脊髄損傷の看護│看護計画、合併症や看護ケアについて解説します!

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    By看護研究科 小日向 さくら

    みなさん、こんにちわ。 看護研究科の大日方さくら(@lemonkango)です。

    脊髄損傷は、損傷のレベルや位置によって生じる症状や障害が違い、その障害のレベルによって看護ケアも変わってきます。また障害を急に負うことでの精神的なサポートや、合併症の予防など看護ケアは多岐に渡ります。脊髄損傷について知り、看護に活かしていきましょう。
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    脊髄損傷の看護│看護計画、合併症や看護ケアについて解説します!





    1.脊髄損傷とは

    脊髄損傷

    外傷による脊椎の骨折や脱臼などの障害により、脊髄が損傷を受けた状態を脊髄損傷といいます。

    頸髄で損傷を受けた場合は、四肢麻痺、胸髄以下の損傷では対麻痺となり、運動、知覚、反射、尿路、性器、消化管、自律神経機能、代謝などに多彩でかつ重篤な障害が現れます。

    脊髄は再生能力の極めて乏しい組織なので、脊髄損傷の予後は受賞の瞬間にほぼ決定されます。

    活動範囲の広い青壮年層の男性に圧倒的に多く、交通事故、労働災害事故、スポーツでの外傷、自殺などが多いとされています。

    脊柱に直達的あるいは介達的に障害的に過大外力が働き、脊髄が損傷されて、脊髄の保護機能を牛舞う結果として脊髄損傷が発症します。

    転落、店頭、落下物、飛び降り、交通事故、スポーツ外傷など事故に伴う事が非常に多いです。

    2.脊髄損傷の合併症



    脊髄損傷の合併症はしばしば致命的となることがあります。

    高位損傷時の呼吸障害から、急性・慢性期を問わず問題となります。褥瘡、尿路感染症など多彩かつ難治性であることがあります。

    特にリハビリケーションを妨げ、予後を左右する褥瘡と尿路合併症について紹介したいと思います。

    ①褥瘡
    脊髄ショック期は、血管の反応性血流調節機構が働かないため、受傷直後2時間程度で褥瘡の発生を見ることがあります。

    知覚・運動の麻痺が褥瘡悪化を促進させます。

    主な原因として神経学的因子に加えあ、骨突起部への圧迫、肥満、排尿便による湿潤と汚染、っさいな外傷、栄養不良、貧血、浮腫などがあります。

    予防が最重要課題となり、急性期には特殊ベッドを使用して同一部位への接続的圧迫が加わらないようにしたり、徒手的に褥瘡好発部の除圧を図ります。

    急性期を過ぎたら若干の介助で自己管理できるように、また全身の皮膚のチェックの必要性、方法などを指導するようにします。

    褥瘡ができてしまったら、表皮だけの浅い時期を人工皮膚を貼付し、肉hが形成を促します。除圧のための対策も実施するようにします。

    ②尿路感染症
     

    脊髄損傷の急性期の導尿は、無菌的操作のもとに行われていても、尿路粘膜の感染防御機構の低下などにより尿路感染を起こしやすい、また回復期に入ると、麻痺の高位により反射膀胱や自立膀胱に移行するが、いずれも残尿が問題となります。

    十分排尿されないで膀胱に尿が残留している状態は、細菌の増殖を助長し、用意に尿路感染を再燃させます。

    また、尿路結石が多発します。これは尿の停滞、炎症、導尿による粘膜損傷、受賞後1〜3ヶ月間にみられるカルシウム、リンなどの血中濃度の増加など、尿路結石の要因が多々あるためとされています。

    残尿が多い期間は無菌的に導尿するが、必要最小限とし尿路粘膜がカテーテル挿入による機械的損傷を受けたり、頻回の導尿による感染の機会を高めないように注意する必要があります。

    一日の尿量は2000ml以上、2500ml前後になるように水分摂取を促し、また、覚醒している時間内でなるべく均等に摂取するように指導していく事が重要となります。 これは適当な時間間隔をおいて、一定量の尿が膀胱に貯まることになるので、膀胱の自立性を確立しやすいためです。

    慢性期になっても、残尿量が多く尿がでないまま放置すると、次第に膀胱炎が固定し、膀胱尿管逆流現象を併発して水腎、腎盂腎炎が合併しやすいです。

    このため、発熱したり、重大な尿路・性器合併症に発展することが多いので、間欠導尿を事故または一部解除で行えうように指導するようにします。

    αーブロッカー、交感神経中枢抑制薬などの投与や、経尿道的膀胱頸部切除術を施行したり、括約筋不全による尿失禁に対しては男性の場合、実用的な集尿器があるので装着したりして、その患者に最も適した方法を試みる工夫を行うようにします。

    脊髄損傷患者様の尿路は生涯不安定であり、尿路感染の機会が多く、しかも自覚症状が不明確なので、定期的な尿検査を行い最低1年に一回は尿路のX線検査を受けるほか、患者様自信でも日々の尿量・性状に注意するように指導していく必要があります。

    3.脊髄損傷の看護過程のポイント



    脊髄損傷の看護のポイント!

    ①受傷直後は、緊急を要する呼吸障害、大出血、ショックなどのため、多様な治療がなされます。そのため看護もその処置に伴うものが主となります。

    ②合併症は脊髄損傷の予後を左右する重大な要因となります。知覚や運動の麻痺は合併症の発症を容易にし、かつ難治性で生命やリハビリテーションにも影響します。繊密な合併症予防対策を工事、看護をすすめていく必要があります。また、生涯にわたっての問題なので、合併症予防について患者・家族教育を行いましょう。



    脊髄損傷のアセスメントについて紹介するよ!

