ルンバール│腰椎穿刺の看護について解説します!

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    By看護研究科 小日向 さくら

    記載日:2017/07/19
    更新日;2018/03/27
    腰椎穿刺 画像
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    画像名

    大日方さくら


    こんにちわ! 看護研究科の大日方 さくらです!
    脊髄系の疾患を抱えている患者さんを受け持つ場合、ルンバール(腰椎穿刺)の見学ができる場合があります。

    脊髄系の疾患を受け持つ学生さんが一番見学し学習を深め、ルンバール後のアセスメントに役立てるようにしなくてはいけない重大な検査になります






    1. 腰椎穿刺とはどんな検査か


    腰椎穿刺とは、腰椎クモ膜下腔よりスパイナル針で穿刺し、髄液の一部を採取することで、髄液の測定および診断を行う検査になります。
    また、腰椎穿刺は、治療を行う手段として用いられることもあります。
    具体的な検査の内容は下記にてご紹介しますが、腰椎穿刺の解剖生理について知っておくべき内容についてご紹介します。
    脈絡叢(みゃくらくそう)から産出され、クモ膜下腔を循環して静脈内に吸収されます。
    そのため、腰椎穿刺によって髄液の性状・成分・髄圧を検査することは、神経疾患の診断・治療に不可欠な検査になります。
    目次にもどる

    2. 腰椎穿刺の目的

    腰椎穿刺は、腰椎クモ膜下腔から髄液を採取し、クモ膜下出血、髄膜炎の診断を行うことができます。
    また、悪性腫瘍の腫瘍マーカーなどの測定もできます。
    髄膜炎や悪性腫瘍の髄腔内播種に対する治療として、薬液を直接クモ膜下腔内に注入するため、腰椎穿刺を行うこともあります。
    さらに、腰椎穿刺は、頭蓋内圧を測定する1つの方法でもある。頭蓋内圧が高い場合には、減圧を目的とし、腰椎穿刺で髄液の排除を行うこともあります。
    脳や脊髄神経などで様々な用途として腰椎穿刺が行われますね!

    それでは腰椎穿刺の概要についてまとめてみたいと思います!

    ①中枢神経系の疾患の診断および治療方針の確定のために脳脊髄圧の測定、検体としての髄液の採取を行うこと(中枢神経系の感染症の診断:髄膜炎、脳炎)(炎症性脱髄疾患の診断:急性播種性脳脊髄炎、多発性硬化症)(末梢神経炎の診断:ギラン・バレー症候群)
    ②新旧の頭蓋内出血の有無を確認すること
    ③髄液の排除により頭蓋内圧の減圧をはかること
    ④治療、検査としての薬液の注入・治療(抗生物質、抗がん剤、および脊髄造営、脳槽撮影のための造影剤など)
    ⑤クエッケンシュテットテスト(頸静脈の圧迫により髄液の通過障害を見るテストのこと)

    目次にもどる

    3. 腰椎穿刺の介助の実際


    はじめに腰椎穿刺のアセスメントを行います。

     

    ①化膿性髄膜炎、無菌性髄膜炎など感染においては、炎症にともなう脳脊髄圧は上昇し、髄液内の細胞数も上昇する。また、ウイルス性、細菌性などの髄膜炎では、本来無菌である髄液から原因菌が発見される。
    そのため、脳脊髄圧の測定、髄液の細胞学的、化学的検査による髄液内の細胞の有無、種類、細胞数から診断を行い、治療方針の決定を行う。
    また、治療後の評価としても行う。
    ②クモ膜下出血においては、出血にともなう脳脊髄圧の上昇、および髄液内圧の細胞数の上昇が認められる。
    そのため脳脊髄圧の測定、髄液内の細胞数の変化により診断を行う。
    ③脳腫瘍、白血病、悪性腫瘍などにおいては、髄液内より白血病細胞などの主要マーカーが発見されるとともに、検査上、髄液の正常に変化が認められる。
    そのため、髄液の細胞学的、化学的検査により、腫瘍マーカーの有無、髄液の性状の変化から診断を行う。
    また、穿刺により髄液内へ抗がん剤などの投与し中枢神経系の治療を行う。

    3-1.腰椎穿刺の主な手順について


    時間のない方へ簡単に腰椎穿刺の大まかな手順について解説します
    ①検査の説明をする。

    ②検査の前に排尿を済ませ、バイタルサインの測定をする。

    ③必要物品をそろえ、滅菌法が守れる空間を作る。

    ④患者の体位をとる。



    患者の体位と髄液採取

     
    ・ベッドの端に患者の身体を寄せ、側臥位をとらせる。
    ・両膝を曲げ、腹部に引き付けるようにして両手で抱え込み、顎を胸に付ける。
    ・背はエビのように丸くし、腰椎骨間腔をできるだけ開くようにする。
    ・患者の肩と骨盤がベッドに垂直になるようにする。

    引用 - Wikipedia

    更に細かく腰椎穿刺の手順について解説します!

