周手術期の患者さんの手術侵襲と生体反応の基本を看護の役割と看護過程を交えて考えてみましょう! 

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    By看護研究科 小日向 さくら




    記載日:2018/02/28
    更新日:2018/05/25
    周手術 画像

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    大日方さくら


    こんにちわ! 看護研究科の大日方 さくらです! 今回は、「周手術期の患者さんの手術侵襲と生体反応の基本を看護の役割と看護過程を交えて考えてみましょう! 」について解説したいと思います!

    周手術期の実習では手術侵襲、生体反応の基礎的部分の理解がとても重要となります。

    しかし、周手術期看護の基礎知識と言っても多大な領域になるので要点を絞り効率的な学習が必要となります。

    今回は絶対に知ってほしい内容と周手術期の概要と看護としてどのような観察項目・援助が必要になるのか、解説したいと思います。
















    1.基礎的な手術侵襲と生体反応



    周手術期の実習では、特に術前・術中・術後の看護と3段階に分けて看護・アセスメント・計画を行わなければいけません。

    しかも、現場の看護師より観察をし、現場の看護師よりアセスメントを深く行わなければなりません。

    学生さんができると思いますか? 無理な話です。 そのため、予め、周手術期の看護とは何か?観察項目やアセスメントはどのようにやれば良いのかを事前学習等で行い、実習で困らないようにするのですが、

    その事前学習のやり方が分からないし、アセスメントのまとめ方が分からない等の弊害が生まれてきます

    そんな時に成人看護1 急性期・周手術期を参照してみてください!

    周手術期の看護やアセスメント、実習中に出会うであろう事柄のアセスメント等の詳細が詳しく載っています!

    基本的な用語の解説を行います! これを知らないと何を言っているのか分からなくなりますのでしっかりと理解するようにしましょう!


    <手術侵襲>

    手術に伴う身体的精神的な刺激のこと。

    <生体反応>
     
    侵襲に対し恒常性を維持しようと働く生体の防御機能のこと

    侵襲による組織破壊が起こると,体内では神経系や受容体が刺激され,同時にサイトカインなどさまざまな物質が産生・活性化される。その結果,サイトカインの誘導を中心とした免疫系の反応が起こる。

    <神経内分泌反応>

    副腎皮質刺激ホルモン(ACTH),コルチゾール,アルドステロン,アドレナリン,抗利尿ホルモン(ADH)などは分泌が亢進します。

    インスリンや甲状腺ホルモンなどは分泌量が変わらないか,あるいは低下します。

    術中は,体液を保持し血圧を維持するため,カテコールアミンや抗利尿ホルモン,アルドステロンなどの分泌が亢進します。

    一方,カテコールアミンの影響により術中はインスリンの分泌が抑制されるが,術後に血中のグルコース濃度が上昇するとインスリンの分泌も亢進します。

    周手術期ではホルモンの変化は大変重要な項目の1つとなります。

    例えば、抗利尿ホルモンが亢進することによって、術後の尿量が減少します。

    これが術後の経過としてどのように正常か異常かを判断するのか・・・など



    下記で、ホルモンの変化と看護の観察の視点を解説したいと思います!

    1-1.フルモンの変化と看護の観察の視点



    術前と術後の血液検査所見ではTP、Albともに低下している場合があります

    これは手術による侵襲で組織の障害が生じる事で身体反応(内分泌・代謝変動)が生じ、蛋白異化亢進、糖新性が生じているためです

    上記の中で最も重要な単語の1つとして”蛋白異化亢進”があります

    蛋白異化亢進ではエネルギーを得るために元々身体に蓄えられている脂肪が燃焼され、その時、同時にタンパク質も消費します

    そのため、術後では総蛋白(TP),アルブミン(Alb)の減少が血液検査上、観察することができると思います

    ここでは、主に食事摂取量等の観察や、食事摂取を行えるよう看護を提供できるようにしましょう!

    食事摂取=エネルギーの補給ができることによって、創部の回復を促す事があります!

    周手術期にある患者さんでは、術後の経過は日数によって(クリニカルパスを参照しましょう)経口摂取を再開できる時期に適切な量などを摂取できているかがポイントとなります!

    しかし、術後の患者さんが順調な経過を辿る事は稀で何かしらのバリアンスがあるはずです!

    学生さんはどのような食事ー栄養で看護問題となる項目があるのかをしっかりと観察していく必要があります!


    周手術期の食事ー栄養に関する内容がこちらの参考書により詳しく記載されています!

    おすすめリンク



    よくわかる周手術期看護




    <手術と循環血液量減少>

    手術によって損傷を受けた局所を中心に,ケミカルメディエーター(化学伝達物質)と呼ばれるヒスタミン,プロスタグランジンなどが産生されると,血管内皮細胞の開大と膨化により血管の透過性が亢進します。

    その結果,血管内の細胞外液がサードスペースに移動し,血管内の循環血液量は減少します。

    学生さんはこの部分はよく分からないと言われますね!

