授乳行動で看護問題となる「乳汁分泌異常の看護」を解説します

    author photo

    By看護研究科 小日向 さくら

    みなさん、こんにちわ。 看護研究科の大日方さくら(@lemonkango)です。

    今回は、母子絵看護学過程において、必須の「授乳」に関連する看護の実際について解説したいと思います!

    学生のみなさんは、授乳行動についてどこまで知ってらっしゃいますか? この「授乳行動」はお母さんやベビーに何かしらの問題があり、授乳できない事がなります! その理由は様々です。 

    ですので、妊娠期・分娩期でお母さんの情報をアセスメントし、今後、何が問題となるのかしっかりと把握し産褥期に結びつけましょう!
    吹き出し イラスト6

    授乳行動で看護問題となる「乳汁分泌異常の看護」を解説します

    1.乳汁分泌ってそもそもなに?

    201806162211430bb.jpeg

    妊娠中はエストロゲン、プロゲステロンの作用により乳管や腺房・小葉が発達します!

    しかし、乳汁分泌は抑制されます。 分娩後、エストロゲン、プロゲステロンの急激な低下し、これらの乳腺に対する乳汁分泌抑制作用が解除され、プロラクチンの作用が主体となり乳汁が分泌される。

    乳汁分泌は産褥2〜3日までに始まります! 乳汁分泌の仕組みは必ず、図などを書き覚えておくようにしてください! 国試にもよく出題される問題です!

    1-1.プロラクチン(PRL)とオキシトシン(OT)は絶対覚えよう! 


    乳汁分泌では主に下垂体はホルモンであるプロラクチンとオキシトシンが関与しています。

    このホルモンは乳汁分泌に重要な役割を担い、児の吸啜刺激によって分泌が亢進するようになっています 乳房の大きさは乳頭を中心とした上・下に分け、上・下の比率によってⅠ型〜Ⅲ型に分類される。

    大きさ・型の把握は乳汁分泌の予測や授乳時の児の抱き方を助言するときに役立つ。 乳頭・乳輪の柔らかさや乳頭の形・大きさは児が直接乳頭・乳輪をくわえ、舌を使ってそれを口蓋を押し付け乳汁をしごき出し、口腔内を陰圧にして吸い出すことに影響する。 乳頭が突出、扁平、陥没(仮性陥没・真性陥没)のどのタイプであるか、また児の舌でとらえることが可能な大きさであるかを直接授乳の方法や援助のための情報として収集する。

    さらに乳頭・乳輪部の伸びの良いことが児の吸啜のしやすさに繋がるため、伸びの目安となる柔らかにについても把握する。乳頭部の亀裂や痛みは、直接授乳が褥婦にとって苦痛となるため、その有無や程度の確認・観察が必要である。

    乳汁産生・分泌状況
     乳房のはりや緊張の度合いの触診は、乳房内の乳汁の産生や排出の状況を把握するために行う。乳房緊満は血液とリンパが乳腺や周囲組織に増加し、乳房が硬く触れ、熱感や圧痛を伴う状態をいい、通常産褥3〜4日頃に生じる。

    これは、乳汁を作り出す作用が急激におきているための反応であり、分泌された乳汁が排出されず、乳管内に乳汁が溜まった状態を示す乳汁うっ滞とは異なる。

    乳房緊満や、乳管の閉塞のよる乳汁うっ滞、乳腺炎は乳房の痛みを生じるため、痛みの部位・程度・性状を把握する。 乳汁の分泌状態については、乳頭・乳輪部を圧迫して乳汁の排出の状態や排出している乳管の開口数、授乳前後の乳房のはりや緊張の度合いを比較することで、分泌状態や乳管の開通状況を推測する。

    直接授乳を行っている場合は、児の授乳回数や授乳間隔により、児の要求する量を分泌できているかを判断する事ができる。

    アセスメントの視点
    乳房緊満 乳管閉塞 乳腺炎 時期 産褥早期、徐々におこる。

    授乳後、徐々に起こる 産後10日以降、突然におこる。

    部位 両側性 片側性 通常片側性 腫脹・熱感 全体的 限局性 熱感はわずか、もしくはない 限局性の発赤、熱感、腫脹 痛み 全体的 軽度、限局性 強度、限局性 体温 38.4℃以下 38.4℃以下 38.4℃以上 全身状態 良好 良好 感冒様症状

    1-2.初乳と成乳の違いってなんだっけ?

