小児実習で困る小児のバイタルサイン測定 実習はこれで乗り切れ!  

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    By看護研究科 小日向 さくら

    記載日:2017/07/24
    更新日;2018/05/03
    小児 バイタルサイン 画像
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    画像名

    大日方さくら


    こんにちわ! 看護研究科の大日方 さくらです!
    小児科実習に行く前にバイタルサイン測定などの実技の練習があるかと思いますが、実際に小児科実習に行くと、嫌がるわ、泣くわ、暴れるわ、正常値も違うし・・・

    指導者さんや受け持ち看護師さんに報告する際、アセスメントできなく雷が落ちる・・・

    なんてことがないよう、今回は小児のバイタルサインの測定について解説していきます。





    小児 検温1

    1.小児のバイタルサインの基本



    小児科実習では他の領域別実習と違い、1週間前後の小児の入院期間という短期間の入院が基本となっています。

    そのため、看護学生さんが小児を受け持つ場合はかなり展開の早いアセスメントや看護展開を求められます。

    しかも、両親のどちらかが一日中、付き添っており、何かの援助を行う際は必ず、両親のどちらかと指導者or看護師になります。

    考えてみてください!指導者が隣にいるだけで緊張するのに、更に患児の両親がずっとあなたの援助をみているのですよ?
    並大抵の精神じゃないと身が持ちません。

    そのため、ある程度のアセスメントの内容や看護技術の事前学習をまとめ、イメージ化し実際に援助する際は緊張せず、適切に、ツッコミどころがない援助を行う事が非常に重要となります。
    私が小児看護学実習で自分がやってきた事前学習より大事にした⇒小児看護 (パーフェクト臨床実習ガイド)



    これは、一つ一つのアセスメントが記載されとり、援助の実際なども一緒に書かれているので、実習では手放せなかったです! 
    基本中の基本、バイタルサイン測定の順番ってなんだっけ?

    成人看護では始めに「体温」から始まり「血圧」で終わりますよね?

    小児看護では「呼吸」→「脈」→「体温」→「血圧、意識レベルなど」を測定する順番となります。

    バイタルサインの順番は小児科実習では絶対に聞かれる項目の1つとなりますので絶対に覚えておきましょう。

    間違っても「熱からです・・・」とは言わないでくださいね。 嫌な意味で顔を覚えられます。

    この順番の根拠はずばり・・・「身体に触れたり侵襲の少ない順番」となります。

    すなわち 「侵襲が少ない」=「泣かせない」 となります。

    バイタル測定中に泣かれてしまうと、啼泣によってバイタルの数値がバラバラになり正確な測定が困難となります。

    これも基本中の基本となりますが、
    測定時は数値だけでなく、皮膚の状態、呼吸音や冷感など、小児の疾患に合わせた観察項目も一緒に観察するようにしましょう。
    バイタルサインの測定値のみだけを報告しないでくださいね

    小児では特に、身体の観察をされる事が恥ずかしいと思っている場合がほとんどです。
    思春期の方だけでなく、不必要な肌の露出などさせない様に、必要な観察は一度に出来るよう工夫して行います。
    カーテンやブラインド、扉などのプライバシーの配慮も必ず行いましょう。

    ムーミン ポケットペンケース ミイピンク かわいい 看護師用品 ペンポーチ ペン入れ ナース雑貨 キャラクターグッズ



    小児科ならではの怖がらせないように、キャラクターが入った物品を着用していると、そこからコミュニティケーションが始まる場合もあります! このようなペンケースなどを持っていくといいかもしれませんね!