     

    腰椎穿刺の使用物品

     
    腰椎穿刺セット(穿刺針、鉗子、ガーゼ、穴あきシーツなど)、消毒トレイ、イソジン綿球、滅菌ガーゼ、絆創膏、滅菌手袋、ガウン、マスク、キャップ、滅菌検体用容器、鎮静剤(必要時)、経皮的麻酔剤(パンレステープ)、救急カート、救急薬品、その他薬剤注入時は薬剤、ディスポシリンジ、ディスポ針、エクステンションチューブなど

    髄液採取の禁忌

     
    ①頭蓋内圧亢進:CT MRI画像で明らかな脳浮腫、うっ血乳頭や大泉門膨隆を認める場合
    ②出血傾向:血小板減少症、抗凝固薬、抗血小板薬使用の場合
    ③穿刺部位に皮膚感染症がある場合
    腰椎穿刺の留意点

    厳重な見菌操作

     
    髄液は脊髄を通して直接脳と通じているため、髄膜炎の予防として厳重な無菌操作を必要とする。検査する周囲の環境整備を行った上で、すべての器具を無菌で使用できるよう準備する。また術者および介助者はガウン、マスク、キャップを身に着ける。穿刺部位はアルコール線で消毒後、イソジン液にて広範囲に2度消毒する。その際、中心から外側に向けて円を描くように行う。

    穿刺前の禁飲食

     
    脳脊髄圧の急激な変化、または薬剤の副作用により嘔気、嘔吐が出現することがあり、嘔吐物の誤嚥を避けるために穿刺前の2時間は禁飲食とする。
    検査に対する説明と不安の軽減
    子どもにとって苦痛の大きい検査であるため、発達段階や子どもの性格を考慮して、その子どもの納得できる説明を行う。検査実施中は、見えない部位での実施や前屈姿勢を保つ苦痛によって不安や緊張が大きいので、不安の軽減をはかるように声かけ、はげます。

    穿刺前の排尿・排便

     
    尿意、便意を我慢することによって脳圧、血圧が上昇することがあり、正確な脳脊髄圧を測定するために排泄が自立している子どもの場合、事前に排尿をすませておく。

    髄圧測定時の緊張緩和

     
    髄圧の正常値はおよそ50~200mmH20であり、呼吸によって5~mmH20の変動が認められる。
    また、髄圧は腹圧などによっても上昇するため、穿刺が成功したら患者の固定を体動持には再び固定をできる程度にゆるめる。
    実施中は呼吸状態など全身の観察を十分に行う。

    穿刺部位

     
    両側腸骨稜の頂点を結ぶ線(ヤコビー線)を基準として第3.4椎間に穿刺する

    プライバシーの保護と保温

     
    穿刺時は上半身裸になるため、むだな露出を避け、バスタオルやシーツなどを用いてプライバシーの保護に努めるとともに保温に注意する。

    腰椎穿刺の実施方法

     
    必要物品の準備

    腰椎穿刺セット(滅菌ガーゼ/圧測定ガラス棒/滅菌スピッツ)
    滅菌鑷子
    穿刺針
    注射針(23G)
    延長チューブ、三方活栓
    滅菌手袋、滅菌穴あき布
    滅菌綿球
    消毒液(ポビドンヨード/ハイポアルコール)
    ものさし(30cm)
    絆創膏
    ディスポーザブル覆布
    呼吸・心拍モニター、パルスオキシメーター
    酸素吸入の必要物品
    吸引の必要物品

