看護学生が考える肝硬変の看護過程│看護計画やアセスメント・援助内容について

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    By看護研究科 小日向 さくら

    記載日:2018/03/12
    更新日;
    肝硬変 画像
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    こんにちわ! 看護研究科の大日方 さくらです!今回は【肝硬変】について解説したいと思います! もちろん、疾患を学ぶ前に肝臓の解剖生理は必ず頭に入れておきましょう! 肝臓機能の特殊性と肝硬変の症状や原因を踏まえた看護計画をアセスメント・立案できるようにしていきましょうね!




    1.看護の視点から見た肝硬変の病態


     ひとつの独立した疾患というよりも、種々の原因によって生じた慢性肝炎が治癒しないで、長い経過をたどったあとの終末像であって、その肝病変は一般に非可逆的と考えられてきた。
    種々の原因によってびまん性の肝細胞の壊死と炎症、再生が繰り返し起こり、その場所に高度の繊維が増生した結果、肝臓の本来の小葉構造と血管系が破壊されて偽小葉と再生結節が形成され、肝臓が小さく、かつ硬くなる病期である。

    臨床的には、肝細胞障害による肝機能の低下、門脈圧亢進、および門脈-大循環系短絡(シャント)形成の三大要因により、症状の乏しい初期から多様な症状を示す進行期まで、その程度はさまざま。肝硬変は肝臓だけの病期ではなく、全身性疾患だという認識が大切。

    <原因>
    1)ウイルス性
    2)アルコール性
    3)自己免疫性
    4)薬剤・毒物性
    5)胆汁うっ滞性
    6)うっ血性
    7)栄養・代謝障害性
    8)感染症(寄生虫を含む)
    など、多岐にわたることが知られている。
    日本の肝硬変では、肝炎ウイルス(C型、B型)によるものが最も多く、次いでアルコールによるものの順になっている。ウイルス性肝硬変では、C型肝炎ウイルス(HCV)によるものが大半を占めている。
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    2.肝硬変の症状 絶対に観察しなければならない看護の視点


    <症状>
    代償性肝硬変では、自覚症状をほとんど訴えないことが多く、あっても軽微である。一部には、まったく自覚症状もなく、かつ通常の血液生化学検査でも以上を示さず偶然の機会に発見される、いわゆる潜在性肝硬変と考えられる患者もいる。

    肝機能障害が進行するとともに、肝臓の予備機能が低下してくると非代償性肝硬変になる。
    こうなると、全身倦怠感、脱力感、易疲労感、尿の色が濃く染まる、腹部膨満感、吐き気(悪心)、嘔吐、腹痛など、消化器症状を主とする全身症状を訴えることが多くなります。しかし、これらは必ずしも肝硬変に特徴的なものではない。
    さらに重症になると、黄疸、腹水、吐血、肝性昏睡など、続発症・合併症に伴う症状が現れるようになる。また、肝硬変の皮膚所見としては、横断のほかに、くも状血管腫、女性化乳房、手掌紅斑、皮膚の色素沈着、出血傾向、皮膚出血、太鼓ばち状指、白色爪などが認められることが多く、診断上役にたつ。
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    3.検査項目と診断内容の確定基準


    肝硬変は、本来、病理組織学的な概念ですが、すべての患者さんに腹腔鏡検査や肝生検を繰り返し行って、顕微鏡検査で病理組織診断を確定することは容易ではない。
    肝硬変に対する驚異的な検査法はないが、通常は血液生化学的検査、血液学的検査、画像検査などから得られた情報を総合的に判断して診断する。

    肝硬変は、臨床的な機能分類として、肝硬変の原因を問わず、肝不全症状の有無から代償性(期)と非代償性(期)とに分けられる。

    代償性肝硬変とは、黄疸、腹水、浮腫、肝性脳症、消化管出血などの肝機能低下と門脈圧亢進に基づく明らかな症候のいずれも認められない病態です。非代償性肝硬変とは、これらの症候のうちひとつ以上が認められる病態です。

