老年期 傾眠傾向看護計画

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    By看護研究科 小日方 さくら

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    みなさん、こんにちわ。 看護研究科の大日方さくら(@lemonkango)です。

    病院も施設も高齢者が多い時代によく出会う症状の1つである「傾眠傾向の高齢者の看護」について今回は解説したいと思います!


    看護学生さんの皆さんは「傾眠傾向」「認知症」「脳疾患」がよく出会う疾患になります!


    基礎実習でも領域別実習でもしっかりと事前学習を行なった上で実習に行かれる事を強くおすすめします!







    1.傾眠傾向とは? 傾眠の意味を知らないと評価できません!

    傾眠傾向とは、声掛けや、肩をポンと叩くといった弱い刺激で意識を取り戻す程度の、軽度の意識障害の一種です。

    一見、睡眠不足の人が日中眠気に襲われ、うとうとしているのと同じようにも見えますが、ただの居眠りとは異なります。


    傾眠傾向の評価  意識障害の指標を用いて測定します

    1.意識清明(正常) 意識がはっきりしていて、状況判断や意思疎通が問題なくできます。

    いわゆる「正常」の状態です。

    2.傾眠 うとうとと浅く眠っている状態です。軽い刺激で意識を取り戻し、呼びかけにも反応しますが、そのまましばらく放置しているとまた眠ってしまいます。

    3.昏迷 強い刺激を与えないと意識を戻さない状態です。手で払ったり、叫んだりなど、物理的な刺激による不快感を嫌がる行動を見せることがあります。

    4.昏睡 外部から強い刺激を与えても覚醒せず、刺激に対する反応や不快感を避けようとする素振りも現れない状態です。ただし一切の反応が見られない「脳死」とは異なります。 以上が大雑把な意識障害の評価になります。

    これ以上に評価する場合はジャパン・コーマ・スケールなどを用いて意識状態の評価を行うようにします。

    今回の本題である傾眠傾向ですが、上記で示した通り傾眠傾向は2番目に位置付けられている意識障害です。


    傾眠自体は単にうたた寝しているように見えることから、そのまま放置してしまいがちですが、食事をとらないで脱水症状や栄養不足に陥ったり、運動不足が筋力低下を引き起こしたりする事が多いため、結果として廃用症候群に繋がるリスクファクターとなります。

    2.主な傾眠傾向の原因とはなんでしょうか? 1つでも該当する場合は、傾眠傾向に対する援助が必要となります。

    ●認知症の診断がある患者さん 認知症の患者に見られる症状の一つに、昼夜逆転による夜の睡眠量不足がありますが、それが日中の傾眠を引き起こす原因になります。

    ●頭部を強く打った過去がある患者さん・・・慢性硬膜下血腫 頭を打ったときに脳と硬膜の間に血腫ができ、脳を圧迫し慢性硬膜下血腫を引き起こす事があります。

    特に、高齢者だと認知の低下、判断力の低下、身体機能の低下など様々な機能が低下しているため、転倒し頭部を強く打ち付けてしまったなどの事例が多数あります。 


    血腫が大きくなると傾眠傾向が見られるようになり、頭を打ってから1~2カ月程度経過すると、頭痛や片麻痺による歩行障害といった症状などが現れます。 頭部を強く打った後、2〜3週間で今まで現れなかった傾眠傾向の症状が表出した場合は、主治医に報告、MRIなどの頭部撮影し評価・処置を行う事が重要です。


    ●内科的疾患 肝臓や腎臓などの代謝に関わる臓器に異常が出たり、病原菌が原因で高熱が出て、1日中ボーっとした状態になったりすることがあります。

    内科的疾患も様々あり、どの疾患が傾眠傾向を表しているのかは今回の記事では紹介しません。

    ●脱水 高齢者は体に必要な水分を確保しておく機能が低下しているため、意識的に水分をとらないと脱水症状に陥る可能性があります。 脱水状態は、意識レベルを低下させ傾眠の原因になるだけでなく、ひどいときは幻覚症状(幻視や幻聴)まで引き起こすことがあります。

    ●薬の副作用 脳の細胞の興奮を抑える働きを持つ抗てんかん薬、夜間せん妄があり抗精神薬であるリスパダールなどの薬剤が使用されている患者さんでは、副作用として傾眠傾向を引き起こす事があります。 特に学生さんは注意して評価してもらいたいのが、VDSと表記されている薬剤は何を使用されているのか。

    眠剤が強すぎて日中の覚醒が悪く傾眠傾向となっている場合もありますので、夜間睡眠と日中の覚醒状態の評価、薬剤の評価は絶対にアセスメントするようにしましょう!

    3.傾眠傾向のある高齢者の看護の実際について学生さんが行いやすいものを紹介します!

    ここでは看護実習生が行いやすい傾眠傾向のある高齢者に対する援助<ケア>について解説します!

    ※傾眠傾向のある高齢者さんは基盤となる疾患について評価しこの援助を安全・安心して行えるのかをしっかりとアセスメントすることが重要です

    臥床している患者さんで高齢で心機能が低下しているためリクライニングの車椅子を使用しても血圧低下が生じてしまい30分も車椅子に座っていられないなどのリスクファクターをお持ちの患者さんもいます。リスクはしっかりとアセスメントしましょうね!