    この項目のポイントは、初乳と成乳の移行期の「日数」になります。

    受け持った産褥期の妊婦さんは産褥日数は何日経過しているのかを把握し、適切な時期にしっかりと乳汁分泌がされているのかを観察するようにしましょう!

    母性看護学実習では産褥期の授乳分泌のアセスメントはいくら学習しても覚えきれるものではないと考えてください! 現場の助産師さんでも迷うことがあります。 看護学生さんならもっと困惑してアセスメントがなかなか進まないのは当然です。

    ですので、下記で紹介している参考書を例にアセスメントしていくのが一番の近道になります!

    母性看護 第2版 (パーフェクト臨床実習ガイド) [ 堀内成子 ]

    価格:3,456円 (2018/6/16 22:21時点)

    詳しく記載されているおすすめリンク



    初乳と成乳の違いとは?時期・栄養成分・色・味・カロリーなど

    1-3.初乳・成乳の定義

    分娩後、(産褥)3日頃までに分泌される乳汁を初乳という。母乳は新生児の発育状況に伴い日ごとに変化していき、初乳から移行乳を経て一定成分の成乳となる。

    初乳 <分泌時期> 産褥3〜5日 <色調> 黄〜淡黄色 <性質> 粘稠性 <特徴> 児の免疫機能を補う。

    児の発育成長を促す。 免疫物質(IgA ,リゾチーム、ラクトフェリンなど)が多い。 ミネラルが多い タンパク質が多い 母乳中に含まれるIgAは免疫機能の未熟な児の小腸に留まり病原性のある腸内細菌から児を守る働きをもつ。

    成乳 <分泌時期> 産褥2週間以降 <色調> 白色 <性質> 漿液性 <特徴> エネルギーが高い 脂肪が多い 乳腺が多い

    2.授乳行動を促進させる看護の役割ってなんだろう?

    20180616221145019.jpeg

    褥期の乳房ケア
    乳汁分泌を促すためには、頻回に授乳をすることである。 授乳による吸啜刺激がプロラクチンやオキシトシンの分泌を高め、腺房内に貯留していた乳汁を排乳することにより、乳汁の産生を高める。また、褥婦の精神的ストレスを軽減してリラックスを促すことは、乳汁分泌に関与するホルモンの分泌を高めることとなる。

    産生された乳汁をスムーズに排出させるには、乳房のマッサージや温罨法を行い、血液循環をよくすると良い。

    乳汁抑制のためのケア
    母乳を与えることができない、あるいは与えない褥婦に対しては乳汁分泌を抑制するためのケアが必要となる。この場合は吸啜刺激を与えず、血液循環を抑制するために乳房を圧迫固定したり、必要に応じて冷罨法を行う。

    また、分泌抑制のための薬剤投与も検討する。

    妊娠期の乳房ケア
    母乳哺育としての妊娠期の乳房のケアについては時期や内容をどの程度にするか一概にはいえないが、一般的な内容は次の通りである。

    1)乳房の支持 妊娠によるホルモンの影響から乳房は増大する。乳房を圧迫しないよう、乳房の変化に合わせたブラジャーを着用するようすすめる。

    2)乳頭の清潔 妊娠18週頃より初乳がごく少量ながら分泌される。粘稠度が高く、乾燥して乳頭の表面を痂皮様のものがある場合、入浴1時間くらい前に乳頭にコールドクリームを塗布したり、オイルを含ませたコットンなどで湿布したりしてから清拭・洗浄する方法を指導する。

    3)陥没乳頭の手入れ 陥没乳頭や扁平乳頭は授乳が困難となりやすく、乳頭トラブルを誘発しやすい。できれば妊娠中から入湯の形を整えて置けるよう指導する。乳頭・乳輪部のマッサージを勧めたり、プレスとシールドを用いることもある。しかし、乳頭のマッサージはオキシトシン分泌を促し、子宮収縮を誘発しやすいので、流・早産の既往のある妊婦や切迫流・早産の妊婦は禁忌である。

    4)乳房・乳頭マッサージ 乳房マッサージの方法はいくつかあるが、SMC方式では妊娠16週頃から乳房マッサージ・乳頭マッサージを行うよう指導している。妊婦自身で行う方式のため、妊娠期より慣れておくことが重要であるとしている。

    また、母乳育児をするという意識付けに繋がるとしている。やはり、切迫早産の徴候のある妊婦では子宮収縮を誘発しないために妊娠36週を過ぎるまでは控えるよう指導する。 この他の方式では、妊婦自身ではなく他動的に行うことが多く、妊娠期のマッサージは不要であり勧められていない。

    3.看護学生さんが行う授乳行動を促進させるために必要なことって?

