糖尿病の看護とアセスメントのポイントについて解説します。 - 看護実習を楽に!学生さんお助けサイト

糖尿病の看護とアセスメントのポイントについて解説します。




1. 病態生理

  ①慢性の高血糖とそれに伴う特有な細小血管障害を主徴とする疾患
  ②インスリンの欠乏あるいはその作用を阻害する諸因子の過剰
  ③作用の発現機構の異常によるインスリン効果の不足
   I型:膵B細胞の破壊、通常は絶対的インスリン欠乏に至る
   H型:インスリン分泌低下を主体とするものとインス!Jンの相対的不足を伴う

  インスリンの作用分泌不足により起こる慢性の高血糖を来たす疾患である。広範囲な
代謝異常(糖代謝、脂肪代謝、アミノ酸代謝、タンパク代謝、電解質代謝)を生じ、特有
の慢性合併症(血管障害:細小血管障害、大血管障害、神経障害)や、インスリン不足が
高度になって起こる急性の合併症、糖尿病性昏睡を引き起こす。


2. 症状

  ①空腹感による多食 ②口喝感 ③多飲、多尿、頻尿 ④体重減少 ⑤易疲労感
  ⑥いらいら感 ⑦掻痒感(外陰部、肛門周囲)⑧高血糖昏睡

  1型糖尿病は、発症時に明瞭な糖尿病の症状が認められる。n型糖尿病は発症から
  10~15年間無症状に経過することがあるので、糖尿病と診断された時点ですでに糖
  尿病特有の合併症を持っていることがまれではない。
  また糖尿病は、動脈硬化症を基盤とする大血管症(心筋梗塞・脳梗塞・閉塞性動脈
  硬化症など)の発症を憎悪させる。


3、検査
  ・問診:症状
  ・血糖、尿糖
  ・経口ブドウ糖負荷試験
  ・グリコヘモグロビン
  ・治療効果判断のための検査
  ・合併症に対する検査


5、 診断・治療

1)診断
  ①随時、血糖値200mg/dl以上が確認される
  ②早朝空腹時、血糖126mg/dl以上が確認される
  ③75g糖負荷試験で2時間値が200mg/dl以上が確認される
  ④HbAlc 6.5%以上である
  ⑤口喝・多尿・多飲・体重減少など糖尿病の特徴的な症状があり、さらに[糖尿病型]
   である
  ⑥現在糖尿病であり、かつ過去に検査データが高血糖を示す
2) 治療

 (1)糖尿病治療の目標
① 健康な人と変わらない日常生活の質の維持と寿命の確保
② 糖尿病細小血管合併症(網膜症、腎症、神経障害)および動脈硬化性疾患(虚血性疾患、脳血管障害、閉塞性動脈硬化症)の発症と進展の阻止
   ③良好な血糖コントロール状態の維持、血圧・体重・血清脂質のコントロール

 (2)治療法
  ■ 食事療法(適正なエネルギー摂取量、バランスのとれた食品構成)
  ■ 運動療法(いつでも、どこでも、1人でも出来る運動歩行が最適)
  ■ 薬物療法
   ①経口血糖下降薬療法
    a.スルホニール尿素(SU剤):ラスチノン、グリミクロン
     インスリン分泌促進を介して、血糖降下作用を発揮する。
    b . a ―グルコシクーゼ阻害剤:ベイスン
     小腸粘膜に存在する二糖類分解酵素(a-グルコシターゼ)の作用を阻害、
    糖消化を抑制し、吸収を遅らせ食後の高血糖を抑制する。単独投与では低血糖
    をおこす可能性は極めて低い。
   ②インスリン療法
    a.インスリン療法の絶対的適応
     ・ インスリン依存状態
     ・ 糖尿病性昏睡(ケトアシドーシス昏睡、高血糖性高浸透圧性昏睡)
     ・ 重症の肝障害・腎障害を有する例
     ・ 重症感染症の併発・中等度以上の外科的手術(全身麻酔施行)
     ・ 糖尿病合併妊娠(妊娠糖尿病で食事療法だけでは良好な血糖コントロール
       が得られない場合)
    b.インスリン療法の相対的適応
     ・ インスリン非依存状態の病態にある例でも著明な高血糖・ ・ 250mg/dl以上
      ケトン体陽性、随時血糖350mg/dl以上
     ・ 経口血糖降下薬療法では良好な血糖コントロールが得られない。


6、 観察のポイント

(1) 身体所見

  ・理学的所見:身長・体重・血圧・合併症のチェック、尿タンパク(アルブミン排泄
         量)、腎機能(クレアチニンクリアランス、BUN、血清クレアチニン、
         尿酸)血清脂質・肝機能・胸部X線・心電図
  ・神経系:感覚障害、振動覚閾値低下、腱反射低下・消失(アキレス腱反射など)
       起立性低血圧
・眼:白内障、眼底変化、眼球運動異常、眼圧一必ず眼科医にも依頼する。
・皮膚の変化、感染症(水疱症、白癬、カンジダなど)、爪病変、湿疹、陰部掻痒感
・下肢:足背動脈の拍動の低下、浮腫、壊疽、潰瘍、胼胝形成など
・口腔:う歯、歯周炎、歯牙脱落、舌・口腔内感染症など

 (2)その他
  ① 現在の症状
  ② 治療の継続と疾患の受け入れ状況の確認
  ③ セルフケア能力と技術と継続性の確認
  ④ 職業など治療に影響する社会的背景と現在の家族構成、生活状態(独居老人、
    高齢世帯、単身赴任など)の確認

7. 看護のポイント

  糖尿病は、合併症が出現するまでは自覚症状に乏しく、経過の緩慢な疾患であること
から、患者がセルフケアを日常生活の中に確立し維持していくのは難しい。そのことを踏
まえて、次の3つが重要である。

  ・自己管理の教育支援
   →患者自らが治療について理解、納得することや薬物、食事、運動などの日常生活の
    変化がせまられるが、効果的セルフケア行動を継続することは至難である。
    患者との信頼関係の中で、家族や、その周囲の人にも協力を得て支援していくこと
    が重要。

  ・異常の早期発見と事故防止
   →高血糖、低血糖昏睡など緊急時の対応。

  ・合併症の改善、増悪防止への援助
   →感染防止、神経障害による苦痛緩和、心理的支援

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Author:看護研究科 小日方 さくら
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