    腰椎穿刺の援助の実際

     
    ①患者さんと家族に説明を行う。

     
    経皮的麻酔剤(ペンレステープ)を子どもの穿刺部位に貼っておく。
    また、時間は【穿刺時間の最低30~1時間前】を目安として使用する。

    ②術者、介助者とともに手洗い後、ガウン、マスク、キャップを身に着ける。

     
    ③使用物品を準備する。

     
    穿刺セットを広げ、そこを清潔野として術者が試行しやすいように物品、無菌手袋をつける。

    ④術者は滅菌手袋をつける。

     
    ⑤(薬剤を注入する場合)介助者は薬剤を溶解、準備する。

     
    バイアルの穿刺部(ゴム部)は溶解前後で、アンプルはカットする前後で綿棒などを用いてイソジン消毒し、清潔操作に留意する。
    また、薬剤をシリンジに吸う際は、介助者がバイアルまたはアンプルを持ち、術者が清潔野に準備したシリンジ、ディスポ針を用いて薬剤名、量などもともに確認しながら吸うようにする。

    ⑥患者さんを処置する部屋へ誘導する。

     
    緊張、恐怖心を軽減するため、十分に準備し、すぐに試行できる状況に整えてから誘導するように注意する。

    【術者が試行しやすいように患者さんの体位を整え固定する。】 下記にてより詳しく解説します


    その際、患者さんをできるだけ処置台の縁によせ、患者さんの背中が処置台に対して垂直になるように固定するとともに、椎間が広くなり、穿刺針が刺入しやすいように、前屈姿勢をとらせ腰部を突き出すようにする。
    また処置台の高さは術者の目線の高さに合わせると試行しやすい。
    目次にもどる

    4.腰椎穿刺時の体位と介助の仕方│絶対に覚えなければならない腰椎穿刺の体位と介助について


    腰椎穿刺体位について

     
    両手で膝を抱え、膝を曲げて腰部につけ、臍部を見えるようにして頭部を屈曲させるよう子どもに説明し協力を得る。介助者は、説明を十分に理解し協力を得られる子どもの場合も急な体動に備えて子どもの肩部と臀部に手を置き支える。

    ①処置用シーツを腰の下に敷き、医師に消毒液(イソジン)を渡す。

     
    穿刺部位の消毒を行う。
    介助者は経皮的麻酔剤をはがし、穿刺部位をアルコール線で消毒し、その後、術者がイソジン液にて同部位を2度中心から外側に向かって消毒する。その際、介助者はヤコビー線がわかりやすいように、腸骨稜を指で示す。

    ②医師は滅菌手袋をつけ、穴あき布片を穿刺部位を中心にかける。

     
    穿刺部を中心に滅菌穴あき布をかけ、無菌的操作で医師が穿刺を行う。介助者はこの間、体位の固定をしっかりと行う。
    注:体動が激しい場合は鎮静薬を使用する場合がある。
    リネンの内側には触れないよう無菌的操作で行う。【穿刺後はベッド上安静になります。】オムツを当て、尿や便で穿刺部位を不潔にしないよう気をつける。

    ③医師に注射器を渡し、局所麻酔薬を無菌的に吸えるように介助する。

     

    ④看護師は、患者の体位の介助をする。

     
    穿刺する(医師)、穿刺時の体動は、神経損傷の危険性があり、術者とタイミングを合わせ固定を十分に行う。
    また、処置や医師の様子は患者からは見えることができないため、穿刺のタイミングや処置の様子など介助者から患者に説明し、はげます
    <ここからは重大な副作用があるのでしっかりと観察や救急時の対応が必要になります。>
    検査および薬剤の注入などを行う。
    その際、急激な脳圧の減少による脳ヘルニアで意識障害、呼吸停止を起こしたり、薬剤によってアナフィラキシーショックを起こすこともあるため、介助者は固定をしながら子どもの顔色、脈、呼吸状態、反応の変化に注意する。


    ⑤局所麻酔後、クモ膜下腔に穿刺針が刺入される。その直後に初圧が測定される。

     

    ⑥医師の指示により、患者の頸静脈を圧迫し、圧上昇の有無を確かめる(クエッケンステット・テスト)

     

    ⑦注射器に採取された髄液を滅菌スピッツに入れる介助をする。

     

    ⑧髄液採取後、終圧が測定される。

     

    ⑨穿刺針の抜去後、滅菌ガーゼを医師に渡し、穿刺部位を圧迫する。髄液の漏れのないことと止血を確認後、医師に消毒液(イソジン)を渡し絆創膏で止める。

     
    術者は、穿刺針を抜き、ガーゼで押さえる。
    その際、介助者は穿刺時同様に、患者に抜くタイミングを合わせて声をかける。
    ガーゼを外しイソジン液にて消毒し、滅菌のガーゼを折って当て、再び圧迫する。
    ガーゼの外にはみ出す部分のイソジン液は、微温湯で湿らせてガーゼなどできれいにふき取り、乾いたガーゼの上から皮膚をよせるようにして、テープでしっかりと圧迫固定する。