    乳汁分泌異常の看護 画像

    ここで紹介する内容はアセスメントや看護計画に取り入れてくださいね!

    休息を促し授乳行動を促進させる。
     分娩後,交感神経の興奮や後陣痛・創部疝などのために睡眠が十分にとれなかったり,授乳など児の世話により,短時問で細切れの睡眠となることから,褥婦は唾眠不足になりやすい。

    睡眠不足は,疲労の蓄積や育児への意欲低下の要因となる。 看護学生さんは,褥婦さんの睡眠状態や疲労の程度を観察し,睡眠や休息をとることができる環境を整えるよ配慮します。

    また,褥婦さんが自身の基本的ニーズを満たすこと(出産後の疲労など)や,育児に関する以外に多くの時間をさき(ここをしっかりとアセスメントや観察しましょう!)、エネルギーを消耗している場合は,その時問を調整、看護学生さんが訪室する時間など配慮していきましょう。

    ベビーの世話をすることが困難である場合は,一時的に児を預かるなどし,活動内容を調整したり,睡眠や休息しやすい場をつくるといった調整を行なわれます。 

    これは助産師さんなどが配慮しますので、看護学生さんはアセスメントはしますが、指導者さんや教員などには柔らかく?「❍❍さんは〜で疲労しきっていて、涙を流したり、ベビーの世話ができる精神状態でないかもしれません」と言葉を濁して伝えると、プライドが高い助産師さんやおキ・ツ・イ教員さんにお説教を食らうことなくやり過ごすコツになります!

    退院後は睡眠や疲労の程度のほかに,日常生活のパターンを把握し,休息や睡眠不足に陥っているときは,その原因を探る。 この状況把握に基づいて,休息や睡眠のとり方について褥婦とともに検討し,助言する。エネルギーを維持するためにどのような方法があるのかを,時間や活動の調整に焦点をあてて考えていく。

    活動を促し授乳行動を促進させる。
      過度の活動は疲労につながりますが,不必要な活動の制限は逆に身体機能の回復に影響するため,適度な活動が求められます。

    適度な活動は,血液循環を促し,悪露の停滞を防ぎ,子宮の収縮を早めるだけでなく,全身の筋力の回復も早める。

    さらに,褥婦の爽快感や健康観につながる。 産褥日数によって,褥婦の適切な活動量は異なる。活動の拡大について褥婦に説明し,活動が過度にならないように理解を促す。

    産褥体操を促し授乳行動を促進させる。
    意識的に運動を取り入れることによって,産褥期の回復を促すことも可能である。

    産褥期に行う適度な運動として産褥体操がある。 しかし,入院中および退院後に,このような運動をどのように日常に取り入れて行うかは,褥婦の意欲にまかされる。

    したがって,どのように取り入れて実施するかを褥婦さんと相談し,継続できるような方法や生活の調整していきましょう(これが退院前のパンフレットなど作成するときのコツになりますね!

    栄養を促し授乳行動を促進させる。
    正常な産褥経過を促すために,十分な栄養が摂取できるように援助する。 産褥早期は,胃の位置が変化することにより食欲が減退することがある。

    また,妊娠前の体重に戻らず,肥満につながるおそれがあるので,食生活の指導を行う必要もある 栄養摂取は,身体の回復を促し,母乳を与えている場合は,母乳を通して児の健康状態にも影響する。

    母親の摂取したビタミン量は,母乳中に含まれるビタミン量に影響する。また,乳汁分泌が増すと,乳汁に含まれる栄養を付加して摂取する必要かおる。 しかし,これは1日の乳汁分泌量が780mLとして算出されているため,その褥婦の分泌量によって付加量を検討する必要がある。

    また,授乳を行っていない褥婦は,付加する必要はない。 褥婦の食事は,バランスよく必要量を摂取することであるが,とくにタンパク質は組織の再生や治癒に役だち,母乳による喪失分を付加する必要がある。鉄分はヘモグロビンの合成に使われるため,これらの栄養素に富む食事を摂取するように、その理由共に褥婦に伝える 栄養面での援助は,褥婦の食事摂取量や内容を知り,必要であれば褥婦の健康状態(授乳の有無,貧血や便秘症など)を考慮して,栄養や食事摂取についての情報を提供する。

    また,食事づくりが本人でない場合は,食事をつくっている大にも情報を提供する。

    排泄を促し授乳行動を促進させる。
    産褥期は,分娩時の影響により排尿障害がおきやすく,また便秘になりやすい。膀胱充満や直腸内貯留は,子宮収縮を阻害するとともに,尿の貯留は尿路感染の原因となる。

