認知症の看護計画を制したものが実習を乗り越えられる!

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    By看護研究科 小日方 さくら

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    みなさん、こんにちわ。 看護研究科の大日方さくら(@lemonkango)です。

    日本は超高齢化社会です。 

    そのため一昔前と違い看護実習に看護学生が行かれると受け持ち患者さんはほぼ高確率で高齢者の方になります!

    そのため、高齢者の看護を学ぶ事は当たり前ですが、高齢者の看護とはなに?と考えが露頭に迷う事がありますよね汗 今回ご紹介するのが「認知症の看護計画」になります。 看護学生が受け持つであろう患者さんはほとんど高齢者であることを述べましたが、その中でも数ある疾患の中で高確率で遭遇するのが”認知症”という疾患になります!

    認知症と一言で言っても数多くの種類の認知症がありますが、今回はそれをすべてカバーできる認知症の看護計画、アセスメントの方法などについてご紹介したいと思います!







    1.看護学生が知っておく基本的な認知症とはについて

    認知症2

    脳に器質性変化が生じ、理解、記憶、計算、抽象思考、判断、言語能力、注意力(集中力)といった脳の高次機能に障害をきたし、徐々に運動機能にも障害を起こし人格を喪失してしまう状態をいう。

    老年期の認知症状を呈する疾患にはアルツハイマー型認知症や血管性認知症が代表してよく知られている。

    アルツハイマー型認知症
     

    発病は40~60歳に多く、女性にやや多い。大脳のびまん性萎縮がみられ、萎縮は前頭葉で強い。

    病理組織学的には大脳皮質全般に神経細胞の萎縮、脱落があり老人斑、アルツハイマー神経原線維変化が認められ、特に海馬とその周辺で著明である。顆粒空胞変性が海馬の大型神経細胞にみられる。高度の認知症にもかかわらず人格は比較的保持されており、進行性の記憶障害を主とし、失語、失読、失書、失行等の巣症状がみられる。

    特徴的なものとして視空間失認がある。神経症状として筋緊張亢進、筋拘縮が生じることが多い。

    脳血管性認知症
     

    発病年齢は50歳以上に多く、男性に多い。まだら認知症で、老年認知症でみられる全般的な認知症と区別されることが多い。進行は、階段状で人格変化が少なく、病識は保たれ感情失禁をしばしば呈し、頭痛、眩暈、しびれ、片麻痺、卒中発作、巣症状等の神経学的症状が多い。

    2.認知症のアセスメントの視点

    認知症3


    認知症を装飾する形で譫妄が併発して現れる場合もあり、認知症なのか、譫妄なのか判断が困難な場合もある。それぞれの症状の特徴から、患者にいま起こっている症状を正確に判断することは適切な看護を提供するうえで重要である。

    また、病気の経過を知るうえでも重要となる。

    せん妄は、急激に精神動揺が起こり、多くの場合、睡眠-覚醒リズムが障害される。認知症のように、徐々に会話はできるが物忘れをする、単語が出てこないといった状態なしに、急激に会話も成り立たないような状況が生ずる。

    認知症は徐々に進行し、不可逆的であるが、譫妄は看護者の対応によって一時的に収まってしまうものである。この譫妄を適切に処理しなければ、暴れたり、食事、飲水や睡眠といった生理的ニーズの充足が不十分となり、危険な状態に陥る。

    関連リンク



    ⇒⇒⇒認知症を制したものが実習を制する 学生さんがいまいち分かっていない認知症の看護について

    オススメリンク



    プチナースから出版されている【満席実習でよく出会う疾患別看護のポイント COPD 糖尿病 脳梗塞 白血病 肝臓癌 慢性心不全 慢性腎不全】 実習のコツ 指導者ナースが教えます!シリーズになります。


    雑誌なので、内容が薄いように感じますが、中身は充実しており、関連図やゴードンやヘンダーソンでアセスメントされているので非常に使用勝手の良いものになっています!