    1-1.小児のバイタルサインの正常値


    ■体温

    腋窩温:36.5-37.5℃
    直腸温:腋窩温より0.5~1℃高い
    口腔温:腋窩温より0.4~0.5℃高い

    ■脈拍

    新生児:120-140回/分
    乳児:120-130回/分
    幼児:100-110回/分
    学童:80-90回/分
    成人:70回/分

    ■血圧

    新生児:60-80/50mmHg
    乳児:80-90/60mmHg
    幼児:90-100/60-65mmHg
    学童:100-120/60-70mmHg
    成人:110-130/60-80mmHg

    ■呼吸数

    新生児:40-50回/分
    乳児:30-40回/分
    幼児:20-30回/分
    学童:20回/分
    成人:16回/分

    になります。 
    しかもこの数値は教科書や参考書によって変動しています。
    学生さんが全て覚えて的確にアセスメントするのは不可能に近いと思います。

    しかし、看護師国家試験に必要な知識となり、近年数値をアセスメントし回答する問題が増えています。

    しかし・・・しかし、どの発達段階から出るかも分からない問題に対し、これだけの情報量を覚えるのは実にもったいないです。

    また、これは実習にもいえます。 これだけの情報量を覚えるのなら疾患の知識を充足した方が有意義です。

    ですので、実習中はポケットサイズのメモ帳に小児のバイタルサインの正常値を書いて入れておく方が良いでしょう!
    小児のバイタルサインの数値を異常が正常かを判断するには、現場の看護師でも迷う事があります。

    学生さんが小児のバイタルサインを正常か異常かを判断するためには、各発達段階のアセスメントを頭に叩き込まないと困難です。

    時間がないのに、丸暗記に時間を割くより事前学習に時間を費やした方が有意義な時間を過ごせますね!


    2.小児のバイタルサインの具体的方法 プレパレーションを用いる



    学生の皆さんなら、プレパレーションという単語は聞いた事があると思います。

    しかし、実際に多忙な学生さんがプレパレーションを用いてのバイタルサイン測定を細かくレポートし実施していく・・・

    非常に大変かと思います。 そのため、小児のバイタルサインの具体的方法や声掛け、プレパレーションの実例について説明していきます。


    プレパレーションとは
    プレパレーションは、単に行われる医療処置などについてあらかじめ子どもに説明をしておくというのではなく、子どもがこれから直面する、体験する事態によってもたらされるであろう心理的混乱に対して、説明などをすることによりネガティブな反応を最小限に、あるいは緩和されるように工夫し、子どもがその事態にその子なりに向かい、乗り越えられるように子どもの対処能力、頑張りを引き出していくようなケアをし、子どもの健やかな発達を支援していくことです。

    その子どもに必要なプレパレーションができたとき、子どもがもっている力、頑張りが発揮されます。その頑張りは子どもが疾病から回復する原動力・生きる力になり、子どもの病院での経験が否定的反応から肯定的反応になっていくのです。


    へるす出版刊行「小児看護」 2006-5 vol.29 No.5(544~546頁)より抜粋
    滋賀医科大学医学部看護学科臨床看護学講座(小児看護学)教授  楢木野 裕美







    3.バイタルサイン測定の具体的方法の留意点


    ①原則として安静時に行う。

    泣いたり暴れたりしていると正確な数値を測定できないため、抱いたり声をかけたりして子どもを落ち着かせた後に行う。

    ②バイタルサインを同時に測定するときには、呼吸・心拍・血圧・体温の順に測定し、泣いて測定値に影響しないようにする。

    ③測定前にこれから何をするのかを説明し、痛くないことを伝えるなど、不安を与えないように工夫する。
    ここでプレパレーションを行い、患児の発達段階や理解力、個別性を活かした看護を提供できるようにしましょう!

    3-1.小児のバイタル測定 プレパレーションや留意点を見直してみよう!


    目的

    体温は新陳代謝による体内の熱産生のバランスによって調整されているため、毎日の健康状態を確認するための指標となる。

    小児の体温は、朝方低く夕方に高くなるといった生理的な日内変動や、着衣や外気温といった環境条件、運動や啼泣などの影響を受けても変動する。

    体温の評価では、他のバイタルサインの値も含め脱水の徴候や随伴症状の有無、活気などを評価することが必要である。

    小児の体温測定の方法

    一般的な体温測定は腋窩検温・直腸検温・耳内検温・口腔検温(舌下)が用いられる。それぞれの部位により平熱が異なることに注意する。小児の体温測定は、安全性を考慮し、年齢により測定方法を選択する。