    脊髄損傷の必要な情報
     

    ①受傷状況および損傷部位

    ②損傷後の経過

    ③全身状態

    1)呼吸:数、深さ、呼吸困難、胸痛、外装、胸郭・腹壁の動き(奇異呼吸の有無)
    2)循環:脈拍の数・緊張、血圧、外出血の状態、顔色、四肢冷感、チアノーゼ、ショックの有無
    3)意識:反応、応答
    4)消化管:嘔吐、鼓腸、脱水、電解質バランス、失禁の有無
    5)泌尿器:尿閉、乏尿、血尿
    6)運動器;骨折、麻痺の部位
    7)神経系:知覚、麻痺の部位
    8)体温:低・高温度、異常発汗


    ④検査データ 単純X線検査、CT、血液検査


    ⑤治療・処置 人工呼吸器、牽引、導尿、輸液、輸血


    ⑥ベッドの種類

    になります。

    それでは


    脊髄損傷の情報分析の視点について解説します。


    ①受傷状況はどうか
     

    受傷状況を知ることで、脊髄損傷の発症を推測できます。転落、交通事故、スポーツ外傷などどんな受傷時の様子だったのか、患者様自信または周囲の人たちから情報を得るようにしましょう。

    ②全身状態はどうか
     

    突発的な災害によるものが多いので、緊急な対応が要求される。呼吸障害、大出血、ショックのある患者様では迅速かつ敵書きうな救命処置が必要となります。外見上重篤な症状がなくても、潜在的な重大な問題をもち、あとから生命を脅かすこともあります。

    ③重複損傷が起こっていないか
     
    呼吸器、循環器、消化器、腎・泌尿器、運動器などに広範囲で多彩な症状が一度に出現します。

    そのため治療が多様となり、求められる看護も多様性を増します。救急患者を担当する看護師は、損傷にy入り起こる生理的・病理的反応を理解し、発症する症状から予測されるものを常に念頭におき看護するようにしましょう!

    4.脊髄損傷の看護計画



    ①看護目標
    1)脊髄損傷による機能障害に関連した合併症のリスク状態
    2)脊髄損傷に伴うカテーテル留置、尿路粘膜の感染防御の低下に関連した感染リスク状態
    3)同一体位による圧迫、便失禁に関連した皮膚統合性生涯のリスク状態
    4)麻痺や体動制限に伴う筋力低下に関連した身体運動性の障害

    観察項目(0−P)
    1)受傷状況の把握
    2)損傷部位と程度
    3)全身状態(急性期)
    ①呼吸:循環障害、意識、消化器症状、膀胱直腸障害、自律神経症状、体温
    ②麻痺(知覚、運動)の部位、程度
    ④出血、骨折の有無と程度
    4)検査
    5)処置内容
    6)患者・家族の反応


    援助計画(T-P)
    1)損傷部位の安静および保護(急性期)
    ①脊椎骨折があるときは、損傷部に屈曲、伸展、回旋などの動きを与えない
    ②移動は多人数で愛護的に行う(4人以上)、移送時、ベッドへの移動、検査・処置時など。
    2)損傷部位の整復・固定(治療に沿った看護)
    ①牽引による整復(頸髄損傷:頭蓋直達牽引)
    ②体位による整復(胸腰椎移行部:反悵位)
    ③観血的整復術
    ④脊椎固定
    3)全身状態の管理(主として急性期)
    ①呼吸器管理(頸髄損傷の場合)
    ・人工呼吸器の装着(気管内挿管、気管切開)、酸素吸入、吸引、ネブライザーなど施行
    ・体位ドレナージや体位変換(可能ならば)胸郭への叩打法による単誘導と喀出の介助、呼吸訓練
    ・上気道閉塞の予防(含嗽、口腔内の洗浄化)
    ②循環器の管理
    ・脈拍、血圧の測定
    ・低血圧、ショックの予防(下肢の挙上)
    ・外出血の処置・輸血(脊髄ショックには禁忌)
    ・輸液
    ・静脈血栓、肺血栓の予防
    ③消化器の管理
    ・絶飲食〜流動食〜普通食
    ・腸蠕動の確認、腹部の観察
    ・急性胃拡張、嘔吐の予防
    ・麻痺性イレウスの予防
    ・胃・十二指腸損傷の予防
    4)排便コントロール
    ①食事内容の工夫
    ②水分摂取
    ③長官の刺激
    ④排泄習慣の確立
    ⑤下剤の使用
    ⑥摘便
    ⑦浣腸
    5)体温調節
    ①空調による室温のコントロール
    ②温度調節の可能なベッドの使用
    ③全身の冷却
    ④水分の補給
    ⑥導尿


    教育計画(E-P)
    1)安静の必要性について指導する
    2)脊髄損傷の伴う症状について説明する。
    3)脊髄損傷に伴う症状の予防法について説明する。

    5.まとめ

    脊髄損傷の患者様は身体的、精神的、社会的に深く傷つき全身的な医療・看護を必要とします。 特に若い男性に非常に多い事が特徴であり、人生に悲観したり精神的に非常に不安定になりやすい事も特徴の一つです。 疾患や治療だけでなく精神面でのサポートもしっかりと看護を行う事が重要となります!

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