    3.認知症の症状・検査・治療

    認知症4

    出来事全体を忘れる高度な物忘れから始まり、判断ができなくなり、徐々に周りの状況を認知できなくなる。 行動の多くは、たくさんの動作が組み合わさせたものであるために、衣服の着脱、洗面、排泄等の動作を部分的に忘れ始め日常動作も援助なしにはできにくくなってしまう。


    さらに重度の認知症に移行すると、言葉が出てこない、相手の言うことが認識できない状況が生じ、運動機能の低下と共に寝たきりに移行する。

    認知症の検査
     

    •生化学、血液一般検査

    •CTスキャン

    •MRI

    •EEG

    •SPECT

    •ECG

    •長谷川式簡易知能評価スケール(HDS-R)

    •WAIS-R

    認知症の治療
     

    中核症状である知的機能を改善させることは困難だが、脳の老化が少しでも遅くなることを期待して脳代謝改善薬を長期的に投与する。また脳血管障害がこれ以上進まないようにするため、脳循環改善薬や血小板凝集抑制薬も併用する。

    その他、意欲減退、うつ状態、行動異常等、認知症に伴って起こる症状を改善するために抗うつ薬、抗不安薬、抗精神病薬を使うこともある。

    知的機能は改善できなくても、副次的な症状の一部を改善することは、人間らしく生きるために必要であり、本人、家族にとっても意義のあることである。

    作業療法は、患者の人間性と自由を尊重し、自発性と役割を高めることにより、患者に残された健康な部分の能力を強化できるため、社会性の回復や新たな獲得を目標とする手段として用いられることがある。作業活動はあまり変化を持たせずに、固定化、パターン化し繰り返すほうがよい。

    過去の経験を生かした簡単で予測性の容易なものが適している。もっとも、音楽等は古いなじみのあるものだけでなく、リズム等の影響が大きいため新しいものもよい刺激になることが多い。

    4.認知症の経過と管理

    認知症5


    認知症は一般的に3つのステージに分けることができる。

    1.健忘期
     

    健忘期は何度も同じことを聞くようになる。また、言葉が出てこなくなる。特に名詞が出てこないので「それとって」、「あれね」といった会話が目立つようになる。

    そしてその欠損を補うように自然と作話が出てくる。

    2.混乱期
     

    混乱期は判断力も著しく低下するために、衣服の着脱も困難になる。どこに足を通してよいのか、ボタンをどうするのか分からなくなるのである。

    トイレにもたどり着くことができず、誘導されても迷って戻れなくなる。感情抑制能力が失われ、人格の喪失を起こし認知能力や集中力が極端に障害されてくるので、同じ言動を繰り返し、暴力や徘徊といった問題行動や精神症状等が現れてくる。

    3.認知症期
     

    認知症期は自分の名前、親しい人の名前、家族さえも分からなくなってしまう。尿・便失禁が起こり、身体の自由がきかなくなって寝たきりになる。

    5.認知症の看護計画

    認知症6


    Ⅰ.認知症のアセスメントの視点
     

    せん妄や認知症・認知障害を起こしている高齢者と接する時は、偏見や先入観を持たず問題行動に直面しても決して大騒ぎせず、ありのままを受け入れ、状態を正しくアセスメントし適切な援助を行うことが重要である。  

    認知症老人は知的能力の低下はあっても、感情・情緒は変わりないので、自尊心を傷つけないように否定・説得・叱責はしないようにする。柔軟な対応で相手の世界に合わせる、1つの行動ごとに指示を与える、老人のペースで、ゆっくりと行動する、温かみのある言葉をかける、スキンシップを十分に行うなど認知症老人の接し方の原則をあらゆる場面で心がける。

     看護計画のポイントは

    1)好転しうる認知症状況を見極め、認知症状態の改善に向けての計画をたてること

    2)状態と暮らしの全体像を把握し、安らかさとその人らしい暮らしに向けての計画をたてること



    の2点である。

    Ⅱ.認知症の看護問題リスト
     

    ♯1.入院という生活リズムの変化から来る不安

       [要因]・生活適応能力の乏しさ

           ・家族との分離不安

           ・見当識障害

           ・判断の障害

    ♯2.精神、身体症状による異常行動

       [要因]・入院による環境の変化

           ・注意力障害

           ・記憶障害

           ・譫妄

           ・幻覚、妄想

           ・ADL遂行能力の低下

           ・身体的・知的変化(老化)

           ・集中困難

           ・薬剤に関与した症状

           ・感情の多様性

    ♯3.自ら的確に訴えられないことによる身体症状の悪化

       [要因]・記憶の障害

           ・見当識障害

           ・判断の障害

           ・会話理解の障害

           ・意思表示の障害

           ・自発性、気力の障害

           ・興味、関心の障害

           ・感情の多様性、安定性、適切性の障害

           ・不安、混乱の増大

           ・異常体験(幻覚、妄想)