    排尿を促し授乳行動を促進させる。
    分娩による膀胱・尿道の損傷や麻痺の有無を確認し,3~4時間ごとの自然排尿が可能であるかを確認する。

    排尿回数が少ない場合は,排尿困難によるものか,水分摂取量の少なさによるものかを明らかにする。水分摂取が少ない場合は,尿路感染の予防のために排尿を促すことが必要であることを説明し,水 分摂取を促す。

    また,どのような状況からそれが生じているかを明らかにし,褥婦が適量の水分を摂取できるよう援助する。排尿困難がある場合は,流水の音を流すなどの排尿しやすい環境をつくったり,下腹部の圧迫や,外陰部に温水を流すなどの排尿を刺激する援助やその方法を指導する。

    排便を促し授乳行動を促進させる。
     排便については,日々の排便の有無や,非妊時妊娠中の排便習慣および,その対処方法を確認し,また腸蠕動の聴診を行う。 排便を促すために,腸蠕動を促す方法を試みたり,会陰部の縫合に対する不安といった心理的な要因を取り除いたり,便意を感じたら排便するよう伝え,落ち着いて排便できる環境を整えるようにする。

    褥婦は児の要求に合わせるため,便意を感じても児の世話を優先させたり,児のことが気になり排便のための時間を十分にとることができないこともあるため,排便の環境を整えることは重要な援助である。

    便秘を促し授乳行動を促進させる。
     便秘とは,排便回数が少なく過度に排便がおくれること,または腸管をかたい便が通過することである。

    便秘の原因は,水分や食物の摂取が不適切であったり,運動不足によるものである。

    産褥早期は,食物の摂取が少なく,活動量もかぎられており運動不足になりやすい。 食物,とくに食物繊維を多く含む食物は腸の内容物の容量を多くし,腸を拡張することにより便の排出を促す。

    したがって,摂取している食物の量や内容を把握し,摂取量が少ない場合は,その原因を探り改善策を褥婦とともに検討する。 さらに,産褥早期は日常生活における活動量が少ないため,腸蠕動を促進するために産褥体操などをすすめて意図的に活動するように助言することも必要である。

    また,水分は便をやわらかく保つために必要であるが,乳汁の分泌亢進に伴い水分量は非妊時よりも多く必要になるにしたがって,水分摂取についても情報を収集し,水分摂取が少ないときは摂取をすすめる。 目覚めたときや食事のあとなどは,結腸の平滑筋の活動が活発になり,排便が促されやすいため,便意が生じた場合は排便を試みることを伝える。

    さらに蠕動を促すための腹部マッサージの仕方を説明する。腹部の温罨法は腸蠕動を促進する効果があるが,子宮収縮を妨げ,出血の誘因になるため,褥婦には実施しないことが原則である。 これらをふまえ,便秘が生じている状況を明らかにし,その褥婦に適した方法を検討し,正常な排便習慣に戻るように援助する。

    また,分娩後2~3日排便がない場合や,便秘による不快感が増している場合などは,医師に薬剤の処方を要請することも必要である。薬剤によりそのはたらきや作用が異なるため,それを理解したうえで褥婦に服用をすすめる必要がある。

    たとえば,塩類下剤は腸内溶液が体液と等張になるまで腸管内に水分を移行させ,その水分によって腸内容が軟化して増大することにより,蠕動を亢進させる。したがって,大量の水分とともに服用するよう褥婦にすすめることで,排便が効果的に促される。

    清潔を促し授乳行動を促進させる。
     産褥期は,発汗しやすく,また乳汁が分泌され,悪露が排泄される。これらの分泌物は身体の不快感をまねくとともに,不適切に対処すると,子宮内や会陰の損傷部,あるいは乳房に感染を生じさせる可能性がある。

    全身の清潔を促し授乳行動を促進させる。
     産褥1か月までは子宮内膜が治癒過程にあるため,入浴は腟からの上行感染を防ぐために禁止される。したがって,全身を清潔にする方法としては,シャワー浴をすすめる。シャワー浴は,産褥1日から可能であるが,褥婦の回復状態によってシャワー浴や洗髪に際して必要な介助を行い,シャワー浴が不可能である場合は清拭により清潔を保持する。