    測定方法(部位)が異なると体温も違うため、なるべく同じ方法で測定し、変更がある場合には体温とともに必ず記載しておく。

    留意事項

    ①人の体はその部位によって温度が違い、内部の温度(中核温)は臓器の活動を保護するために安定している。しかし、体表面や末端の温度は環境の影響を受け変化しやすい。さらに乳幼児であれば体温調節機能が未熟なため、外部環境温の影響を受けて体温が変動しやすい。

    ②体温は運動や食事、測定時間などにより変化するため、平熱を知るには1日の中でなるべく同じ時間に測定し、飲食や入浴、運動、外出後30分は避けるようにする。測定時間が違うときは、体温とともにそのことを記載する。

    ③体温測定は体温計の種類により測定値が変わることがあるため、なるべく同じ体温計を使用する。体温計を買い替えた場合などには、体温とともにそのことを記載しておく。
    小児の腋窩体温測定を行う場合

    実施方法

    ①測定の前に腋窩の汗を拭きとる

    ②体温計の先端が腋窩の中心にくるようにやや下方から挿入し、(前下方から後上方に向かって45°の角度で入れ、先端を腋窩の最深部に当てた状態で、腕を下ろし、固定する)肘を脇腹に密着させるように固定する。

    ③自分で腕を固定できる年長児以外は、体温計を挟んだ上腕に手をそえて固定する。

    ④使用後の体温計は、消毒し収納する。

    コミュニケーションのコツ
    ・乳児が動いたり嫌がったりしないで体温測定ができるように、乳児を膝の上に乗せて固定し、手でトントンと身体に優しく触れたり、寝かしつけるようなイメージで乳児の身体をゆっくり揺らして優しく声をかけたり、子守唄のように歌うことも有効である。

    ・母親の協力が得られるようであれば、乳児を医療者の膝に乗せ、対面からあやしてもらっても良い。

    ・臥床した状態で測定する場合には、体温計のみを保持するのではなく、児の身体ごと支えて動かないようにしてトントンと優しく触れながら体温計を保持する。

    留意点

    ①乳幼児に体温計を挟んだまま目を離すと、動き回って体温計がはずれたり、破損してけがをすることがあるため、測定が終わるまで抱いたりそばに座らせたりして安静を保つ。

    乳幼児は測定終了まで安静を保つことが難しいが、絵本やおもちゃなどで興味を引くことで一時的に集中させ動きを少なくする

    小児の脈拍測定

    心拍出量の低下は循環血液量の低下を意味する。脈拍(心拍)数と同時に、緊張、不整の有無、左右差、雑音の有無などを観察することで健康状態の把握や、以上の早期発見につなげる

    実施方法

    橈骨動脈や頸動脈、浅側頭動脈、膝窩動脈、足背動脈などを使用して脈拍数を測定する触診法と聴診器を使用して心拍数を測定する聴診法がある。

    小児は1回の心拍出量の予備能力が少なく、心拍数は年齢が低いほど回数が多く、年齢ごとに正常値が異なる。(= 心拍数は循環の指標となる)

    触診法

    ①測定部位の動脈に沿って検者の第2~4指を軽く当てる。

    ②子どもは急に動くことがあるため、検者の反対の手を、測定部位のそばにそえて保持する。

    ③ストップウォッチあるいは秒針のついて時計を使用し、できるだけ静かに1分間測定する。

    ④脈拍数とともに緊張、不整の有無、左右差などの状態を観察する。

    聴診法

    ①聴診器は子どもごとに消毒する。安静臥床の状態で心尖部にあてる。聴診器が冷たいと子どもが驚いて泣き出すことがあるため、あらかじめ手で温めるなどしてから使用する。

    ②ストップウォッチあるいは秒針のついた時計を使用し、できるだけ静かに1分間測定する。

    ③心拍数とともに強弱やリズム、心雑音の有無、不整の有無なども確認する。

    留意事項

    ①発熱時には脈拍(心拍)数が変動するため、体温と合わせて測定する。

    ②未熟児や新生児、心疾患児、抹消循環不全児、重症児などは、必ず聴診器を使用して心拍数を測定し、心音の状態も確認する。

    ③乳幼児の脈拍(心拍)数測定は、入眠時に行うのが最も正確であり、啼泣時や授乳直後などは避ける。子どもが驚くと心拍数が変動するため、できるだけ静かに行う。また、必ず1分間測定する。

