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NICU実習で理解を求められる肺サーファクタント補充療法について

みなさん、こんにちわ。 看護研究科の大日方さくらです(@lemonkango)です。

小児実習ではNICUの実習も含めている学校も多いかと思います。

未熟児のベビーやその他、奇形などのベビーの看護として「肺サーファクタント補充療法」についての知識が求められる場面があると思います。

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今回は、「NICU実習で理解を求められる肺サーファクタント補充療法について」を解説したいと思います。





領域別看護実習に行く前に是非、この一冊を持って実習に行くと大量の記録物で困らない!

要点や絶対にアセスメントで落としたくない内容が多数記載されています!
遷延分娩3

1.肺サーファクタント補充療法

サーファクタントは経気道的に補充うるため、気管内挿管が必要とされる。肺硝膜形成を予防するために一般状態を安定化させ、できるだけ早期に人工サーファクタント製剤の補充を行う。

重症度と合併症の程度により異なるが、通常1回にサーファクタントR1バイアル(120mg)/㎏を生理食塩水3mlに溶解し、肺の全体に均等な分布を得るために体位交換、また、十分にバギングをしながら気道内に分割注入する。(※バギング:人工呼吸の方法のひとつ。

学区バルブマスクを利用して空気を送る方法)注入後は瞬時のうちに、酸素化の著明な改善が得られるものが多いが、RDS(呼吸窮迫症候群)の重症度、補充時期の遅れ、肺障害、心循環機能障害などで2回以上の投与が必要となるケースもある。

2.肺サーファクタントの薬理作用を理解しよう

一般名:肺サーファクタント 

適応:新生児呼吸強迫症候群(RDS)

投与方法:気管内投与

薬理作用
肺サーファクタントには肺胞の気—液界面の表面張力を低下させて肺の虚脱を防止し、肺の安定した換気能力を維持する働きがある。本剤は肺サーファクタントの生理的役割を対償し、表面張力を低下させる。 副作用:特に副作用は報告されていない。

3.サーファクタント補充療法時の管理

サーファクタント補充療法直前に、気管内吸引を行い気管内分泌物を採取する。

経皮モニター(TcPO2、TcPCO2※2)、パルスオキシメーターを確実に装着し、ジャクソンリース※1の用意を行う。

サーファクタント補充療法により急速に酸素化がよくなるので、注入後の管理をパルスオキシメーターのみで行ってはいけない。必ず経皮酸素分圧モニターを併用する。サーファクタント投与時は体位交換を行い、血圧、心拍とともにTcPO2の上昇、TcPO2の下降の有無と程度を観察記録する。

終了後は、時の酸素分圧が上昇しすぎないようにモニター値、血圧ガス値を観察しながら、酸素調整を厳重に行う。終了後2〜3時間は、原則として吸引は行わない。サーファクタント補充療法後、動脈管開存(動脈管閉鎖遅延)による急な肺うっ血のため肺出血が起こったり、肺コンプライアンスが改善しているのに、高い気道内圧のままにしておくと、気胸が起こる可能性がある。急激なTcPO2、Spo2、血圧の低下や胸の動きなどで気胸を疑う。

4.肺サーファクタント補充療法時の看護について理解しよう

日常のケアで注意すること



①気道内の羊水や分泌物などを吸引除去した後、投与する。投与後6時間は吸引は避ける。

②Spo2をモニタリングし、高酸素血症に注意する。

③回復期に動脈管を介する左右短絡量が増加することによる肺うっ血、心不全、急激な酸素需要の増加に注意する(心雑音、心尖拍動、血圧の脈圧差などについて経時的に観察する) 人工換気下の患児の観察は状態を把握する上で重要である。  

気管内吸引はサーファクタント補充療法後3時間後より行い、児の痰の量や性状で、適切な吸引時間の感覚や吸引圧を決定する。気管内チューブの挿入の長さに応じて、吸引チューブが正しい一まで挿入できるかチェックする。

