大動脈瘤の看護と看護のポイントについて解説します。 - 看護実習を楽に!学生さんお助けサイト

大動脈瘤の看護と看護のポイントについて解説します。

1、 病態生理

 大動脈瘤は真性大動脈瘤、仮性大動脈瘤、解離性大動脈瘤(大動脈解離)に分類される。
(真性)大動脈瘤は大動脈の局所的拡大であり、一般に径が腹部で3cm、胸部で4c
m以上のものと定義される。その好発年齢は60歳以上で男性に多く、動脈硬化と関係す
るが、ほかにマルファン症候群、ベーチェット病などの変性疾患でもみられる。
 仮性大動脈瘤は大動脈が破裂し、大動脈の外側に血腫をつくた状態であり、多くは外傷
に起因する。
 解離性大動脈瘤は大動脈内膜の破綻または血管壁内細動脈の出血が原因となり中膜が広
範囲に剥離し、そこに血腫をつくった状態であり、必ずしも瘤状を示さないため、現在は
大動脈解離といわれる疾患である。
 大動脈解離は上行大動脈に解離のあるA型と解離のないB型に分けられる。また、急性
期解離の血栓閉塞状態により偽腔(解離腔)に血流のある偽腔開存性解離と偽腔が完全に
血栓化した血栓閉塞性解離に分けられる。A型は上行大動脈基部で破裂しやすくB型に比
べ予後不良であり、また偽腔開存性解離は血栓閉塞性解離に比べ予後不良である。解離の
原因疾患としては動脈硬化、マルファン症候群などの大動脈変性があり、高血圧の存在が
これを悪化させる。

  
2、 症状、検査

 大動脈瘤は、大きくなり、気管(呼吸困難)、食道(嚥下困難)、腸(腹痛、呼気)など
の圧迫症状がないかぎり無症状であり、胸部大動脈瘤については胸部X線、腹部大動脈瘤
については慎重な触診、エコーによる早期発見が大切である。


3、 治療


 大動脈瘤は瘤径が拡大するにつれ、破裂の危険性が増すため、腹部で4~5cm以上、
胸部で6cm以上の例では手術適応となる。また、瘤は少しずつ拡大するので中壮年例で
はこれ以上でも手術を行うことが多い。
薬物療法は大動脈瘤の進行を遅らせる加療であり縮小するための薬物療法はない。しかし、血圧上昇は瘤拡大を促進するため、できるだけ低い状態にコントロールするようにする。降圧薬は長時間作用型のものを使う。
また、多くの例では虚血性心疾患などの動脈硬化性疾患を合併しているので適切な治療を
行う。
<外科的療法>
・大動脈瘤が大きい場合は手術が必要となる場合がある。
 主体は人工血管による大動脈置換術を選択する場合が多い。


4、 看護のポイント

 大動脈瘤は1~5mm/年程度の速度で径が徐々に拡大し、薬剤によってそれを縮小す
ることはできないこと、径がある程度の大きさになったり、径拡大速度が年間5mm以上
のときには手術が必要なことを説明し、瘤が小さい場合にも3~6ヶ月ごとにエコーやC
Tによって瘤拡大を検査する。また、瘤拡大は血圧上昇により促進するため家庭で血圧測
定を行い、重労働を避け、食塩制限などを実施させる。突然、瘤付近に激痛を感じたとき
は瘤破裂の可能性があるので血管外科のある病院へ行くよう指示し、その態勢を整えてお
く。


<追加 大動脈解離について>

1 症状と診断
 大動脈解離は突然出現する激しい背部通、胸痛で発症し、ときに解離が腹部へ及べば腹
痛、腰痛も生ずる。解離の合併症に伴う症状としてはショック(解離の破裂)、心タンポナ
ーデ(心膜腔出血)、意識障害、片麻痺(脳動脈閉塞)、狹心痛(冠動脈閉塞)、腎不全(腎
血流障害)、四肢壊死(四肢動脈閉塞)、呼吸困難(大動脈弁閉鎖不全)などがある。
 診断としては血圧の四肢間の圧差に注意し、エコー、とくに経食道エコー、造影CT、
MRI、大動脈造影などにより、大動脈内に本来の腔(真腔)のほかに解離腔(偽腔)が
存在していることを検出することである。さらに、治療方針決定のためには解離の範囲
 (Stanford A型、B型分類)、血栓の状態(偽腔開存性と血栓閉塞性の区別)が必要であ
る。

2、治療・看護のポイント

・治療
 大動脈解離の自然予後はきわめて不良であり、内科的または外科的緊急治療が必要であ
る。一般には偽腔開存性A型解離および重大合併症例をもつその他の解離については早期
の外科手術を、その他の例ではまず積極的降圧療法を中心にした内科療法を行う。
急性大動脈解離の初期治療は症状の改善および解離の進展や破裂の防止であり、まず静
脈を確保し、心電図、血圧、尿量をモニターする。血圧はニカルジピン、ニトログリセリン、トリメ    ファン、ジルチアゼム等を持続点滴し、生命維持に必要な程度に低下させる。
また、徐拍作用をもつジルチアゼム以外では大動脈の圧勾配(dp/dt)を減少させる
プロプラノールを併用する。一方、ショック状態ではドパミン、ドブタミン等の昇圧薬を
使用し血圧を慎重にコントロールする。また、疼痛に対してはモルヒネを使用する。
~薬物療法~
 非手術例に対しては初期治療を終えた発症3~4日後より経口降圧薬に変更し、血圧を
コントロールする。退院後は血圧コントロールのほか、動脈硬化症などの合併症にも注意
し、定期的に通院治療させ観察する。


3、看護のポイント

 未治療の本症の予後は1週後の死亡率が62%ときわめて不良であり、手術または内科
的な強力な治療が必要である。急性期治療に要する入院期間は約1ヶ月であり、手術例、
非手術例いずれの場合も退院後も通院治療と経過観察が必要である。また、高血圧は本症
の誘因のひとつであり、家庭内血圧を測定し、普段の血圧コントロールが必要なことを理
解させる。
関連記事

コメント

コメント(0)
コメント投稿
非公開コメント

プロフィール

看護研究科 小日方 さくら

Author:看護研究科 小日方 さくら
某看護大学を卒業して大学病院で8年勤務。 その後フリーのライターとして活動しています! 看護学生さんに役立つ情報をいっぱい記載してます! ぜひ見に来てくださいね♡

カテゴリーはサイトの下付近に設置してあります!  スクロールしてください!
ツイッターやってます(*˘︶˘*).。.:*♡  @lemonkango

鳥取で看護師をしています。少しでも看護学生さんのお役に立てるよう分かりやすい記事を投稿していきます!

おすすめ楽天サービス

▽学生限定、楽天サービスを利用するとお得▽

メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

検索フォーム