    サードスペースについて詳しく解説します



     ⚠  サードスペースとは

    手術操作によりコラーゲン線維間の間隙が大きくなります。その間隔の間に水やアルブミンが入り込むようになり細胞間質の構造が変化します。サードスペースとは文字通り、細胞間質の構造が変化した部分に水を保持しやすい構造と定義されています。

    健常者では、細胞外液は細胞内と血管内を自由に行き来しています。

    しかし、周手術期の患者さんでは血管内からサードスペースへ移行してしまった水は、血管外にとどまってしまいます。

    結果、血管内液が減少したときにサードスペースに移行した水などを利用できなくなります。

    最終的には・・・(重要な部分です)

    血管内外を出入りできる細胞外液の総量が減少し、血管内液量が減少することに繋がります!



    上記で説明したとおり、サードスペースについては学生さんの皆さんは理解できたと思います!

    では周手術期の患者さんはどのような事を看護として知識・観察が重要となるかというと・・・


    患者さんの手術が侵襲が大きければ大きいほど,サードスペースに貯留する体液は増加することなります。

    サードスペースに貯留した体液は,回復期(術後数日)にはリンパ系を介して血管内に戻ります。

    しかし、逆に回復期へ移行するまでは血管内に戻ってこない(サードスペースに貯留し続ける)ことがあります。

    そのため,術中〜術後はこのサードスペースに移動する循環血液量を補う輸液管理がとても重要な役割があります。

    では、何故輸液管理が必要になるのでしょうか?

    人間には手術・麻酔の有無に関わらず生体の恒常性(ホメオスタシス)を維持するために必要な維持量というものがあります。

    周手術期の患者さんでは、その維持量がサードスペースに移行してしまうため、ほっとけば維持量が保てず重篤な症状を表出するため
    ・・・

    になります!


    看護師がサードスペースの評価(アセスメント)を行う際は、サードスペースを計算するのではなく(これは医師がやります)循環血漿量の評価を行うようにします!

    ☆脈拍・血圧・尿量

    血圧=心拍出量×血管抵抗=一回心拍出量×心拍数×血管抵抗

    循環血液量が減少すると一回拍出量が低下します。

    しかし、脈拍の増加や血管抵抗の上昇があれば血圧は低下しません。

    そのため、循環血液量が減少しても血圧が低下しないことも多いということになります。

    ☆心拍数

    心拍数は循環血液量減少による血圧低下の代償機構としての圧受容器反射によって上昇すると定義されています。

    高齢者や鎮静下・麻酔下では圧受容器反射が抑制され、心拍数増加が抑えられることは学生さんよく知っていますね!


    ☆尿量

    尿が濃くて少ない=循環血漿量不足 と考えてください!

    尿が薄くて量も保たれている=循環血漿量は保たれている とおぼえておきましょう!

    尿量については細かく定義がありますが、学生さんはこの他に周手術期の患者さんの1時間尿について知っておきましょう!

    1時間尿については国試にも何度も出題されています。

    正常な1時間尿を何がなんでも覚えましょうね!

    「尿量は0.5~1㎖/kg/時が維持されなければ異常である。」


    以上が基礎的な手術侵襲と生体反応になります。


    2.周手術期の観察項目



    基本的に術前、術中、術後の観察項目が必要になります。

    この3つの手術侵襲と生体反応について理解していないとアセスメント、関連図含めて訳がわからないものになってしまいます。

    ここでは、基本的な観察項目について記述していきます。


    術前の周手術期患者の標準看護計画

    術前では、一般的に手術に対する不安や、手術に意欲や希望を持って挑めるように身体管理・精神的ケアを看護問題(看護診断)や看護目標にします!

    術前の周手術期患者の観察項目(0−P)

    1.入院への適応状況(手術に対する想い、入院にいたり手術適応になったなど)

    言葉通りの意味になります。 この観察項目で何を観察するのかというと・・・

    ☆突然の入院、予定入院にかぎらず、手術に対する心構えや手術に対する理解度を観察します。

    この観察項目は非常に重要で、術後の看護では、その意欲を引き出し、早期離床を促せるよう関わりを持てるようにしていくことになります





    2.疾患、術前検査、手術に関する患者の情報量とその理解度

    1.の観察項目と同様ですが、さらに踏み込んだ観察を行うようにします。 具体的にはアナムネになりますね。

    既往歴がないのかなどです! これは実習病棟で看護師さんが情報を収集している(アナムネ)と思いますので、そこから情報を取りましょう!

    評価については1.と同様です!