           ・多動、徘徊、興奮

           ・引きこもり

    ♯4.精神症状に基づく問題行動や突発的なトラブル

       [要因]・精神運動興奮

           ・知的能力の低下

           ・脱抑制

    ♯5.病識のなさからくる治療、検査への非協力的態度

       [要因]・知的能力低下からくる理解不足

           ・慣れない環境への恐れ

           ・幻覚、妄想からくる拒否

    Ⅲ.認知症の看護目標
    関連リンク


    1. 環境の変化に適応でき、戸惑うことなく落ち着いて入院生活が送れる

    2. 日常生活が安全に送れ、現在の水準を維持できる

    3. 身体症状の悪化を防ぎ、全身状態を良好に保つ

    4. 適切な対応により患者の安全が守られトラブルや事故が防止できる

    5. 治療、検査をスムーズに受けられる

    Ⅳ.看護問題

    ♯1.入院という生活リズムの変化からくる不安

       [要因]・環境適応能力の乏しさ

           ・家族との分離不安

           ・見当識障害

           ・判断の障害

      &環境の変化に適応でき、戸惑うことなく安心して入院生活を過ごすことができる

      $1週間

    O-1.入院生活に対する予備知識及び入院意思の確認

      2.入院生活での適合性を把握:人間関係での支障の有無

      3.経済状況

      4.オリエンテーションを上手にとり人間関係がスムーズに保たれるようにする

    T-1.入院前の生活習慣を把握し入院生活上可能な範囲で調整する

      2.コミュニケーションを上手にとり人間関係がスムーズに保たれるようにする

    E-1.リアリティオリエンテーション(日にち、曜日、場所や天気等を書いて目の前に置いたり、不安な状況を避けるため

        各勤務帯で一回は今の場所を説明する)の実施

      2.オリエンテーション実施後の不安に対する補足及び教育を行う

    ♯2.精神、身体症状による異常行動

       [要因]・入院による環境の変化

           ・注意障害

           ・見当識障害

           ・記憶障害

           ・譫妄

           ・幻覚、妄想

           ・ADL遂行能力の低下

           ・身体的・知的変化(老化)

           ・集中困難

           ・薬剤に関与した症状

           ・感情の多様性

      &心身の安定を保ちセルフケアレベルを落とさない

      $入院期間中

    O-1.ADL:食事、排泄、清潔、身だしなみ、歩行、睡眠覚醒リズム、行動会話等

      2.精神、身体症状

         1)言語障害

         2)感情、情緒面における不安定

         3)心気傾向、うつ状態

         4)夜間譫妄、多動、徘徊

         5)幻覚、妄想状態

         6)記憶、見当識障害

         7)VS、血液データ

         8)合併症の有無と程度

      3.各種薬剤の副作用の有無と程度

    T-1.セルフケア能力を評価し、残存機能を生かすように援助する

      2.患者が成し遂げたり、前進したことについては適度に褒めたり、励ます

      3.危険防止に努める

         1)病棟内、ベッド周囲の環境整備

         2)ベッド柵、低床ベッドの使用

         3)服装を整える

      4.老人の言動を受け入れ理解しコミュニケーションを上手にとる

      5.患者のペースでゆっくり行動する

      6.孤独にさせない

      7.離床を促す

      8.服薬確認

      9.日常生活のリズムを整える

      10.転室はできるだけ避け、同じ環境を保つ

      11.過去の生活歴を知り趣味や得意なことを取り入れる(絵画、書道、手芸、歌等)

      12.失禁、不潔行為のある患者の場合

         1)定期的なトイレ誘導、オムツ交換をする

         2)病室から放尿の対象となるものを除去する(ごみ箱、バケツ等)

         3)下痢傾向のある患者は下剤の使用を控える

         4)清潔の保持を定期的に確認する

      13.徘徊がある患者の場合

         1)徘徊の理由を考える

         2)病棟外へ行く際には必ず付き添う

         3)患者の着衣、スリッパに病棟名、氏名を記入する

         4)病室、トイレ、洗面所の出入口に目印をつける(リボン、人形等)

         5)レクリエーションの参加や運動の機会をもつ

      14.興奮状態のある患者の場合

         1)昼夜逆転しないように、日中刺激を与える

         2)空腹による場合もあるのでおやつの時間を設ける

         3)病室はできるだけ明るくし不安を増長させない

         4)よく話を聞いて不安の除去に努め、医師の指示に基づいて安定剤、睡眠剤を投与する

    E-1.病棟に慣れるまで戸惑いがあることを説明する

      2.規則的な生活を送ることや、レクリエーション療法を指導する

    #3.自ら的確に訴えられないことによる身体症状の悪化

       [要因]・記憶の障害

           ・見当識障害

           ・判断の障害

           ・会話理解の障害

           ・意思表示の障害

           ・自発性、気力の障害

           ・興味、関心の障害

           ・感情の多様性、安定性、適切性の障害

           ・不安、混乱の増大

           ・異常体験(幻覚、妄想)