    ●話しかける・散歩などに連れ出す まずは、すぐにできる対処法を試してみましょう。

    外部からの弱い刺激でも気が付くようであれば、積極的に話しかけ、会話の機会を増やして眠る隙を与えないようにすることが効果的です。 ただ話すだけにとどめず、外に連れ出して散歩をするのも良いでしょう。

    適度な運動で身体能力の向上を期待できるだけでなく、日中活発に動き回ることで、夜ぐっすり眠れるようになります。

    ●短時間の昼寝をさせる 眠気がひどい場合は、時間を決めて昼寝をさせるのも良いでしょう。30分ほどの昼寝が効果的で、日中の眠気を取り、夜の睡眠にもそれほど影響を与えないとされています。

    ●有効的な運動をする 傾眠の原因の一つに、『脳の酸素不足』があります。脳の酸素不足を補うためには、脳へ酸素を多く運ぶことが必要です。

    より効率よく酸素を運ぶためには、血液量の多い部位、大きな筋肉を動かすとよいのです。 『歩行』は全身の筋肉を使います。血液が全身を巡り、脳の血流量が上がります。足踏みや腕の上げ下げ、腕まわし(肩まわし)も効果があります。

    拘縮やROM制限のある患者さんで行う場合は、看護学生さんがお手伝いして行うようしてくださいね! 食事前に実施したり、食事中に傾眠がちになったときに行ったりすると効果があります。 すべての入居者が対象ではありません。傾眠傾向が強く、食事摂取がなかなかすすまない方が対象です。

    くれぐれも入居者全員に行わないでくださいね。

    ●傾眠傾向のある高齢者の嚥下機能が低下している方への効果的な運動

    ① アイスの棒(割りばしの先にガーゼを巻き水につけて凍らせた もの、口腔ケア用の綿棒に水をつけて凍らしたもの)などを用 意します。

    ② アイスの棒に少量の氷水をつけて湿らせる。

    ③ 食事の前に、アイスの棒を使って口の中の部位(口唇(こうし ん))、口蓋弓、舌根部、咽頭後壁をなでるように刺激します。

    ④ 口に溜まった唾液や水分を飲み込んでもらいます。 毎回 30 秒ほど実施します。 嚥下状態が悪い時の食事前に実施します。

    4.傾眠傾向のある患者さんの標準看護計画 傾眠傾向の看護計画について解説します!

    傾眠傾向にある患者の看護問題

    #1◯◯により傾眠傾向リスク

    #2傾眠傾向により気道の狭窄、誤嚥により呼吸状態が悪化するリスク

    傾眠傾向のある患者の看護目標

    ○月○日までにリクライニング車椅子で30分間の離床ができるようになる。

    気道の確保が出来誤嚥することなく呼吸状態が安定する

    観察項目(O−P)

    1VS、呼吸状態

    2意識レベル

    3瞳孔:不同、対光反射

    4眼球運動

    5麻痺の有無:四肢、顔面

    6髄膜刺激症状:頸部硬直、ケルニッヒ徴候

    7痙攣の有無

    8吐気、嘔吐の有無

    9便尿失禁の有無

    10病歴聴収:既往歴、発病の様式と経過

    11検査データのチェック:胸部レントゲン、CT、検血

    12呼吸状態:肺音、呼吸音、呼吸数、パターン

    13チアノーゼの有無 14検査データのチェック:血液ガス、胸部レントゲン

    援助計画(T-P)

    1呼吸管理:気道の確保,体位ドレナージ、吸引、吸入

    2不穏時の対策:危険防止

    3麻痺側の保護

    4医師家族との連絡を取る

    5話しかける・散歩などに連れ出す

    6短時間の昼寝をさせる

    7有効的な運動をする

    8嚥下機能が低下している方への効果的な運動を行う

    9環境整備:室温、湿度

    教育計画(E-P)

    1.患者・家族に日中の刺激の重要性について説明する。

    5.まとめ

    以上が傾眠傾向のある高齢者の看護でした。


    簡単に説明しているので分からない点やもっと知りたい点などがあるかと思います。 こんな内容が知りたいな! 

    傾眠傾向のアセスメントってどうやるの?などのご質問があれば下記のコメント欄などで知らせてくれましたら解説に加えたいと思います。

    高齢者の看護は比較的、看護必要度が高く、非常に大変です。

    さらに、高齢者の方は1つの疾患で入院されている事が少なく多くの基礎疾患が合併して入院されている方が大勢いらっしゃいます。


    現場の看護師だってどのようなアセスメントすれば良いのか分からないなど困惑する場面が多数あります。

    その中で、看護学生さんはアセスメントするように指導者や引率の教員から口酸っぱく言われます。 学生さんは説明や指導を受けますが、中々知識や経験が不足している看護学生さんは右から左に流れてしまう事がありますよね汗 私もそうでした。


    分からない! 知らない! などは当たり前にあります。


    ですが、分からない!、知らない! 


    じゃあ調べて見ようと繋がっていただければ幸いです! 高齢者の看護について非常に情報量が多く記載されている参考書を紹介します!


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    高齢者の援助を考えた際に、学生さん1人で頭を捻って考えも1日で終わるはずがありません!

    だって、留意点や根拠を書けと言われているのに、一つ一つ調べて紙に書いていく、個別性も合わせて考えよう!っと赤字でムカつくコメントが書いてあるなど 短時間で終わるわけがありません!


    そのため、学生さんは、高齢者の援助の実際について細かく載っている参考書を手元においておく事を勧めします!

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