    ⑩医師より安静時間の指示を受け患者に説明する。

     
    髄液圧の変化による影響の予防と薬剤の中枢神経移行のため、頭部は挙上せず水平な体位を維持する。
    またはストレッチャーを用いてベッドまで移動し、処置後最低30分は枕を外して、水平位で安静臥床させる。
    そのため、麻酔や疼痛などでせん妄状態の患者さんでは、やむをえない場合は身体拘束を用いて安静を保てるようにする。


    目次にもどる

    5. 腰椎穿刺前後の看護の手順


    1)患者への説明


    •腰から針を刺し、髄液を採る検査であること(腰椎穿刺は、患者によって目的が異なるため、医師に確認し、患者に適した説明を行う必要がある)。

    •穿刺時、身体的苦痛を伴う検査である。また検査後も低髄圧症状をきたすこともあるため、安静が強いられる検査であり、十分な説明が必要である。

    2)検査前の処置


    ①検査前に排尿を済ませ、バイタルサインを測定する。

    ②必要物品をそろえる。
    滅菌布片(穴あき)・圧棒・受け皿・スパイナル針・滅菌手袋・三方活栓・局所麻酔薬・消毒液・10ccディスポ注射器・23G注射針・滅菌スピッツ・滅菌ガーゼ・膿盆・鑷子・処置用シーツ・絆創膏

    ③医師が施行しやすい環境を作る(椅子とベッドの位置調整、処置灯やベッドライトをつける)。

    ④滅菌操作で行える空間を作る。

    3)検査中


    ①不必要な露出は避け、保温に注意する。

    ②患者の体位の介助をする。

    ③穿刺中の患者の状態を観察し、異常時は医師に報告する(体位の保持、下肢の電激痛の有無、顔色、脈拍、呼吸の変化、
    頭痛や悪心の有無)。
    腰椎穿刺中の観察ポイント!
    穿刺中の観察ポイント 画像

    腰椎穿刺は、髄液圧の変化による影響や薬剤の影響、髄液圧の高い場合は脳ヘルニアの危険性もあり、一般状態や自覚、他覚症状の有無に注意する。

    4)検査後の管理


    ①バイタルサインを測定し、意識レベル、瞳孔、頭痛、嘔気、めまいの有無の観察を行う。

    ②枕をはずし水平位とし、医師から安静時間を確認し(1〜2時間)、安静を保つよう説明する。

    ③患者の手元にナースコールを設置し、何かあれば押すように説明する。

    ④安静時間が終了したら、安静解除とする。

    ⑤制限がなければ多めに水分を摂取することを説明する。

    ⑥物品の後片づけを行う(医療廃棄物、分別ごみ、消毒が必要なものに分ける)。
    腰椎穿刺後の観察項目(O-P)

     
    ①一般状態:バイタルサイン、顔色
    ②穿刺部位:出血、髄液の漏れの有無、疼痛など
    ③髄液圧の変化にともなう症状:頭痛、めまい、吐き気、嘔吐
    ④神経症状:腰痛、下肢のしびれ、麻痺、歩行障害
    ⑤ショック症状:徐脈、冷汗、顔面蒼白、意識レベルの低下など 

    腰椎穿刺の記録の書き方

     

    ①実施時間、髄液の性状・圧、検査中・後の患児の状態、穿刺部位の状態、患者の反応

    5-1.腰椎穿刺において注意すべきこと


    患者の体位を介助するときは、患者の首と膝を支える。

     
    その際、圧の動揺を防ぐため力んだりせず、静かに呼吸するように説明する(咳をしたり、腹部に力を入れると髄液圧が高くなるため)。

    患者の背中側で医師が操作する検査であり、患者は状況が見えず、不安を抱きやすい。

     
    看護師は検査の進行状況を適時説明し、リラックスするように介助する。

    採取した髄液の量・性状・色調・髄圧を観察する。

     
    観察項目:髄液の色調・混濁の有無
         患児の顔色・呼吸状態

    脳脊髄圧の正常値
    (側臥位)80~150mmH2O (座位)200~250mmH2O

    穿刺後は体位を水平にし枕を外し安静にするようにする。

     
    穿刺後は、枕を外して仰臥位をとる。
    急激な頭蓋内圧低下を避けるため、頭部を水平にして1〜2時間、仰臥位で安静にする。

    食直後の検査は避ける。

     