    肝臓は脂質、炭水化物、蛋白質、アミノ酸の代謝およびエネルギー代謝など栄養代謝の中心的な臓器ですので、肝硬変、とくに機能不全を来す非代償性肝硬変では、さまざまな栄養代謝障害が引き起こされます。

    通常、肝硬変の診断では、肝細胞の機能障害を反映したアルブミン、コリンエステラーゼ、凝固因子(プロトロンビン時間、ヘパプラスチン)、コレステロールなどの低下、血漿遊離アミノ酸異常、間葉系反応を反映したγグロブリンの上昇、硫酸亜鉛混濁試験・チモール混濁試験(膠質反応)などの高値、肝線維化マーカーの上昇、肝循環動態の異常を反映したインドシアニングリーン負荷試験(停滞率、最大除去率)の上昇、そして門脈亢進に伴う脾機能亢進を反映した血小板数の減少などが重要です。

    <血清アルブミン量>
     肝硬変の患者さんでは、蛋白質・エネルギー低栄養状態が役70%に認められる。
    このような病態は、免疫機能や生体防御機能の低下、易感染性、病気の開腹や創傷の治癒の遅れ、精神機能の低下などをまねき、腹水・浮腫の原因になったり、日常生活動作(ADL)や生活の質(QOL)の低下へとつながる。
     食事摂取が十分にもかかわらず血清アルブミンが3.5gdl以下、BTR(分岐鎖アミノ酸チロシン比)が3.5以下、フィッシャー比が1.8以下になれば、分岐鎖アミノ酸顆粒(BCAA顆粒、商品名リーバクト)を投与して、早期にアルブミン血症の改善を図ることが望ましい。

    <黄疸の経過とビリルビン値>
     通常、肝硬変の黄疸は軽度で、血清ビリルビン値も多くは2~3mgdl以下です。
    しかし、黄疸が消退せず、また眼球結膜と皮膚の明らかな黄染を示す場合は、肝細胞障害を伴う肝不全の病態を示し、予後不良の徴候となります。

    肝硬変の病態が重症になるにつれて、抱合ビリルビン総ビリルビン比は低下し、逆に抱合されない関節型ビリルビンの占める割合が大きくなる症例が増える。これは、肝予備能が次第に低下して、ビリルビン代謝が破綻しつつ(あるいは破綻して)血清ビリルビン値が増加していることを示す。

    肝硬変の経過・予後を占ううえで、黄疸は血清アルブミン値と腹水の存在に次いで有用な指標となるが、通常はチャイルド分類による判定が有用。
    チャイルド分類
    点数を足して、A,B,Cの3段階で分類される。
    5~6点がグレードA
    7~9点がグレードB
    10~15点がグレードC 
    Cになると、肝細胞がんなどで手術が必要となってもほとんどできない。

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    3-1.肝がんの早期診断についても知っておきましょう!


     肝硬変の三大死亡原因は、肝癌、肝不全、食道静脈瘤の破裂に伴う消化管出血である。
    最近は肝癌の占める割合が70%と高くなり、次いで肝不全が20%、消化管出血が5%の順になっている。
    この背景には、栄養療法の進歩、食道静脈瘤に対する内視鏡的治療の向上。抗生剤と利尿薬の開発・導入、アルブミン製剤の繁用などによる消化管出血死や感染死の減少がある。

    肝硬変での肝細胞がんの推定発がん率は、寝6~7%です。早期の肝細胞がんを見過ごさないために、超高危険群ならびに高危険群の患者さんは、その危険度に応じて一般肝機能検査と一緒に2~3ヶ月に1回の腫瘍マーカー(AFP、PIVKA-Ⅱ、AFP-L3分画)の測定、3~6ヶ月に1回の超音波検査、6ヶ月に1回程度の腹部CT検査を受けることが望ましい。
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    4.肝硬変の治療内容について


     肝硬変の治療は、その病態が代償性か、非代償性かによって異なるが、現在の病態をさらに悪化させることなく生活の質(QOL)と日常生活動作(ADL)を維持、改善させ、予測される合併症に早期に対応していくことが重要である。