    ④子どもが落ち着きをなくしてそわそわしたり、手足を動かしたりすると脈拍(心拍)数が増加するため、測定し直すか、所見とともに子どもの活動性を記録する。

    ⑤やや年長の幼児や学童であれば、安静の必要性や測定方法を説明することで、協力を得られることができる。おもちゃで興味を引くと、動き回ることは避けられても、子どもが興奮して脈拍(心拍)数が変動してしまうことがある静かに声掛けをかけたり、人形やぬいぐるみを抱かせるなど、精神的な興奮を避けるようにする。会話による脈拍(心拍)数が変動するため、声をかけるときは返事の必要な質問は避ける。

    ⑥子どもに不安や恐怖を与えると脈拍(心拍)数が変動するため、いきなり上肢をつかんだり、触診のときに強く握りすぎて痛いと感じさせることのないようにする。

    ⑦心拍数のみを測定する場合には、薄い衣類の上からでもよい。また、腹臥位にして背部から聴取することも可能である。

    小児の呼吸測定

    目的
     
    新生児や乳児は中枢神経が未発達であり、呼吸の動揺が激しく、不規則な呼吸や異常呼吸が起こりやすく、血中酸素分圧の変動や機械的刺激、寒冷刺激などの影響も受けやすい。

    また、呼吸器系統、循環器系統、血液・造血器系統、神経系統などの疾患・異常および代謝障害、異物の誤嚥などによって、突然または二次的に呼吸困難が見られることもあり、呼吸数に合わせて呼吸状態を観察することで、健康状態の把握だけではなく、異常の早期発見につながる。

    測定前の留意点

    ①普段の呼吸数を確認する。

    ②呼吸が変動するため、入浴、哺乳、啼泣の直後は避ける。

    ③聴診器の膜面を手で温め、冷たさを取り除く。

    実施方法

    ①安静や保温に注意し、なるべく入眠時に測定を開始する。

    ②乳児や幼児の場合、腹式呼吸であるため、多くの場合腹部を見て測定するか、子どもを泣かせないように軽く腹部に手を当てる。

    ③幼児期になると腹式呼吸に胸式呼吸が加わるようになり、学童期頃からは成人と同様に胸式呼吸となるため、年長児であれば胸部の動きを観察する。

    ④呼吸数と同時に、深さ、規則性、喘鳴、鼻翼呼吸や陥没呼吸などの異常呼吸の有無を観察する。

    ⑤呼吸が浅くて観察にしくい場合や異常な呼吸が見られる場合には、胸部に聴診器を当てて呼吸数を測定する。

    ⑥呼吸器疾患や異常呼吸のある場合は、エアの入り方の強さや左右差など、呼吸音も観察する。また聴診器は、子どもごとに消毒してから使用する。
    起きてる場合の乳児の呼吸測定方法

    ①体位は坐位や臥位とし、上半身の衣類は脱がせるか、胸腹部がしっかり観察できるように大きく開ける。

    ②胸部に聴診器を当て、呼吸が安定したら1分間、呼吸数を測定する。呼吸音の性状、呼吸のリズム、深さ、呼吸運動のパターンも観察する。

    ③呼気時と吸気時の音を前胸部、側胸部、背部の順に左右交互に比較しながら聴取する。

    ④乳児は体温調節機能も未熟であるため、脱衣時には不必要な露出を避ける。また室温にも注意する。

    ⑤啼泣や興奮による呼吸数の変動を避けるため、睡眠時や安静時に呼吸数を測定する。

    ⑥1分間測定する。正常な乳児でも呼吸の不規則さがあるため10〜15秒の測定では呼吸数が少なく評価される。

    留意事項

    ①啼泣や運動の最中や直後に測定しても、正確な測定値は得られない。バイタルサインを同時に測定するときには呼吸を最初に測定する。

    ②幼児や学童はいたずらのつもりで意識的に深呼吸をしたり、呼吸を止めてみることがあるため、体温や脈拍を測定するふりをするなど、呼吸を測定していることに気付かれないように工夫する