また、自発呼吸が強く、人工換気とタイミングが合わず、特にファイティングが出現する。原因として気管内分泌物の貯留、換気条件の不適切な設定、エアリーク、アシドーシスなどがあげられる。そのため気管内吸引、呼吸器のモードをPTVやSIMVに変更するなどの対策や鎮静を保つための薬物が投与されることもあるので、それに応じた観察が必要である。

観察項目
呼吸状態 呼吸数、呼吸の過多、呼吸音(左右差)、鼻翼呼吸、呻吟、陥没呼吸

色調 チアノーゼ(口周、四肢末端、全身)、多血症、蒼白、活動性と皮膚食の関連

活動 筋トーヌス、啼泣

分泌物 性状、量、吸引時の状態変化、吸引圧

バイタルサイン 呼吸、体温、心拍数、TC、Spo2値、血圧

胸部Xp 肺の状態、Et tubeの位置

血液ガス値 pH、Po2、Pco2、BE

5.サーファクタントを投与していると新生児の仮死リスクが・・・新生児の蘇生(NCPR)について

① 蘇生の準備
・ ラジアントウォーマー

・ バスタオル(数枚)

・ 肩枕用ハンドタオル

・ ゴム球式吸引器

・ 吸引カテーテル(6Fr、8Fr、10Fr、12Fr、14Fr)

・ 吸引圧

・ 酸素、ブレンダー

・ 新生児用聴診器

・ パルスオキシメータと新生児用プローベ

・ 蘇生用フェイスマスク(丸型、鼻合わせ型)

・ 自己膨張式バッグ(閉鎖状酸素リザーバー付)

・ 流量膨張式バッグ(マノメータ付) →漏れの確認

・ 気管チューブ(Endotracheal tube: ETT)  (内径2.5mm、3mm、3.5mm)

・ 呼気CO2検知器

・ 新生児用喉頭鏡(直型)ブレードNo.0(新生児用)、No.00(低出生体重児用)

・ 気管チューブ固定用テープとはさみ
②出生時における新生児の状態評価
出生直後の児のチェックポイント:

1. 正期産児か? 

 2. 呼吸や啼泣は良好か? 

 3. 筋緊張は良好か?

以上の3項目を評価し、いずれかに問題があれば、蘇生の初期処置を開始する。

コンセンサス2010では、出生時に蘇生処置が必要かどうかを判定するための評価項目から、“羊水の胎便混濁”は除外された。

③ルーチンケア
出生時の3項目(正期産児、呼吸または啼泣、筋緊張)に異常がなければ、ルーチンケアを母親のそばで行う。

ルーチンケア:

保温に配慮する

 気道を確保する体位をとらせる

 皮膚の羊水を拭き取る

 以上の処置を行ってから、皮膚色を評価する。 鼻や口の分泌物はガーゼやタオルでぬぐえばよく、必ずしも吸引は必要ない。乱暴に咽頭を吸引すると、咽頭痙攣や迷走神経反射による徐脈、自発呼吸の遅延をもたらすことがある。

コンセンサス2010では、ルーチンケアのために母と児を分離すべきではないことが改めて強調されている。カンガルーケア(羊水をぬぐって皮膚を乾かした新生児を、母親の胸部に肌と肌が触れ合うように抱いてバスタオルなどで覆う方法)には保温効果があり、また早期の母子接触は愛着形成にも有用であるが、スタッフによる注意深い観察が必要である。
④蘇生の初期処置
出生直後のチェックポイントの3項目(正期産児、呼吸または啼泣、筋緊張)のいずれかに異常があれば蘇生の初期処置を開始する。

蘇生の初期処置:

1. 保温し、皮膚の羊水を拭き取る
 2. 気道確保を行う(気道確保の体位と、胎便除去を含む必要に応じての吸引)
 3. 優しく刺激する
 4. 再度気道確保の体位をとる

羊水の胎便混濁の有無によるアルゴリズムの流れの変更はなくなった。初期処置の一つとして、胎便で混濁した羊水の気道からの除去を行う。

● 気道確保(体位と必要に応じての吸引)
  ・ 仮死の徴候のある新生児は、直ちに仰臥位でsniffing positionをとらせる。肩枕を入れると気道確保の体位をとりやすい。