    ○生活指導
     過労を避け、禁酒し、バランスのよい食事をとり、規則正しい生活をするよう生活指導を受ける。しかし、病態が急性増悪して、自覚症状と肝機能障害が強くなったり、あるいは黄疸、浮腫・腹水、意識障害などが現れているような時期には入院管理が必要になる。

    ○一般的な薬物療法
     肝硬変そのものに対する治療薬はありません。肝障害の重症度に応じて、肝臓加水分解物(プロヘパール)、肝臓抽出薬(アデラビン9号)、胆汁酸製剤(ウルソデオキシコール酸:ウルソ)、グリチリチン製剤(内服薬がグリチロン、注射薬が協力ネオミノファーゲンC)、漢方薬、ビタミン剤などを単剤、またはいくつかの薬剤を組み合わせて多剤服用、もしくは静脈注射を併用する。

     これらの肝臓用薬(肝庇護薬)の服用・静脈注射によって、肝細胞の壊死・炎症を鎮静化させてAST(GOT)、ALT(GPT)を基準値の2倍以内のできるだけ低い値に維持できると、肝癌の合併を抑制して、発がんの時期を遅らせることができる。

     非代償性の肝硬変では、黄疸、浮腫・腹水、肝性脳症などへの対症的な治療対策がそれぞれ必要になる。原則的には、安静臥床、食塩制限(1日3~6g)、軽度の水分制限、蛋白質の摂取制限(1日40g程度)が行われます。そのうえで、浮腫・腹水には利尿薬を投与する。

    もしも低アルブミン血症が高度のために、利尿薬の投与にもかかわらず浮腫・腹水が改善しない場合には、アルブミン製剤を補給し、血清アルブミン濃度が3gdl以上になるようにする。

    なお、いろいろな内科的治療により軽減できない中等量以上の腹水(難治性腹水)に対しては、腹腔頸静脈シャント術、腹水濾過濃縮再静注法、経頸静脈肝内門脈大循環シャント術などが行われることもある。

    ○ウイルス性肝硬変での抗ウイルス療法
     C型肝硬変のうち、腹水、肝性脳症および門脈圧亢進などの既往がない代償性肝硬変では、インターフェロン(IFN-α、IFN-β)が適応となる。
    また、代償性・非代償性B型肝硬変では、核酸アナログ製剤(エンテカビル。ラミブジン、アデホビル)が適応となる。

    平成20寝ん度厚生労働科学研究で提言された「ウイルス性肝硬変に対する包括的治療のガイドライン」に示すように、ウイルスの駆除・減少によりAST(GOT)・ALT(GPT)値の正常化を目指し、肝組織学的な改善が認められることから、肝細胞がんの発生リスクを低くすることが期待できる。
    非代償性肝硬変では、代償性肝硬変への改善を目標とし、ひいては肝発がん予防を目指す治療となる。

    なお、C型肝硬変に対するインターフェロン治療は、慢性肝炎より著効率が低く、また副作用の発生率や治療脱落率などが高く、費用対効果が悪いという問題店がある。
    しかし著効が得られれば、予後は改善される。
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    5.看護計画の立案の前に肝硬変のアセスメント方法について解説します!


    1)肝臓の機能低下に伴う全身症状:全身倦怠感・易疲労感、肝性脳症(意識障害・睡眠パターンの変調・精神症状・羽ばたき振戦)

    2)肝臓の機能低下に伴う局所症状
     ①低アルブミン血症に由来:浮腫・腹水
     ②肝臓でのびまん性の再生結節形成に由来:肝腫大
     ③消化管の圧迫と運動障害に由来:食欲不振・吐き気・嘔吐
     ④血中ビリルビンの上昇に由来:黄疸・掻痒感・眼球結膜黄染
     ⑤側副血行路形成に由来:食道静脈瘤・腹壁静脈怒張・メドゥーサの頭・痔静脈怒張
     ⑥エストロゲン分解能低下に由来:クモ状血管腫・手掌紅斑・女性化乳房