           ・多動、徘徊、興奮

           ・引きこもり

      &身体症状の悪化を防ぐことができる

      $入院期間中

    O-1.合併症の有無、身体機能低下の状態

         1)全体的な活発さ、元気さ:歩き方、姿勢、表情、顔色、発語の数

         2)食事量、食欲の有無

         3)排便、排尿状況及び性状

         4)VS

         5)全身状態:体重の変化、るいそう、浮腫等

         6)認知症の程度

         7)血液データチェック

    T-1.脱水のある患者の場合

         1)積極的に水分補給を促す.in-outチェック

         2)衣類、室温、掛け物の調整をする

         3)原疾患を悪化させないように注意する

      2.骨折している患者の場合

         1)転倒、転落、打撲に注意する

         2)低床ベッド、ベッド柵の使用、履き物の工夫

         3)骨折を契機に微熱が出たり、貧血が進むこともあるので注意する

      3.肺炎を併発した患者の場合

         1)安静と清潔の保持

         2)呼吸管理

         3)補液の管理

         4)誤嚥防止のための対策(吸痰、食事の工夫、体位等)

         5)適切な水分補給と保温

      4.褥創のある患者の場合

         1)離床を促す

         2)体位変換を行う

         3)皮膚や衣類、寝具の乾燥と清潔の保持

      4)失禁対策を行う

         5)全身状態、皮膚状態の観察

         6)栄養状態改善のための食事の工夫

         7)マッサージ等で循環をよくする

         8)エアマットの使用

         9)外用薬剤の検討

      5.身体状態の把握を行う

         1)不機嫌,落ち着きのなさ等の苦痛のサインを受け止める

    #4.精神症状に基づく問題行動や突発的なトラブル

       [要因]・精神運動興奮

           ・知的能力の低下

           ・脱抑制

      &適切な対応によりトラブルや事故が防止できる

      $入院期間中

    O-1.ADL

      2.精神症状

         1)譫妄

         2)幻覚、妄想

         3)徘徊、多動、不穏

         4)失禁、放尿

         5)過食、異食

         6)性的逸脱行動

      3.身体機能の低下

    T-1.転落の可能性のある患者の場合

         1)ベッド柵の使用

         2)ベッドを壁側に密着させる

         3)低床ベッドの使用またはマットレスを床上に降ろす

      2.離院の可能性のある患者の場合

         1)閉鎖病棟へ収容

         2)着衣、スリッパに病棟名及び氏名を記入

         3)黄昏(たそがれ)症候群といわれる夕方になるとそわそわと家に帰ろうと落ち着かなくなる状態に対して        「もう遅いのでバスもありませんので、お泊まりください」等と話し納得してもらう

      3.過食、異食の可能性のある患者の場合

         1)身辺整理

         2)食品は看護者預かりとし,下膳棚等の残飯は素早く処分する

         3)危険物は患者の手に届かない場所に保管する

         4)食べ物に似た色や形の物[例:ボタン(あめ玉)、石鹸(きれいなお菓子)、大便(ぼたもち)等]は特に注意する

      4.性的逸脱行為のある患者の場合

         1)性的行為(お尻撫で、抱擁等)に対しては騒がず,さりげなくかわす

    #5.病識のなさからくる治療、検査への非協力的態度

       [要因]・知的能力低下からくる理解不足

           ・慣れない環境への恐れ

           ・幻覚、妄想からくる拒否

      &治療、検査を安全にスムーズに受けることができる

      $入院期間中

    O-1.治療、検査に対しての理解力

      2.ADL

      3.精神症状:夜間譫妄、徘徊、多動、幻覚、妄想状態

      4.治療、検査に対する協力の有無

    T-1.頻回に訪室、声掛けし状態の把握に努める

      2.安静が保てない場合は、医師の指示の基に苦痛にならない程度に抑制する

      3.内服薬は自己管理をさせず、服薬確認を行う

    E-1.検査前の説明は前もって行うと不安になるので、直前に行う

      2.治療に対してはその都度根気よく説明する

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