    ③子どもの呼吸は不規則であるため、必ず一分間測定する。

    評価
     
    小児は解剖学的・生理学的にも気道が狭い、痰・分泌物の各出力が弱い、呼吸予備量が少ないことなどにより、呼吸困難に陥りやすいという特徴がある。
     
    そのため、呼吸の状態を十分に観察し、現在の状況が緊急を要するのか否かをアセスメントしていく事が重要である。 呼吸数は発熱や啼泣、興奮、疼痛等によっても変化するため、呼吸様式や呼吸音、姿勢・体位といった呼吸に関する情報とも関連付けて評価を行う。
    小児の血圧測定

    血圧は、血液の粘度および容積をはじめ、左心室の収縮、動脈と毛細血管の抵抗、動脈壁の弾性によって維持されるため、血圧は抹消循環や心拍出量、血管内容量の指標となる。

    実施方法

    ①子どもの年齢や体格から適切なマンシェットを選択する。

    ②薄い衣類の上からでも測定できるが、袖口やズボンの袖などがきつく、測定部位を締め付ける時には脱がせる。

    ③座位または仰臥位とし、年長児であれば血圧測定および安静の必要性を説明して協力を得る。

    ④上肢で測定する場合には、測定部位にマンシェットを巻き、上腕動脈の触れる部位に聴診器を当てて測定する。大腿で測定する場合には、膝窩動脈に聴診器を当て、下腿であれば足背動脈の触れるところで測定する。聴診器は子どもごとに消毒して使用する。

    ⑤未熟児や新生児など脈拍触知困難な子どもの場合には、超音波血圧計を使用し、血流音を聴取する。

    ⑥麻痺や循環器障害など四肢の血圧の差がある場合には、上下肢差が生じないように仰臥位にし、必ず四肢の血圧の測定をする。

    留意事項

    ①測定方法やマンシェットの規格を間違うと信頼性のない値となるため、測定前に確認する。年齢によるマンシェットの規格の目安はあるが、子どもの上腕(または大腿・下腿)の約2/3を覆う幅のマンシェットが適当である。マンシェットの幅が大きすぎると測定値は低くなり、幅が小さいと高く測定される。

    ②活動により血圧が変動するため、安静時に測定し、特に乳幼児は泣かせないようにする。集中できない場合には、おもちゃや人形などで興味を引くことで動きを少なくする。

    ③新生児や乳児の血圧測定は睡眠時に測定するとよい。
    睡眠中に測定する場合に衣服の着脱が必要になると、子どもを起こしてしまうことがある。このような場合には、上肢よりも下肢の方が起こさずに測定しやすい。あるいは、睡眠の妨げにならなければ、あらかじめマンシェットを巻いておく。

    ④測定前に不安を与えると血圧が変動するため、いきなりマンシェットを巻かず、測定の前にはマンシェットに触らせたり、痛くないことを説明する。

    ⑤聴診器を使用せず触診で想定する場合には、収縮期血圧のみの測定となり拡張期血圧は測定できない。

    評価

    ①小児は血管の弾性が大きいため、年齢が低いほど血圧は低くなる。

    血圧が低下して心拍数も減少し、意識レベル低下や顔面不良がみられ末梢冷感が著明な場合は、代償しきれなかった危機的状態であり、緊急介入が必要になる。
     
    小児で心拍数60回/分以下、新生児で100回/分以下の徐脈では低酸素血症や虚血を考慮して対応する必要がある。
     
    心拍出量低下時には重要臓器への血流供給を保持するため、皮膚や粘膜への還流が減少する。そのサインの1つが皮膚色の異常の出現である。心拍数、血圧合わせて評価し皮膚温、皮膚色、部位、活動・非活動時の変化について観察していく必要がある。

    4.実際に1歳2ヶ月の身体・発達の状況、母児ともにコミュニケーションを図って必要なバイタルサインや情報収集について具体的援助計画を用いて考えてみよう!