    3)検査データ
     ①血液検査:白血球数・血小板数・AST・ALT・AST/ALT比・血清総タンパク質・血清アルブミン濃度・血清ビリルビン・空腹時血糖値・プロトロンビン時間・ヘパプラスチンテスト・コリンエステラーゼ活性・γ-グロブリン・血清アンモニア・インドシアニングリーン(ICG)試験
     ②画像診断:腹部超音波検査・CT
     ③肝生検

    4)日常生活の状況:食事(食事内容、食事摂取量など)、活動と休息のバランス、排泄(排尿・排便の回数、性状)、飲酒

    5)病気と治療への認識:病気に対する認識、治療についての理解、治療や症状に伴うストレ
     スの程度、アドヒアランス

    6)社会的背景:家庭や職場における地位と役割
    7)家族の病気と治療に関する理解と受け止め
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    5-1.肝硬変の看護計画について解説します!



    肝硬変の患者さんの情報収集の内容について

     
    血液検査
    AST(GOT)
    ALT(GPT)
    GTP
    血清アルブミン
    (Alb)
    血小板数(PLT)
    コリンエステラーゼ(ChE)
    総コレステロール
    (TC)
    免疫グロブリン(igG)
    免疫グロブリン(igA)
    免疫グロブリン(igM)
    総ビリルビン値
    間接ビリルビン
    直接ビリルビン
    ALP
    アルカリフォスファターゼ
    アンモニア
    NH3
    血清クレアチニン
    BS(血糖)
    Na(血清ナトリウム)
    K(血清カリウム)

    腹水
    腹部膨満感
    食欲不振
    食物のつかえ感
    体動困難
    呼吸困難感
    胸焼け感
    悪心、嘔吐
    便通異常
    尿量現象(浮腫)
    体重増加
    浮腫
    水分出納バランス水分摂取量、1日の尿量
    ボディーイメージの変化
    黄疸








    肝硬変の情報収集したけど、アセスメントの仕方が分からないと意味がないですよね汗
    下記にてアセスメントの内容について紹介します!




    肝硬変のアセスメント内容

     

    高値であると、細胞が壊れて細胞内から酵素が出てきてしまっていることを意味する。本来の代謝の働きが出来ない。
    肝臓・腎臓・膵臓に多く含まれる酵素で、タンパク質を分解する働きがある。
    高値ということはタンパク質の分解が十分にできないということを表す。
    肝機能低下すると値が減少
    アルブミンは血管内に水分を留める浸透圧維持の働きもあるため、値が減少すると浮腫が起きているということの指標になる。また、褥瘡・貧血を起こしやすい。
    値が増加していると止血作用が高い。
    値が減少していると出血傾向。

    肝臓病の活動度
    ビリルビンを排泄するための処理を行っているのは肝臓であり、そのビリルビン値が高いということは、肝臓の機能低下が考えられる。
    上昇するということは本来保持しておきたい赤血球が分解されてしまっている。貧血に注意する。

    値が上昇するということは肝臓で処理されたものが胆汁に含まれて分泌されるものが分泌されていないということになる。=肝機能低下しているということ。
    エネルギー代謝にかかわる。
    ALPは肝臓から胆汁に排泄されるため、値が上昇するということは、胆汁に排泄されていないということだ。つまり排泄する途中に障害があるということ。
    値が上昇している場合は、肝機能の低下が考えられる。肝機能低下により、アンモニアの無毒化が行われず、血中にアンモニアが増加してしまう。アンモニア上昇により、アンモニアが血流に乗って脳に到達すると、肝性脳症の症状が出る。
    値が低下していると、肝機能低下のよって適切なアンモニアの無毒化が出来ていないことが考えられる。
    値が低下するとグリコーゲンを分解して血中に放出する働きができなくなり早朝空腹時に低血糖になりやすい。
    浮腫や腹水により水分が血管外に漏出し、血中の電解質バランスが崩れていないかを知ることができる。

    腹水は腹腔内に多量の液体が貯留した状態であり、液体が貯留することで腹部が膨満する。また腹部の圧迫により食欲不振、体動困難も発生するため、観察する必要がある。
    腹腔内に大量の液体が貯留すると上にある横隔膜が圧迫される。それにより呼吸困難感が発生する。