    3.表情、言語、態度の表出状況と不安の程度の関係
    4.食欲、食事摂取状況
    5.身体症状の有無と程度
    6.睡眠状況
    7.サポートシステムの状況
    8.性格
    9.対処行動と対処能力

    術直前の周手術期患者の標準看護計画

    Op
    1.全与薬の種類、量、時間、効果
    2.バイタルサイン
    3.一般状態(顔色、表情)
    4.言動
    Tp搬入時
    a.挨拶をし術中ずっと付き添っている事を話す
    b.患者に落ち着いた態度で接する
    d.患者に付き添い、1人にしない
    e.プライバシーを保持
    f.独歩にて手術室まで歩行する。
    2.入室時
    a.手術室内の用紙を説明し質問に答える。
    b.処置に対し説明を行う。
    c.患者の側から離れない
    d.保温(室内25℃以上)
    e.周囲を静かにする(言動、扉を閉めておく)

    術中の周手術期患者の標準看護計画
    OP
    1.呼吸状態
    1)呼吸数の変化(頻呼吸、徐呼吸、過呼吸、減呼吸、無呼吸)
    2)呼吸パターンの変化(チェーン・ストークス呼吸、ビオー呼吸、クスマウル呼吸
    3)呼吸音の異常(喘鳴、弱い音)
    3.脈拍の変化(数、リズム、質)
    4.血液ガスデータの異常の有無(SaO2の低下、PO2の低下、PCO2の上昇)
    5.チアノーゼの有無
    6.気道内分泌物の量と性状(黄色粘ちょう性の喀痰)
    7.胸部XーPの異常所見の有無(横隔膜の挙上、胸水貯留、無気肺など)
    8.冷汗、顔面浮腫の有無
    9.舌根沈下の有無  など各看護問題に合わせた観察項目を

    術直後にある周手術期患者の標準看護計画
    OP
    1.呼吸状態
    1)呼吸数の変化(頻呼吸、徐呼吸、過呼吸、減呼吸、無呼吸)
    2)呼吸パターンの変化(チェーン・ストークス呼吸、ビオー呼吸、クスマウル呼吸
    3)呼吸音の異常(喘鳴、弱い音)
    3.脈拍の変化(数、リズム、質)
    4.血液ガスデータの異常の有無(SaO2の低下、PO2の低下、PCO2の上昇)
    5.チアノーゼの有無
    6.気道内分泌物の量と性状(黄色粘ちょう性の喀痰)
    7.胸部XーPの異常所見の有無(横隔膜の挙上、胸水貯留、無気肺など)
    8.冷汗、顔面浮腫の有無
    9.舌根沈下の有無
    10.肺音ー肺雑の有無、エアの入り
    2.以下を観察しアセスメントする
    ・呼吸数、リズム、深さ、呼吸音、胸部拡張の程度、呼吸苦、胸部痛の有無
    ・バイタルサイン(モニター上)
    ・痰の質・量、咳嗽・喀痰の程度
    ・チアノーゼ・冷汗・顔面浮腫の有無
    ・Airリークの有無
    7.安楽な体位を工夫する

    枕は挿入しない。

    術後にある患者の標準看護計画
    O-1.バイタルサインチェック
      2.ガーゼの汚染状況、性状
      3.BSバックからの出血量、性状
      4.ドレーンからの排液量、性状
      5.腹部膨満、下血、吐血
      6.貧血の進行(血圧低下、頻脈、脈の緊張の低下、呼吸促拍、尿量の減少、チアノーゼ、四肢冷感、眼球結膜の貧血所見、意識レベルの低下)
      7.患者の訴え、表情
      8.創痛の程度、部位
      9.術前の抗凝固剤の使用の有無
      10.血液データ(Hb、Ht、PLT、プロトロンビン時間)

    など、疾患や術式に合わせて観察する。

    5.まとめ

    どうでしたでしょうか? 周手術期の看護はアセスメントや考えること・覚えることが多く非常に学生さんにとっては苦痛ではある領域別実習の1つとなります汗

    この記事の内容でも足りないぐらいの知識や様々な症例・患者さんと向き合う事になるのが看護学生さんの本分となります

    ここまでで、まだ分からない点やこんな疾患の周手術期の看護過程を知りたいなどあるかと思います!


    成人看護I 急性期・周手術期 第2版 (パーフェクト臨床実習ガイド)





    看護学生さんに分かりやすくイラスト付きで解説されています! 非常に有用な一冊となるのでおすすめします!


    周手術期の標準看護計画に反映されていませんが、術後の経過の看護に有用な一冊です

    基準看護計画 第3版 臨床でよく出合う看護診断と潜在的合併症 [ 矢田昭子 ]






    3.周手術期の援助〜学生ができること、やらなければならないこと〜



    どの周手術期にある患者さんでも、一番大事なことは、「今後を予測して観察や看護を提供」することにあります!

    そう! 指導者さんや教員から口を酸っぱく言われて続けている「個別性」を加えた看護を提供しましょう!


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