    一連の小児のバイタルサイン測定、情報収集の援助を25分で行うものとする。

    具体的援助計画を立案したら、一連の援助を何十分かけて行うのか、ある程度の目安をつけて行うようにしましょう!

    1)物品準備

    小児用血圧計、サチュレーション、小児用ステント、電子体温計を小ワゴンに乗せる。時計、ペン:自分で持つ。
    メモ帳

    使用部品は使用前に酒精綿で消毒を行う。

    2)訪室、挨拶
    室内の温度の観察

    1.訪室する前に援助者は手指消毒を実施する。

    2.挨拶
    ◯◯ちゃんは昨晩寝ておらず、今朝やっと入眠したことから援助者の声掛けは静かに声のトーンを下げて行うものとする。

    「失礼します。あきこちゃんの身体状況の観察のために検温含めて行いたいと思いますがよろしいでしょうか?」

    母親も24時間あきこちゃんに付き添い疲労が蓄積している事が想定される。

    母親の反応として
    「えっ?止めてください」
    「急になんでしょうか?」
    「出て行って!」
    という反応が想定される。
    強い拒否がある場合等が想定される中でどのような声掛け、説明と同意を得られるかを想定して説明していく。

    「昨夜あきこちゃんは入眠できず朝方入眠出来たとのことですので、あきこちゃんを起こさないように静かに身体の状況を観察して異常がないか診ていく必要がありますのでお母さんにも何点かお聞きする事もありますのでご協力お願いします」

    1)〈母親への観察項目〉

    Op-1)母親の声のトーン
    -2動作
    -3表情

    母親より説明と同意を得られたと過程して次の援助を実施するものとする。

    3.V.S測定、全身状態の観察
    1.サチュレーションを測定、呼吸数

    母親への説明「動脈内の酸素と呼吸数を測定しますがよろしいですか?」

    指が小さく測定しづらいため、足の指にサチュレーションをつけ測定する。

    サチュレーションを測定している間、1分間呼吸数、呼吸状態を観察する。

    バイタルサインは安静時の自然な数値を測定する。小児のバイタルサインの測定は泣くと測定が困難になるため、呼吸⇒脈拍⇒体温⇒血圧の順番で測定する。

    Op-1)顔面不良の有無
      -2硬性浮腫の有無(下肢)
    -3冷汗の有無
    -4SpO2

    2.脈拍の測定
    ◯◯ちゃんの右上肢の橈骨動脈にて測定する。
    援助者の手が冷たい場合は温めてから行う。

    Op-1頻脈の有無
      -2不整脈の有無
    -3脈拍数
    3.体温を測定する。
    母親への説明「次に体温を測定します。」

    体温計が冷たくなっているので手で温めて酒精綿で拭き、アルコールが乾くまで待ち腋窩に挿入する。

    ボタンを1.2個外し測定する。

    Op-1)発熱の有無
    Op-1)発熱による発汗の有無

    4.呼吸状態、心音を測定する。
    母親への説明「◯◯病では全身状態に症状が現れるので呼吸状態と心臓の音を測定するために聴診器を胸に当てますがよろしいですか?」
    聴診器が冷たいため援助者の手で温める。
    上半身のボタンを外す。

    呼吸時と吸気時の音を前胸部、側胸部、背部の順に左右交互に比較しながら聴取する。
    幼児は体温調節機能も未熟であるため、脱衣時には不必要な露出は避ける必要があるため、測定し終わったらボタンを止める。

    毛布で測定しない部位をかける。また、室温にも注意する。

    呼吸状態では呼吸困難、咳、痰、肺水腫が合併症として表出するため観察する。

    心音の聴取では小児用聴診器を第5肋間の左乳首付近にあてて、心拍数を1分間聴取する。

    Op-1)呼吸困難の有無
    -2咳
    -3痰:痰がらみの有無
    -4肺水腫:呼吸音の左右差
    呼吸位層の有無(吸気時か呼気時、前半か中期か終末か)
    副雑音の有無(断続性ラ音、連続性ラ音の有無)
    -5呼吸数