・ 気道確保の体位で呼吸が弱々しい場合や、努力性呼吸があるにもかかわらず十分な換気が得られない場合は、気道の閉塞が考えられるので吸引を行う。分泌物が少なく呼吸に問題がなければ、ルーチンに吸引する必要はない。

・ 吸引が必要な場合には、ゴム球式吸引器(バルブシリンジ)または吸引カテーテルで、まず口腔を吸引し、次いで鼻腔を吸引する。

・ 吸引カテーテルのサイズは羊水混濁の有無によって変更する。羊水の胎便混濁があった場合は、太めの吸引カテーテル(12または14Fr)、羊水が清明な場合は、正期産児で10Fr、低出生体重児では児の大きさに応じて8Frまたは6Frの吸引カテーテルを用いる。

● 皮膚刺激
  ・ 乾いたタオルで皮膚を拭く。(低体温防止、呼吸誘発のための皮膚刺激)

・ 温められた別のタオルを用いて児の背部、体幹、あるいは四肢を優しくこする。

・ これで自発呼吸が誘発されなければ、児の足底を平手で2、3回叩いたり指先で弾いたりする。背部を優しくこすってもよい。(足底刺激、背中刺激)

⑤バッグ・マスクを用いた人工呼吸

コンセンサス2010では以下の点が強調されている。

1. 過剰な酸素投与(特に100%酸素)はできるだけ避ける。
  →パルスオキシメータとブレンダーの活用 2. 出生後10分間は正常新生児でも中心性チアノーゼがあっても異常とはいえない。酸素投与の目安は右手に付けたパルスオキシメータのSpO2が以下の値未満の場合である。 
 

生後 1分 …… SpO2の下限値 60% 
 生後 3分 …… SpO2の下限値 70% 
 生後 5分 …… SpO2の下限値 80% 
 生後10分 …… SpO2の下限値 90%

なお、SpO2の値が95%以上になったら、吸入酸素は徐々に下げて中止する。

3. 蘇生の初期処置の後(出生後30秒)で、無呼吸(ないしあえぎ呼吸)か心拍数100/分未満ならば直ちに人工呼吸を開始する。
 

正期産かそれに近い児では空気で開始する。32週未満の児では30~40%の低濃度酸素で開始する。空気や低濃度酸素で開始しても心拍数が下がり続けたり、SpO2の上昇傾向が認められなければ、吸入酸素濃度を上げる(自己膨張式バッグを使用しているときはリザーバーを装着する)。

4. 蘇生の初期処置の後(出生後30秒)で、自発呼吸がしっかりあって心拍が100/分以上ならば、中心性チアノーゼがあっても、努力呼吸(陥没呼吸・呻吟・多呼吸)を伴わなければ、あわてる必要はない。
 

パルスオキシメータを右手に装着して、SpO2が上記2.の値未満ならその時点で空気を用いた持続的気道陽圧CPAP(Continuous Positive Airway Pressure)またはフリーフロー酸素の投与を開始すればよい。


5. 蘇生の初期処置の後(出生後30秒)で、自発呼吸があり、心拍が100/分以上であるが、努力呼吸(陥没呼吸・呻吟・多呼吸)と中心性チアノーゼの両者が同時に認められる場合は、パルスオキシメータを右手に装着し、まずは空気を用いたCPAPを優先する。
 

空気を用いたCPAPがどうしても適応できないような状況では、フリーフロー酸素の投与を考慮する。CPAPの施行や、フリーフロー酸素の投与にもかかわらず、出生後60秒の評価で努力呼吸と中心性チアノーゼの両者が持続する場合は人工呼吸を開始する。

6. 以上の対応で、中心性チアノーゼのみや努力呼吸のみが続く場合は、原因検索(チアノーゼ性心疾患、RDS、新生児一過性多呼吸)を進めながら、CPAPを検討する。
  
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Author:看護研究科 小日方 さくら
某看護大学を卒業して大学病院で8年勤務。 その後フリーのライターとして活動しています! 看護学生さんに役立つ情報をいっぱい記載してます! ぜひ見に来てくださいね♡

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