ

褥婦の貧血の援助計画(TーP)

1分娩時出血が500g以上の場合、医師に報告し早期に処置が行える

2 産後3日目採血でHbが11g以下の場合医師の指示により鉄剤を考慮する

褥婦の貧血の教育計画(EーP)

1貧血検査の意味とその必要性を説明する

2食事指導を行う:鉄ビタミンcを多く含む食品、バランスの取れた食品、鉄鍋やフライパンの使用、調理の工夫 

#6分娩遷延に伴う排尿障害の可能性がある

目標:分娩後自然排尿の確立ができる

褥婦の貧血の観察項目(OーP)

1分娩後の最初の排尿時の尿量、残尿感の有無

2 産褥1日目の1回尿量、残尿感の有無

3分娩時間

4分娩方式:鉗子分娩、吸引分娩

5会陰の状態:発赤、腫脹、痔、血腫など

6分娩後の創痛の状態

褥婦の貧血の援助計画(TーP)

1 産褥1日目に1回採尿してもらい尿量を確認する。その尿量が少ない場合は導尿を施行し残尿測定をする

褥婦の貧血の教育計画(EーP)

 1排尿時、残尿感が出現するようであれば知らせるように説明する

#7育児について不安がある

目標:育児の知識技術が習得できる(パンフレット使用)

#8産後の疲労や育児への不安感などからマタニテイブルーに陥る可能性がある

目標:家族を含めた環境が整えられ、心身の安定が図れる

褥婦の貧血の観察項目(OーP)

1疲労感の有無

2睡眠状態

3情緒面:訴え、表情

4児への接触の仕方

5家族関係

褥婦の貧血の援助計画(TーP)

1褥婦の訴えを良く聴く:雰囲気づくり

2休息が取れるような環境つくり:騒音、照明。検温や処置は授乳時間に合わせる

3授乳や沐浴の技術について、褥婦を焦らしたり不安を抱かせるような言動は避ける

褥婦の貧血の教育計画(EーP)

1マタニティーブルーは一過性のものであるので心配しないことを説明する

2ゆったりのんびり過ごすように説明する

#9乳汁分泌不良により母乳栄養が確立できない可能性がある

目標:乳汁分泌が促進される

褥婦の貧血の観察項目(OーP)

1乳腺の発育状態

2乳頭の形、大きさ、開口状態

3乳房緊満の有無と程度

4母体の慢性疾患の有無:貧血

5授乳間隔、時間、手技

6母乳分泌状態

7母乳保育に対する母親の意欲 8児の吸啜力、体重増加

褥婦の貧血の援助計画(TーP)

1乳管開口術を行う

2乳房マッサージを行う

3乳房の温罨法を行う

4搾乳介助を行う

5分泌量が進まないからと言って褥婦を焦らせない

6休息の取れる環境をつくる

褥婦の貧血の教育計画(EーP)

1乳房自己マッサージ法、搾乳法について指導する

2児の吸啜の重要性について説明する

3睡眠、栄養、精神的安定の必要性について説明する

#10偏平、陥没、裂状乳頭による授乳困難の可能性がある

目標:乳糖の適切な手当により授乳が可能となる

褥婦の貧血の観察項目(OーP)

1乳頭の形、開口状態

2乳輪舞の大きさ、硬さ

3児の吸啜欲、吸啜力

4授乳方法:乳頭の含ませ方

褥婦の貧血の援助計画(TーP)

1乳管開口術を行う

2児の抱き方を工夫する

褥婦の貧血の教育計画(EーP)

1尿頭キャップの使用について説明する 2乳頭吸引器の使用について指導する 3児の成長も考慮し、授乳を続けるよう指導する

#11乳糖の亀裂、表皮剥離により授乳困難となる可能性がある

目標:過度な乳頭刺激を避け、亀裂や表皮剥離が予防できる

褥婦の貧血の観察項目(OーP)

1児の吸啜力

2授乳時間

3疼痛の有無

4乳頭の表皮隔離、亀裂、潰瘍の有無、程度 5出血の有無

褥婦の貧血の援助計画(TーP)

1授乳時の児の抱き方を変えてみる

2授乳時間は産褥日数や分泌量に応じ考慮する:一方の乳房を3~5分、長くても15分までとする 3痛みの程度により、直接授乳は控えて搾乳をする

褥婦の貧血の教育計画(EーP)

1乳頭の清潔保持について指導する

#12乳糖、乳輪損傷部より感染し、乳腺炎を起こす可能性がある

目標:清潔の必要について理解でき、乳頭周囲の清潔が図れる

褥婦の貧血の観察項目(OーP)

1授乳前後の手当の方法

2損傷部の発赤、腫脹、出血、疼痛の有無

3発熱状態

褥婦の貧血の援助計画(TーP)

1医師の指示により抗生物質の投与

2授乳介助

褥婦の貧血の教育計画(EーP)

1授乳前後の乳頭の手当てについて指導する

2授乳回数、所要時間の調整について指導する

3授乳を中止する場合は、搾乳の必要性について説明する

#13乳汁のうっ滞により乳腺炎を起こす可能性がある

目標:乳汁分泌が促進され、乳汁のうっ滞が除去される

褥婦の貧血の観察項目(OーP)

1乳房緊満の有無、程度

2乳房の発赤、硬結、疼痛の有無と提訴

3乳汁分泌状態:量、分泌物の色、性状

4授乳間隔、所要時間

5直接授乳量、搾乳量

6児の吸啜力

7発熱状態

褥婦の貧血の援助計画(TーP)

1乳管開口術を行う

2乳房マッサージを行う

3一部冷罨法を行う

4搾乳介助を行う

褥婦の貧血の教育計画(EーP)

1自己乳房管理法について指導する

2 3~4時間ごとの授乳及び搾乳の必要性について説明する。

5.まとめ



今回は、鉄欠乏性貧血と褥婦さんの貧血の看護計画についてご紹介しました! 分かりづらい点などあったかと思います。 疑問点などありましたら、コメント欄に記載をお願いします。

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プロフィール

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Author:看護研究科 小日方 さくら
某看護大学を卒業して大学病院で8年勤務。 その後フリーのライターとして活動しています! 看護学生さんに役立つ情報をいっぱい記載してます! ぜひ見に来てくださいね♡

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