    Op-1)心雑音の有無
    -2微弱心音の有無
    -3不整脈の有無
      -4心拍数の数 

    観察が終わったら次に血圧測定を行うため右上肢を衣類から出しそれ以外の上半身のボタンを止める。
               
    毛布を右上肢以外の部位を上半身までかける。

    5.血圧の測定
    母親への説明「次に血圧の測定を行います。◯◯病では心臓の合併症を生じる事があるので血圧を測定し合併症が生じていないか確認しますがよろしいですか?」
    小児用マンシェットを右上肢にあきこちゃんの上腕の1/3を覆う。
    マンシェットは、中にあるゴム嚢の中心が上腕動脈にかかるように巻く。
                 
    終了後は、マンシェットを外して血圧計をベッドの上に置き、すぐに衣類を着せ、整える。
                
    毛布をかけ直す。
          
    V.S測定が終了したらベッド周囲の環境を整える。
    実際には無いが、柵を上げる。

    カーテンが動いていたら閉める。毛布がずれていたら直す。椅子などが移動したら元の場所に戻す。食器などがあったら片付ける。
                          
    V.Sの数値を母親に説明する。

    「体温は〜で、動脈の酸素は〜で、血圧は〜で、脈拍、心拍数は〜で、呼吸では〜です。◯◯ちゃんの身体の様子は突発的な異常はないです。まだ、体温が〜で」等

    ◯◯病の病態と合わせて説明していく。

    4)母親とのコミュニケーションから◯◯ちゃんの状態の情報収集並びに母親の不安、疲労等の情報収集、母親との関係づくり

    母親への説明「これであきこちゃんの検温は終わりました。ありがとうございます。何点か◯◯ちゃんに対してお聞きしたい事があるのですがよろしいでしょうか?」

    各病態の観察項目について母親から情報を収集する。

    声掛けの例

    「起きている時、痛みの訴えはありましたか?どこを強く痛がっていましたか? 痛いと眠れないですよね。お母さんも一晩中付き添っていますので疲労が溜まってると思います。休めるときに休んでください。」

    「◯◯ちゃんの食欲はどうでしたか?まだ◯◯ちゃんも身体が怠くて食欲も出ないと思いますが必要な栄養を取る事は◯◯ちゃんの年齢からも大事な要素になりますので、食事で何かお困りな事や不安な事がありましたらご相談ください。」

    「あきこちゃんも痛みで泣いたり自宅との環境の変化で不安になって自宅にいた時と違うかと思いますが、いつもと違った様子などお母さんが気づいた事はありますか?」

    「何か入院生活で不安な事などありますか?」

    「ありがとうございます。これで一通りの検査は終わりました。ご協力ありがとうございます。これで退室します。何かありましたらナースコールでお呼び下さい。失礼します」


    退室する。

    使用物品を消毒し所定の場所に片付ける。

    実地指導者や看護師に報告を行う。

    5.目次小児のバイタルサイン測定をプレパレーションを用いて行なってみよう!


    小児看護学実習の目標 バイタルサインをプレパレーションを用いて行うことができる。

    患児が安心してケアを受けられる方法を考え、患児の好きな動物のキャラクターシールを体温計の先に貼りディストラクションを取り入れ、遊びを交えながらバイタルサイン測定を実施することができる。

    看護目標

    急性期によって起こる症状の緩和や副作用の早期発見に努め、治療や検査による苦痛が軽減でき、入院環境が安全に過ごすことができる。

    発病により年齢に応じた発達段階が中断された状態であること、慣れない環境によるストレス、また家族の不安、疲労によるストレスを軽減できるよう関わり治療が順調に進み早期に退院できる。

    看護問題

    治療効果が得られず、度重なる治療、検査、全身状態の管理に関連した患児の苦痛とストレス

    期待される結果

    ストレスや苦痛が反映されない測定値を把握し異常の早期発見ができる

    具体的計画

    観察項目

    1)活気や機嫌の程度と時間帯

    2)患児の日中の睡眠状況と覚醒時間

    3)1日の様子

    4)検査の予約の有無

    5)バイタル測定値の異常の有無

    援助計画

    1)1人にならないようにする

    2)検査や治療が短時間で済むように準備を行う

    3)生活リズムを崩さないように、ケアや検査の時間を配慮する




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