    産褥期は,悪露の排泄や,会陰部に損傷があるため,感染を防ぐために外陰部を清潔に保つことは重要である。看護師は外陰部の状態を観察し,洗浄を行い,異常の早期発見に努める。排尿・排便後は必ず,外陰部を消毒洗浄綿による清拭あるいは微温湯による洗浄を行い,かならず手前から肛門に向けてふくように説明し,実施してもらう。

    悪露の付着したパッドは紺菌の温床となりやすいため,3~4時間ごとに交換するよう耨婦に説明し,実施してもらう。交換したパッドは褥婦本人に観察してもらい,量が多い,血の塊が排泄されたなどの情報は重要であるため,看護師にそのことを告げ,パッドを見せるように伝えておく。悪露に異常がみられるようであれば,子宮の収縮状態を確認する。

    乳房のケアを促し授乳行動を促進させる。
    乳汁分泌のためのケア 乳汁分泌を促すためには,頻回に授乳をすることである。 授乳による吸畷刺激がプロラクチンやオキシトシンの分泌を高め,腺埒内に貯留していた乳汁を排乳することにより,乳汁の産生を高める。 また,褥婦の精神的ストレスを軽減してリラックスを促すことは,乳汁分泌に関与するホルモンの分泌を高めることとなる。

    産生された乳汁をスムーズに排出させるには,乳房のマッサージや温罨法を行い,血液循環をよくするとよい。 乳汁分泌抑制のためのケア 母乳を与えることができない,あるいは与えない新婦に対しては,乳汁分泌を抑制するためのケアが必要となる。 この場合は吸啜刺激を与えず,血液循環を抑制するために乳房を圧迫固定したり,必要に応じて冷罨法を行う。

    また,分泌抑制のための薬剤投与も検討する。

    乳房緊満を促し授乳行動を促進させる。
     通常,産褥3~4日ごろに生じ,血液とリンパが乳腺や周囲組織に増加し,乳房がかたく触れ,熱感や圧痛を伴う状態である。

    この状態への対処は,児の欲求に合わせて頻回に授乳を行うことである。 また,緊満による疼痛が強い場合は,授乳と授乳の間に冷たいタオルなどで冷湿布をして,痛みや浮腫を軽減する。さらに,授乳前に温湿布やあたたかいシャワーを浴びることによって,組織を弛緩させ,乳汁の分泌を促す。

    乳房の過度の充満により乳頭が扁平になり,児が乳頭や乳輪を含むことが困難となりやすいため,授乳前には乳頭・乳輪部をやわらかくして,児が吸いつきやすい状態に整える。また,乳房をしめ付けるような衣類を避けるように褥婦に説明する。痛みが強い場合は,鎮痛薬の処方を医師に要請する。

    4.授乳分泌異常の標準看護計画

    201806162211453b4.jpeg

    看護上の問題
      ・乳汁分泌不良により母乳栄養が確立できない可能性がある ・母乳栄養に対する意欲減退 ・乳房に亀裂や発赤などの異常の出現 ・乳頭・乳房の形による吸啜困難
    期待される結果
      乳汁分泌が良好で母乳栄養が早期に確立する。

    観察項目(O-P)
    (1)乳頭の形、乳房緊満の程度、乳管開通状態、乳汁分泌量、乳頭亀裂の有無を授乳のたびに観察する。
    (2)児の吸啜状態
    (3)授乳時の児の抱き方、乳頭の含ませ方、姿勢
    (4)副乳・腋窩リンパ節腫脹・疼痛の有無
    (5)母親の疲労の程度
    (6)乳頭開通の本数
    (7)産褥日数
    (8)母乳栄養なのか、人工栄養なのか

    援助計画(T-P)
    (1)乳頭マッサージの施行 ・分娩直後、産褥1-2日は1-2、1回3-5分程度(授乳前に行う)
    (3)分娩後24時間前後に直接母乳を開始する。
    (4)乳房マッサージ施行
    (5)残乳処置の指導を行う
    ①哺乳瓶やタオルなどに、授乳後の残乳を搾乳させる。
    ②手技は母指と第2指で、乳頭を上下、左右につまみ、搾乳する。

    教育計画(E-P)
    1.乳房自己マッサージ法、搾乳法について指導する
    2.児の吸啜の重要性について説明する
    3.睡眠、栄養、精神的安静の必要性について説明する
    4.乳頭・乳房の清拭または消毒の仕方について説明する。

    5.まとめ

    いかがでしたでしょうか? 物足りない内容になっている部分もありますが、もっと、こういう内容が知りたいなどありましたらコメント欄にご記入ください!
    関連記事
    Share

    Comments 0

    Leave a reply