    体液貯留により胃や横隔膜がおし上げられ、左記の症状が出現する。食事は体液貯留を制限するため、ナトリウムと水分制限し、高タンパクとする。
    高アンモニアの誘因となるため排便観察は重要である。アンモニアの原料になるタンパク質を貯留させていないかを知るために便秘になっていないかを観察する。め。
    腹水貯留や全身の体液貯留により全身の水分バランスが保てなくなり、心臓に負担がかかってしまう。また腹水の貯留は、門脈圧亢進・膠質浸透圧低下を示し、呼吸困難感の原因となる。
    体液バランスを判断し、体内の水分出納を保てているか判断する
    外観の変化は患者の不安を増強させ、病気に対する治癒への関心や意欲の低下が現れる
    また、ボディーイメージの中には黄疸がある。排泄機能が低下し、胆汁の生成と排泄が障害され、ビリルビンが排泄されず血液中に貯留するため、血中ビリルビンが増加して皮膚などが黄色くなる。その閉塞性黄疸による皮膚掻痒感の出現の有無を知る


    <看護目標>
    1)代償期
     ①肝臓の負担をできるだけ軽減し、細胞の修復をたすけるための行動をとることができ
      る
     ②病気と治療の必要性について理解し、治療を継続することができる

    2)非代償期
     ①苦痛な症状が緩和される
     ②致命的な病態にいたる徴候を早期に発見し、対処することができる
     ③予後への不安などの心理的葛藤をコントロールすることができる

    ○看護活動
    ・症状の緩和
     全身倦怠感が著しい場合は、臥床を促し、安楽な体位がとれるよう援助する。
    以前は、安静にすることは肝臓への血流を増やし、肝細胞の再生や修復を促すということで推奨されていた。しかし、必要以上に安静を保持することによって脂肪肝を引き起こす危険性があるため注意する。
     浮腫がおきている部位は、臥床する際に挙上する、温湿布を行う、入浴時にマッサージするなどして、リンパ液や血液の循環を促す。浮腫がおきている部位は皮膚が伸展して脆弱になっているため、爪などで傷つけないように注意を促す。
     腹水がある場合は、ベッドの頭部を挙上し、ファウラー位またはセミファウラー位にすると、腹壁の緊張がとれて安楽であり、また横隔膜が下がることで胸郭が広がり呼吸が楽になる。寝衣は腹部が圧迫されないようなものを選択する。
    塩分制限が行われる場合には、患者に目的を十分に説明して理解を得る。また、塩分が少ないために食欲不信が強まる可能性があるため、塩以外の調味料で味付けをして、食事摂取量が低下しないように援助する。
    腹水が著明になると、医師により腹水穿刺が行われる。急激に腹水を排液すると、腹腔内圧が急激に低下してショック状態に陥ることもあるため、医師に指示された排液の速度を維持し、患者のバイタルサインや全身状態の変化に注意する。腹水の排液中は、患者はベッド上で体動制限をしいられるため、安楽な体位を工夫する。
    血清ビリルビン値が高い場合は、掻痒感が生じないようにするために病室内の気温の上昇や乾燥に注意する。空調システムが整っている場合でも、夕方の西日で室温が高くなるなど、部屋の向きによる環境の違いがあるため注意する。寝衣は吸湿性があり、皮膚への刺激が少ないものを選び、炭酸水素ナトリウム(重炭酸ナトリウム、重曹)などのアルカリ性薬品を湯に入れて清拭すると、掻痒感が軽減する。かき傷をつくると感染をおこす危険性があるため、爪を短く切っておく。

    ・出血の予防
     血小板数の減少や血液凝固機能が低下している場合は、出血をおこさないように注意する。患者には、深爪をしない、鼻を強くかまない、歯ブラシはやわらかいものを使用するなどして、出血するような刺激を避けるよう指導する。注射や採血を行う場合には、止血を確実に行う。また転倒・転落がおこらないように環境を整え、患者にも注意を促す。
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