    検査後の入浴は禁止とし、翌日、穿刺部位に異常がなければ許可する。

     

    5-2.腰椎穿刺(ルンバール)の合併症



    ・低髄液圧症候群
    ・脳ヘルニア
    ・局所の神経根損傷と背部痛
    ・感染症
    ・出血性合併症
    ・類上皮腫

    などがあります。

    5-3.術後の頭痛


    手術後の合併症として、最も多くの症例があるのが頭痛。
    上記で挙げた合併症の一つである低髄液圧症候群や非血管性頭蓋内疾患、穿刺角度の不一致、針穴から髄液が漏れるなど、さまざまな原因があり、約20%の患者が術後に激しい頭の痛みを伴う。

    これは術後まもなくから72時間以内に発症することが多いものの、通常は数日で改善される。

    また、頭痛と言っても発現部位や症状は人それぞれであり、起立時に悪化する頭痛、後頭部痛、頚部痛、目の奥の痛みなど多岐に渡る。

    特に起立時の頭痛の割合が高いため、術後まもなくから【約2時間程度は仰臥位で安静状態を維持】するよう指導する。
    手術は約20分で完結するが、術後の起立を防ぐために、術前にお手洗いを済ますよう指導するなど、頭痛の緩和に貢献できるよう看護を行っていく。

    5-4.術後における頭痛緩和


    仰臥位での安静状態の維持


    枕を用いて頭を拳上すると頭痛が激しくなる場合が多いため、枕を用いず、腰と同等の高さを保ったまま安静を保持する。

    鎮痛薬の投与


    疑いのある病気に対する禁忌になりえない鎮痛薬を用いて頭痛の緩和を図る。

    水分補給


    血液中の水分を十分補給することにより、骨髄液が速く補充され、頭痛の緩和を図ることができる。飲水による水分摂取も効果的だが、即効性を考慮する場合、穿刺後すぐに1リットル程度の水分を点滴で補充する方がより効果的である。

    自血パッチの使用


    腰椎硬膜外腔に患者の凝固静脈血を数mL注入することにより、頭痛の緩和を図るが、通常、激しい頭痛が長期的に持続する場合にのみ適応となる。
    頭痛予防の対処は以下の通りです。

    ルンバール時の適切な体位


    背中を丸めて膝を抱え、ベッドに鉛直に立て、背中がのめり込まない体位が適切。体位が適切でないと穿刺箇所や深度に影響を及ぼす可能性があることから、しっかりと調整・確認しておきましょう。

    穿刺針の変更


    穿刺針は1mm以下の太さのものを使用するが、ルンバールを多く経験している患者の中で、術後に頭痛を起こすことが多い患者には、穿刺針をより細いものに変更することを検討する。穿刺針を細くすることで、髄液の漏出量が減る、又はなくなる可能性があるため、医師との相談のもと変更を検討する。

    穿刺技術の向上


    術後の頭痛発生には医師の穿刺技術が大きく関係する。看護師には直接関係のない事項であるものの、体位や穿刺箇所・深度など、細かくチェックしておく。

    採取髄液の減量


    一般的にルンバールで採取する髄液量は20mlで、4本の試験管にそれぞれ5mlずつ採取する。この基準量よりも多く採取している場合には減量する。小児は成人よりも髄液量や産出量が少ないため、発育具合によっても検討する必要がある。

    5-5.脳脊髄液減少症(低脳脊髄液圧症)

    脳・脊髄周囲の脳脊髄腔には脳脊髄液が存在していますが、この脳脊髄液が持続的ないし断続的に漏出することによって減少し、頭痛、頸部痛、めまい、耳鳴り、倦怠感などの症状を訴える疾患である。
    原因は何か

    頭痛、頸部痛、めまい、耳鳴り、視機能障害、倦怠感などの症状がみられるが、これらは起立位や座位により3時間以内に悪化する。横になっていると徐々に症状が軽快することが一般的である。
    検査と診断

    頭部MRIで脳がやや下方に偏位している像がみられることがある。RI脳槽(のうそう)・脳脊髄液腔シンチグラムを行うと、RI注入3時間以内に膀胱内RIが描出される像や、RIがくも膜下腔外に漏出している像がみられれば診断が可能。

    5-6.治療の方法

    まずは、安静臥床と十分な水分摂取が重要。点滴による水分補給が必要な時もある。約2週間の安静臥床と十分な水分摂取でも改善しない時には硬膜外自家血注入(ブラッドパッチ)なども考慮する。

    目次にもどる

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